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高年期[一学期編]
文化祭最終日②
しおりを挟む「・・・なんか前、試着した時よりパワーアップしてない?」
「ふふふ・・・紫音さんに頼んで凝った服装にしてもらったんですのよぉ~!」
をいっ!なんかさっきのセリフ悪役令嬢みたいだぞ!?
前回はゴスロリ風の衣装だったのだが、昨日の和装姿をみて、和と洋を足した衣装が出来上がったらしい。
「うん・・・これなら着てみたいかも。・・・でも僕に似合うのか?」
「似合いますとも!さあさあ時間は無限ではありません!さっそく取り掛かりますよ!」
「「「はーい!」」」
おふぅ・・・女性陣の覇気のようなオーラが凄まじいです・・・
準備期間に試着した服はゴスロリ系の衣装だった。スカートにフリルが付いてて膝より上という短いスカートだった。で、頭には猫耳にフリルの着いたカチューシャを付けられてたような気がする。どこもかしこもフリルでフリフリ~のフワフワ~な感じの衣装だったんだが・・・
今、目の前にある衣装は・・・簡単に言えば巫女の様な衣装を露出多目にして、前回同様スカートはフリフリ~な感じになっている。
うわぁ・・・前世でこんな衣装着て町中歩いたら痛い子に見られるわぁ・・・。もちろんスカートの後ろには・・・ん?フサフサの尻尾?ああ、ペルシャ猫とかをモデルとしたのかな?
「ぼ、僕、こんな高いヒール履いたら転びそうだよ・・・」
「大丈夫ですわ!お兄様が一緒なんですから、流依様なら薫風くんに傷1つ付けないと思いますわよ?」
「な、なんか化粧も・・・もういつもの僕の面影が無くなってる・・・化粧、恐ろしいものだ。」
「はぁ・・・薫風さん、とても素晴らしいですわ・・・」
「・・・あまり嬉しくないよ紫音さん。」
もう僕の精神はすり鉢でゴーリゴリと削られてる状況ですよ・・・
完成した自分の姿を見て更に驚く!・・・え?これ本当に僕なの!?
「素晴らしいですわ薫風さん!昨日も繁盛致しましたし優勝狙えますわ!」
「八乙女さん・・・素敵ですわ。はぁ・・・達成感で心が満たされましたわ・・・今日頑張れば明日お休みですわね・・・」
「ええ!今日乗り切ればゆっくり休めますわ。感無量ですわ・・・」
令嬢たちが口々に感想をのべていった。うん、確かにこれは凄い!完成度が高すぎる。
上から順に、髪型は緩やかなウェーブがかかっているツインテール。あ、上に結ばず緩く結ばれ肩に掛けてる感じの髪型。色はなんと空色!明るい青なのだ!よ、よくこんな色を見つけたな・・・猫耳は白色だった。そして昨日同様猫耳が本当の耳だと見せるように髪で僕の耳を隠している。
そして顔はバッチリメイクされました。付け睫、頬紅、唇にはリップを塗りたぐられテカテカです。・・・でも何故か全体的にみても1ヶ所だけが主張してるわけでもなく、完璧なメイクをさせられた。
服装は先程言った通り巫女の衣装にロリータ風の衣装を合わせた感じの、相変わらずスカートはフリフリで上半身は浴衣のような形で帯の部分には大きなリボンが付いていた。色はダークブラウン。明るい黒のような感じの色だなぁ。
そしておまけ付き。巨乳ではないが胸元にはふっくらした物が2つ取り付けられました。これじゃ何処からどー見ても女性です。・・・これ、いらなくない?世の中には貧乳さんもいるんだからさぁ・・・こんなおまけ要らないです。
・・・あ、思い出した。クラ○プの絵でみた事がある!あと和楽器のアーティストのボーカル達が着ている衣装みたい・・・あ、テンション上がってきた。
いざ更衣室を出るといつもの様に注目を浴びた。・・・うん、気にしないよ。
「じゃあ薫風くん。今日はあくまで女性になった気持ちで口調も令嬢のように、ね?」
「・・・コホン、わかりましたわ。・・・これで良いですか?」
「・・・完璧よ薫風くん。まぁ元女子だから偏見はないよね。」
「ええ、大丈夫よ。今日1日なりきるわ!」
そして教室へと戻ると、いつも通り黄色い歓声が上がりました。もう慣れたよ。
そして主に男子しかいなかったため顔を赤らめ凝視された。・・・惚れるなよ?
・・・ザワッ!
な、なんか一瞬だけど嫌な視線を感じた。
・・・背中から嫌な汗が流れる。・・・今日は宣伝でほとんど教室にいないから・・・それに流依兄さんいるし、大丈夫だよね?何も、起こらないよね?
そしていつも通り学校内に開始の放送が流れ校門から一般人が入門してきた。
クラス長は1日目と違う燕尾服を着て、同じ猫耳を着けていた。・・・なんでも僕の護衛という設定?らしい。
「ようこそお嬢様方。どうぞ、我が屋敷へお出でください。」
「・・・」
僕は取りあえずボロがでないようお淑やかな令嬢を演じ目があった人に優しく微笑み返している。
女装しているせいか、いつもは女性の目線を多く感じていたが今日は男性からの目線を集めていた。
うぅぅ・・・ひ、久々の嫌悪感がきました・・・
きょ、今日1日だけ我慢すれば大丈夫!うん、優勝の為頑張ります!
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