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高年期[一学期編]
文化祭1日目②
しおりを挟むそれからクラス長の言った通り僕は磁石の様に客を集め、教室と廊下をうろうろと往復する。
・・・風間くんはとても人気で、10分という時間を制限して来てくれた客とお話していた。
クラス長が休憩しようと言われ教室の裏方の方へ行き椅子に座る。
「はぁ~、薫風くんの宣伝は絶大だったね。客が途絶えないのは良い事だよ。」
「うん・・・まぁあれで良かったのか甚だ疑問に思うけどね・・・」
「まぁ、少ししたら手伝おうか。」
と、そこへ生徒がクラス長を呼びに来たので席を外した。・・・僕は少し喫茶店が気になり除いてみると・・・ん?
・・・風間くん、少し疲れてる?
あ、席を立った。
「・・・風間理事長、少し良いですか?」
「・・・?わかった。今行きます。」
風間くんに話しかけ裏方へと呼ぶ。・・・そして風間くんに椅子に座るよう促す。
「・・・風間先輩、大丈夫ですか?なんか・・・疲れてるようですが」
「・・・」
ん?風間くん、僕を凝視して無言なんですが・・・
「・・・薫風、なんでわかったの?」
「い、いや・・・なんか顔が無理してる笑顔で引きつってたから・・・っ、うわっ!」
「あー・・・薫風は本当に・・・」
僕がそっぽを向いた時に、腕を引っ張られ風間くんの腕の中へ飛び付く形になり抱き締められた。
「薫風、本当にその姿似合ってるよ。・・・もうここで犯したい位だ・・・」
「ちょ、なんて事を言うんですか!・・・離してください!」
「・・・少しだけ私の腕の中にいて・・・薫風を抱き締めるだけで癒されるから・・・」
「・・・少し、だけですよ。」
相当弱ってるみたいだなぁ・・・熱とかないよね?
額に手をあててみる。・・・うん、平熱だね。・・・ああ、理事長だもんねこの人。それに領主だし。さらに文化祭中は休む事なくクラスへ手伝いに行くって・・・大変じゃないのかな?
「・・・風間先輩、ちゃんと休んでますか?」
「うん・・・五十嵐が調整してくれてるから、一応休みは取れてるよ。」
「・・・そうですか。」
なんだか今にも寝そうな状態だけど、本当に大丈夫か?
時間にして大体10分程、何もしない、ただただ抱き締めらてるだけで、それから直ぐに解放され「ありがとう」の一言言って教室から出ていった。
・・・銀徹さんは風間くんの代わりに仕事をしているらしく理事長室にいるらしい。・・・あとでお裾分けしに行こうかな。
それから十分休憩をとったので、役割分担された通りテーブルの近くへ行ってカップが空になってるのを見つけては声をかけ紅茶を注いでいった。
昼。
だいぶ客が減ってきたので数人で休憩をとることになった。
まぁ喫茶店だからねぇ。紅茶で腹は膨れないからね。丁度昼時は食堂の方へ行くよねぇ。
「薫風くん、次は君の休憩の時間だよ。行ってきなよ!」
「わかった。有難う。」
クラス長と入れ替わり休憩に入った。
とりあえず流依兄さんのいる3ーBへ行こう。
「流依兄さん!休憩もらってきたよ。」
「薫風か。・・・ああ、可愛い格好してるね。ちょっと待っててね準備するから。」
「うん。・・・ん?」
「こんな所で会うなんてな。それにしても可愛い格好してるな。なぁ薫風。」
「・・・二階堂先輩。って、うわっ!?」
あー・・・会いたくない人に会ったな・・・てか僕を見つけるなり後ろから抱きつかないでほしい。切に願う。
「・・・何してるの二階堂くん。薫風を解放して。」
「いいだろ?最近会ってなかったんだから。んーそれにしても可愛いな。これは鹿の耳か?それに小さい尻尾。」
「ひえっ!?ちょ、お尻触らないでください!」
「・・・二階堂、離れろ」
あ、兄さんがキレそう。ちょ、マジで離れて二階堂くん?
ベリッと二階堂を離して流依兄さんの腕の中に収まった。
「・・・お前のその過保護はいつまで続くんだ?」
「ずっとだよ。全く・・・一体いつまで薫風に付きまとうんだい?諦めの悪い奴だね。」
「お前は弟に執着し過ぎなんだよ。弟離れしろ。」
あーあー、何故か僕の事で言い合いになっちゃったよ・・・
「二階堂先輩、僕は始めから兄さんと周る予定なんです。ですので失礼します。」
「・・・そうゆう事だ。じゃあね。」
ガシッ。・・・ん?
「私も丁度休みに入ったんだ。私も一緒に周る。」
「「は?」」
あ、兄さんとハモった。・・・二階堂くん、話聞いてた?
「別に構わないだろう?丁度昼休憩なんだ。3人で仲良くしよう・・・?」
「・・・に、兄さん、今日くらい良いんじゃない?・・・てか目立つから早く移動したい。」
「・・・・・・・・はぁ。」
流依兄さんはふいに僕の右側に寄り添い腰を抱いてきた。・・・それ女性をエスコートする仕草だよね?
・・・ってか左側に二階堂くんが回って肩を抱かれたのですが・・・
あぁ・・・逆ハー完成しました。・・・自分に合掌。
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