上 下
106 / 313
高年期[一学期編]

なんやかんや皆に心配される

しおりを挟む
それからお昼になり流依兄さんがクラスに来てくれた。





「・・・おはよう薫風。・・・風間理事長の家にお世話になったんだってね。」

「おはよう兄さん。なんだか兄さんに会うのが久々な気がするよ。・・・うん、昨日まで風間先輩にお世話になったよ。銀徹さんもいたし。」

「そっか五十嵐秘書もいたんだね。・・・それより身体は大丈夫かい?詳しくは知らないけど動きがぎこちないよ?」

「あぁうん。大丈夫だよ。体育もないし無理はしてないから。」

「そう。・・・帰ったら詳しく聞かせてね。」







・・・流依兄さん、なんか笑顔が怖いっ!?




昼食を取り終わり談笑しているとふいに誰かに呼ばれた。・・・ん?誰?







「八乙女薫風くん?」

「あ、はい。」

「俺、1ーCの鳳克典かつのり。ああ、丁度流依義兄さんもいるね。・・・夢美義姉さん、もうすぐ臨月だから、いつ呼ばれても良いように準備しておけって。義兄さんにも伝えといて。」

「そっか、お腹大きかったもんね・・・。わかった、有難う鳳さん。」

「・・・克典でいい。俺も今度から薫風って呼ぶから。親戚になったんだから名字呼びは可笑しいだろ。」

「ああ、わかった。克典、有難う。」






へぇ~あれが可武伊義兄さんの弟くん。・・・うん、問題児と言ってたけど、至って普通の同い年の子じゃないかな?見た目は可武伊義兄さんを幼くした感じだね。・・・当たり前か。







「・・・あれが八乙女薫風か・・・噂通り可愛い顔をしていたな。成績は優秀、ね。あーやっと楽しい学園生活ができそうだ。」







・・・薫風には克典の呟きは届かず教室に戻った。










・・・そして放課後。




「やぁ薫風くん。・・・その後、体調はどうだい?」

「庭師さん。・・・ええ、少し周りの視線は気になりましたが大丈夫でした。」

「そっか~・・・よかったね。またジャスミンティー飲むかい?」

「あ、頂いて良いですか?」






今日は珍しく何人か花園に生徒がいた。愛翔さんはまだみたいだ。



庭師こと鬼龍院さんがニコニコ人の良さそうな笑顔で僕に話しかけてきた。うわぁ・・・なんか、いろいろと、大変ですね・・・。





ん?あの制服姿は・・・





「・・・蛭間さん。こんにちは。」

「お、薫風ちゃんやないか。なんや久々やな。ジャスミン飲みに来たんか?」

「あ、はい。庭師さんに勧められて。」

「そか!じゃあ準備したるから、ベンチに座って待っておれ。」

「有難うございます。」





なんやかんや蛭間さんって面倒見良いよね。



それからそそくさと準備をしてくれる蛭間さん。








・・・あ、あれ?茶葉、多くない!?



・・・ちょっと・・・ポットに葉を入れたのに何故カップにも葉を入れる?




・・・まさかのMASAKA!?




「あ、の・・・蛭間さん?そのカップの中に入ってる茶葉はどうするのですか?」

「ん?お湯を入れて飲むんやろ?」

「・・・蛭間さん、葉は飲めませんよ?・・・もしかして茶を入れた事は・・・?」

「おーもちろん無い!ただ茶を入れてお湯を注げば良いんちゃうん?」

「・・・僕がやります。」





よくお茶を入れる気になったな・・・でも茶を入れる位、誰でもできるような・・・?





とりあえず一から茶葉を入れ始める。そしてカップに注いだ時に鬼龍院さんも来て一緒に飲み始めた。




そして暫くして愛翔さん流依兄さんが花園へとやってきて談笑して兄さんと家へ帰った。





あー・・・なんだか濃い2日間を過ごしたせいか、我が家が久々な感じがする。




皆揃って夕飯をとった。両親にも心配されたが何とか明るく振る舞い会話を楽しんだ。うん、やっぱり家族が一番だなぁ~





そして風呂を済ませ部屋に帰ろうとした時、流依兄さんに引き留められた。







「薫風。・・・だいぶ疲れてるみたいだね。」

「あ・・・流依兄さん。うん、大丈夫だよ。心配してくれて有難う。」

「少し・・・話、できるかい?」

「うん。もう寝るだけだから良いよ。兄さんの部屋に行こうか?」

「そうだね。ついで、僕と一緒に寝よう?」

「わかった。準備してから行くね。」






久々に兄さんと寝るなぁ~。なんかソワソワする・・・
しおりを挟む
感想 263

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...