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高年期[一学期編]
閑話休題...兄動く
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~こちらは前半、鳥羽愛翔。後半、五十嵐銀徹目線です~
___________
八乙女薫風が前世の妹、八王子花彫だと確認が取れ、行動を開始する。
3ーDのクラスへ・・・
「こんにちは。鳥羽といいます。神泉清人くん、いますか?」
「おっ!鳥羽じゃん。どーしたの?」
この神泉は・・・実はいつの間にか出来ていた薫風の親衛隊隊長だ。・・・神泉は至って平凡な容姿なんだが頭が回る奴で薫風の影で悪い虫がつかないよう牽制している奴だ。
こいつなら・・・俺達の前世を聞いても害はないだろう。
放課後、防音室に呼び出し2人きりになり・・・話を節々をかい摘まみながら話をした。
「・・・この話を誰かに話したのは初めてです。信じてもらえないかもしれませんが、前世の薫風の兄として、薫風を安全に学校に通えるようにしてもらいたいんです。」
「う~ん・・・なんというか・・・率直な意見、信じられない。」
「ですよね・・・」
「でも鳥羽の事は少なからず、他の奴よりは信用してるから、時間はかかるが信じるよ!」
「!・・・ああ、有難うございます。」
「その口調!・・・直らないの?」
「ん?・・・ああ、前世を思い出すと、どうしても敬語になってしまうんだ。・・・すまないね。」
「まぁいいけどよ。・・・で?俺は何したらいいんだ?」
「あぁ・・・まず始めにーーー」
俺が考えてる事を話す。・・・まず、薫風の親衛隊が何人いるのか。さらに1年にはどのくらいいるのか・・・
そして前に花園で薫風の今の兄、流依くんが言ってた事・・・
「・・・薫風くんのクラスに変な奴がいる?」
「うん・・・流依くんは人一倍気配りが出来る人だからね。気配探知も鋭いんだと思うんだ。・・・そんな流依くんが、「薫風のクラスに行った時に気持ち悪い視線を感じた。嫌な感情を持ってる奴がいる」って言ってたんだ。・・・それが気になって、ね。」
「へぇ~・・・弟LOVEの流依くんがねぇ~。まぁ薫風くんの事となるとすごい能力を発揮する人だからね。・・・うん、少し調べてみるよ。何かわかったら教えるわ~。」
「うん。よろしくね。」
僕も少しは調べないと、ね・・・
・・・とりあえず、僕も親衛隊に仮入部?しておこうか。その方が情報が入りやすいし。
________
「風間、少し話がある」
「珍しいな、そんな改まってどうした?」
こいつは小学生の頃、薫風が学年長になったのが切っ掛けに出会い、執着するようになった。
薫風が嫌がる事はしてないようだが・・・前世の俺の妹とあって、ほっとく事はできない。
「お前・・・もし薫風に何があっても守ってやれるか?」
「・・・何だ急に・・・五十嵐、お前あの音楽祭の頃から変だぞ。しばらく秘書から休むか?」
「・・・答えろ。」
「・・・俺はそのつもりだ。薫風がいないと生きていけない程、大切な存在だ。何があっても守る。」
「・・・ふっ、そうか。それが聞けてよかったよ。」
「・・・自己完結か。・・・ほんと、どーしたんだ?休みが必要か・・・?」
「いや、大丈夫だ。・・・すまんな、俺らしくない変な事を言ったな。」
「・・・いや、いいさ。・・・それよりこれを整理してくれ。」
「・・・わかった。」
薫風の今世の兄、流依の次に信頼のおける奴は風間だろう。・・・まぁこいつは流依同様、薫風に溺愛してるから心配ないだろう。ただ、無理矢理犯すような犯罪めいた事をするようなら・・・俺が許さないがな。
外を見ると花園にはいつもの人物たちが笑いながら話している。放課後は愛翔と流依に任せれば危ない事は起きないだろう。
・・・少し時間が空いたので花園へ行く。すると愛翔が先に気付き薫風を呼ぶ。・・・すると
「銀徹さん!」
「・・・薫風。」
ドンッ!と容赦なく突進してきた。・・・だがそれが嬉しくて思わず抱き締めてしまった。
・・・これは記憶が戻ってからの変化で、今まで俺に嫌悪感を感じ遠巻きにしていたらしい。・・・まぁ仕方ない事だ。
薫風は3歳の時に前世の記憶が甦ったらしい。
自分が突き落とされ死ぬ瞬間まで鮮明に思い出したらしい。・・・あの強姦された記憶もだ。そのせいで男性に嫌悪感を感じるらしく親しい真柄の男性じゃないと近付くだけで体調が優れなくなるらしい・・・
不便。なんとも不便すぎる薫風の状態に胸が裂けそうな程苦しくなった。・・・思い出さなくてもいい事だってあるのに・・・強制的に思い出してしまえば・・・もうどうしようもなくなる。
そんな薫風の人生に少しでも安心して送れるよう手助けしなくてはな・・・
「銀徹さん、今日はもう仕事終わったんですか?」
「いや、少し時間が空いたから息抜きに来ただけだ。愛翔と薫風の姿が見えたから来たんだ。」
「そっか~まだ仕事が残ってるんだね。でも銀徹さんに会えて嬉しいよ~」
「・・・こら薫風。・・・庭師さん、いるよ。」
「・・・あ。」
「はは!気にせずに。とても仲が良くなったんですね~。私はあちらでもう少し作業してますので何かあれば声をかけてください。」
「えっ、あ・・・すみません。」
庭師に気を遣わせてしまったか。・・・まぁいいか。
しばらく話して流依が薫風を迎えに来た所で解散となった。
「お前・・・いつの間に薫風と仲良くなったんだ?」
ん?・・・ああ、抱き着かれた場面を見られていたか。
「ああ、あの音楽祭の時に、な。色々な話をして意気投合したんだ。・・・なに、風間のライバルになるつもりはないから安心しろ。」
「・・・私は未だに薫風から抱き着かれた事がないのに、何故先に五十嵐の方になついたんだか・・・人たらしも大概にしてほしいな。」
人たらし、か・・・うん、確かに今の薫風の姿は誰にでも好かれる容姿に話しやすい態度が好評なのだろうな。
まぁ、それは仕方のない事、だな。
俺の妹は過去も現在も可愛いのだからな。
そいつを守るのが兄としての役目だな。・・・その為に前世を取り戻したのかもしれないな。
愛翔の言ってた薫風のクラスに嫌な感じの奴がいるとか言っていたな。
・・・まさか、俺達のように前世の記憶を持った奴がいて、さらにそいつがあの・・・強姦魔だとしたら・・・
いや、口は災いの元。確証がないうちは話さない方が良いだろう。
それにもし奴だとしても薫風が花彫だとわからなければやり過ごせるはず。
胸騒ぎはするが・・・どうか杞憂に終わってほしい。そう願わずにはいられなかった。
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八乙女薫風が前世の妹、八王子花彫だと確認が取れ、行動を開始する。
3ーDのクラスへ・・・
「こんにちは。鳥羽といいます。神泉清人くん、いますか?」
「おっ!鳥羽じゃん。どーしたの?」
この神泉は・・・実はいつの間にか出来ていた薫風の親衛隊隊長だ。・・・神泉は至って平凡な容姿なんだが頭が回る奴で薫風の影で悪い虫がつかないよう牽制している奴だ。
こいつなら・・・俺達の前世を聞いても害はないだろう。
放課後、防音室に呼び出し2人きりになり・・・話を節々をかい摘まみながら話をした。
「・・・この話を誰かに話したのは初めてです。信じてもらえないかもしれませんが、前世の薫風の兄として、薫風を安全に学校に通えるようにしてもらいたいんです。」
「う~ん・・・なんというか・・・率直な意見、信じられない。」
「ですよね・・・」
「でも鳥羽の事は少なからず、他の奴よりは信用してるから、時間はかかるが信じるよ!」
「!・・・ああ、有難うございます。」
「その口調!・・・直らないの?」
「ん?・・・ああ、前世を思い出すと、どうしても敬語になってしまうんだ。・・・すまないね。」
「まぁいいけどよ。・・・で?俺は何したらいいんだ?」
「あぁ・・・まず始めにーーー」
俺が考えてる事を話す。・・・まず、薫風の親衛隊が何人いるのか。さらに1年にはどのくらいいるのか・・・
そして前に花園で薫風の今の兄、流依くんが言ってた事・・・
「・・・薫風くんのクラスに変な奴がいる?」
「うん・・・流依くんは人一倍気配りが出来る人だからね。気配探知も鋭いんだと思うんだ。・・・そんな流依くんが、「薫風のクラスに行った時に気持ち悪い視線を感じた。嫌な感情を持ってる奴がいる」って言ってたんだ。・・・それが気になって、ね。」
「へぇ~・・・弟LOVEの流依くんがねぇ~。まぁ薫風くんの事となるとすごい能力を発揮する人だからね。・・・うん、少し調べてみるよ。何かわかったら教えるわ~。」
「うん。よろしくね。」
僕も少しは調べないと、ね・・・
・・・とりあえず、僕も親衛隊に仮入部?しておこうか。その方が情報が入りやすいし。
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「風間、少し話がある」
「珍しいな、そんな改まってどうした?」
こいつは小学生の頃、薫風が学年長になったのが切っ掛けに出会い、執着するようになった。
薫風が嫌がる事はしてないようだが・・・前世の俺の妹とあって、ほっとく事はできない。
「お前・・・もし薫風に何があっても守ってやれるか?」
「・・・何だ急に・・・五十嵐、お前あの音楽祭の頃から変だぞ。しばらく秘書から休むか?」
「・・・答えろ。」
「・・・俺はそのつもりだ。薫風がいないと生きていけない程、大切な存在だ。何があっても守る。」
「・・・ふっ、そうか。それが聞けてよかったよ。」
「・・・自己完結か。・・・ほんと、どーしたんだ?休みが必要か・・・?」
「いや、大丈夫だ。・・・すまんな、俺らしくない変な事を言ったな。」
「・・・いや、いいさ。・・・それよりこれを整理してくれ。」
「・・・わかった。」
薫風の今世の兄、流依の次に信頼のおける奴は風間だろう。・・・まぁこいつは流依同様、薫風に溺愛してるから心配ないだろう。ただ、無理矢理犯すような犯罪めいた事をするようなら・・・俺が許さないがな。
外を見ると花園にはいつもの人物たちが笑いながら話している。放課後は愛翔と流依に任せれば危ない事は起きないだろう。
・・・少し時間が空いたので花園へ行く。すると愛翔が先に気付き薫風を呼ぶ。・・・すると
「銀徹さん!」
「・・・薫風。」
ドンッ!と容赦なく突進してきた。・・・だがそれが嬉しくて思わず抱き締めてしまった。
・・・これは記憶が戻ってからの変化で、今まで俺に嫌悪感を感じ遠巻きにしていたらしい。・・・まぁ仕方ない事だ。
薫風は3歳の時に前世の記憶が甦ったらしい。
自分が突き落とされ死ぬ瞬間まで鮮明に思い出したらしい。・・・あの強姦された記憶もだ。そのせいで男性に嫌悪感を感じるらしく親しい真柄の男性じゃないと近付くだけで体調が優れなくなるらしい・・・
不便。なんとも不便すぎる薫風の状態に胸が裂けそうな程苦しくなった。・・・思い出さなくてもいい事だってあるのに・・・強制的に思い出してしまえば・・・もうどうしようもなくなる。
そんな薫風の人生に少しでも安心して送れるよう手助けしなくてはな・・・
「銀徹さん、今日はもう仕事終わったんですか?」
「いや、少し時間が空いたから息抜きに来ただけだ。愛翔と薫風の姿が見えたから来たんだ。」
「そっか~まだ仕事が残ってるんだね。でも銀徹さんに会えて嬉しいよ~」
「・・・こら薫風。・・・庭師さん、いるよ。」
「・・・あ。」
「はは!気にせずに。とても仲が良くなったんですね~。私はあちらでもう少し作業してますので何かあれば声をかけてください。」
「えっ、あ・・・すみません。」
庭師に気を遣わせてしまったか。・・・まぁいいか。
しばらく話して流依が薫風を迎えに来た所で解散となった。
「お前・・・いつの間に薫風と仲良くなったんだ?」
ん?・・・ああ、抱き着かれた場面を見られていたか。
「ああ、あの音楽祭の時に、な。色々な話をして意気投合したんだ。・・・なに、風間のライバルになるつもりはないから安心しろ。」
「・・・私は未だに薫風から抱き着かれた事がないのに、何故先に五十嵐の方になついたんだか・・・人たらしも大概にしてほしいな。」
人たらし、か・・・うん、確かに今の薫風の姿は誰にでも好かれる容姿に話しやすい態度が好評なのだろうな。
まぁ、それは仕方のない事、だな。
俺の妹は過去も現在も可愛いのだからな。
そいつを守るのが兄としての役目だな。・・・その為に前世を取り戻したのかもしれないな。
愛翔の言ってた薫風のクラスに嫌な感じの奴がいるとか言っていたな。
・・・まさか、俺達のように前世の記憶を持った奴がいて、さらにそいつがあの・・・強姦魔だとしたら・・・
いや、口は災いの元。確証がないうちは話さない方が良いだろう。
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