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高年期[一学期編]
もう皆を道連れに・・・
しおりを挟む昼休みに朝の出来事を流依兄さんに相談した。
「う~ん・・・じゃあ放課後、僕も付いていこうか。」
「!」
「だって一人で来いとは言われてないでしょ?」
「確かに・・・うん、兄さんが放課後空いてるようなら着いてきてほしいな!」
「わかったよ。じゃあ僕が迎えに行くから教室で待ってるんだよ?」
「わかった!有難う兄さん!」
「うん。」
流依兄さんは微笑んでくれた。やっぱり兄は頼りになるなぁ~!
・・・そういえば最近、いや僕が体調崩して2日休んだ時以来、屋上に生徒会3人を見かけなくなったなぁ~・・・なんでだろう?
「あぁ、それはね・・・上の圧力で昼食の時間に色々と仕事を押し付けられてるみたいで手が離せないらしく生徒会室に籠りっきりになってるみたいだよ。・・・そう、上の圧力で、ね。」
へぇ・・・・・・そうなんだ。二階堂くん御愁傷様です。
上のって・・・多分あの人だよね?あ、そういえば陽南さん昼休みは生徒会室で過ごしてるとか言ってたなぁ・・・それが原因か。とばっちりじゃん!可哀想に・・・
・・・あ!良い事思い付いた!早速兄さんに・・・。
___________
「・・・これはどーゆう事だ?」
「遅かったですね二階堂先輩。」
「遅かったな新。」
「生徒会長なんだからさ~、遅刻はダメだよー二階堂くん!」
「でかした薫風くん!」
「イエー!陽南さんのお陰だよ!」
そう・・・僕が考えた事は放課後、防音室で生徒会会議をしようとの事だった。会議といっても第三者が聞いても良いような案件等なので大丈夫。それは陽南さん始め生徒会役員に協力してもらい二階堂くんにバレないように進めて今に至る。
「・・・チッ。2人きりでと付け足せばよかったな。」
「そうだね二階堂くん。詰めが甘いな。」
「流依・・・お前の策か?」
「いや、始めは僕が着いていくって話だったんだけど、薫風が生徒会皆を巻き込むことを提案してきたんだよ。いやぁ~薫風は策士だね。」
「・・・あぁ、確かにな。私が甘かったな。もっと・・・ちゃんと逃げ出す事のできないようにして口説かないとな。」
「・・・腹黒いね二階堂くん。」
「誉め言葉だな。」
流依兄さんと二階堂くんがボソボソと何か話してる。なんだろう?防音室だというのに全然聞こえない・・・
・・・さて、それよりも僕は軽くピアノをひこうか。
「では二階堂生徒会長の要望で少しの間、僕は演奏をします。もし耳障りや集中が途切れるようならすぐ言ってください。」
「大丈夫だよ薫風ー!むしろ会議どころじゃなくなるかもねぇ~!」
「私、あの音楽祭に歌う曲を練習してた時に聞きましたが・・・とても綺麗な歌声でしたわぁ~。確かに会議より歌の方に集中しそうですわぁ。」
「ふふ・・・有難う陽南さん。」
「・・・なんだ花塚は薫風と仲が良さそうだな。」
「はい。同じクラスですから。それに音楽祭で歌った曲は薫風くんと2人で考えたものですから!」
「あ、陽南さん・・・それ、言っちゃダメなやつですよ・・・」
「あ・・・」
暫しの沈黙が訪れる。
そして二階堂くんが案の定陽南さんに詰めより洗いざらい暴露させられた。
そんなの聞いてどうするの?
・・・それから滞りなく会議が始まり、僕はまずピアノ演奏を始めた。
それから歌いだすと皆が注目してきた。え~ちゃんと会議しなよ・・・
流依兄さんは隣でニコニコ笑ってるし。・・・兄さん、家で陽南さんと一緒に練習してる時、必ずいたよね?
「薫風の歌を聞くと凄く癒されるよ。」
あ、僕が疑問に思ってた事を言い当てられてしまった・・・
僕ってそんなにわかりやすいかな・・・?
「やっぱり薫風の声は格別だよ~!薫風なら歌で生きていけるよぉ~!毎日聞いても飽きない自信ある!」
「・・・確かにな。・・・予想外の美声だな薫風。」
「薫風くんの声は本当に良い声ですねぇ・・・惚れ惚れしますわ。」
「・・・そうだな。昨日も聞いたが、本当に毎日聞いても飽きないな。」
おぉ!?皆に褒め称えられた。・・・うん、素直に受け取っておこうと思います。
「・・・有難うございます。」
「また歌えよ。」
「・・・え?」
・・・またの次回のお誘い。でももう歌う気はないのでお断り。
そして暫く談笑して会議は終わり時間が許す限り歌わされた・・・
あの~皆さんの顔、特に二階堂くんと子鷹狩くんの顔が、てか目がギラギラしてるんですが・・・?怖っ!?
それから解散して兄さんと家に帰宅。
それからまた兄さんの所で就寝。・・・今日はお休みのチューのみで寝ました。
なんかね、もう本当に恒例になると慣れるねぇ~。始めは凄く恥ずかしかったが今は普通にできる。
そしていつの間にか朝の、おはようのチューまでするようになった・・・何故だろうねぇ~?
風間くんの所に泊まった時に洗いざらい聞かれて話したからかなぁ・・・?
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