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少年期
応援合戦は衣装大会?
しおりを挟む鳥~の~ように~解きは~なたれて、光~目指し~夜空~飛~び立つ、でも~見失わな~い~、わた~し~だ~け~は~・・・
かの有名な歌劇団の歌が頭に思い浮かんだ。あの曲良いよね!この世界に歌劇団はないからもう聞くことも見ることもできないけど・・・
うん、歌劇団、見るの好きだったなぁ~・・・死ぬ前にもう一度見たかった。天海さん好きだったな・・・顔も性格も。美人だよねぇ~
でもね、あれは女性が演じるカッコいい男装した男役の存在感が魅力的なわけで、決して自分がやりたいと思った事はないわけ!
しかも姫の衣装。・・・なに、嫌がらせ?
うん、地味~に精神削られて心が折れそうだよ・・・?
カツラ被って・・・うわぁクルクルだ。僕に似合うの?
バッチリメイク、化粧してもらって
うん、いつも夢美姉さんや真菜ちゃんが着ている衣装みたいだね。
・・・てか、これでどうやって応援合戦するの?
・・・は?僕はマスコットなの?いや歌うの?
いや、確かに音楽の時間に歌ったら先生がべた褒めしてくれたけどさ・・・
は?マイクで僕一人で熱唱するの?
僕、帰っていいですか?
・・・あ~思い出した。
やたら音楽の時間に同じ歌を先生とマンツーマンで歌わされてたな~・・・
しかもその間クラスの子たちは振り付けをやってた。
あーそこで気付くべきだった!
学年長の仕事やら美化委員の仕事が忙しすぎて疑問にすら思わなかった。
くそっ、こーなったら・・・
この格好で兄さんを驚かせてやろう・・・ニヤリ
全身鏡を見て、どこをどう見ても僕だとわからないだろう・・・
これは学年関係なく組でやる合戦だから兄さんもきっと似たような衣装に着替えてるはず。
・・・てか兄さん知ってて内緒にしてただろ・・・酷い。
まぁ聞いたら即逃げてただろうから、それで当日まで黙ってたんだろうな・・・
さて・・・兄さんはっと・・・・・・いた。いたぞ~?
てりゃっ!!!
ドンッ!
「うぐっ!?かっ薫風か?」
「にいさ~ん?何故僕に黙ってたんですか~?」
「何故って・・・ーーーっ!?!?」
「?・・・兄さん?」
呆れ顔で僕の顔をみたが、途端に真っ赤になってそっぽ向かれたよ?
なに?僕そんなに似合ってるのかな?
よ~し・・・からかってみよう。
「兄さん、流依兄ーさん?どうしたの?」
「・・・凄いな、その衣装・・・」
「似合ってる?僕女の子に見える?」
「あぁ・・・そうだね。・・・あ~こんな姿、誰にも見せたくない・・・!!!」
急にこちらに振り向きガシッと抱き締めてきた。
グッ・・・兄さん力強い・・・
「兄さん兄さん、化粧落ちる・・・」
「あ、ああ・・・すまんな。・・・そうだ。もう準備は大丈夫なのか?」
「うーん・・・とりあえず衣装はもうこれ以上はやらないと思うから、あとは歌の練習がしたいかなって・・・」
「そ、そうか・・・僕もあと髪を直すだけたわから、歌の練習できそうな所へ行こうか。個室とか用意されてるだろうから先生に聞いてみよう?」
「うん!わかった。」
・・・普通の会話になったな・・・でも未だに兄さんの顔は赤いままだ。
あー兄さんは普通の男装の衣装だ~・・・羨ましい。
よし、悔しいから今度こそからかってやる。
「兄さん、お願いがあるんだけど・・・」
「なんだ?」
「抱っこして?」
「・・・」
「今女性物のヒール履いてるから足が痛くて・・・」
「そうなのか?・・・じゃあ仕方ないな。てっきり薫風がからかってきてるんだと思ったぞ?」
ギクッ!
バレてましたか・・・
ひょいっ。
「うわっ!?」
「兄さんをからかった罰だ。先生見つけて個室に着くまで大人しくしてろ?」
「にっ兄さ~ん・・・あんまりだ・・・」
やり返しとばかりにお姫様抱っこされました。
周りはガン見ですよ。
兄さんは何故かドヤ顔で歩いてるし・・・
あっ、じわじわ顔が熱くなってきた・・・は、恥ずかしい~・・・
今後、一切、兄さんをからかうことは止めよう・・・うん。倍返しされるから僕死んじゃうわ。
____________
「あ~あ~あ~、う~う~う~、あ・え・い・う・え・お・あ・お・・・んんんっ!」
只今、音声練習中。
なんとカラオケルームがありました!
・・・なんでもアリだなこの世界。
そしてマイクを持ってアカペラで歌い始める。
カラオケルームと言っても有るのはマイクとスピーカーのみ。うん、仕方ないよね。
曲名は・・・あのボーカロの歌を和楽器で奏でて歌ってるあの曲。
凄く好きだし歌詞も完璧だし、ドレミファとちゃんと音程がとれるし、なにより早口だから顔の筋肉を解すのにピッタリ!
「んっんー・・・よし。」
1フレーズ歌う。ああ・・・懐かしい・・・
ザビ。・・・うん、この歌良いよね~。
あー楽しい!久々に自由に歌った気分!
ん?外が騒がし・・・あっ。
「ごっごめんね薫風くん、そ、そろそろ・・・行かないとだよ?」
「あっ愛ちゃん、いつから・・・?」
「えっと・・・途中?聞いたことない歌を歌うんだね。」
「あー、うん、オリジナルなんだ。」
呼びに来てくれたのは有難いんだけど・・・
せめて、ドア閉めよ?
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