R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[二学期・後編]

体育祭⑦突出した大玉送り。そして大縄跳びにリレー

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ねぇ陽南さん?一体、紫組の人たちに何を言ったの?なんか皆、目が本気なんですが。雰囲気も圧倒してて・・・なんか周りが気後れしてる気がするんですが。





「準備が整った様です。・・・では、位置について・・・よーい・・・ドン!」






合図が響き大玉が頭上を舞っております。お、お、・・・おお⁉なんか凄く一致団結して滅茶苦茶早い。・・・あ、最後は3年生の二人が大玉を転がすようだね。・・・お~早い早い。ってか突出しすぎてね?陽南さん、ほんと何て言ったの?





「・・・陽南さん、皆さんに何て助言したの?」

「あら?ふふ・・・単に助言しただけですわ。使えるものは使いましたわ。」

「・・・なんて?」

「まず列順を直しました。それから等間隔に間隔を空けて整列してもらい、最後尾に3年生が来るよう列を調節しましたのよ。見事先輩が大玉を転がし1位を取りましたわ。」

「・・・それだけじゃないよね?あんな目が座って、なんとも言えない雰囲気だしてさ・・・他に何て言ったの?」

「・・・勝てば褒美が、負ければ地獄を・・・と言いましたわ。」

「は?・・・はぁ、もうそれ脅しじゃん。何しちゃってるの?せっかく「天使のような~」ってゆう好印象が台無しになるよ?」

「別に構いませんわそんな事。それは入学当初にそうなっていただきたかったですわ。二階堂くん狙ってたのに~」

「それより褒美って?」

「ええ、聞いてみたら一年生の皆さんは薫風くんのクッキーを所望よ。そしてそれに釣られて先輩方もクッキー所望してましたわ。」

「は?な、なぜ僕が作ったクッキー?」

「最近もっぱら噂になってますのよ?最近親衛隊の方々にクッキーを配りましたわよね?その時の親衛隊の皆さんが食べてるのを見てた方々が羨ましそうに見ていたらしいですわよ。それが噂となり「八乙女のクッキーはこの世の物ではないような美味しさ」って流れてるみたいですわよ。」

「はぁ!?なにそのでっち上げ!普通に市販の物の方が美味しいに決まってんじゃん!尾びれ付けすぎ!」

「そうですか?あながち間違いではないですわよ?だって・・・薫風さんの作る物はこの世界では表せない美味しさがありますもの。家庭の味というか暖かみのある味ですの。」

「・・・うん、そう言ってもらえると嬉しいけどさ。・・・流されないよ?何故僕に何も言わず勝手に決めたわけ?それ、僕が作らなきゃならないの確定だよね?」





そう、見事1位を取った大玉送りに出てた人に褒美として作って渡さなければならないのは決定事項になっている。・・・確かにね?1位とったお陰で黒組と僅差だが総合獲得点数1位になりましたよ?・・・でもね、何故僕が犠牲になる?おかしいでしょ?





「お願いしますわ薫風くん!ここは一肌ぬいでください!クッキーお願いしますわ!」

「・・・15人分くらい平気だけど・・・はぁ、だからか。なんか大玉転がし終わった先輩がチラチラこっち見てきたのは。他の人もチラチラと・・・」

「大玉送りのチームの中に貴方の親衛隊がいたみたいで、それはそれは褒め称えていたので拍車がかかったのですわ。ふふ・・・お願いしますわね。」

「はぁ・・・まぁ、優勝したいからね。それくらい頑張りますよ。」

「流石ですわ!太っ腹ですわ!」

「・・・陽南さん、口を慎みなさいよ。令嬢の言葉じゃないよ・・・」

「あらあら、今は2人だけですから!」

「はぁ・・・」




すっごく陽気だよね陽南さん。はぁ~もう釘を指してもすぐ引っこ抜かれそう(笑)無理だわ陽南さんを押さえ込むのは。好き勝手しすぎだわ・・・





帰って来た万純くんを労って飲み物を渡して休ませる。次は大縄跳びで万純くんは連続出場だからね~頑張って。





僕たちの組みの最高は67回。他の組みはどうかわからないけど67回は良い線いってると思うけどね。






「それでは準備が出来次第始めます・・・では、始めます。はいせーの・・・いーち・・・にーい・・・さーん・・・しーい・・・」






おう、アナウンスの合図で飛ぶんか。まぁ標準だからね。早くも遅くもないし、一応それに合わせて練習してるだろうしね。はい頑張ってー!






「ごじゅうさん・・・ごじゅうよん・・・ごじゅうご・・・」





あ、54回で赤組が脱落。うんうん、頑張ったと思うよ~紫組頑張れー!






・・・あ、59回で黒組が脱落した。あら以外。あまり縄跳びは苦手のようだ。みんなハァハァ荒い息を吐いてるよ。お疲れー。





「ななじゅう・・・ななじゅういち・・・ななじゅうに・・・」





記録更新!頑張ってー!





「はちじゅうさん・・・はちじゅ、おおっと!紫組がつまずき脱落。勝者白組。・・・あ、まだ続けます、はちじゅうなな・・・はちじゅはち・・・」




あー残念。小柄の男性、先輩の足が引っ掛かって止まりました。でもでも83回!凄いよ!頑張ったねー!





結果、白組はなんと104回続きました。盛大の拍手を貰ってました。お疲れ様ー!でも総合1位は紫組です。黒組と少し差が空いたかな。よしよし。




「お疲れちゃーん万純くん!すごかったね!」

「ありがとー。お疲れちゃーん(笑)あはは~面白い。」

「お疲れ様です万純さん。・・・さて、薫風くん、最後の大目玉種目ですわ!」

「あーうん、頑張ろっかー。」

「うわぁ薫風くん気の抜けた返事ぃ~・・・これに好成績残せば優勝だよ!花塚さんも頑張って~!」

「有難うございます万純さん。」






はぁ~やだやだ・・・何故か僕アンカーだし。え、他に僕より早い人いるでしょ?何故・・・




理由を聞いてみたら「八乙女からバトンを受けとるのに緊張するから」との意味不明な返事がきた。・・・なにそれ?なんかそれを話したら陽南さんは意味深にニヤニヤ笑うだけで何も答えてくれないし・・・なんなんだよ。





ってなわけでアンカー。・・・その面子が豪華。



黒組は子鷹狩くん、赤組には猫屋敷先輩、白組にはなんと流依兄さん。みんなバラバラにチームに別れたらしい。この豪華メンバー・・・凄く注目を浴びるんですが。





「八乙女兄弟がアンカーか。」

「姫がアンカー?俺が前入ってたら手を引っ張ってあげるねー。」

「ネコ先輩・・・それ反則。」

「薫風の組みは今総合1位だね。黒組が1位とらなければ優勝間違いないね。」

「いや兄さんの白組が1位とったらわからないよ?でも兄さんだからって手加減しないよ!」

「ふふ・・・言うね薫風。まぁ前者次第だね。」





「最終種目チーム対抗リレー。これは1位の獲得点数が50付きます。これは全チームに優勝が狙える点数となっております。それでは頑張ってください。出場しない方々は応援をお願いしま~す!」





わぁぁ・・・





「それでは・・・位置について・・・よーい・・・ドン!」




ザッ!と地面を蹴る音が響く。選抜メンバー6人が走ります。・・・僕にバトンを渡すのは神泉先輩。足はめちゃくちゃ早いです。多分僕よりも。あ、第一走者は柳瀬先輩。あの人も早いんだよね。




「バトンが渡りました。順に赤、黒、紫、白です。皆さん僅差です。」





ひぇ~3番手か・・・頑張って~





「三番手にバトンが回りました。順番が代わり黒、赤、紫、白となっております。」



「四番手に渡りました。おおっと番狂わせ!紫が先頭。続きまして赤、黒、白となっております~。これも僅差です。これは面白い!」




「五番手にバトンが回りました~!紫先頭維持!おおっと!黒組が追いかけます。赤と白はほぼ同時にバトンが渡りました~!」






おっしゃー紫1位!でも黒との差が近いっ!





「姫ー!頑張ってー!」

「はい!有難うございます!」





短く言葉を交わしバトンを受け取り走り出す。



うわぁ~後ろから追いかけてくる足音を聞きながら全力で走る。



目的はゴールテープ。胸で受け止める勢いで足を動かす。






わあああぁー・・・






「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「姫~やっぱ姫は凄いね~!だいじょーぶ?」

「ね、ネコ先輩・・・」





はい。テープいただきました。順位は紫、赤、黒と白でした。ほんと僅差。・・・多分、ネコ先輩、手加減したんだと思う。あまり息乱れてないし。はぁ~天性ですか猫屋敷先輩。完敗です。





「・・・薫風が1位か。優勝は決まったな。」

「薫風おめでとう。白もまぁまぁ頑張ったんだけどね。」

「姫サイコー。」

「あ、有難うございます。」




猫屋敷先輩・・・なんかその言葉、嬉しくありませんよ?


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