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高年期[二学期・前編]
猫屋敷千人について聞いてみた。
しおりを挟む「俺ね~次男なんだ~。だから好き勝手が許される立場なんだぁ~。」
「僕も次男ですよ。同じですね。」
「知ってる~。それでね~?俺、兄ちゃんの支えになりいんだぁ~。」
「それも同じです。兄さんは次期領主になるので、それを支えれればなって思ってます。」
「同じだね~。」
うん、こんなにも猫屋敷先輩と共通点が多いなんて驚きです。
「でもって~・・・俺ね、夜行性なんだぁ~。」
ん?
「病気?ではないみたいなんだけどね~生まれて間もなく発覚したんだぁ~」
「・・・体調とか大丈夫なんですか?」
「大丈夫~。でも~いつも眠いんだぁ~・・・実際、今眠い・・・」
「・・・1~2時間寝ますか?お話はいつでもできますから。」
「んー・・・なんか寝るの、勿体ない、なぁ~・・・」
ご飯食べてからまた膝の上に寝転がったせいか眠いみたい。・・・まぁ夜行性というのであれば眠いよね~午前中ずっと寝てたけどまだ寝足りないらしい。
静かにしてると猫屋敷先輩から寝息が聞こえてきた。・・・うん、眠ったらしい。
それにしても・・・今日、別に褒美として付き合わなくても良かったんじゃ?眠いなら断れば良かったのに・・・無理矢理付き合わせたようで申し訳なくなってきたな。
__________
それから僕はまた小説を読みつつ公園で遊んでる子供たちに目を向けた。・・・うん、走り回って活発ですなぁ~。かわいい。
「ん・・・ん~・・・」
「あ、起きましたか?・・・あ、そうだ、クッキー食べますか?朝作って持ってきたんですよ。」
「姫のクッキー・・・うん!食べる~。」
「はい。・・・えっと、僕の鞄はありませんか?」
「こちらに。」
執事さんが急かさず手渡してくれた。ごそごそと中を漁ってクッキーを取り出す。
うん、やっぱりと言っていいよね。猫屋敷先輩に目を向けたら口を開けて待機してました。はいはい、食べさせますよ~・・・
「ん~美味しい。もっと~」
「はい。・・・そーいえばネコ先輩はどの味が好みですか?」
「ん~?姫が作ったものはどれも美味しいよ~?・・・あ~俺はプレーンが好きかな。あと前に食べたジンジャーが美味しかった。」
「あ、ジンジャーありますよ。食べますか?」
「あーん!」
あ、可愛い。ほんと猫屋敷先輩は猫みたいで可愛い。あ、先輩に可愛いは失礼かな?
それから猫屋敷先輩の事について色々と聞いた。世間帯もあり高校に通っている事。そして驚くことに猫屋敷先輩はもう家の手伝いをしているらしい。
「夜行性だって言ったよね~。それで、皆が寝静まってる時に執務室で書類整理してるんだよぉ~。だから昼は兄ちゃんが、夜は俺が仕事をしてる感じなんだぁ~。学校では一応成績は並だから寝ていても出席してれば留年はしないよ~。」
「・・・学校、緩いですね。よくネコ先輩が寝てて何も言われませんね?」
「言われてるよ~?でも俺の体質を了承済みだからね~。だから授業態度は最低だよ~?」
「そうなんですね。ふふ、先生も了承済みなんですね。」
「そ~。でも流石に辛い時は屋上に逃げちゃうけどね~?期末の頃にどの教科の出席日数が危ういか聞いて頑張ってでるようにしてるんだよ~」
「・・・先生も甘いですね。でも、そうですね。留年なんかだしたくないですものね。それに成績も問題なければ尚更です。」
「そう~。・・・そろそろ帰ろっか~?夕飯うちで食べなよ~多分家のシェフが張り切ってるだろうからぁ~。」
「・・・では、お言葉に甘えて。お世話になります。」
「うん~。喜んで~」
そう言ってのっそりと猫屋敷先輩が起き上がった。・・・案の定僕の足は痺れててしばらく動けませんでした。そこで猫屋敷先輩がお姫様抱っこしてこようとしたが今触られたらビリビリするので断った。・・・そんなしょんぼりしないでほしい。
・・・
そして猫屋敷家に着くと、またもや手厚く歓迎され食卓につき豪華な料理が運ばれてきました。・・・何かの祝い事ですかって程賑やかな食卓になりました。
次期領主のお兄さんに会い「これからも千人と親しくして欲しい」と言われた。・・・うん、お兄さんは知らないんだろうな、猫屋敷先輩が僕の親衛隊だなんて。しかも幹部?らしいし・・・
夕食後に談笑してお迎えが来たので猫屋敷家を後にした。迎えに来たのは・・・銀徹さんだ。この後待ち合わせてると言っていたので猫屋敷先輩も気を使ってくれた。
帰り際、学校では見れないキリッとした猫屋敷先輩が印象的だった。口調はまったりなのは変わらなかったが顔付きがいつもと違った。
夕食前に顔を洗うと言い身支度をしてきた姿はとても凛々しかった。うん、昼間の可愛いと思った姿は消えてました。
サラサラの長い髪を後ろに一纏めに縛り少しウェーブの掛かってた髪は気にならない程度に整えられてて、顔を引き締まり眠たそうな目はしっかり見開かれて真っ赤な瞳が印象強く残った。
帰り際に目を少し細められ「今日はありがとう~凄く楽しい時間を過ごしたよ~」と言われた。うん、こちらこそゆっくりな一時を過ごさせてもらったので「僕も楽しかったです。ではまた学校で」と返した。
「今日は猫屋敷の家に邪魔してたんだって?」
「うん。でもずっと公園で過ごしてたよ。猫屋敷先輩、夜行性なんだって。だから僕が膝枕してあげてた。僕は公園で遊んでる子供たち眺めたり本を読んだりして過ごしたよ。」
「ああ、猫屋敷の事は聞いてる。変な体質だな。前世のように夜に働く奴はいないんだから夜行性なんていないだろうにな。」
「・・・そうだね。でも本人は小さい頃からそうらしくて慣れてるようでした。寝不足など体調は問題ないらしく、これが普通だって言ってたよ。」
「・・・まぁ、本人が不憫に思わないなら構わないな。他人がどーこう言うのはお門違いだ。」
「そうだね。・・・ところで、これからどこへ?和彦さん家?」
「そうだ。風間、かなり仕事積めて頑張ってたから労ってやれ。」
「・・・はぁ。まぁ今日は昼間ゆっくり出来たので、出来る限りの要望を聞きますよ。」
「なんなら手料理でも作ってやればいい。カクテルとか得意だろ?」
「あーその事なんだけど・・・僕、酒の耐性が全くないんだよね。」
「そうなのか?あんなに酒好きだったのに。」
「うぅ~・・・飲んだ後、記憶がなくなるから飲まないようにしてるんだ・・・まぁ作るだけなら出きるかな。」
「まぁ取り敢えず風間の好きなように要望を聞いてやれ。」
「・・・はーい。まぁ恋人ですからね。」
はぁ・・・一体どうなることやら。もう家に着かなければいいのに。
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