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高年期[二学期・前編]
戸惑い、迷い中・・・自分はどうしたらいい?
しおりを挟む「それじゃあまた明日ね。お弁当楽しみにしてるよ。おやすみ。」
「・・・はい。おやすみなさい。」
ブロロォォォー・・・
・・・あれ?本当に送ってもらい。たださよならの挨拶で終わった。
なんか身構えていた自分が恥ずかしい。え、僕はどこか期待してたのか・・・?
なんやかんや1ヶ月まで残り1週間。・・・うん、本当に昼食を一緒にする以外なんら変わりはなかった。これ、付き合ってる意味あるの?恋人ってこんなもん?うわぁー初心者には判断しずらい・・・
車の中は手は繋いでたものの肩を触れあう事すらなく、今日のイベントの事を話すだけであっという間に我が家に着いてしまった。
別れのチューくらいあるかと思いきや何もせず「おやすみ」の一言でさよなら。・・・どーしたんだ?
克典といい、風間くんといい、・・・明日は本当に槍が降りそうなんだけど。いや、冗談じゃなく、ね・・・
・・・やっぱり僕は少し期待してたのかな?うわぁ~これって単に付け上がってるだけじゃん!自惚れ!僕、天狗やん!何調子に乗ってるんだ自分!うわ恥ずっ!
・・・なんか自分が馬鹿らしくなってきた。あんなに独身貴族になりたいと言ってたのにも関わらず誰かに告白されても断り続け、恋人ができたら構ってもらえず落ち込むとか・・・自分勝手すぎる。
「おかえり薫風。遅かったね。・・・ん?どうしたんだい?」
「あ、ただいま帰りました兄さん。・・・先ほど風間さんに送ってもらったんですが・・・なんかいつもと違う気がして・・・あ、いや何でもありません。」
「・・・そっか。何かあったら相談乗るからね。夕食にしよう。もう父さん達は席に着いてるから。」
「え、本当に?ごめん、僕が待たせちゃったみたいだね。」
「大丈夫だよ。薫風が帰ってくるのに合わせてたみたいだから。さぁ着替えてきておいで。」
「わかった。」
なんてこった!夕食にしてはいつもより遅い時間だったから皆済ませてたと思ったら皆待ってたなんて・・・
急いで着替えて食卓に着き遅い夕食を済ませた。
「家族揃って夕食を取るのは当たり前だよ。それに仕事が丁度切りの良い時に薫風が帰って来たから丁度よかったんだよ。」
後に父さんに言われた。うん・・・僕の家族は本当に素晴らしい家族です。大好きです!
前世は6歳の頃に両親が亡くなっているから、今こうして仲睦まじい姿を見るのは本当に幸せになる。ずっとこのままでいたいほど・・・
・・・やっぱり僕は誰とも結婚せず流依兄さんの隣で侯爵家の手伝いをした方が良いのだろうか・・・
「・・・」
僕、どうしたいんだろう。なんだか今の事で一杯一杯ってのもあり先の事を考える事ができない。・・・それはそれで今が充実しているって事だからいいんだろうけど、ね。
なんかこのまま風間くんの恋人という関係のままで良いのだろうか?なんか申し訳ないような・・・
「・・・明日、放課後にでも話してみようかな。その方が風間くんにとっても良さそう。」
兄さんが相談しろと言ってたけど、こんなこと相談する程の事でもないよね。でもちょっと自分自身、不安定だから今日は兄さんの布団にお邪魔させてもらえないかな。
あ、オッケーもらえたからお邪魔します。・・・うん、明日風間くんとちゃんと話そう。善は急げ。思い立ったが吉。あ、それは当てはまらない。まぁいい。とりあえず期限より早いけど恋人解除してもらおう。こーゆうのは早い方がいいよね。うん。
__________
放課後。
今日1日何していたか全く思い出せない。一応昼休みには理事長室へ行ったのは覚えてる。そして放課後時間はあるかと聞いて会う時間をもらった。・・・それはもう風間くん嬉しそうな顔をしてました。なんか罪悪感・・・だって別れ?を告げるんだからねぇ。
やっぱり恋人は作るべきじゃないよね。恋人と付き合えば別れる可能性があるわけで、別れた後って・・・結構気まずくならない?相手は理事長であっても全く会わないって人じゃないわけで。・・・あー気が重い。
「おーい薫風くん、どーしたんだい?・・・なんか今日1日変だったよ?」
「万純くん・・・ああ、少し考え事をしててね。」
「・・・もう教室には誰もいないよ。もし良ければ話聞くよ?1人で考えるより2人で考えた方が解決しやすい事だってあるよ。」
「!・・・そ、だね・・・じゃあ、ちょっと聞いてくれるかい?」
「大丈夫だよ。まだ迎え呼んでないから何時間でも大丈夫!」
「な、何時間でもってのはちょっと・・・」
「まぁまぁ、さあ、話してごらんよ。」
まぁ、子鷹狩くんの時も万純くんに相談したら解決したしね。・・・うん、情けない事を言ってしまうかもしれないけど、なんとなく万純くん受け止めてくれそうだし、・・・ちょっと聞いてみようか。
「あの、さ・・・前も聞いたんだけど、恋人って主に何をするんだろうか?」
「ああ・・・前も話してたね。風間理事長と何かあったのかい?」
「いや・・・ただ、僕の気持ち的な、ね。・・・なんだか今までと変わらないから、このまま変わらないのならいっそ・・・」
「あー別れを告げた方がいい、と。・・・じゃあさ、薫風くんは風間理事長の事をどう思ってるの?」
「え?・・・き、嫌いでは、ない、です。でも好きかと言われたら微妙・・・」
「そっか。・・・それで薫風くんは中途半端な気持ちで付き合ってて良いのだろうかと悩んでる・・・って感じかな?」
「うん、まぁ・・・そんな感じ。で、今それを言おうとしてるんだけど。」
「・・・え、今から風間理事長と会うの?それで別れを告げるつもりなの?」
「そう・・・」
えー?何故万純くん黙っちゃう?・・・なんか変な事言った?
「多分ね、僕の予想だけど、言わない方が良いと思うよ。別れを告げる前に、その気持ちを先に風間理事長に伝えた方がいいと思う!うん、絶対そうした方がいい!絶対冒頭に別れたいなんて言わない方がいいよ!」
「え、え?・・・ど、どうして?」
「どうしてって・・・どこからどう見ても風間理事長ってさ、薫風くんに溺愛してるよね?・・・で、やっとの思いで薫風くんと恋人になったんだよ?それなのに急に別れを告げられたら・・・」
「・・・」
「わかるよね?」
「ああ・・・やっぱり万純くんに相談しといて良かったよ。危うく監禁される未来を防げたからね・・・」
「か、監禁って・・・風間理事長はそんな事」
「しないなんて言い切れる?断言できる?」
「う、うーん・・・」
「・・・うん、万純くんの言う通り、今考えてる事をそのまま風間理事長に伝えてみるよ。有難う万純くん。凄く気が楽になったよ。」
「あ、うん。良かったね。まぁ風間理事長は大人なんだから薫風くんの気持ちを受け止めてくれるよ。良い方にいくことを祈るよ。」
「有難う。」
うん、やはり万純くんは良い奴だ。だいぶ心に余裕が出来たよ。・・・でも、まあ別れを告げるのは変わらないけどね。でも会ってすぐ言うのは絶対に止めよう。本当に監禁ルートにいきそうだし。
それから万純くんと別れ理事長室へと向かった。・・・うん、今日は理事長室に電気が灯ってるね。
コンコンコン・・・ガチャ。
「ああ、薫風だな。よく来た。・・・風間、俺は帰る。後は頼むぞ。」
「わかった。・・・薫風、よく来たね。もう少し仕事残ってるからソファーに座って待っててくれるかい。」
「・・・わかりました。失礼します。」
「じゃあな薫風。また明日。」
「銀徹さん。はい、また明日。」
僕と入れ違いで銀徹さんがでて行った。・・・中に入ると風間くんの仕事モードの姿が・・・!あ、新鮮で格好良く見える。ギャップ萌え?普段とは違う姿を見てその反動なのか格好良く見えるわ。
と、とりあえずソファで大人しく待つとしようか。
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