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高年期[二学期・前編]
ついにゲーム通りイベント発生!
しおりを挟むそれから普通に学校へ行き普通に授業を受けてた時・・・ついに始まってしまった。
『学年対抗王室合戦』
担任の先生から事前に話をされた。やはり乙女ゲームと同じ内容だった。
王様、王妃様、宰相、執事、騎手など様々な役割を決め来週始まるらしい。
放課後、その話し合いを各教室で話し合いをする。
今更ながら聖陵高校の建物は3階建てでUの字に形作られている。中央はもちろんグラウンドになっている。
そして3階は1年、2階は2年、1階は3年が使っている。・・・その構造を元にイベントが開始される。
残念な事に2年生は板挟み状態になりかなり不利な状況でいつも王室は崩壊する。つまり負けてしまうのだ。
それに対して1年は有利だ。下の階が丸見えな分、作戦を立てやすいからだ。ただ、当たり前だが経験不足の為、ほぼ王様攻略され負けてしまう。
3年生は経験豊富で作戦を練り王室を守り勝利しやすいのだ。お貴族様しかいない学校であまり頭の悪い奴は少ないし、上下関係もしっかりしてるのでさ3年生はほぼ勝つ。
「褒美は前回と代わらず「修学旅行の場所を自由に選べる」という権利だ。みんな頑張って!今回は担任の教師以外は不参加だ。なのでA~D組の担任、副担任の過去のイベントの内容を参考に聞き作戦を練ります!」
あーまた担任張り切っちゃってるよ・・・また臨時ボーナスが貰えるのかな?羨ましい。実際動くのは生徒なのに。
でも1年は絶対勝つだろう!何故なら・・・
「ふふふ~・・・やぁ~っとイベントが始まりましたわね。」
「・・・陽南さん、素が出てるよ。」
「あら!御免遊ばせ。・・・ふふ、さぁ作戦を完璧に立てて1年生勝ちますわよ!」
「そ、そだね~・・・うん、修学旅行は好きな所に行きたいよね~。秋だから紅葉が綺麗な所へ行きたいなー・・・」
「あらあら薫風さんも勝つ気満々じゃないですか!」
「そりゃあね・・・とりあえず王・姫役に抜擢されなければいいんだけど・・・」
おい陽南さん、そのニヤニヤ顔やめれや。
そして王・王妃の役は、各クラスで投票(他組の人を推してもOK)を行った結果・・・
「王様は1ーDの鳳克典。王妃は1ーAの花塚陽南。宰相は1ーA八乙女薫風。執事は1ーA越名万純。以上。」
「・・・」
「・・・」
この無言の箇所、僕と陽南さんね。・・・まさか宰相に選ばれるとは。さらに執事が万純くん。意外と君、顔が広いのね。
「なな、何故私なんでしょう・・・私が姫?ええ~・・・」
「ふっ、陽南さん、ここは強制的に補正がかかったらしいよ。諦めて?その代わり宰相となった僕が守るから。」
「「「「きゃーーーー!!!」」」」
何故悲鳴が!?あ、ここ教室、しかも普通の音量で陽南さんを守る宣言しちゃったよ。・・・あ、勘違いされた?
「薫風くーん!私を絶対に守ってくださいねぇ~!」
「・・・」
そしてその流れに合わせて甘えた声を出してぶりっ子にならないでほしいな陽南さん。どう対応すればいいか困るよ。・・・まぁ、修学旅行の為に頑張ろうではないか。
まず役割が決まった。名前が上がらない奴は騎士となり王様と王妃を守るに徹する。
「まず制限時間を名一杯使う。そして階段にはバリケードを作る。騎士には武器として掃除道具を持たせよう。」
「そうですわね。安全面を考慮してガムテープが大量に必要ですわ。」
「王2人は一緒に行動する?ルールでは王のどちらかが残れば勝利みたいだけど。」
「王、王妃は特別ルールがございますので、そこを理解した上、別行動が良いかと。」
「そうだね。・・・ってか、いい加減、離れてくるないか、克典。」
「ん~・・・」
「「「・・・」」」
放課後、早速4人で作戦会議を始めた。決まった3人がA組なので克典に教室に来てもらった。
来てもらったのは良かったのだが・・・すかさず僕の後ろに回られ、腰に腕を回され克典の膝の上に座らされた。・・・さらに横抱き。
あのね、不意打ちに攻撃をすれば僕は圧倒的有利に立てるんだが、力業で捕まえられると逃げられなくなるのよね。僕、裏方が得意なわけで正面から突進されると弱いのよね。はぁ・・・
「ちゃんと話を聞いてるからいいだろぉ~?それに夏休み、まともに会えなかったんだからこれくらい良いだろ~?・・・こんな面倒な役割、薫風がいなかったら蹴ってやったのにぃー。」
「・・・え、僕まさか餌食にされたって事?」
「それで合ってると思いますわ。・・・ふふ、頑張ってくださいませ薫風くん・・・ふふ。」
「・・・ま、まぁ克典くんは頭良し運動神経良しなんだから王様に向いてるよ。・・・うん、薫風くん、頑張って。・・・ククッ。」
「ねぇ、二人して笑わないでくれる?」
マジ嵌められた感満載なんだけど!みんな僕に克典を押し付けすぎてない!?克典の下僕?2人はどうしたんだよ!あの双子は?
「ま、まぁ話を戻して・・・とりあえずルールのお復習しようか。」
うん、賛成。
まず全生徒&担任の先生は学年別に頭にハチマキを付ける。王様と王妃は腕に金色の腕輪を装着していて、攻略者たちは2人の腕輪を略奪できれば勝利。基本負けてもペナルティなどはないので、攻撃する学年はただただ攻略するために王様・王妃を狙って侵略する。
そして王様・王妃を守る騎士の者たちは必死に2人を守る。・・・ルールは簡単。ハチマキを取る事。ハチマキを取られた人は死亡となりゲームオーバ。イベントから脱退してもらう。確実に敵が多いため、攻略対象となった学年は、学校にある物を使いトラップを作る。騎士は掃除道具のモップやホウキなどを持ち侵略者を倒していく。とにかくハチマキを奪うのに徹する。
他の特別に選ばれた執事・宰相は特別ルールがあり、この二人はハチマキも腕輪も着けない。つまり無敵の状況での参戦となる。つまり2人は王様・王妃の側を離れなければほぼ勝てる。ただ2対複数だと守りようがないので、とにかく騎士に頑張って敵を減らしてもらうしかないのだ。
そして王様の特権は一定の場所に入ると手出し禁止という無敵区域がもらえる。ただし10分のみで1回しか使えないルールた。
王妃はかなり有利なルールがあり、ハチマキを付けてる的の何処が身体に触れるだけで死亡するというチートが使える。・・・だから王妃は絶対女性が選ばれる。ただ、腕を捕まれたりすれば何もできない。王妃の手で触れた者が死亡するわけで手意外で触れられても死亡する事はない。つまり足で蹴られても死亡しない。あくまで手で触れられたらアウトという事なのだ。
かなり面白いイベントで陽南さんも僕もかなり興奮してやったイベントだった。うん・・・内容を知ってる傍ら、負けは許されません!
頑張りますよー!
**********
大雑把に書いたイベントルール。
何か変な所、または付け足してほしい事が在りましたら感想お願い致します。
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