R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[夏休み編]

夜はバーベキュー!

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日はまだ高かったが陽南さんの体調や流依兄さんをしつこく言い寄ってくる奴がいたりして結局まともに今日一日何も遊べなかった・・・まったく、なんて日だ!結局兄さんと海入れなかったじゃないか。はぁ・・・







流依兄さんが陽南さんを横抱きして荷物を持ち別荘へ帰宅。陽南さん要望で女子たちは皆温泉へと行き男子はリビングで寛いでいた。





僕はというと・・・






「か、薫風様・・・あとは私達が致しますので・・・薫風様もリビングでお寛ぎください・・・」

「大丈夫だよ鞍馬。僕が外でやりたいって言ったんだから手伝わせて?」

「は、はぁ・・・もう、仕方ありませんね。怪我をしたらすぐリビングで休んで頂きますからね。」

「うん、有難う。」






僕は執事・鞍馬と別荘でいつも取り仕切っている執事さんと侍女さんたちと皆で中庭に出て夕飯の準備をしている。料理長さん達は厨房で下準備している。串に刺したり野菜を適当な大きさにカットしたりしている。





何をやってるかって?そりゃ夏と言えばBBQでしょ!そこにビールがあれば最高だけど僕たちはまだ未成年。お酒は禁止です。残念・・・






朝早々、料理長に言っており、必要な物を全部用意してもらってたのだ。コンロ・プレート・網・トング・炭など・・・僕たちが海へ行ってる間に買ってきてもらった。






お貴族様では外で知人とパーティーを開いたりするが、BBQみたいにその場で作り食べるという事はしないらしい。僕がBBQやりたいと言った時には料理長にキョトンとされたが、料理長も何度かBBQをやった事があるらしく手際よく準備してくれた。







・・・後に料理長に貴族が外でBBQするのは初めて聞いたと言われた。・・・ごめんね平民脳で。だってBBQなら料理長や侍女さん達も一緒に楽しめるかと思ったんだもん。無作法で好きにご飯食べれたら楽しいじゃん?てか、今日一日ロクな事がなかったから夕食だけでも楽しみたい!はい!これは自分勝手で我が儘な事です!ごめんなさい。





だから言い出しっぺの僕が積極的に椅子や机を用意してるのだ。侍女たちは始めはオロオロしてたけど少しずつ僕のフォローをしながら準備に取りかかってくれた。










そして日が沈んだ頃…







「「「・・・」」」

「はいどうぞ万純くん。」

「あ、うん・・・ありがとう薫風くん。」

「はい紫音さん。」

「・・・有難う、ございます。」






うん、なんかごめんね。皆物凄いぎこちない。僕の我が儘に付き合わせてごめんね。流依兄さんや真菜は家で何度かした事があるから手慣れてるね。他の面子は・・・すっごい戸惑ってる。特に女子。令嬢様。






あ、侍女さんがフォローしてくれた。串焼きをそのまま渡したからどう食べたらいいか悩んでた所に皿と箸を持ってきてくれた。・・・さすがに令嬢が串焼きをがぶりつくのははしたないか・・・残念。






克典はすました顔で串焼きに噛みついて食べてます。その友達も克典に見習って食べてる。うん、無作法で気にせず食べてもらいたいな。





真菜の友達もやはり男子の様ながぶりつくのは無理みたいで紫音さん達の様に串から外して箸で食べている。





「ん~!美味しいですわ!薫風兄様、こちらでもバーベキューをやって頂き有難う、ございます!」

「うん、真菜が喜んでくれて嬉しいよ。・・・みんなは、もう少し慣れなきゃダメみたいだね。」

「まぁ仕方ないよ。普通の人は他人の家でこんな食べ方はしないだろうから。」

「・・・1人だけ、例外がいるけどね。」

「花塚様!素晴らしいですわっ!」







うん、陽南さんは普通に串にかぶりついて食べてるね。まぁ男性と違って遠慮がちに、あくまでお淑やかに小口でもそもそ食べてる。でも味が好みだったらしく顔がニヤけてるけどね。紫音さんと麗華さんは陽南さんをガン見してるけどね。





・・・そのうち皆も串から食べてくれるだろう。万純くんも始めだけで慣れればガブッと噛みついて食べてたよ。うん順応性高いよね。羨ましい。





料理長さんや侍女さんたちも、ある程度作業したら隅の方で食べ始めた。侍女さん達は初めからかぶりつきだ。うん、八乙女家関係の人達は抵抗なく僕たちと同じ事をしてくれるよね。あ、強制はしてないからね。串に刺さったまま食べた方が食べやすいし、何かあった時にすぐ動けるから、そのままかぶりつきの方が効率がいいらしい。







最後には皆串焼きはそのままかぶりついて食べるようになった。・・・意外な事に紫音さんはとうもろこしが苦手らしい。美味しいのに・・・





でも賑わって楽しく食べれて良かったよ。







「はぁ~薫風くんと一緒にいると新しい体験ができて楽しいね!飽きないよ~!」

「ははっ!それは良い意味で?悪い意味でかい?・・・確かに普通の家なら外でその場で作って食べないよなぁ。紫音さん達もごめんね僕に合わせてもらって。」

「いいえ!とても楽しかったですわ!確かに家では体験できない事ですわ。でもこう・・・何も気にせず皆さんと食事しながらお喋りするのは楽しかったですわ。」

「わ、私もです。はしたないと思いながらも誘惑に負けたというか・・・皆さん楽しそうに食べてらっしゃったのでつい・・・」

「ふふ。皆の新たな一面が見れて嬉しいよ。また招待するから来てほしいな。」

「勿論だよ!薫風くんと居ると本当楽しいよ!」






うんうん。喜んでもらえて嬉しいよ。





さて・・・温泉入って寝ましょうか。今日は1人で・・・






「薫風ー、お話は終わったかな?」

「ん?・・・どうしたんだ克典?」

「今日も一緒に寝よーよ。」

「いや、無理だから。昨日は恩義があったからであって、今日は1人で寝るよ。」

「えー淋しいなぁ~。もう明日には皆かえっちゃうんだから・・・なぁ。一緒に寝よう。」

「はぁ・・・何もしない?」

「・・・・・・・・・ん?」

「今日は流依兄さんの所で寝るから。」

「えー?」





こいつ、ほんっとうに懲りないな!てかぶれないな!隙ありゃ襲ってこようとするんだから!・・・あ、これ温泉1人で行かないほうがいい流れじゃね?



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