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高年期[一学期編]
ピンチ!・・・な~んて、ね?
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~神馬爽藍の回想~
ついに明日!待ちに待った薫風とのデート!あの中学の時に会った以来まともに話せてないから存分に語ろう!
っとと、その前に風間理事長に呼ばれてたんだった。・・・なんの用だろうか。とりあえず理事長室の前に来てノックをする。返事が返ってきたので中へ入る。
「失礼します。」
「お忙しい中わざわざ来ていただき有難うございます。」
「いえ。」
この理事長苦手なんだよね。何を考えてるかわからないし、何より人より先回りして行動を起こしてるのが気味が悪くて・・・頭が良く隠し事しても、どこから情報を仕入れてるのかバレるし・・・とにかく苦手なんだよね・・・
「ここに呼んだのは、頼み事があって呼んだんです。」
「はぁ・・・」
「神馬先生。明日、八乙女薫風くんと新しくできたハーブ園へ行くそうですね。」
「あ、そうらしいです。」
「・・・文化祭の最終日に薫風くんが失踪したのは知ってるよね。」
「はい。侯爵家の者がか、八乙女くんを拐ったと聞きました。」
「うん。・・・それで、そのあと夕立侯爵家は身分剥奪し平民へと落とし、かなり肩身狭い思いをしていると聞いているんだ。」
・・・は?何故今になって夕立の話をするんだ?ハーブ園と何か関わりが・・・?
「・・・それでね、その令息は平民へ落とし無償である所で働いてもらっているんだ。・・・あの薬を作る腕を腐らせるにはもったいなくてね・・・そこで、新しくできたハーブ園の裏方で働く事になったんだ。」
「えっ!?そ、それって・・・」
「私の言いたい事はわかりますよね。薫風くんが植物好きなのは知っている。行きたいというハーブ園を無理に変更させるのも・・・だから神馬先生が薫風くんの側にずっと居て絶対に奴を近付けさせないでほしいんです。もちろん、裏方の仕事をさせてますので近づく事はないとは思いますが・・・万が一・・・」
「・・・」
「薫風くんには何やらトラウマがあるらしく、とにかく奴を嫌っているんです。拐われ襲われた過去もありますし。・・・ですので事前に神馬先生にお伝えして警護してもらえないかと思い、お呼びしました。」
「・・・そんな事、わかってて何故理事長自身で行かないんですか?」
「・・・行きたいのだが、絶対に外せない会議があるのです。・・・薫風を守るために理事長になったのに裏目にでました。情けない・・・」
やっぱり風間理事長は薫風の事好きなんだな。なんとなく勘付いていたが・・・
それより、薫風を襲った誘拐犯が明日行くハーブ園にいるのかよ!なんで犯罪者が普通に働いてるんだよ!自宅謹慎してればいいのに!
でも、う~ん・・・あの笑顔でハーブ園行きたいと言った薫風の事を思うと・・・行かせてやりたいよなぁ~
「護衛として薫風くんを守ってやってほしいのですが、頼めますか?もちろん、別途でボーナスつけますよ?」
「わかりました!ボーナスは・・・まぁ欲しいような欲しくないような?でもボーナス欲しさに薫風を守るわけではなく俺個人的にも薫風を守りたいと思ってますので任せてください!」
「・・・手ぇ・・・出してはいけませんよ・・・?」
「っ!?」
怖っ!護衛を理由に友好を築けたらなぁ~あわよくばお手付きできればなぁ~・・・と思ったら釘を打たれたっ!ほんっと!怖い!
綺麗な笑顔で誰もが見惚れる感じの笑顔なんだけど・・・なんか、腹黒い笑顔?殺気を感じるよ・・・怖っ!
と、とにかく警戒するに越したことはないね。
____________
油断はしてなかった。・・・まさかトイレが個室になってて、さらに見失うなんてっ!
失態!大失態!くそっ!あの夕立という奴と確証はできないが誰かが薫風をどこかへ連れてってしまったらしい!
とにかく辺りを探す!薫風~何もなく無事でいてくれ!
__________
~薫風side~
な、なんでこいつが今、目の前に?学校辞めて身分剥奪されて平民になってどこかでボランティアしてたはずっ!・・・あ、ここがボランティア場所?そんなバカな!
「な・・・なん、で・・・?」
「僕の腕を見込まれてねぇ~?今まで豚小屋の様なところでひたすら薬を作らされてたんだけど・・・なんでだろうね?これも運命かな?」
「・・・」
き、気持ち悪い・・・まだ運命とか言ってるわけ?ほんと頭可笑しい・・・
「・・・働いてるなら仕事に戻ったらどう?」
「僕の事、心配してくれてるの!大丈夫だよ!休憩の時間だから!」
「・・・」
は、話が通じない・・・どんだけポジティブ?そのポジティブ僕にも分けて欲しいよ。
っ!?いやいやいや!近付いてこないで~!
「薫風~凄く会いたかったんだ。せっかく1つになれたのに気付いたら薫風はいないし縄で縛られて動けなくなってるし・・・絶望感で一杯になったよ。」
「く、くるな・・・これ以上近付いたら、只じゃおかない・・・!」
「薫風・・・そんな事言わないで・・・久々の再会なんだよ?・・・薫風をこの腕で抱き締めさせてくれ・・・」
ん~・・・好きな人に言われたいセリフ!でも今目の前にいるのは私の男嫌いになった元凶!恋愛対象になるわけない!そもそも同性愛無理!ノーセンキュー!
ジリジリ追い詰められてます。よりによって周りは誰もいない・・・何故?なに?イベントですか?・・・僕限定?そんなバカな・・・
「薫風・・・さぁ・・・」
「~~~~~っ!もう!無理だぁー!」
「えっ!?」
両手を広げて近付いてきた夕立の片腕を両手で掴み、急かさず懐に入って掴んでる腕を肩にかつぎ、前に投げ倒した。うん、意外とこいつ軽い!
ズササーっと服とコンクリートが擦れる音が盛大に響き渡る。
一本背負い!キマッター(о´∀`о)
前世の記憶を辿って護身術を習ってる先生に試してなんとなく形ができてたけど・・・うん、キマって良かったよ。
そそくさ夕立をうつ伏せにして腕を締め上げてやった!
ちょうどタイミング良く神馬さんが駆けつけてきた。はぁ~・・・やっと解放される・・・
「薫風!大丈夫か?」
「神馬さん・・・遅い」
「だってトイレ出てきたら急にいなくなるんだもん!凄く探したよ!よかった~・・・って、下敷きになってる奴は?」
ふ~・・・今更?とにかく何とかして?
ついに明日!待ちに待った薫風とのデート!あの中学の時に会った以来まともに話せてないから存分に語ろう!
っとと、その前に風間理事長に呼ばれてたんだった。・・・なんの用だろうか。とりあえず理事長室の前に来てノックをする。返事が返ってきたので中へ入る。
「失礼します。」
「お忙しい中わざわざ来ていただき有難うございます。」
「いえ。」
この理事長苦手なんだよね。何を考えてるかわからないし、何より人より先回りして行動を起こしてるのが気味が悪くて・・・頭が良く隠し事しても、どこから情報を仕入れてるのかバレるし・・・とにかく苦手なんだよね・・・
「ここに呼んだのは、頼み事があって呼んだんです。」
「はぁ・・・」
「神馬先生。明日、八乙女薫風くんと新しくできたハーブ園へ行くそうですね。」
「あ、そうらしいです。」
「・・・文化祭の最終日に薫風くんが失踪したのは知ってるよね。」
「はい。侯爵家の者がか、八乙女くんを拐ったと聞きました。」
「うん。・・・それで、そのあと夕立侯爵家は身分剥奪し平民へと落とし、かなり肩身狭い思いをしていると聞いているんだ。」
・・・は?何故今になって夕立の話をするんだ?ハーブ園と何か関わりが・・・?
「・・・それでね、その令息は平民へ落とし無償である所で働いてもらっているんだ。・・・あの薬を作る腕を腐らせるにはもったいなくてね・・・そこで、新しくできたハーブ園の裏方で働く事になったんだ。」
「えっ!?そ、それって・・・」
「私の言いたい事はわかりますよね。薫風くんが植物好きなのは知っている。行きたいというハーブ園を無理に変更させるのも・・・だから神馬先生が薫風くんの側にずっと居て絶対に奴を近付けさせないでほしいんです。もちろん、裏方の仕事をさせてますので近づく事はないとは思いますが・・・万が一・・・」
「・・・」
「薫風くんには何やらトラウマがあるらしく、とにかく奴を嫌っているんです。拐われ襲われた過去もありますし。・・・ですので事前に神馬先生にお伝えして警護してもらえないかと思い、お呼びしました。」
「・・・そんな事、わかってて何故理事長自身で行かないんですか?」
「・・・行きたいのだが、絶対に外せない会議があるのです。・・・薫風を守るために理事長になったのに裏目にでました。情けない・・・」
やっぱり風間理事長は薫風の事好きなんだな。なんとなく勘付いていたが・・・
それより、薫風を襲った誘拐犯が明日行くハーブ園にいるのかよ!なんで犯罪者が普通に働いてるんだよ!自宅謹慎してればいいのに!
でも、う~ん・・・あの笑顔でハーブ園行きたいと言った薫風の事を思うと・・・行かせてやりたいよなぁ~
「護衛として薫風くんを守ってやってほしいのですが、頼めますか?もちろん、別途でボーナスつけますよ?」
「わかりました!ボーナスは・・・まぁ欲しいような欲しくないような?でもボーナス欲しさに薫風を守るわけではなく俺個人的にも薫風を守りたいと思ってますので任せてください!」
「・・・手ぇ・・・出してはいけませんよ・・・?」
「っ!?」
怖っ!護衛を理由に友好を築けたらなぁ~あわよくばお手付きできればなぁ~・・・と思ったら釘を打たれたっ!ほんっと!怖い!
綺麗な笑顔で誰もが見惚れる感じの笑顔なんだけど・・・なんか、腹黒い笑顔?殺気を感じるよ・・・怖っ!
と、とにかく警戒するに越したことはないね。
____________
油断はしてなかった。・・・まさかトイレが個室になってて、さらに見失うなんてっ!
失態!大失態!くそっ!あの夕立という奴と確証はできないが誰かが薫風をどこかへ連れてってしまったらしい!
とにかく辺りを探す!薫風~何もなく無事でいてくれ!
__________
~薫風side~
な、なんでこいつが今、目の前に?学校辞めて身分剥奪されて平民になってどこかでボランティアしてたはずっ!・・・あ、ここがボランティア場所?そんなバカな!
「な・・・なん、で・・・?」
「僕の腕を見込まれてねぇ~?今まで豚小屋の様なところでひたすら薬を作らされてたんだけど・・・なんでだろうね?これも運命かな?」
「・・・」
き、気持ち悪い・・・まだ運命とか言ってるわけ?ほんと頭可笑しい・・・
「・・・働いてるなら仕事に戻ったらどう?」
「僕の事、心配してくれてるの!大丈夫だよ!休憩の時間だから!」
「・・・」
は、話が通じない・・・どんだけポジティブ?そのポジティブ僕にも分けて欲しいよ。
っ!?いやいやいや!近付いてこないで~!
「薫風~凄く会いたかったんだ。せっかく1つになれたのに気付いたら薫風はいないし縄で縛られて動けなくなってるし・・・絶望感で一杯になったよ。」
「く、くるな・・・これ以上近付いたら、只じゃおかない・・・!」
「薫風・・・そんな事言わないで・・・久々の再会なんだよ?・・・薫風をこの腕で抱き締めさせてくれ・・・」
ん~・・・好きな人に言われたいセリフ!でも今目の前にいるのは私の男嫌いになった元凶!恋愛対象になるわけない!そもそも同性愛無理!ノーセンキュー!
ジリジリ追い詰められてます。よりによって周りは誰もいない・・・何故?なに?イベントですか?・・・僕限定?そんなバカな・・・
「薫風・・・さぁ・・・」
「~~~~~っ!もう!無理だぁー!」
「えっ!?」
両手を広げて近付いてきた夕立の片腕を両手で掴み、急かさず懐に入って掴んでる腕を肩にかつぎ、前に投げ倒した。うん、意外とこいつ軽い!
ズササーっと服とコンクリートが擦れる音が盛大に響き渡る。
一本背負い!キマッター(о´∀`о)
前世の記憶を辿って護身術を習ってる先生に試してなんとなく形ができてたけど・・・うん、キマって良かったよ。
そそくさ夕立をうつ伏せにして腕を締め上げてやった!
ちょうどタイミング良く神馬さんが駆けつけてきた。はぁ~・・・やっと解放される・・・
「薫風!大丈夫か?」
「神馬さん・・・遅い」
「だってトイレ出てきたら急にいなくなるんだもん!凄く探したよ!よかった~・・・って、下敷きになってる奴は?」
ふ~・・・今更?とにかく何とかして?
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