神の鏡・・・兄妹異世界放浪記、妹を嫁にします。

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Ⅱ 王都にて

12 梟1

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翔・・・主人公、高1十五歳
彩音・・主人公の妹、中1十三歳

ミンク・・・冒険者ギルドの事務職員
ケーノス・・・ナラスの商人ギルドの長
ダン・・・ナラスの荷車組合の長

マッフル・・・王都ギルドの幹部
カエデ・・・荷車隊の護衛の一人、王都のEランク冒険者
ケスラ・・・彩音の治療魔法の師匠、王都で治療院を経営している
ケケロ・・・翔と同行してる荷車隊の護衛、Gランクの冒険者
ミリ・・・翔と同行してる荷車隊の護衛、Gランクの冒険者
ミラ・・・翔と同行してる荷車隊の護衛、Gランクの冒険者、ミリの妹
ミユ・・・翔と同行してる荷車隊の護衛、Gランクの冒険者

1日=24鐘=(24時間)
1鐘=60琴=(60分)
1琴=60鈴=(60秒)

一歩=百爪=(100センチ)
一街=千歩=(1Km)
一狼煙=十街=(10Km)

カルバ隊・・・翔達と並行して蟻の巣探索を行っている隊
シルバ隊・・・翔達と並行して蟻の巣探索を行っている隊
ハロ隊・・・翔達と並行して蟻の巣探索を行っている隊
シリカ隊・・・翔達と並行して蟻の巣探索を行っている隊
ブロム隊・・・翔達と並行して蟻の巣探索を行っている隊

ーーーーー
(カエデ)

器用なもんだ、マッフル隊長がカケルに火の能力、火魔法に近い才能があると言っていたが納得だ。
夜の森を松明たいまつ無しに進んでいる。
周囲の木の枝を松明替わり燃やしてやがる、しかもあたい達が通り過ぎた瞬間に火は綺麗に消えている。

森の中を進んでるんじゃなくて、魍魎に黄泉の国へ案内されている気分になってくる。
物凄く難しいことしてる癖に、涼しい顔で一角兎を丸焼きにして拾い上げる余裕すらある。

何かこいつは変だ、商人ギルドで蟻の生息域の地図を見せられた時は、王立学問所から送られたものと思って話を聞いていたら、自分で作ったって言いやがった。
そんなこと普通できるのか。
でも、商人ギルドの賢い連中がこいつを崇め奉ってやがるし、荷車組合の爺さん達も見習いみたいに、”はいはい”こいつの言うことを聞いているからたぶんあの地図は合ってるんだと思う。

だけどよー、夜の森をガイド無しに入るてのは感心しないな。
ガイドだって迷うんだぜ、同じ所をくるくる回ってたなんて良く聞く話だぞ。
お星様を見てれば迷いませんだー、餓鬼じゃあるまいし、星に祈って迷わないんなら、裸踊りでもまぐわいの祈祷でも何でもしてやらー。

まあ、夜明けになれば判るわな、間違ってたらどついてやるぞ。
おっ、梟が飛んで来た、こいつはカルバ隊の奴だ、だんだん見分けが付くようになってきたぞ。
カルバ隊は異常無しっと。
おっ、また飛んで来た、今度はシルバ隊だろう、うん、正解。
どれどれ、うわっ、はぐれ蟻と遭遇か、あいつ等つきが無いな、でも無事討伐か、流石だ。

「あいよ、カケルこれ」

情報が有ればカケルに渡し、異常がなければ手紙はあたいが仕舞い込む。
返事の手紙が貰えるまで、此奴らはあたいの背負子にとまって待って居る。

他の三匹も飛んで来た。異常無しの報告だ。
カケルが返事を書く。

”シルバ隊、ハグレニ遭遇セシモ無事討伐、他異常ナシ”

足管に返事を入れてやると五匹が元気良く飛んでいった、えらい、えらい。
カケルが自分の背負子にとまっている梟に手紙を持たせる。
こいつは少し大きい商人ギルド行きの奴だ、こいつも元気良く飛び立った。

何時も両足の足管一杯に手紙を詰められて帰って来る。
これで今晩は四回目だ、こいつが戻って来る時分には夜が明けてるだろう。
最初、梟飛ばすお手紙ごっこと思ってたんだが、結構面白いし、他の隊が身近に思えて心強い。
あたいも運んでくれたら楽ちんなんだけなー、まあ、無理か。

夜が明けて来た、ギルド行の梟は少し前に戻って来た。
足管だけじゃ足りなかった様で、両足に一杯結び文を着けていた。

「カエデさん、王都のギルドは応援を千人送ってくれるそうです。王室も町への補助を了承してくれたそうです。ケーノスさん喜ぶでしょうね」

こんな場所に居ながら大事な情報が入って来る。へー、やっぱり梟は便利だ。

ここで今晩の行程は終了、夜が明けた方角も、近くに見えてきた山の方角も悔しいが合っている。
さあ、野営の準備だ。

適当な枝を切って、太い枝の間に足場を渡す。
あたい達冒険者にとっては手馴れた作業だ。

四人用の幕営四張、隊長用幕営一張りを設営する。
巨木を流れ落ちる朝露を汲んで飯の支度をする。

肉はカケルが昨晩拾い集めたから豊富に有る。
食える木の実と芋蔦を探し、混ぜながら潰して火で焼いて食う。
美味い、さてと、問題はこれからだ。
昨日の籤であたいは一番を引き当てちまった。
良く食って体力を付けておこう。

ーーーーー
(カケル)

縦横四メートル、俺が余裕で立って歩ける高さ、布団と小さな椅子とテーブル。
隊長用のテントだ、なんか広くて快適だ。
中央に渡した紐の上で、梟達が返事を待っている。

全部隊無事に野営の設営が終了した様だ、ほっと息を吐く。
無事を全隊に返信し、同じものを商人ギルドに送る。
天布に開いた横穴から梟達が飛び立っていった。

今日のお仕事は一ずお終い。
むふふふ、今日も俺は元気だ。
部下との親交を深めなければ、うん、これも隊長としての大事な仕事だ。

ミリかミラを誘いに行こうと立ち上がった時だった、テント入口の扉布が持ち上がった。
入って来たのはカエデさんだった。
びしっと俺を指差して宣言した。

「カケル、今日はあたいが相手してやるけど、尻は駄目だぞ、尻は」

何か知らんけど俺はもてているらしい。
うー、結婚を早まったか、女神の呪いが恨めしい。
でもこれって触ったり、舐めたり、擦ってもらうのは有ってことなのだろう、どこでも、それに・・・・。

昨日は酔っていたので怠ったが、今日は素面だ。
荷物からスマホを取り出す。

「はーい、カエデさん笑って」

”カシャ”

ーーーーー
(カエデ)

可笑おかしな野郎だ、押し倒して来るかと思ったら、変な板取り出していきなり笑えとぬかしやがる。
笑ってやろうじゃねーか、この大馬鹿野郎。

「あはははは」

”カシャ”

何なんだ、この音は。

「じゃっ、服脱いで下さい」

その積り来たんだから構わないが。

「カケル、おめーも脱げよ」
「はい」

”カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ”

さー、じゃっ、おっ始めるか。

「テーブルに座って下さい」

何なんだよ、此奴は。

”カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ”

「足開いて下さい」

”カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ”


「じゃっ、四つん這いになって下さい」

あっ、こいつの魂胆が解った、油断させといて背後から尻を襲う積りだ。
何時でも反撃に移れるように奴から目を離さない様にする。
でもあの板は何なんだ。

”カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ”

でもカケルのちんちんはデカい、ちょっと握ってみよう。

「あっ」

こいつ、白汁を出しやがった。
ミリとミラが言ってたとおり、三擦り半の早漏だ。

でもミリとミラが言ってたとおり、萎えないでおっ立ったままだ。
ん?なんか、むしろでかくなったんじゃないか。
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