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11 年替え祭り その3
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「ユーリ、行くわよ」
「はい、はい」
”ガツン”
「はいは一回でいいの」
祭り用の魔符を納品した工房には、漏れなく無料の勤労奉仕が付いてくる。
祭りの期間中、神殿では聖符と治癒符の販売窓口を二十倍に増やすので、その手伝いをするのだ。
女性は濃紺の上衣と黄色い袴、男性は黄色の羽織と濃紺のズボンが支給される。
なんでも、月と夜空の色なのだそうだ
サーラは、何度も嬉しそうに鏡を見ていた。
僕は今まで参加したことがない。
”半亡者”だったので除外されていたのだ。
まだ”半亡者”のままなので、今年も除外して欲しかった。
しかも羽織の背中には、上級描陣師を表す紫色の上級聖魔法陣が描かれているので、何となく落ち着かない。
サーラと一緒に夜明け前に家を出て月の神殿へ出向く。
参道から東門を見下ろすと、家々の屋根に積もった雪が、青白い夜の色を放っている。
夜空に聳えるアルテライオス山脈は、神々しいほどに、その白い厳しさを見せている。
水晶門を潜り境内にはいると、聞いていた通り、既に販売窓口の前に長蛇の列が出来ている。
今年は平民にも、一人一枚の限定付きながら、上級聖符が売り出されるのでこんな状況になっているらしい。
寒いのに、ご苦労な事だと思う。
作った人間が言うのもなんだが、そもそも聖符なんて、治癒符と違って使うことのない只のお飾りだ。
臨時の販売窓口と言っても、丸太を積み上げたしっかりした小屋だ。
人が四人横になって並べる程度の狭い面積なのだが、熱風の魔道具一個で中が温まるので丁度良い広さだ。
上級聖符が五千枚、中級聖符が二万枚、初級聖符が五万枚が小屋の中に用意されており、売り切れたら窓口を閉めることが出来る。
初級聖符は銅貨十枚、中級聖符は銀貨一枚、上級聖符は銀貨十枚なので、取り合えず普通の適正価格だ。
納品価格はこれの十分の一なので、神殿は随分と儲けている。
太陽の神殿から、夜明けを知らせる鐘が響き渡る。
窓口を開け、販売開始だ。
聖符は順調に売れて行き、昼前には完売した。
窓口を閉め、売り上げを担当の神官さんに渡す。
後は配られた弁当とスープを楽しむだけだ。
白パンに挟んだ平原牛の厚焼肉とケル芋とメルの芽とメク鳥の炒め物、ハネス茸とミフスの根に穀粉を練り込んだ揚げ物とカク菜とミクの芽のサラダ、カフスの球根を刻んで平原兎の干し肉と煮込んだスープ、デザートに山桃の黒砂糖漬けまで付いている。
これは銀貨三枚はする高級弁当だ。
神殿も今年は奮発したのだろう。
平原牛の厚焼肉を頬張って幸福感に浸っていると、突然小屋の扉が勢い良く開かれた。
「申し訳ない。描陣師殿ご助力願いたい」
茶の鎧を着た大地の神殿の神殿兵が入って来て、僕とサーラは無理矢理小屋から引っ張り出されてしまった。
向かったのは大地の神殿だった。
僕らだけではなく、他の窓口小屋にいた描陣師達も引っ張って行かれている。
大地の神殿の境内に入ると、連れて来られた理由が分かった。
境内で邪蟲が暴れていたのだ。
邪蟲とは、海老の様な、蟹の様な、蜘蛛の様な大きな化け物だ。
実際の邪蟲を見るのは初めてだが、薄い本には良く出て来る化け物だ。
三神殿の神殿兵が集まって戦っているが、完全に劣勢だ。
こちらの攻撃は相手の身体をすり抜けてしまうのに、相手の攻撃は当たるのだ。
集められた描陣師達が治癒符で必死に兵達を支えているが、時間の問題だろう。
薄い本によると、攻撃が当たらないのは、邪蟲が薄い膜一つ向こうの異次元にいるからだ。
相手の攻撃だけ当たるのは、邪蟲は次元を超える能力を持っており、攻撃の瞬間に爪が次元を超えて襲って来るからだ。
なので、薄い本に書いてあったとおり相手の身体が透けているし、攻撃の瞬間だけ爪がはっきり見える。
対処方法は、相手の爪が自分の次元に戻る時を狙い、聖符を発動させて送り込むのだ。
相手の次元は虚の世界だ。
聖符の魔法陣は、虚の世界を破壊する力を持っているのだ。
ただし、薄い本の記述が正しければの話なのだが。
用意されていた箱から上級聖符を数枚抜き取り手に持った。
神殿兵の後ろに隠れながら隙を伺い、可能ならば攻撃してみる積りだった。
危なくなったら逃げ出すことにしていたのだが、神殿兵の後ろに隠れて邪蟲に近寄った途端、神殿兵が邪蟲の爪であっけ無く弾き飛ばされてしまった。
突然僕は、邪蟲と直接向き合うことになった。
邪蟲は振り上げていた爪を僕に向かって振り下ろした。
僕は完全に死んだと思った。
死ぬ前に、一度エッチがしたかったと思った。
だが、死なずに済んだ。
ファラ師匠との稽古が僕を救ってくれたのだ。
身体が自然に反応し、爪を紙一重で避ける。
そのまま型通りオーラを手に纏い、掌を爪に押し当て攻撃する。
”ズン”
重い衝撃が走り、爪に亀裂が走った。
邪蟲は慌てて爪を向こうの次元に引っ込めた。
手に持っていた上級聖符が爪に張り付いており、そのまま向こうの次元に入って行った。
邪蟲がびっくりするような閃光に包まれ、瀕死になって向こうの次元から這い出して来た。
神殿兵達が、鬱憤を晴らすように邪蟲を切り刻んだ。
残る二匹は元凶が僕であることを理解したようで、僕に向かって襲い掛かって来た。
必死だったので、どう逃げ回ったのか分からないが、気が付いたら二匹とも閃光に包まれていた。
一匹目と同じように、向こうの次元から這い出て来て、神殿兵達に切り刻まれた。
神殿兵達の勝鬨が響き渡る中、僕はその場にへたり込んで、暫く動けなかった。
女神の丘の閃光は、聖都全体からも良く見えたらしい。
遠巻きに見ていた野次馬から噂が瞬く間に広がり、人々は上級聖符の威力に改めて驚愕したそうだ。
次の日から上級聖符の凄まじい争奪戦が巻き起こり、僕は三神殿から、鬼のような上級聖符の追加を頼まれるという悲しいことになってしまった。
向こうの世界での休息が無かったら、たぶん僕は聖都を逃げ出したかも知れない。
ーーーーー
大地の神殿 情報調査部
「ミューレ様、稟議書は神殿長が破り捨てました。会計部長と神殿兵団長から猛抗議があったそうです」
「ちっ、上級聖符を生む鶏ということか・・・。信仰よりも財布を大事にするなんて情けない奴らだ。邪蟲についても明らかに神殿兵の勉強不足だ。平民の小僧が知っていることを何故知らんのだ。手も足も出なかったそうじゃないか、だらしがない。私の意見を無視しおって・・・、事が起こった時に責任を問われるのは私なのだぞ」
「はい、ミューレ様。それと、”大地の息吹”工房から、”深夜まで流民街で遊び回り、上級描陣師の名を汚している”との告発が上がっております。神殿の威光を持って処分して欲しいとのことですが」
「何を今更、間抜けな連中だ。その程度の事で引き摺り降ろせると思っているのなら、大笑いだ。ん・・・?、そう言えば・・・、”大地の息吹”工房の孫娘はどうしてる」
「魔法学院を退学し、自宅療養しているそうです。身体の傷は癒えたそうですが、心がまだ癒えないそうです」
「たしか他にも平民の退学者が出て、一年の神殿推薦枠が全部空いたのだな。平民苛めでも起きたのか」
「いいえ、実地訓練の時の事故だそうです。全員半死半生の大火傷を負っての退学だそうです」
「魔力が足りない分、魔道具が上手く使いこなせなかったんだろうな」
「兵士や冒険者が随行するから安全だと聞いています。何かトラブルでも発生したのでしょう」
「学院の設立時に三神殿から王室へ課した許可条件の一つだったのに、神殿推薦枠が空か・・・・。丁度良い、あの餓鬼を魔法学園に押し付けよう。これで私の管轄から外れるので、私が責任を問われることも無くなる」
「えっ?」
「あの餓鬼を魔法学園へ推薦するのだ」
「この時期にですか」
「ああ、王室と三神殿との約束事だ。そもそも欠員が生じた時点で対処しなかったのは、教務部の手落ちだ。本部に連絡して推薦状を貰って来い」
「はっ、了解です」
「はい、はい」
”ガツン”
「はいは一回でいいの」
祭り用の魔符を納品した工房には、漏れなく無料の勤労奉仕が付いてくる。
祭りの期間中、神殿では聖符と治癒符の販売窓口を二十倍に増やすので、その手伝いをするのだ。
女性は濃紺の上衣と黄色い袴、男性は黄色の羽織と濃紺のズボンが支給される。
なんでも、月と夜空の色なのだそうだ
サーラは、何度も嬉しそうに鏡を見ていた。
僕は今まで参加したことがない。
”半亡者”だったので除外されていたのだ。
まだ”半亡者”のままなので、今年も除外して欲しかった。
しかも羽織の背中には、上級描陣師を表す紫色の上級聖魔法陣が描かれているので、何となく落ち着かない。
サーラと一緒に夜明け前に家を出て月の神殿へ出向く。
参道から東門を見下ろすと、家々の屋根に積もった雪が、青白い夜の色を放っている。
夜空に聳えるアルテライオス山脈は、神々しいほどに、その白い厳しさを見せている。
水晶門を潜り境内にはいると、聞いていた通り、既に販売窓口の前に長蛇の列が出来ている。
今年は平民にも、一人一枚の限定付きながら、上級聖符が売り出されるのでこんな状況になっているらしい。
寒いのに、ご苦労な事だと思う。
作った人間が言うのもなんだが、そもそも聖符なんて、治癒符と違って使うことのない只のお飾りだ。
臨時の販売窓口と言っても、丸太を積み上げたしっかりした小屋だ。
人が四人横になって並べる程度の狭い面積なのだが、熱風の魔道具一個で中が温まるので丁度良い広さだ。
上級聖符が五千枚、中級聖符が二万枚、初級聖符が五万枚が小屋の中に用意されており、売り切れたら窓口を閉めることが出来る。
初級聖符は銅貨十枚、中級聖符は銀貨一枚、上級聖符は銀貨十枚なので、取り合えず普通の適正価格だ。
納品価格はこれの十分の一なので、神殿は随分と儲けている。
太陽の神殿から、夜明けを知らせる鐘が響き渡る。
窓口を開け、販売開始だ。
聖符は順調に売れて行き、昼前には完売した。
窓口を閉め、売り上げを担当の神官さんに渡す。
後は配られた弁当とスープを楽しむだけだ。
白パンに挟んだ平原牛の厚焼肉とケル芋とメルの芽とメク鳥の炒め物、ハネス茸とミフスの根に穀粉を練り込んだ揚げ物とカク菜とミクの芽のサラダ、カフスの球根を刻んで平原兎の干し肉と煮込んだスープ、デザートに山桃の黒砂糖漬けまで付いている。
これは銀貨三枚はする高級弁当だ。
神殿も今年は奮発したのだろう。
平原牛の厚焼肉を頬張って幸福感に浸っていると、突然小屋の扉が勢い良く開かれた。
「申し訳ない。描陣師殿ご助力願いたい」
茶の鎧を着た大地の神殿の神殿兵が入って来て、僕とサーラは無理矢理小屋から引っ張り出されてしまった。
向かったのは大地の神殿だった。
僕らだけではなく、他の窓口小屋にいた描陣師達も引っ張って行かれている。
大地の神殿の境内に入ると、連れて来られた理由が分かった。
境内で邪蟲が暴れていたのだ。
邪蟲とは、海老の様な、蟹の様な、蜘蛛の様な大きな化け物だ。
実際の邪蟲を見るのは初めてだが、薄い本には良く出て来る化け物だ。
三神殿の神殿兵が集まって戦っているが、完全に劣勢だ。
こちらの攻撃は相手の身体をすり抜けてしまうのに、相手の攻撃は当たるのだ。
集められた描陣師達が治癒符で必死に兵達を支えているが、時間の問題だろう。
薄い本によると、攻撃が当たらないのは、邪蟲が薄い膜一つ向こうの異次元にいるからだ。
相手の攻撃だけ当たるのは、邪蟲は次元を超える能力を持っており、攻撃の瞬間に爪が次元を超えて襲って来るからだ。
なので、薄い本に書いてあったとおり相手の身体が透けているし、攻撃の瞬間だけ爪がはっきり見える。
対処方法は、相手の爪が自分の次元に戻る時を狙い、聖符を発動させて送り込むのだ。
相手の次元は虚の世界だ。
聖符の魔法陣は、虚の世界を破壊する力を持っているのだ。
ただし、薄い本の記述が正しければの話なのだが。
用意されていた箱から上級聖符を数枚抜き取り手に持った。
神殿兵の後ろに隠れながら隙を伺い、可能ならば攻撃してみる積りだった。
危なくなったら逃げ出すことにしていたのだが、神殿兵の後ろに隠れて邪蟲に近寄った途端、神殿兵が邪蟲の爪であっけ無く弾き飛ばされてしまった。
突然僕は、邪蟲と直接向き合うことになった。
邪蟲は振り上げていた爪を僕に向かって振り下ろした。
僕は完全に死んだと思った。
死ぬ前に、一度エッチがしたかったと思った。
だが、死なずに済んだ。
ファラ師匠との稽古が僕を救ってくれたのだ。
身体が自然に反応し、爪を紙一重で避ける。
そのまま型通りオーラを手に纏い、掌を爪に押し当て攻撃する。
”ズン”
重い衝撃が走り、爪に亀裂が走った。
邪蟲は慌てて爪を向こうの次元に引っ込めた。
手に持っていた上級聖符が爪に張り付いており、そのまま向こうの次元に入って行った。
邪蟲がびっくりするような閃光に包まれ、瀕死になって向こうの次元から這い出して来た。
神殿兵達が、鬱憤を晴らすように邪蟲を切り刻んだ。
残る二匹は元凶が僕であることを理解したようで、僕に向かって襲い掛かって来た。
必死だったので、どう逃げ回ったのか分からないが、気が付いたら二匹とも閃光に包まれていた。
一匹目と同じように、向こうの次元から這い出て来て、神殿兵達に切り刻まれた。
神殿兵達の勝鬨が響き渡る中、僕はその場にへたり込んで、暫く動けなかった。
女神の丘の閃光は、聖都全体からも良く見えたらしい。
遠巻きに見ていた野次馬から噂が瞬く間に広がり、人々は上級聖符の威力に改めて驚愕したそうだ。
次の日から上級聖符の凄まじい争奪戦が巻き起こり、僕は三神殿から、鬼のような上級聖符の追加を頼まれるという悲しいことになってしまった。
向こうの世界での休息が無かったら、たぶん僕は聖都を逃げ出したかも知れない。
ーーーーー
大地の神殿 情報調査部
「ミューレ様、稟議書は神殿長が破り捨てました。会計部長と神殿兵団長から猛抗議があったそうです」
「ちっ、上級聖符を生む鶏ということか・・・。信仰よりも財布を大事にするなんて情けない奴らだ。邪蟲についても明らかに神殿兵の勉強不足だ。平民の小僧が知っていることを何故知らんのだ。手も足も出なかったそうじゃないか、だらしがない。私の意見を無視しおって・・・、事が起こった時に責任を問われるのは私なのだぞ」
「はい、ミューレ様。それと、”大地の息吹”工房から、”深夜まで流民街で遊び回り、上級描陣師の名を汚している”との告発が上がっております。神殿の威光を持って処分して欲しいとのことですが」
「何を今更、間抜けな連中だ。その程度の事で引き摺り降ろせると思っているのなら、大笑いだ。ん・・・?、そう言えば・・・、”大地の息吹”工房の孫娘はどうしてる」
「魔法学院を退学し、自宅療養しているそうです。身体の傷は癒えたそうですが、心がまだ癒えないそうです」
「たしか他にも平民の退学者が出て、一年の神殿推薦枠が全部空いたのだな。平民苛めでも起きたのか」
「いいえ、実地訓練の時の事故だそうです。全員半死半生の大火傷を負っての退学だそうです」
「魔力が足りない分、魔道具が上手く使いこなせなかったんだろうな」
「兵士や冒険者が随行するから安全だと聞いています。何かトラブルでも発生したのでしょう」
「学院の設立時に三神殿から王室へ課した許可条件の一つだったのに、神殿推薦枠が空か・・・・。丁度良い、あの餓鬼を魔法学園に押し付けよう。これで私の管轄から外れるので、私が責任を問われることも無くなる」
「えっ?」
「あの餓鬼を魔法学園へ推薦するのだ」
「この時期にですか」
「ああ、王室と三神殿との約束事だ。そもそも欠員が生じた時点で対処しなかったのは、教務部の手落ちだ。本部に連絡して推薦状を貰って来い」
「はっ、了解です」
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