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44 アリサの想い
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週明けからサラが忙しくなる。
港湾事務所顧問として有力貴族の出迎えや馬車と警護の手配に忙殺される。
朝早く起きて乗合馬車で港に向かい、夜遅くのランプを灯した乗合馬車で帰ってくる。
カムの作った夕飯を食べ、浴場に行かないで眠り込む。
さすがに4日目になるとカムが無理矢理に浴場へ連れて行くが、サラは中で眠り込んでしまい、番台に呼ばれて背負って帰る。
この状態が休日返上で10日程続き、貴族の来訪も一段落する。
この間カムは、国の通詞員と宿の従業員を兼務してホグ宮と宿を往復する。
ホグ宮内では、通詞員の控室が用意されていたが、大后の計らいで宮中にカム専用の室が用意される。
部屋の会議室が重宝し、打ち合わせや通詞への講義、ミーヤの訓練の場、空き時間の食事やお茶等にも人を招いて使用した。
ただ、宿泊も可能であったが、サラを放置できる状態では無かったので必ず帰宅した。
仕事の空き時間には退屈していたアリサとミルヤが遊びに来た。
保護者的な気持ちで、遊びに混ぜてローマン語や魔法、ホグナの演奏などを教えて実質的な家庭教師役兼父親代わりを務めた。
昼休みはミーヤに教える傍らで二人にも魔法の手解きを行った。
ミルヤはミーヤに教えるカムを見て全面的に尊敬して喜んだが、アリサは複雑に変化する自分の気持ちを持て余していた。
全面的な尊敬までは同じでも、真剣に言葉を交わすミーヤを見ていると自分が傍らに立てないもどかしさと自分の幼さに対する悔しさが忍び寄って来る。
その反動で、ミーヤの訓練が終わると幼さを前面に出してカムに甘えてしまう気持ちが抑えられなかった。
大人としてカムに認めて貰いたい気持ちと子供として甘えたい気持ちの葛藤を抱えていた。
ただ、カムに頭を撫でて貰うとそれだけで鳥になって飛び回りたい気分になってしまう自分の気持ちを持て余していた。
将来への不安が無くなり、アリサは良く笑うようになった。
表情に暗さが無くなると、生来の少女の美しさと明るさが際立つようになり、人々の目を引き付けるようになる。
改めて、人々が中央大陸の有力貴族の令嬢であることを思い出して話題に上ることが多くなり、ホグ宮内を笑いながらカムと歩く姿は人々の目を引いて話題となった。
様々に無責任な噂と憶測が流れ、この噂に踊らされた隣人にカムが苦労するようになる。
「今日こそきちんと思い知らせないとサラさんが可愛そうよ」
「そうよね、あいつは懲りない奴だから身体に言って聞かせないとね」
この物騒な会話はアナとカヤである。
買い物先で出合った二人は店の奥さんから最新の噂話を聞かせて貰った。
内容は最近のホグ宮でのロイヤルな話題である。
その中に、中央大陸から来た貴族のお嬢様の噂が混じっていた。
義憤に駆られて二人がカムを待っている。
肉屋の奥さんに“色男”と言われて怪訝に思いながらカムが歩いていると、家が見える手前でカルとダルが道脇で佇んでいた。
声を掛けて近づくと、遥か先に立つアナとカヤを見詰めながらカムを問い詰める。
「おい、カムよ。何やらかしたんだよ。おれも噂聞いたぞ。あいつらマジで怒ってるぞ」
「カムよ。勘弁してくれよ。おれまでアナに因縁つけられたぞ」
溜息混じりである。
「別になにもしていませんよ。無責任な噂ですよ」
「それは薄々俺達も解っているがよ。あいつらは納得しないぜ」
カムは暫く試案すると石畳の上で腹這いになる。
その背中に石畳の模様が現れ、見分けが付かなくなる。
カルとダルが見詰める中、石畳に化けたカムが進んで行く。
固唾を飲んで見守っていると、何を考えたか、石畳に化けたカムが突然アナとカヤに向かって行く。
二人の背後でカムが立ち上がった様子を見て、意図を察してカルとダルが逃げ出そうとする。
が、逃げ出す前に女性二人の悲鳴と同時に直ぐ脇に雷が落ちる。
血相を変えて振り向く女性二人の脇から石畳に化けたカムが男性二人の立つ方向に向かって進んで来る。
「こら、こっちに来るな」
ダルの声に振り向いた女性二人が男性二人の視線を追って行動に出る。
石畳に化けたカムをアナの電撃とカヤの蹴りが襲う。
巧みに避けたカムは速度を速めて男性二人に向かって行く。
巻き添えにする意図を察して二人が逃げ出し、石畳に化けたカムが後を追う。
それを女性二人が追い駆ける。
四人が見えなくなると、雪壁の表面からカムが浮かび上がる。
腹這いになった瞬間から幻影と入れ替わっていた。
途中で鼠に幻影を乗せたので、追い駆けっこは暫く続くだろう。
膝の埃を払ってから家に向かって歩き始めると頭に衝撃が走った。
「まったく」
賢者の杖を持ったサラが#蹲_うずくま_#るカムから買い物籠を奪い取ると歩き始めた。
翌週から別の忙しさが始まった。
貴族達が晩餐会や舞踏会を開催し始めたのである。
サラはホグの役所の幹部として呼ばれることが多くなり、カムはおまけで付き添った。
夕飯の確保兼小さな酔っ払いの監視である。
通詞としてカム単独で呼ばれることも多く、貴族の間で知られるようになる。
アリサも呼ばれる機会が多くなる。
母親と弟と一緒であるが、会場でカムを捜すことが習慣となる。
カムを見付けると弟と二人で走り寄る。
弟の様に抱き付きたいところなのだが我慢する。
メル国ではあまり呼ばれたこともなく、呼ばれても、話相手も無く一人佇み、何時も寂しい思いをしていた。
用事が終わるとカムが二人に作法を教えてくれた。
ローマン語が上達した二人を連れて、大人の前で堂々と振る舞い、二人にも練習させた。
皆、笑みを浮かべて相手をしてくれた。
相手の褒め方も本人の前で解説して見せるので笑いを誘って場を和ませた。
冗談を解説することで相手をさらに笑わせ、二人に社交術を実践で学ばせて行く。
ダンスもカムに教わる。
ミルヤ相手に女性役を務めるカムは周囲を微笑ませる。
アリサ相手では優雅に優しくリードして見せる。
アリサは時間を止めて永遠にカム踊っていたいと思う。
ホグ宮の行事で招かれる時は夫婦として招待される。
ミルヤはサラの存在に関係なくカムに走り寄り、サラとも屈託なく話す。
その後ろを追って躊躇しながらアリサが続く。
アリサはサラの存在を強く意識するが、カムは何時もどおりに教師役を務めてくれるが、サラを意識して必要以上にカムに甘えてしまう。
何時もの通り周りの視線を集めていることは意識するが、気が付くと不安になってカムの腕に纏わり付いている。
アリサはサラという女の子が嫌いだった。
理由の一つ目は態度が生意気なこと。
大人を顎で使うような態度や偉そうに振る舞うのを目にして眉を顰めた。
理由の二つ目、怠け者であること。
侍女長のエリスと大后が話していた。
サラはエリスの指示を苦も無く完璧にこなすが、油断すると感心するくらい色々な方法で手を抜こうとする。
神経も図太く、久々の手強い相手で真剣勝負であったとエリスが零していた。
今もエリスの目を盗んでお酒を飲もうとして、その度見破られて怒られている。
理由の三つ目、大好きなカムと一緒に暮らしているらしいこと。
こんな生意気で怠け者の子はカムに似合わない。
カムが可愛そうだと思う。
理由の四つ目、サラがアリサを相手にしていないこと。
ミーヤに対しては顔を合わせると“色目を使うな”“くっ付くな”“牛女”など嫉妬心を剥き出しにして威嚇するが、アリサを歯牙にも掛ける様子は無い。
自分でも子供と思うが、子供のサラに相手と見なされないのはアリサのプライドが酷く傷つく。
でもカムはサラを嫌っていないし、ミルヤもサラと打ち解けている。
先ほどダンスの相手をして貰い喜んでいた。
自分1人が空回りしている気分になる。
アリサの後に1度だけカムとサラが踊っている。
アリサよりも全然上手だった。
でも今またお酒を飲もうとしてエリスに怒られている。
気分がもやもやしてまたカムの腕にしがみ付いていた。
今晩大叔母様に相談してみよう。
その夜、アリサは大后に自分の気持ちを話してみた。
アリサの髪を撫でながら、大后はベッドの天蓋を見詰めて話始めた。
アリサには大后が天蓋を抜けて星を見詰めているように思えた。
「アリサ、カムはとても良い子ですよ。でもね、私達貴族は自分の気持ちどおりの相手と過ごすのはとても難しいの。少し難しいかも知れないけれど、貴方はアリサであるのと一緒にアルサ家の娘なのよ。ミルヤの為にアルサ家の味方になってくれる家からお婿さんを捜さなければならないのよ。皆そうしてアルサの家を助けて来たの。ただ、カムを嫌いにならなくても良いのよ。ずっと好きなままでも良いの。ただ、アルサ家の娘としての定めに従わなければならないから、好きだって気持ちを大切にしても、大きく燃え上がらせて駄目よ。相手の全てが欲しいと思っても駄目。それが貴族の宿命なの。あなたミルヤが大好きでしょ」
「はい、大叔母様。私はミルヤが大好きです」
頭を撫でられたまま、目を閉じる。
ミルヤの笑顔を思い浮かべたが、直ぐにカムの笑い顔に変わってしまった。
ただ幸せな気分になったので、そのまま思い浮かべて眠りについた。
港湾事務所顧問として有力貴族の出迎えや馬車と警護の手配に忙殺される。
朝早く起きて乗合馬車で港に向かい、夜遅くのランプを灯した乗合馬車で帰ってくる。
カムの作った夕飯を食べ、浴場に行かないで眠り込む。
さすがに4日目になるとカムが無理矢理に浴場へ連れて行くが、サラは中で眠り込んでしまい、番台に呼ばれて背負って帰る。
この状態が休日返上で10日程続き、貴族の来訪も一段落する。
この間カムは、国の通詞員と宿の従業員を兼務してホグ宮と宿を往復する。
ホグ宮内では、通詞員の控室が用意されていたが、大后の計らいで宮中にカム専用の室が用意される。
部屋の会議室が重宝し、打ち合わせや通詞への講義、ミーヤの訓練の場、空き時間の食事やお茶等にも人を招いて使用した。
ただ、宿泊も可能であったが、サラを放置できる状態では無かったので必ず帰宅した。
仕事の空き時間には退屈していたアリサとミルヤが遊びに来た。
保護者的な気持ちで、遊びに混ぜてローマン語や魔法、ホグナの演奏などを教えて実質的な家庭教師役兼父親代わりを務めた。
昼休みはミーヤに教える傍らで二人にも魔法の手解きを行った。
ミルヤはミーヤに教えるカムを見て全面的に尊敬して喜んだが、アリサは複雑に変化する自分の気持ちを持て余していた。
全面的な尊敬までは同じでも、真剣に言葉を交わすミーヤを見ていると自分が傍らに立てないもどかしさと自分の幼さに対する悔しさが忍び寄って来る。
その反動で、ミーヤの訓練が終わると幼さを前面に出してカムに甘えてしまう気持ちが抑えられなかった。
大人としてカムに認めて貰いたい気持ちと子供として甘えたい気持ちの葛藤を抱えていた。
ただ、カムに頭を撫でて貰うとそれだけで鳥になって飛び回りたい気分になってしまう自分の気持ちを持て余していた。
将来への不安が無くなり、アリサは良く笑うようになった。
表情に暗さが無くなると、生来の少女の美しさと明るさが際立つようになり、人々の目を引き付けるようになる。
改めて、人々が中央大陸の有力貴族の令嬢であることを思い出して話題に上ることが多くなり、ホグ宮内を笑いながらカムと歩く姿は人々の目を引いて話題となった。
様々に無責任な噂と憶測が流れ、この噂に踊らされた隣人にカムが苦労するようになる。
「今日こそきちんと思い知らせないとサラさんが可愛そうよ」
「そうよね、あいつは懲りない奴だから身体に言って聞かせないとね」
この物騒な会話はアナとカヤである。
買い物先で出合った二人は店の奥さんから最新の噂話を聞かせて貰った。
内容は最近のホグ宮でのロイヤルな話題である。
その中に、中央大陸から来た貴族のお嬢様の噂が混じっていた。
義憤に駆られて二人がカムを待っている。
肉屋の奥さんに“色男”と言われて怪訝に思いながらカムが歩いていると、家が見える手前でカルとダルが道脇で佇んでいた。
声を掛けて近づくと、遥か先に立つアナとカヤを見詰めながらカムを問い詰める。
「おい、カムよ。何やらかしたんだよ。おれも噂聞いたぞ。あいつらマジで怒ってるぞ」
「カムよ。勘弁してくれよ。おれまでアナに因縁つけられたぞ」
溜息混じりである。
「別になにもしていませんよ。無責任な噂ですよ」
「それは薄々俺達も解っているがよ。あいつらは納得しないぜ」
カムは暫く試案すると石畳の上で腹這いになる。
その背中に石畳の模様が現れ、見分けが付かなくなる。
カルとダルが見詰める中、石畳に化けたカムが進んで行く。
固唾を飲んで見守っていると、何を考えたか、石畳に化けたカムが突然アナとカヤに向かって行く。
二人の背後でカムが立ち上がった様子を見て、意図を察してカルとダルが逃げ出そうとする。
が、逃げ出す前に女性二人の悲鳴と同時に直ぐ脇に雷が落ちる。
血相を変えて振り向く女性二人の脇から石畳に化けたカムが男性二人の立つ方向に向かって進んで来る。
「こら、こっちに来るな」
ダルの声に振り向いた女性二人が男性二人の視線を追って行動に出る。
石畳に化けたカムをアナの電撃とカヤの蹴りが襲う。
巧みに避けたカムは速度を速めて男性二人に向かって行く。
巻き添えにする意図を察して二人が逃げ出し、石畳に化けたカムが後を追う。
それを女性二人が追い駆ける。
四人が見えなくなると、雪壁の表面からカムが浮かび上がる。
腹這いになった瞬間から幻影と入れ替わっていた。
途中で鼠に幻影を乗せたので、追い駆けっこは暫く続くだろう。
膝の埃を払ってから家に向かって歩き始めると頭に衝撃が走った。
「まったく」
賢者の杖を持ったサラが#蹲_うずくま_#るカムから買い物籠を奪い取ると歩き始めた。
翌週から別の忙しさが始まった。
貴族達が晩餐会や舞踏会を開催し始めたのである。
サラはホグの役所の幹部として呼ばれることが多くなり、カムはおまけで付き添った。
夕飯の確保兼小さな酔っ払いの監視である。
通詞としてカム単独で呼ばれることも多く、貴族の間で知られるようになる。
アリサも呼ばれる機会が多くなる。
母親と弟と一緒であるが、会場でカムを捜すことが習慣となる。
カムを見付けると弟と二人で走り寄る。
弟の様に抱き付きたいところなのだが我慢する。
メル国ではあまり呼ばれたこともなく、呼ばれても、話相手も無く一人佇み、何時も寂しい思いをしていた。
用事が終わるとカムが二人に作法を教えてくれた。
ローマン語が上達した二人を連れて、大人の前で堂々と振る舞い、二人にも練習させた。
皆、笑みを浮かべて相手をしてくれた。
相手の褒め方も本人の前で解説して見せるので笑いを誘って場を和ませた。
冗談を解説することで相手をさらに笑わせ、二人に社交術を実践で学ばせて行く。
ダンスもカムに教わる。
ミルヤ相手に女性役を務めるカムは周囲を微笑ませる。
アリサ相手では優雅に優しくリードして見せる。
アリサは時間を止めて永遠にカム踊っていたいと思う。
ホグ宮の行事で招かれる時は夫婦として招待される。
ミルヤはサラの存在に関係なくカムに走り寄り、サラとも屈託なく話す。
その後ろを追って躊躇しながらアリサが続く。
アリサはサラの存在を強く意識するが、カムは何時もどおりに教師役を務めてくれるが、サラを意識して必要以上にカムに甘えてしまう。
何時もの通り周りの視線を集めていることは意識するが、気が付くと不安になってカムの腕に纏わり付いている。
アリサはサラという女の子が嫌いだった。
理由の一つ目は態度が生意気なこと。
大人を顎で使うような態度や偉そうに振る舞うのを目にして眉を顰めた。
理由の二つ目、怠け者であること。
侍女長のエリスと大后が話していた。
サラはエリスの指示を苦も無く完璧にこなすが、油断すると感心するくらい色々な方法で手を抜こうとする。
神経も図太く、久々の手強い相手で真剣勝負であったとエリスが零していた。
今もエリスの目を盗んでお酒を飲もうとして、その度見破られて怒られている。
理由の三つ目、大好きなカムと一緒に暮らしているらしいこと。
こんな生意気で怠け者の子はカムに似合わない。
カムが可愛そうだと思う。
理由の四つ目、サラがアリサを相手にしていないこと。
ミーヤに対しては顔を合わせると“色目を使うな”“くっ付くな”“牛女”など嫉妬心を剥き出しにして威嚇するが、アリサを歯牙にも掛ける様子は無い。
自分でも子供と思うが、子供のサラに相手と見なされないのはアリサのプライドが酷く傷つく。
でもカムはサラを嫌っていないし、ミルヤもサラと打ち解けている。
先ほどダンスの相手をして貰い喜んでいた。
自分1人が空回りしている気分になる。
アリサの後に1度だけカムとサラが踊っている。
アリサよりも全然上手だった。
でも今またお酒を飲もうとしてエリスに怒られている。
気分がもやもやしてまたカムの腕にしがみ付いていた。
今晩大叔母様に相談してみよう。
その夜、アリサは大后に自分の気持ちを話してみた。
アリサの髪を撫でながら、大后はベッドの天蓋を見詰めて話始めた。
アリサには大后が天蓋を抜けて星を見詰めているように思えた。
「アリサ、カムはとても良い子ですよ。でもね、私達貴族は自分の気持ちどおりの相手と過ごすのはとても難しいの。少し難しいかも知れないけれど、貴方はアリサであるのと一緒にアルサ家の娘なのよ。ミルヤの為にアルサ家の味方になってくれる家からお婿さんを捜さなければならないのよ。皆そうしてアルサの家を助けて来たの。ただ、カムを嫌いにならなくても良いのよ。ずっと好きなままでも良いの。ただ、アルサ家の娘としての定めに従わなければならないから、好きだって気持ちを大切にしても、大きく燃え上がらせて駄目よ。相手の全てが欲しいと思っても駄目。それが貴族の宿命なの。あなたミルヤが大好きでしょ」
「はい、大叔母様。私はミルヤが大好きです」
頭を撫でられたまま、目を閉じる。
ミルヤの笑顔を思い浮かべたが、直ぐにカムの笑い顔に変わってしまった。
ただ幸せな気分になったので、そのまま思い浮かべて眠りについた。
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