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25 出航儀式の練習
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船荷の到着を知らせる情報は早い、船主に取っての死活問題なので種々考案される。
今最も早いのは大鷲便。
西大陸との海峡を難なく越えるので、西大陸の中継地を経て北大陸と南大陸の間でも二日で情報が届く。
ホグの港湾事務所の処長に、中、短距離航路の船主から儀式の履行の強い要望が来る。
人員不足を理由に断ると、意を受けた貴族や王都の役人、軍人からの脅しに近い要望書が舞い込むようになる。
慌てた処長がホグの役所の所長と相談。
所長は要望書に名を連ねる錚々たるメンバーに驚愕する。
宰相に極めて近い人物の名もある。
キーロから所長への相談も内々に有った。
そこで役所の知恵袋、サラが呼ばれて所長室に入る。
応接ソファーに見知った港湾処長の顔、互いに驚く。
処長はサラが役所職員と初めて知り、しかもサラ所長と所長が対等に話している。
サラが潮変わりの日の騒動を説明、所長はサラの旦那が火付け役と知る。
サラも相談事を理解し承諾する。
二人を部屋で待たせ、要望書を抱えて登用処長室へ向かう。
登用処長は役所のナンバー2、王都から派遣された若い職員でエリート、他の処長と違い自分の部屋が有る。
要望書を見せて説明すると直ぐに理解する。
二人で役所内を一巡。
各処長に話しを通し、秘密会議メンバーから人材を推薦して貰う。
所長室に戻った時には、後ろに怪訝そうな顔をする若手女子職員を9人引き連れていた。
ちなみに、書物処からはクーを引っぱって来た。
所長室が初めての職員も多く、全員が緊張している。
登用処長が説明し、明日は全員が港に出張すること、出航儀式の研修を行い慣れたら交代で出航儀式を行うこと、期間は港湾事務所の新規職員が採用されるまでで、ホグナを持参することが決まる。
そしてサラが指導することと昼食は港湾事務所で用意することも決まる。
クーが回りを見回す。
考えることは皆同じで互いに顔を見合わせることになる。
皆、若いがホグナの競技会で良く顔を合わせるメンバー。
サラの指導は気になるが、“ホグナの儀式なら多分大丈夫、筆写とは違うし”。
クーは懸命に不安な心を打ち消そうとする。
港湾事務所の会議室に全員が集まる。
港湾事務所の3人娘も紹介される。
全員に厚い冊子が配られ出航儀式で歌う歌詞と説明される。
最初が南大陸の海言葉にローマン語で発音が書いてあるもの。
次が東大陸語の数か国語、次が中央大陸の主な言葉、そして最後がローマン語。
クーも冊子を捲る。
最初の数か国語は解らないから飛ばして、多少解る中央太陸語を読む。
知らない言葉が多いので直ぐにローマン語に目を通す。
そして凍りつく。
「あの、こんな歌無理です」
一番気の強い娘が声を上げる。
「大丈夫、慣れます」
「いえ、絶対に慣れません」
「じゃ、私が歌って見せるから」
スルーして議事進行、サラが歌い始める。
ホグナからホグナと違う鈍い陽気な音色が溢れだし、叩く様なホグナと異なる奏法で踊り出したくなるリズムが刻まれる。
「××な××の××さん。××が××して××だから××の××で××して×××で××な××だから・・・」
耳を塞ぎたくなるようなフレーズが並ぶ。
皆、実際の歌を聞いてショックを受けている。
サラがもう一度同じ曲を繰りかえし聞かせる。
今度は解っているからショックは少ない。
4回曲を繰り返し聞かせてから、全員を椅子から立たせる。
会議テーブルを囲んで輪を作り、曲のみ演奏して踊らせる。
テンポの良いホグナのリズムに身体が自然に動く。
慣れたところで歌を挿入、自然と踊りにメリハリが現れる。
次に全員で声を合わせて歌いながら踊る。
卑猥な言葉は軽快な曲に乗せると頭にこびり付く。
次は短いフレーズを交代で歌いながら踊る。
全員が妙なテンションで汗ばんでくる。
ホグナの修行は厳しく師匠を頂点とした強固なピラミッドが形成され、上下関係も厳しい。
このため、ホグナの修行者には軍隊的な気性を持つものが多く、稽古にも体力養成やら根性育成の名目で軍隊の鍛練が取り入れられている。
全員で汗を流しながら規則正しく同じ行動をする。
全員で声を合わせ交代で声を出す。
師範から激が飛ぶ。
「声が小さい。気合いが足りない」
「はい、すいません」
思考を停止し、ひたすら師範の指示に従う。
師範の指示は絶対、疑問は背信。
前に向かって誠心誠意、一生懸命、努力と根性。
知らず知らずに、普段の稽古場と同じ気持ちになり、違和感無く大声で歌い汗を掻きながら踊る。
卑猥な言葉を大声で歌い、心の箍が一本、二本と零れ落ちて行く。
午前中の練習が終わると、全員爽快感に包まれやる気が漲っている。
昼飯は先日の甘味処へ向かう。
平日の昼は普通の食事も出す。
店が個室を用意してくれて、全員リラックスして食事をする。
デザートは勿論、店の名物の甘いクリームがたっぷり乗った浜煮のゼリー。
全員が食事を終え、食後のお茶を楽しむ頃合いには、練習開始前の戸惑いは霧散し、同じ物を食べた一体感に包まれている。
港湾事務所に戻ると、カムが待っていた。
頼まれたのはホグナの調整と弾き方の指南。
一人づつホグナを調整し、弾き方を指南。
勿論全員ホグナを複数所有し予備の一棹を持参している。
脇では、輪になって踊りながらの歌の練習。
これは魔法を使わない魔法。
歴史上には踊り狂う民衆によって滅ぼされた国も存在する。
クーはホグナを調整するカムの指先を見ていた。
刻印に紙を貼って調音する指、弦の強さを調整する指、慣れた手付きで淀みが無い。
クーの御祖父さんはホグナ職人で小さい頃は良く工房に遊びに行った。
カムはホグナの裏板を確認しながら、刻印を覆う紙を調整している。
これは職人の領域である。
宿の案内係とサラから紹介されたが、クーはサラの伴侶と知っている。
調整が終わったホグナを受け取り爪弾く。
うーん、全然違う。異国の音がするし調律の技量が違う。
この夫婦只者ではない。
調整が終わり帰ろうとするカムをサラが引き留める。
そして船長役をやらされる。
26本の非難の視線を浴びながら、南大陸基準の常識的な返歌をローマン語で返す。
「ねー、悔しいでしょ。こんな事言われるのよ。だから、最初にガツンと言ってやらなければ駄目なの。解ったでしょ」
全員がカムを睨みながら頷いている。
ローマン語以外の歌は、出航予定を見てサラが割り振る。
ローマン語以外は家での練習を指示して本日は終了。
帰りの馬車は港湾事務所で手配してくれた。
偶々空いていた貴族用の少し乗り心地の良い、柔らかなソファーの長い馬車。
ホグまでの半刻の間、全員が疲れて転寝している。
家に帰り二人で共同浴場へ向かう。
入浴後、カムが着替えていると番台のおばさんから声が掛かる。
サラが着替え途中で力尽き寝込んでいるとのこと。
着替えさせてからサラを背負って帰る。
無理矢理夕飯を食べさせ寝かせる。
今夜は幸せそうな顔をしている、やはり群れで過ごす一日は心地良いらしい。
今最も早いのは大鷲便。
西大陸との海峡を難なく越えるので、西大陸の中継地を経て北大陸と南大陸の間でも二日で情報が届く。
ホグの港湾事務所の処長に、中、短距離航路の船主から儀式の履行の強い要望が来る。
人員不足を理由に断ると、意を受けた貴族や王都の役人、軍人からの脅しに近い要望書が舞い込むようになる。
慌てた処長がホグの役所の所長と相談。
所長は要望書に名を連ねる錚々たるメンバーに驚愕する。
宰相に極めて近い人物の名もある。
キーロから所長への相談も内々に有った。
そこで役所の知恵袋、サラが呼ばれて所長室に入る。
応接ソファーに見知った港湾処長の顔、互いに驚く。
処長はサラが役所職員と初めて知り、しかもサラ所長と所長が対等に話している。
サラが潮変わりの日の騒動を説明、所長はサラの旦那が火付け役と知る。
サラも相談事を理解し承諾する。
二人を部屋で待たせ、要望書を抱えて登用処長室へ向かう。
登用処長は役所のナンバー2、王都から派遣された若い職員でエリート、他の処長と違い自分の部屋が有る。
要望書を見せて説明すると直ぐに理解する。
二人で役所内を一巡。
各処長に話しを通し、秘密会議メンバーから人材を推薦して貰う。
所長室に戻った時には、後ろに怪訝そうな顔をする若手女子職員を9人引き連れていた。
ちなみに、書物処からはクーを引っぱって来た。
所長室が初めての職員も多く、全員が緊張している。
登用処長が説明し、明日は全員が港に出張すること、出航儀式の研修を行い慣れたら交代で出航儀式を行うこと、期間は港湾事務所の新規職員が採用されるまでで、ホグナを持参することが決まる。
そしてサラが指導することと昼食は港湾事務所で用意することも決まる。
クーが回りを見回す。
考えることは皆同じで互いに顔を見合わせることになる。
皆、若いがホグナの競技会で良く顔を合わせるメンバー。
サラの指導は気になるが、“ホグナの儀式なら多分大丈夫、筆写とは違うし”。
クーは懸命に不安な心を打ち消そうとする。
港湾事務所の会議室に全員が集まる。
港湾事務所の3人娘も紹介される。
全員に厚い冊子が配られ出航儀式で歌う歌詞と説明される。
最初が南大陸の海言葉にローマン語で発音が書いてあるもの。
次が東大陸語の数か国語、次が中央大陸の主な言葉、そして最後がローマン語。
クーも冊子を捲る。
最初の数か国語は解らないから飛ばして、多少解る中央太陸語を読む。
知らない言葉が多いので直ぐにローマン語に目を通す。
そして凍りつく。
「あの、こんな歌無理です」
一番気の強い娘が声を上げる。
「大丈夫、慣れます」
「いえ、絶対に慣れません」
「じゃ、私が歌って見せるから」
スルーして議事進行、サラが歌い始める。
ホグナからホグナと違う鈍い陽気な音色が溢れだし、叩く様なホグナと異なる奏法で踊り出したくなるリズムが刻まれる。
「××な××の××さん。××が××して××だから××の××で××して×××で××な××だから・・・」
耳を塞ぎたくなるようなフレーズが並ぶ。
皆、実際の歌を聞いてショックを受けている。
サラがもう一度同じ曲を繰りかえし聞かせる。
今度は解っているからショックは少ない。
4回曲を繰り返し聞かせてから、全員を椅子から立たせる。
会議テーブルを囲んで輪を作り、曲のみ演奏して踊らせる。
テンポの良いホグナのリズムに身体が自然に動く。
慣れたところで歌を挿入、自然と踊りにメリハリが現れる。
次に全員で声を合わせて歌いながら踊る。
卑猥な言葉は軽快な曲に乗せると頭にこびり付く。
次は短いフレーズを交代で歌いながら踊る。
全員が妙なテンションで汗ばんでくる。
ホグナの修行は厳しく師匠を頂点とした強固なピラミッドが形成され、上下関係も厳しい。
このため、ホグナの修行者には軍隊的な気性を持つものが多く、稽古にも体力養成やら根性育成の名目で軍隊の鍛練が取り入れられている。
全員で汗を流しながら規則正しく同じ行動をする。
全員で声を合わせ交代で声を出す。
師範から激が飛ぶ。
「声が小さい。気合いが足りない」
「はい、すいません」
思考を停止し、ひたすら師範の指示に従う。
師範の指示は絶対、疑問は背信。
前に向かって誠心誠意、一生懸命、努力と根性。
知らず知らずに、普段の稽古場と同じ気持ちになり、違和感無く大声で歌い汗を掻きながら踊る。
卑猥な言葉を大声で歌い、心の箍が一本、二本と零れ落ちて行く。
午前中の練習が終わると、全員爽快感に包まれやる気が漲っている。
昼飯は先日の甘味処へ向かう。
平日の昼は普通の食事も出す。
店が個室を用意してくれて、全員リラックスして食事をする。
デザートは勿論、店の名物の甘いクリームがたっぷり乗った浜煮のゼリー。
全員が食事を終え、食後のお茶を楽しむ頃合いには、練習開始前の戸惑いは霧散し、同じ物を食べた一体感に包まれている。
港湾事務所に戻ると、カムが待っていた。
頼まれたのはホグナの調整と弾き方の指南。
一人づつホグナを調整し、弾き方を指南。
勿論全員ホグナを複数所有し予備の一棹を持参している。
脇では、輪になって踊りながらの歌の練習。
これは魔法を使わない魔法。
歴史上には踊り狂う民衆によって滅ぼされた国も存在する。
クーはホグナを調整するカムの指先を見ていた。
刻印に紙を貼って調音する指、弦の強さを調整する指、慣れた手付きで淀みが無い。
クーの御祖父さんはホグナ職人で小さい頃は良く工房に遊びに行った。
カムはホグナの裏板を確認しながら、刻印を覆う紙を調整している。
これは職人の領域である。
宿の案内係とサラから紹介されたが、クーはサラの伴侶と知っている。
調整が終わったホグナを受け取り爪弾く。
うーん、全然違う。異国の音がするし調律の技量が違う。
この夫婦只者ではない。
調整が終わり帰ろうとするカムをサラが引き留める。
そして船長役をやらされる。
26本の非難の視線を浴びながら、南大陸基準の常識的な返歌をローマン語で返す。
「ねー、悔しいでしょ。こんな事言われるのよ。だから、最初にガツンと言ってやらなければ駄目なの。解ったでしょ」
全員がカムを睨みながら頷いている。
ローマン語以外の歌は、出航予定を見てサラが割り振る。
ローマン語以外は家での練習を指示して本日は終了。
帰りの馬車は港湾事務所で手配してくれた。
偶々空いていた貴族用の少し乗り心地の良い、柔らかなソファーの長い馬車。
ホグまでの半刻の間、全員が疲れて転寝している。
家に帰り二人で共同浴場へ向かう。
入浴後、カムが着替えていると番台のおばさんから声が掛かる。
サラが着替え途中で力尽き寝込んでいるとのこと。
着替えさせてからサラを背負って帰る。
無理矢理夕飯を食べさせ寝かせる。
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