欠陥品なんです、あなた達は・・・ネズミ捕りから始める異世界生活。

 真っ暗闇の中を落ち続け、背中に衝撃を感じた。
 暫く息が詰まっていたが直ぐに息が出来る様になり、特に怪我も無いようだった。
 
「兄ちゃん、大丈夫」
「ああ大丈夫だ、明美は」
「兄ちゃんがクッションになってくれたから大丈夫」

 墨を流した様な漆黒の暗闇の中、腕の中の明美の感触だけが唯一確かな存在だ。

 妹の明美をベットの上に押し倒したら、そのままベットの中へ身体が沈み込んで闇の中へ落ちたのだ。
 パニックになりかけたが、落下する感触が有ったので、そのまま無意識に明美を護ろうと抱き締めていた。
 なにも妹に#疚__やま__#しい事をしようとした訳じゃない。
 僕がコンビニで買ってきたコミックを、明美が無断で先に読んでいたので取り返そうとしただけだ。
 第一、明美はまだ小学六年生の餓鬼だ。
 髪の毛を短く刈り揃えたサッカー少女で、良く男子に間違われている。

「兄ちゃんが僕にエッチな事しようとしたから罰が当たったのかな」
「こら、人聞きの悪い事言うんじゃない」

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310
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