古(いにしえ)の魔法

切粉立方体

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Ⅰ 旅立ち

4 領都へ・・・マナ人の正体

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「はははは、騒がしくて済まないね。遠い所からでお疲れだろう。少し休んでから、今後の予定を説明しよう。テイノス、客室へ御案内しなさい」
「畏まりました。お館様」

 流されて訳の解らないまま、カイは自分の前を歩く自分の布団を見詰めて歩いていた。
 雲の上の存在である領主様から親しげに話掛けられ、握手を求められたのだ。
 まだ感触の残る手の平を見ながら、何か悪い夢を見ている様で、物凄く落ち着かなかった。
 何か物凄く丁重に扱われているのだが、カイにはその理由が解らなかった。
 屋敷裏の朽ち果てた物置小屋にでも連れて行かれて、そこで修行の説明があるものと思っていたのだ。

 案内された部屋はカイのペトッセ村の家よりも広かった。
 豪華な浮彫の彫刻が施された天蓋付のベットが中央に置かれている大きな寝室、皮張りのソファーがある応接室とリビング、小さな厨房と十六人が座れる大きなテーブルが備え付けられている食堂、皮張りの本が並ぶ書斎、大人四人が一緒に入れそうな大きな湯船のある風呂場、縁に豪華な彫金が施された鏡が何枚も並ぶ洗面所、広くて落ち着かない彫刻に囲まれたトイレ、そして従者控室まで設けてある。
 カイの膝がガクガクと震えて来た、間違いと判り、後から物凄く怒られそうで怖かった。

「それではごゆっくりご寛ぎ下さい」

 部屋の案内を終え、カイに頭を下げてテイノスが部屋を退出しようとする。
 その足に、カイは必死でしがみ付いた。

「ごめんなさい、テイノスさん。マナ人って何なんですか。鳥飼じゃないんですか」
「テイノスと呼んで頂いて結構です。何方どなたがそのような悪質な冗談を言われた判りませんが、マナ人様は鳥飼などではございません。魔法を具現化できる方々に与えられている天職の一つです」

 カイは一瞬、テイノスの言葉の意味が飲み込めなかった。

「魔法?」
「はい、魔法です」
「魔法なんて本当にあるんですか」
「はい、御座います」
「吟遊詩人の御伽噺じゃなくて?」
「現実に存在します」
「・・・俺はその魔法が使えるんですか」
「はい、その通りです。訓練が必要ですが、カイ様は魔法が使えます」
「・・・・魔法が使えると、どんな良い事があるんですか」

 テイノスが一瞬考え込んだ。

「魔法とはことわりを越えた大きな力です。一人の魔法師の存在が、国家間の争いの勝敗を左右するとも言われております。人の能力を超越した、神が恵んで下さった大きな力とも言われています。カイ様は王が何故存在するとお思いですか」
「えっ?王様って天職なんでしょ」

 テイノスがゆっくりと首を振った。

「いいえ、王は天職ではありません。身分なのです。戦乱の時代、より多くの敵を倒し、より多く敵を打ち破る戦力となった者に与えられた報酬が領地であり、身分なのです。そしてその中で突出した力を持つ者が王になったのであり、神様に与えられた物ではございません」

 王とは生まれながらに決まっている天職とカイは思っていた、だからそれ自体が、最初から決まっている物ではなかったとのテイノスの説明はショックだった。

「戦乱の時代、力の有る勇者達は必ず大きな魔法の力の所有者でもありました。魔法の力が強い者が勝ち、魔法の力の弱い者を従える、そんな淘汰が行われる世界の中で、今の王の祖先達は生き残って来たのです。その淘汰の世界を生き残る為に、魔力の強い者はその力で得られた財と身分を使って、より魔力の強い者と婚姻して一族の魔力を増々高めて行き、そしてその魔力を使って再び財と身分と魔力を引き寄せて身分が固定化して行ったのです」

 そしてテイノスが小さな溜息を吐いた。

「北大陸での長い戦乱の時代が終わり、隣接する国同士の争いは減りましたが、この強固な構造は変わっておりません。むしろ、中央大陸との長い戦いと相まって、魔法の力は神から授かった民を護る聖なる力であると唱える神官も現れ始め、魔法の力に対する要請は強まって来ております。カイ様は身分制度についてはどの程度ご存じですか」
「代官様がいて、その上に領主様がいて、その上に王様がいるのかな。天職だと思っていたのであんまり知りません」
「国によって多少制度は異なるのですが、基本的な構造はカイ様のご理解で正解です。そしてこの構造の上には、爵位という貴族制度が乗っております。爵位は四階層に別れており、一番上が公爵、その次が伯爵、男爵と続き、一番下が子爵となっております。子爵は領地を持たない貴族で、上位の貴族から代官などの仕事や騎士などの役職を与えられ、上位の貴族に仕えることで生活しております。それに対し、男爵以上の身分の者は、その爵位に応じて直接王から領地が与えられており、基本的には王に直接仕える身分になります」
「へー、男爵様は王様の御家来なんですね」
「はい、ですがこれはあくまでも建前の話でして、領地を与えられた貴族達は国軍の軍人としての義務を負っており、国軍の組織の中に組み込まれております。国軍は、黒竜、白虎、赤獅子、青狼、金鷲と呼ばれる五つの部隊に別れており、王が総指揮官と金鷲将軍を兼務しており、残りの四部隊の将軍は、四公爵家の当主が務めております。各部隊には五人から八人の伯爵の身分の者が務める大隊長がおり、その下に男爵の身分の者が務める四人から十人の小隊長が所属します。実際の直接の上下関係は、この国軍の中の地位によって決まっています」
「へー、男爵様はどの部隊に属されているの」
「ダノン公爵が将軍を務められております青狼隊の、メソット伯爵大隊長の下に属しております」
「うん、何となく解りました」
「はい、それでは本題に移らさせて頂きます。国軍でのこれらの御役目は、実は身分では無く完全な実力主義、魔法力によって決ることが原則になっているのです。四年に一回開かれる貴族院大総会により審議され、実力無しと判断されれば、王位の剥奪すら起こり得るのです」
「えっ、王様を辞めさせちゃうの」
「王というより、家の入れ替えが起こります。公爵家に実力があれば、王家として入れ替わるのです。実はこの百年で二回起きています」
「王様大丈夫だったの」
「大総会前にも、大総会後にもだいぶ血が流れたと噂されております。これは王家に限った事では無く、毎回多くの男爵家が爵位を剥奪されております。多くの家来が職を失い、悲惨な状況になるとお聞きしております」
「この家は大丈夫なの」
「御心配頂きありがとうございます。お館様は魔法を具現化できるほどのお力には恵まれておりませんでしたが、魔力を宿した槍や剣を使いこなせる聖騎士とも呼ばれる魔使人の天職をお持ちです。お二人のお嬢様も、道具に魔力を宿らせることができる祝幸姫と呼ばれる魔付人の天職をお持ちですから、当家は安泰です」
「へー、凄いんですね。それじゃマナ人って何が出来るんですか」

 テイノスがまた少し考え込んだ。

「魔力に恵まれた方の魔法の天職は五職種でございます。魔力はお持ちですが、魔法を具現化できる程の魔力には恵まれなかった方の天職が魔使人と魔付人です。魔使人は男性の職業と言われておりますが、女性で魔使人の天職を得られる方もいらっしゃいまして、過去には剣技を極めて子爵令嬢から伯爵夫人にまで昇り詰めた女騎士もいらっしゃいます。魔付人もほとんどが女性ですが、時折男性でこの天職を得られる方もいらっしゃいます。伝説級の魔剣や聖剣、魔槍や聖槍などは、男性の魔付人が魔鍛冶として鍛え上げた物が殆どです。この二つの天職の発現が領地を持った貴族の最低条件でもあります。ほとんどの領地持ちの貴族の家で数人がこの天職を授かっており、軍や国の要職の任用条件にもなっております」

 カイは緊張しながら、話の続きを待った。

「実際に魔法を具現化する程の魔力に恵まれた方は、ゼファ人、ファルナ人、マナ人のいずれかの天職の神託を授かります。この三職についてはそれぞれ一長一短がございまして特に優劣は無いと言われております。ゼファ人とは魔法属性を一種類のみ使いこなせる方々で、使える魔法種が少ない分、その属性の上位レベルの魔法まで使いこなせる特性がございます。ファルナ人とは二種類以上の属性を使いこなす能力をお持ちの方々で、複数の属性魔法を使いこなせる分、使える魔法のレベル自体が低くなります。そしてマナ人、カイ様の天職でございます。すべての属性を使いこなせますが、その分使えるそれぞれの魔法のレベルも低くなります」
「ゼファ人が一番上位の魔法まで使えるんでしょ。だったら、一番優れているのはゼファ人なんじゃないですか」
「その様に勘違いされていらっしゃる方も、多くいらっしゃいます。ですが二種類の異なる魔法を同時に、例えば水魔法で作った水を火魔法で瞬時に燃やすことにより、火魔法の上位魔法に匹敵する爆裂を発現させることも可能なのです。その分修練は必要となりますが、魔法の使い方次第で優劣は無くなるのです」
「へー、それじゃマナ人は修練次第で色々なことが出来るんだ」
「はい、そのとおりでございます。それと、ゼファ人とファルナ人は、魔力を体に貯留して魔法を起動させると言われておりますが、マナ人様は、マナを直接魔力に変える能力をお持ちだと言われております。我が国では、この三職を授かる方々は物凄く少なく、十数年に一人か二人、しかも殆どが王家か公爵家の子息に限られております。特にマナ人様の職は滅多に授かりませんので、稀人様とも呼ばれております。後ほどお館様からご説明がございますが、一旦聖地で修行を積まれて帰国された後は、カイ様には最低限大隊長以上の身分の授与が保障されていると考えて下さって結構です。どうぞ当家も全面的にお手伝いさせて頂きますので、懇意にして頂けますよう、お願いいたします」

ーーーーー
「テイノスが魔法の職については説明してくれたようだから、その話は省かせて貰うよ」

 カイは、コクリ男爵のプライベートな居間に招かれて、今後の予定の説明を受けている。
 廊下にはメイドや執事がズラッと並んでいたが、室内にはテイノスが控えているのみで、残りは男爵家の家族だけである。
 正面のソファーには男爵、そしてカイの両脇には、べったりと次女のベネッサと三女のベルーサが座っている。
 長女のベレットはテーブルの脇で、男爵夫人のお茶を煎れる手伝いをしている。
 男爵夫人も、女神像の様に綺麗だとカイは思った。

「今後の予定なんだが、カイ君には聖地に向かって貰う。魔法職の上位三職の神託を受けた者は、北大陸相互戦域拡大防止協定の取り決めにより、聖地魔法学院で四年間魔法の勉強をしてもらうことになっている。これには、互いの国の戦力を公にする意味と、学友としての生活を送って友好を深め、意味の無い戦争の勃発を防ぐという意図が有るんだ。でも、それは裏返せば、君の成績次第で、我国の他国との交渉の力関係に変化が生じるという事なんだよ。国を背負っている事を意識して頑張って欲しい。勿論国も全面的に君をサポートする。学費や寮費、食費は勿論のこと、中級将校並みの給与が毎月君に支払われる予定になっている。それと通常数人の護衛と身の回りの世話をする従者や召使を帯同することが許されているのだが、貴族の子弟以外の聖地での対応がはっきりしないんだ。申し訳ないが、聖地で問い合わせて帯同可能ということであれば、我が家で全面的に協力するから連絡して欲しい。それとこれも誠に申し訳ないのだが、本来であれば、メソット伯爵家とダノン公爵家に寄って貰ってから、王への挨拶に向かってもらうのだが、この七年、王家に魔法三職が授けられていないだ。しかも今年は王位経験があるプリメラ公爵家とジメニ公爵家の子弟が十年振りにファルナ人の神託を授けられたんだ。両家とも余計な疑いを産まぬ様にと、王家への挨拶を控えられている。カイ君が王家へ挨拶に伺えば、両家への挑発と受け取られ兼ねないのだよ。領主である私の所から出発する形をとって、王家も含む三家に叛意のないことを示して欲しいとダノン公爵家から頼まれているだ。これが、ダノン公爵とメソット伯爵からの君当ての詫び状だ、受け取って欲しい」
「はい、確かに受け取りしました」
「ありがとう、これで肩の荷が下りた気がする。今晩はここに泊まって貰って、明朝に聖地へ向かい出発して貰う。国境を越えてワンリの河港へは三日、そこからストルデス河を下れば、四日で聖地に着く筈だ。念のため、世話役としてテイノス、護衛役としてヘキサに同道して貰う」
「ありがとうございます」
「これで堅苦しい説明は終わりだ。お茶と菓子を楽しんでくれ」
「カイ様、はいお茶です。聖地へは婚約者を呼び寄せて一緒に住むことが可能と聞いております。私で宜しかったらご一緒しますよ」
「あー、姉さん狡い。カイ様、私も御一緒しますから」
「あー、二人とも狡い」
「ベルーサ、あなたは駄目よ。神託受けていないんだから」
「ほっ、ほっ、ほっ。カイ様、ベレットもベネッサも天職は魔付人ですのよ。もちろん貴婦人としてもきっちりと教育してあります。ベルーサも含めて本気で考えて頂いて結構ですよ」

ーーーーー

 部屋に戻ったカイは暫く呆けていた。
 豪華なベットの上は落ち着かないので、ベットの脇に布団を敷いて転がっている。
 ベットの上には、ビーロードに包まれた紙筒が二本転がしてある。
 中身は公爵と伯爵からの高級皮紙に書かれた詫び状なのだが、現実味がまるで湧かない。
 それに比べ、美少女三人がカイへ身を寄せて来た感触だけは、やけに生々しく残っている。
 この世の者とは思えない美少女が、カイの婚約者になりたいと言っている。
 カイは目を閉じて、立ち上がった時に見えたベルーサの太腿や、屈んだ時に見えたベネッサの胸元を想いだそうとした。
 だが目を閉じた途端、目の前に浮かび上がったのは拳骨を振り上げているカーナの姿で、思わず反射的に頭を押さえて飛び起きてしまった。

 そしてカイは、ご先祖様の残した本の事を思い出した。
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