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槇島城の戦い~高屋城の戦い
第一次木津川口の戦い
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天王寺の戦いが終わってから数日が過ぎた。織田軍は、あれからも本願寺の包囲を続けている。このまま宿敵を徹底して潰したいのだろう。
とは言うものの、これに関しては六助と、畿内にて大勢力を率いることになった佐久間の二人に任せてある。元からそうだけど、六助が逐一俺に許可を求めてくれていたので、それも必要ないとソフィアのいる時に伝えた。
そういったわけで、特に大きな戦も起きていない今、俺は暇になった。また帰蝶たんと幸せな時間を過ごすチャンスがやってきたのだ。
じりじりと身を焦がすような陽射しを避けて畳の上で寝転びながら、風鈴の奏でる音色を耳で味わう。どれだけ暑くても、帰蝶が隣にいてくれる幸福感であまり気にはならないから、気の持ち方というのは案外と馬鹿に出来ないものだ。
最近は浅井三姉妹や信ガルといった家族が増えたこともあって、中々屋敷の中で二人きりになるということがなかった。でも、この前天王寺の戦いで留守にしたこともあって、今日の帰蝶はずっと側にいてくれている。
どこかでひと時の自由を謳歌する蝉の鳴き声も、別の部屋から聞こえてくる三姉妹やお市の元気な声も、今はどこか遠いところから響いているようだった。
「良い天気でございますね」
「キュン(うん)」
こんな何てことのない会話の一つすらも楽しく、愛おしく思えてくる。ここ数日は今日みたいな日常を過ごしていた。
だから、というべきか。経験から俺はわかってしまう。これが嵐の前の静けさとかいうやつなんだと。
子供たちの騒ぐ声が一瞬だけ止まる。そして隣の声からどたどたと忙しない足音がこの部屋の前までやって来て、「しつれいします!」と言った後、しゃっと襖を開けた。
きらきらと元気にまぶしい瞳。初は、襖を開けた体勢のままで報告をする。
「ろくすけさまがおみえになりました!」
「わかった。ありがとう、初ちゃん」
帰蝶が返事をしてすぐに、初の後ろからゆっくりと足音が迫ってきていた。
「ありがとう、初殿」
「ろくすけさま、もうけっこんした?」
「まだだよ~はっはっは」
「そっか。およめさんみつからなかったらおしえてね!」
「こら、初! この変態には近づくなって言ってるでしょ!」
二人の後ろからお市がやってきた。
「へ、変態……お市殿、まだそんなことを言っておられたのですか」
「何? 何か文句あんの? あんた初を狙ってるんでしょ?」
「いえ、そのような事実はありませんが」
「ふん、どうだか」
そんな二人のやり取りを初はぼけーっと、純真無垢な瞳で見守っている。
「もう、お市ちゃんたら。あまり失礼なことを言ったらだめよ?」
「だって……」
「六助様、用事があっていらしたのでしょう? どうぞお入りになってくださいな」
「はい。失礼致します」
取り合ってもらえなかったお市は明らかに不満そうな表情をしていたものの、そのまま初を連れて静かに去っていった。
六助は部屋に入って俺たちの前に座ると、すぐに本題を切り出していく。
「対本願寺に関しまして、報告を申し上げに参りました」
「キュン(ふむ)」
最近、対織田で目立つ勢力と言えばそれくらいのもの。だから、六助が何か俺のところまで報告に来るのは大体本願寺関連のことだ。
「本願寺でございますか」
「ええ」
心なしか、部屋に入って来た時から六助の表情が浮かない。少なくとも良い報告ではないようだ。
「ご存知の通り、本願寺は天王寺の戦いで我々に大敗を喫して以来籠城戦を続けて来ました」
「聞き及んでおります」
「ですが、そうなれば当然兵糧の補給が必要になって来ます。そこで本願寺はある勢力に補給を要請しました」
「まさか……」
帰蝶が着物の袖で口元を隠す。その目は驚きに見開いていた。
「ええ、覚悟はしていましたが……遂に毛利と戦わなければならないようです」
元々、天王寺の戦いが起きたきっかけは毛利が本願寺へ兵糧等の援助を始めたことだった。あの時は本願寺との戦闘が長らく起きていなかったので仕方ない部分はあったが、次はそうはいかない。
本願寺勢力を根絶やしにする為に、毛利の補給を阻止する必要があるのだ。
「毛利は海路を使って兵糧を届けようとしています。恐らくは、木津川の河口辺りで戦闘になるものと」
「織田家の水軍は……」
「そう数は多くありません。そして半蔵殿からお借りしている忍び部隊からの情報によれば、毛利は相当な数の船を所有しているとのこと。何より、あの村上水軍がついています」
「あの、かつては瀬戸内海一と呼ばれた勢力ですね」
全然知らないんだけど、帰蝶たんが言うんだからそういうことらしい。織田方がかなり不利という認識でいいのだろう。
「ええ。正直に言えば、九鬼殿と佐久間殿で対抗し得るかどうかは微妙なところと言わざるをえません」
「左様でございますか」
九鬼殿、というのは織田家の水軍を率いている九鬼嘉隆という大名のことだ。俺は会ったことないし良く知らないけど何かすごいらしい。
「とはいえ、今から水軍を増強させたところで間に合いません。ひとまずは木津川河口で待ち伏せし、対峙して様子を見るつもりです。いざとなれば撤退まで視野に入れています」
「かしこまりました」
「プニ長様も、それでよろしいでしょうか」
「キュキュン(いいにょろろ~ん)」
たまに、真面目な話をしている時にこうしてふざけたくなる。言葉が通じないというのは悪いことばかりじゃない。
いいよ~という意味で「お手」のアクションをすると、六助は「ありがとうございます」と言って一礼した。
「それでは、進展があればまた報告に参ります」
「キュキュン(オナシャス)」
「ご苦労様でした」
六助はそれ以上何も言わず、静かに屋敷を後にした。
数日後。六助の予想した通り、木津川河口にて毛利との戦闘になったらしい。
対本願寺は佐久間に一任されている為、俺や六助は美濃から動かずに速報を待っていた。
そしてとある日、またも屋敷の自室で暑さにうなだれている時のことだ。
「キュキュン(あっつ~)」
寝転びぐったりしている俺の前に、水の入った盃が差し出される。
「プニ長様、お水はいかがですか?」
「キュウン(のみゅ~)」
舌でぴちゃぴちゃと生命の源を味わう。冷蔵庫のないこの世界の水は基本的にぬるい。でも、帰蝶が入れてくれたのならそれだけでおいしく感じる。
喉が潤うとふと隣に座る帰蝶を見上げた。
「如何致しましたか?」
柔らかい微笑と共に、可愛らしく首を傾げる自慢の嫁。
花の模様をあしらった赤の着物に黄色い帯。前の世界では、戦国時代の女性は夏でも着物を着ていた……と思う。だけどこの世界では、見た目ではよくわからないけど、やや生地の薄いものを着ているらしい。
とはいえ、暑いものは暑い。最近帰蝶の膝の上に乗っていないのは、俺がそうすると暑苦しいかなと思ったからだ。冬なら向こうも温かいしウィンウィンってやつだからいいんだけどね。
何て考え事をしていると、帰蝶は「おかわりでございますか?」と言って水を注ぎ足してくれる。
静かでかけがえのないひととき。どこぞで織田と毛利が戦っていることなんて、頭の片隅に追いやったまま溶けてなくなってしまいそうだ。
いや、それはさすがにだめだな。皆ごめん……とか考えていると、廊下から音が聞こえた。
とことこ、という控えめに走る足音と、ちゃかちゃか、という動物が木の床を歩くような音だ。俺と帰蝶が反射的にそちらを見ていたら、その内ゆっくりと遠慮がちに襖が開いた。
その先にいたのは茶々と信ガルだ。
とは言うものの、これに関しては六助と、畿内にて大勢力を率いることになった佐久間の二人に任せてある。元からそうだけど、六助が逐一俺に許可を求めてくれていたので、それも必要ないとソフィアのいる時に伝えた。
そういったわけで、特に大きな戦も起きていない今、俺は暇になった。また帰蝶たんと幸せな時間を過ごすチャンスがやってきたのだ。
じりじりと身を焦がすような陽射しを避けて畳の上で寝転びながら、風鈴の奏でる音色を耳で味わう。どれだけ暑くても、帰蝶が隣にいてくれる幸福感であまり気にはならないから、気の持ち方というのは案外と馬鹿に出来ないものだ。
最近は浅井三姉妹や信ガルといった家族が増えたこともあって、中々屋敷の中で二人きりになるということがなかった。でも、この前天王寺の戦いで留守にしたこともあって、今日の帰蝶はずっと側にいてくれている。
どこかでひと時の自由を謳歌する蝉の鳴き声も、別の部屋から聞こえてくる三姉妹やお市の元気な声も、今はどこか遠いところから響いているようだった。
「良い天気でございますね」
「キュン(うん)」
こんな何てことのない会話の一つすらも楽しく、愛おしく思えてくる。ここ数日は今日みたいな日常を過ごしていた。
だから、というべきか。経験から俺はわかってしまう。これが嵐の前の静けさとかいうやつなんだと。
子供たちの騒ぐ声が一瞬だけ止まる。そして隣の声からどたどたと忙しない足音がこの部屋の前までやって来て、「しつれいします!」と言った後、しゃっと襖を開けた。
きらきらと元気にまぶしい瞳。初は、襖を開けた体勢のままで報告をする。
「ろくすけさまがおみえになりました!」
「わかった。ありがとう、初ちゃん」
帰蝶が返事をしてすぐに、初の後ろからゆっくりと足音が迫ってきていた。
「ありがとう、初殿」
「ろくすけさま、もうけっこんした?」
「まだだよ~はっはっは」
「そっか。およめさんみつからなかったらおしえてね!」
「こら、初! この変態には近づくなって言ってるでしょ!」
二人の後ろからお市がやってきた。
「へ、変態……お市殿、まだそんなことを言っておられたのですか」
「何? 何か文句あんの? あんた初を狙ってるんでしょ?」
「いえ、そのような事実はありませんが」
「ふん、どうだか」
そんな二人のやり取りを初はぼけーっと、純真無垢な瞳で見守っている。
「もう、お市ちゃんたら。あまり失礼なことを言ったらだめよ?」
「だって……」
「六助様、用事があっていらしたのでしょう? どうぞお入りになってくださいな」
「はい。失礼致します」
取り合ってもらえなかったお市は明らかに不満そうな表情をしていたものの、そのまま初を連れて静かに去っていった。
六助は部屋に入って俺たちの前に座ると、すぐに本題を切り出していく。
「対本願寺に関しまして、報告を申し上げに参りました」
「キュン(ふむ)」
最近、対織田で目立つ勢力と言えばそれくらいのもの。だから、六助が何か俺のところまで報告に来るのは大体本願寺関連のことだ。
「本願寺でございますか」
「ええ」
心なしか、部屋に入って来た時から六助の表情が浮かない。少なくとも良い報告ではないようだ。
「ご存知の通り、本願寺は天王寺の戦いで我々に大敗を喫して以来籠城戦を続けて来ました」
「聞き及んでおります」
「ですが、そうなれば当然兵糧の補給が必要になって来ます。そこで本願寺はある勢力に補給を要請しました」
「まさか……」
帰蝶が着物の袖で口元を隠す。その目は驚きに見開いていた。
「ええ、覚悟はしていましたが……遂に毛利と戦わなければならないようです」
元々、天王寺の戦いが起きたきっかけは毛利が本願寺へ兵糧等の援助を始めたことだった。あの時は本願寺との戦闘が長らく起きていなかったので仕方ない部分はあったが、次はそうはいかない。
本願寺勢力を根絶やしにする為に、毛利の補給を阻止する必要があるのだ。
「毛利は海路を使って兵糧を届けようとしています。恐らくは、木津川の河口辺りで戦闘になるものと」
「織田家の水軍は……」
「そう数は多くありません。そして半蔵殿からお借りしている忍び部隊からの情報によれば、毛利は相当な数の船を所有しているとのこと。何より、あの村上水軍がついています」
「あの、かつては瀬戸内海一と呼ばれた勢力ですね」
全然知らないんだけど、帰蝶たんが言うんだからそういうことらしい。織田方がかなり不利という認識でいいのだろう。
「ええ。正直に言えば、九鬼殿と佐久間殿で対抗し得るかどうかは微妙なところと言わざるをえません」
「左様でございますか」
九鬼殿、というのは織田家の水軍を率いている九鬼嘉隆という大名のことだ。俺は会ったことないし良く知らないけど何かすごいらしい。
「とはいえ、今から水軍を増強させたところで間に合いません。ひとまずは木津川河口で待ち伏せし、対峙して様子を見るつもりです。いざとなれば撤退まで視野に入れています」
「かしこまりました」
「プニ長様も、それでよろしいでしょうか」
「キュキュン(いいにょろろ~ん)」
たまに、真面目な話をしている時にこうしてふざけたくなる。言葉が通じないというのは悪いことばかりじゃない。
いいよ~という意味で「お手」のアクションをすると、六助は「ありがとうございます」と言って一礼した。
「それでは、進展があればまた報告に参ります」
「キュキュン(オナシャス)」
「ご苦労様でした」
六助はそれ以上何も言わず、静かに屋敷を後にした。
数日後。六助の予想した通り、木津川河口にて毛利との戦闘になったらしい。
対本願寺は佐久間に一任されている為、俺や六助は美濃から動かずに速報を待っていた。
そしてとある日、またも屋敷の自室で暑さにうなだれている時のことだ。
「キュキュン(あっつ~)」
寝転びぐったりしている俺の前に、水の入った盃が差し出される。
「プニ長様、お水はいかがですか?」
「キュウン(のみゅ~)」
舌でぴちゃぴちゃと生命の源を味わう。冷蔵庫のないこの世界の水は基本的にぬるい。でも、帰蝶が入れてくれたのならそれだけでおいしく感じる。
喉が潤うとふと隣に座る帰蝶を見上げた。
「如何致しましたか?」
柔らかい微笑と共に、可愛らしく首を傾げる自慢の嫁。
花の模様をあしらった赤の着物に黄色い帯。前の世界では、戦国時代の女性は夏でも着物を着ていた……と思う。だけどこの世界では、見た目ではよくわからないけど、やや生地の薄いものを着ているらしい。
とはいえ、暑いものは暑い。最近帰蝶の膝の上に乗っていないのは、俺がそうすると暑苦しいかなと思ったからだ。冬なら向こうも温かいしウィンウィンってやつだからいいんだけどね。
何て考え事をしていると、帰蝶は「おかわりでございますか?」と言って水を注ぎ足してくれる。
静かでかけがえのないひととき。どこぞで織田と毛利が戦っていることなんて、頭の片隅に追いやったまま溶けてなくなってしまいそうだ。
いや、それはさすがにだめだな。皆ごめん……とか考えていると、廊下から音が聞こえた。
とことこ、という控えめに走る足音と、ちゃかちゃか、という動物が木の床を歩くような音だ。俺と帰蝶が反射的にそちらを見ていたら、その内ゆっくりと遠慮がちに襖が開いた。
その先にいたのは茶々と信ガルだ。
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