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上洛~姉川の戦い
徳川次郎三郎家康
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準備が整い次第、近江方面の各城には家臣たちが配置された。その一方で俺は特にやることもなく、自室でいつも通り帰蝶とごろごろしている。
寝転ぶ俺の前足を手に取った帰蝶が穏やかに微笑む。
「ふふっ。今日もプニ長様はいとプニプニでございますね」
ああ幸せ~。ソフィアもいなくて二人きりな今は、もはや俺たちを邪魔するものは何もない。恋人というよりはどう考えたって飼い主と飼い犬って感じだけど、それでも俺はいいんだ……。
「プニ長様」
「キャワン!(うおわっ!)」
いきなりおっさんの声がしたので驚きながら振り向くと、そこには襖をそっと開けて顔だけを出している六助がいた。
「ワンワン! ワンワオ~ン! (ふざけんなよ! びっくりするだろうが!)」
「六助殿。どうなさったのですか?」
帰蝶に問われ、襖を大きく開けて普通に入って来て座る六助。
「いえ、この部屋に来る際にいつも騒がしくしてしまっているので、今日は趣を変えて気配を消しながらやって参りました」
「はあ……」
「キュキュン(いらん気を回すな)」
「それで、どういったご用件なのですか?」
六助は世間話でもする時みたいに、朗らかに笑いながら話し出した。
「あ、いえ。全くもって大した話ではないのですが、長光寺城に入っていた柴田殿が六角承禎の軍と戦闘状態に入りましたので、一応お耳に入れておこうかと思いまして。はっはっは」
「キュウンキュウン(大した話じゃねえか)」
六角のおっさんと? 茶会で穏便に領土を譲ってもらったはずなのに、どうして今戦闘になるんだろうか。
俺の思考を察したのか、六助が説明してくれた。
「以前プニモフし放題を条件に領地を譲り受けたのですが、六角家より『やっぱ返して』と交渉があったのです。これに柴田殿が『やだプー』と返したことで戦闘になったようです」
「キュン(ふむ)」
どうでもいいけど、「やだプー」の「プー」ってどこから来てるんだろうか。
「時期的に六角家が浅井家や朝倉家と協力している、という可能性は?」
「もちろん可能性はありますが、今のところ確証はありません」
「でありますか」
織田家で唯一まともな思考回路を持っている帰蝶が尋ねると、六助が首を横に振ってからそう答えた。その時。
「ご歓談のところ失礼致します」
「うおっ!」「きゃっ」「キャワン!」
六助の背後にいつの間にやら新たなちょんまげが立っている。気配を全く感じなかったのでめちゃくちゃびっくりした。
おっさんに対し、六助は語気を荒げる。
「いきなりそこに立っていたらびびるだろうがぁ!」
「いえ、六助様が何か用があればプニ長様の元にいるから、今日だけは気配を消してくるようにとのことでしたので……」
「む。そういえばそうだったな、怒鳴ってすまんかった」
さらっとした会話のやり取りだけど、こいつら本当に気配消えてたからな……忍者の家系か何かなのかな?
せき払いを一つして気を取り直すと、六助は家来に問う。
「それで、どうした?」
「はっ、柴田殿が勝利なされたとの由」
「おおっ、六角軍を退けたか。早かったな」
「はっ、じゃんけんで勝敗が決まったそうです」
「なるほどな」
何に納得したのか、六助は何度も頷いている。
「続いて柴田殿は佐久間殿と合流し、野州河原での決戦に入るとのことです」
「わかった。ご苦労」
「失礼します」
足音を立てずに去っていった家来の背中を見届けた六助が、こちらを振り向いてから口を開いた。
「だ、そうです」
「キュキュン(と言われてもな)」
「しかし、長光寺での戦いがじゃんけんだったならば、次の戦はかくれんぼになるでしょう。そうなると柴田殿には不得手ですから、援軍を送ることを視野に入れたほうがいいかもしれません」
「キュン(あっそ)」
そこで話は終わりなのか、おもむろに立ち上がる六助。
「では私はそろそろおやつを食べながらごろごろしたいので失礼します」
「キュキュウンキュン(欲望に忠実かつ正直だな)」
「ご苦労様でした」
それから数日後、野洲河原にて柴田と佐久間が勝利したとの報せが入って来る。これを受けて、浅井朝倉は美濃と近江の国境に位置する長比・苅安尾城ってところに兵を入れてこちらの襲撃に備えて来た。
またも軍議を開いたところ、秀吉が「城主にきなこもちを渡したら味方になってくれるのでは?」とか言い出したがソフィアもいないので止める術もなく、それを実行に移すことに。
しかし、意外なことにこれによって城主が寝返り、本当に長比・苅安尾両城の陥落に成功してしまう。
勢いづいた家臣たちは「この際浅井朝倉をやってしまいましょう!」と勝手に言い出し、浅井の本拠である小谷城に向けて進軍することが決まってしまった。しかも家臣たちの士気があがるのでよければまた参加して欲しい、という六助の要望で今回も戦に帯同することに。
また美濃から離れるのか。単身赴任の決まった妻子持ちのサラリーマンってこんな気持ちなのかな、と思いながら出陣を迎えた。
「そうだ! その調子でどんどん『織田家参上』の旗を立てていけ!」
「我々が織田家じゃあ!」「かかってこいやぁ!」
「キュキュウンキュ! (恥ずかしいからやめて!)」
小谷城の城下町に、六助と足軽たちの声、そして俺の悲鳴が響き渡る。
「小谷城というのは堅城として知られていますからね、無理に攻めれば激しく体力を消耗し、途中でおやつがなくなってしまいます」
「キュウンキュン(おやつを我慢すればいいだけだろ)」
「ですから、このように挑発して浅井をおびき寄せるのです。これでだめなら、次は近隣の、姉川を隔てて南にある横山城を包囲するのがよいでしょう」
「キュン(なるほど)」
ドヤ顔で説明する六助の顔を眺めながら、どうでもいいけど「織田家参上」はやめて欲しいな、と思う。
他にも恥ずかしい行為をしないか冷や冷やしながら歩いていると、秀吉がこちらに走り寄って来た。
「プニ長様に六助殿、横山城に私の兵を送る手筈を整えました」
「さすがの速さですな」
「ここでの挑発がうまくいかなければ、そのまま横山城を包囲し、蹴鞠をやらせるつもりです」
「なるほど、横山城の兵たちが『拙者たちも混ぜて~』と言って出て来たところを断って泣かせて、浅井に言いつけさせる、といったところですな?」
「そうです。いっひっひ」
どうでもいいけど腹減って来た。また近江牛を食べてえな……。
その後どういうわけか、秀吉の作戦によって見事に浅井軍と朝倉軍が援軍に駆けつけて大依山というところに布陣する。そこで様子見も兼ねて、俺たちは横山城から北北西にある竜ヶ鼻とかいうところに布陣することにした。
数日後。陣中に用意された俺用の寝床に転がっていると、早馬がやって来た。
「プニ長様、いと尊しなところ誠に申し訳ございません」
「キュン(何だ)」
「徳川家康殿がこちらに合流なされましたので、一目お会いしたいとのこと」
「キュ(ほい)」
そういえば桶狭間の戦いの後、今川氏に属していた家康が独立して織田家と同盟を結んだと六助から聞かされていた。その際、一応俺にも相談やらは来たはずなんだけど、いかんせん言葉が通じず、何を言っても無駄なので適当に流す癖がついてしまっていて覚えていない。
誰かが援軍を頼んだのか、それとも織田家の浅井朝倉勢との対立を聞いて駆けつけてくれたのか……いずれにしてもいいやつじゃないか。
部下と入れ替わりで、ちょんまげだけどおっさんじゃない、むしろ爽やかでジャ〇ーズのアイドルがカツラ被ったみたいな好青年が入って来た。
青年は俺の前に座ってからゆっくりと口を開く。
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。徳川次郎三郎そして、太郎はあなた……お犬様です家康と申します」
「キュン(初めまして)」
「なるほど、噂に聞く通りいと尊しにございますね」
好印象な笑顔と共に、家康がそんなことを言った。多分だけど見る者によってはあんたの方が尊いと思う。
でも歓談はそこまでで、家康は表情を引き締めてから本題に入った。
「さて、浅井朝倉ですが、現在は浅井勢約八千が野村、朝倉勢約一万が三田村にそれぞれ布陣しているそうです。どう出るのが良いと思われますか?」
「キュキュキュ~ン(全然わからないぽよぽより~ん)」
「むむ……」
俺が何を言っているのか必死に理解しようとしてくれているらしく、家康は真摯な眼差しでこちらを睨んでいる。ぽよぽよりんとか言っていたのが申し訳なくなって、思わずたじろいでしまう俺。
「クゥ~ン(何かすいません)」
「ぬ、これは怯えさせてしまいましたかな。申し訳ございません」
そういって家康はおどけた雰囲気で笑う。ナイスガイとしか言いようがないその所作の一つ一つを見て、絶対に帰蝶に会わせてはいけないと思いました。
これ以上適当に対応したら良心が痛むことを悟った俺は、姿勢を改めてから家康に語り掛けてみる。
「キュキュウンキュン、キュキュキュキュン(織田軍の方が数は多いんだろうから俺たちが朝倉勢一万のいる野村に向かうよ)」
「その勇気ある決断を感じさせる瞳……まさか、織田家が朝倉軍一万を引き受けると申すのか!?」
「キュン!? (通じた!?)」
どんな瞳だよとは思うけど、家康には目を見て人の心を読む力でもあるということなのだろうか……あ、俺犬だったわ。
家康は奮い立ち、強靭な意思をその瞳に灯らせて突然に立ち上がった。
「このような尊い御仁に、大軍を任せることがあってはならぬ! この家康、少数ながらも見事朝倉勢を破ってご覧に入れましょう! では!」
「キュ~ン(お~い)」
話が通じても、聞いてくれないのは家康も同じらしい。引き留める余地すらなく天幕から出て行ってしまった。
寝転ぶ俺の前足を手に取った帰蝶が穏やかに微笑む。
「ふふっ。今日もプニ長様はいとプニプニでございますね」
ああ幸せ~。ソフィアもいなくて二人きりな今は、もはや俺たちを邪魔するものは何もない。恋人というよりはどう考えたって飼い主と飼い犬って感じだけど、それでも俺はいいんだ……。
「プニ長様」
「キャワン!(うおわっ!)」
いきなりおっさんの声がしたので驚きながら振り向くと、そこには襖をそっと開けて顔だけを出している六助がいた。
「ワンワン! ワンワオ~ン! (ふざけんなよ! びっくりするだろうが!)」
「六助殿。どうなさったのですか?」
帰蝶に問われ、襖を大きく開けて普通に入って来て座る六助。
「いえ、この部屋に来る際にいつも騒がしくしてしまっているので、今日は趣を変えて気配を消しながらやって参りました」
「はあ……」
「キュキュン(いらん気を回すな)」
「それで、どういったご用件なのですか?」
六助は世間話でもする時みたいに、朗らかに笑いながら話し出した。
「あ、いえ。全くもって大した話ではないのですが、長光寺城に入っていた柴田殿が六角承禎の軍と戦闘状態に入りましたので、一応お耳に入れておこうかと思いまして。はっはっは」
「キュウンキュウン(大した話じゃねえか)」
六角のおっさんと? 茶会で穏便に領土を譲ってもらったはずなのに、どうして今戦闘になるんだろうか。
俺の思考を察したのか、六助が説明してくれた。
「以前プニモフし放題を条件に領地を譲り受けたのですが、六角家より『やっぱ返して』と交渉があったのです。これに柴田殿が『やだプー』と返したことで戦闘になったようです」
「キュン(ふむ)」
どうでもいいけど、「やだプー」の「プー」ってどこから来てるんだろうか。
「時期的に六角家が浅井家や朝倉家と協力している、という可能性は?」
「もちろん可能性はありますが、今のところ確証はありません」
「でありますか」
織田家で唯一まともな思考回路を持っている帰蝶が尋ねると、六助が首を横に振ってからそう答えた。その時。
「ご歓談のところ失礼致します」
「うおっ!」「きゃっ」「キャワン!」
六助の背後にいつの間にやら新たなちょんまげが立っている。気配を全く感じなかったのでめちゃくちゃびっくりした。
おっさんに対し、六助は語気を荒げる。
「いきなりそこに立っていたらびびるだろうがぁ!」
「いえ、六助様が何か用があればプニ長様の元にいるから、今日だけは気配を消してくるようにとのことでしたので……」
「む。そういえばそうだったな、怒鳴ってすまんかった」
さらっとした会話のやり取りだけど、こいつら本当に気配消えてたからな……忍者の家系か何かなのかな?
せき払いを一つして気を取り直すと、六助は家来に問う。
「それで、どうした?」
「はっ、柴田殿が勝利なされたとの由」
「おおっ、六角軍を退けたか。早かったな」
「はっ、じゃんけんで勝敗が決まったそうです」
「なるほどな」
何に納得したのか、六助は何度も頷いている。
「続いて柴田殿は佐久間殿と合流し、野州河原での決戦に入るとのことです」
「わかった。ご苦労」
「失礼します」
足音を立てずに去っていった家来の背中を見届けた六助が、こちらを振り向いてから口を開いた。
「だ、そうです」
「キュキュン(と言われてもな)」
「しかし、長光寺での戦いがじゃんけんだったならば、次の戦はかくれんぼになるでしょう。そうなると柴田殿には不得手ですから、援軍を送ることを視野に入れたほうがいいかもしれません」
「キュン(あっそ)」
そこで話は終わりなのか、おもむろに立ち上がる六助。
「では私はそろそろおやつを食べながらごろごろしたいので失礼します」
「キュキュウンキュン(欲望に忠実かつ正直だな)」
「ご苦労様でした」
それから数日後、野洲河原にて柴田と佐久間が勝利したとの報せが入って来る。これを受けて、浅井朝倉は美濃と近江の国境に位置する長比・苅安尾城ってところに兵を入れてこちらの襲撃に備えて来た。
またも軍議を開いたところ、秀吉が「城主にきなこもちを渡したら味方になってくれるのでは?」とか言い出したがソフィアもいないので止める術もなく、それを実行に移すことに。
しかし、意外なことにこれによって城主が寝返り、本当に長比・苅安尾両城の陥落に成功してしまう。
勢いづいた家臣たちは「この際浅井朝倉をやってしまいましょう!」と勝手に言い出し、浅井の本拠である小谷城に向けて進軍することが決まってしまった。しかも家臣たちの士気があがるのでよければまた参加して欲しい、という六助の要望で今回も戦に帯同することに。
また美濃から離れるのか。単身赴任の決まった妻子持ちのサラリーマンってこんな気持ちなのかな、と思いながら出陣を迎えた。
「そうだ! その調子でどんどん『織田家参上』の旗を立てていけ!」
「我々が織田家じゃあ!」「かかってこいやぁ!」
「キュキュウンキュ! (恥ずかしいからやめて!)」
小谷城の城下町に、六助と足軽たちの声、そして俺の悲鳴が響き渡る。
「小谷城というのは堅城として知られていますからね、無理に攻めれば激しく体力を消耗し、途中でおやつがなくなってしまいます」
「キュウンキュン(おやつを我慢すればいいだけだろ)」
「ですから、このように挑発して浅井をおびき寄せるのです。これでだめなら、次は近隣の、姉川を隔てて南にある横山城を包囲するのがよいでしょう」
「キュン(なるほど)」
ドヤ顔で説明する六助の顔を眺めながら、どうでもいいけど「織田家参上」はやめて欲しいな、と思う。
他にも恥ずかしい行為をしないか冷や冷やしながら歩いていると、秀吉がこちらに走り寄って来た。
「プニ長様に六助殿、横山城に私の兵を送る手筈を整えました」
「さすがの速さですな」
「ここでの挑発がうまくいかなければ、そのまま横山城を包囲し、蹴鞠をやらせるつもりです」
「なるほど、横山城の兵たちが『拙者たちも混ぜて~』と言って出て来たところを断って泣かせて、浅井に言いつけさせる、といったところですな?」
「そうです。いっひっひ」
どうでもいいけど腹減って来た。また近江牛を食べてえな……。
その後どういうわけか、秀吉の作戦によって見事に浅井軍と朝倉軍が援軍に駆けつけて大依山というところに布陣する。そこで様子見も兼ねて、俺たちは横山城から北北西にある竜ヶ鼻とかいうところに布陣することにした。
数日後。陣中に用意された俺用の寝床に転がっていると、早馬がやって来た。
「プニ長様、いと尊しなところ誠に申し訳ございません」
「キュン(何だ)」
「徳川家康殿がこちらに合流なされましたので、一目お会いしたいとのこと」
「キュ(ほい)」
そういえば桶狭間の戦いの後、今川氏に属していた家康が独立して織田家と同盟を結んだと六助から聞かされていた。その際、一応俺にも相談やらは来たはずなんだけど、いかんせん言葉が通じず、何を言っても無駄なので適当に流す癖がついてしまっていて覚えていない。
誰かが援軍を頼んだのか、それとも織田家の浅井朝倉勢との対立を聞いて駆けつけてくれたのか……いずれにしてもいいやつじゃないか。
部下と入れ替わりで、ちょんまげだけどおっさんじゃない、むしろ爽やかでジャ〇ーズのアイドルがカツラ被ったみたいな好青年が入って来た。
青年は俺の前に座ってからゆっくりと口を開く。
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。徳川次郎三郎そして、太郎はあなた……お犬様です家康と申します」
「キュン(初めまして)」
「なるほど、噂に聞く通りいと尊しにございますね」
好印象な笑顔と共に、家康がそんなことを言った。多分だけど見る者によってはあんたの方が尊いと思う。
でも歓談はそこまでで、家康は表情を引き締めてから本題に入った。
「さて、浅井朝倉ですが、現在は浅井勢約八千が野村、朝倉勢約一万が三田村にそれぞれ布陣しているそうです。どう出るのが良いと思われますか?」
「キュキュキュ~ン(全然わからないぽよぽより~ん)」
「むむ……」
俺が何を言っているのか必死に理解しようとしてくれているらしく、家康は真摯な眼差しでこちらを睨んでいる。ぽよぽよりんとか言っていたのが申し訳なくなって、思わずたじろいでしまう俺。
「クゥ~ン(何かすいません)」
「ぬ、これは怯えさせてしまいましたかな。申し訳ございません」
そういって家康はおどけた雰囲気で笑う。ナイスガイとしか言いようがないその所作の一つ一つを見て、絶対に帰蝶に会わせてはいけないと思いました。
これ以上適当に対応したら良心が痛むことを悟った俺は、姿勢を改めてから家康に語り掛けてみる。
「キュキュウンキュン、キュキュキュキュン(織田軍の方が数は多いんだろうから俺たちが朝倉勢一万のいる野村に向かうよ)」
「その勇気ある決断を感じさせる瞳……まさか、織田家が朝倉軍一万を引き受けると申すのか!?」
「キュン!? (通じた!?)」
どんな瞳だよとは思うけど、家康には目を見て人の心を読む力でもあるということなのだろうか……あ、俺犬だったわ。
家康は奮い立ち、強靭な意思をその瞳に灯らせて突然に立ち上がった。
「このような尊い御仁に、大軍を任せることがあってはならぬ! この家康、少数ながらも見事朝倉勢を破ってご覧に入れましょう! では!」
「キュ~ン(お~い)」
話が通じても、聞いてくれないのは家康も同じらしい。引き留める余地すらなく天幕から出て行ってしまった。
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