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1章
それぞれの想い9
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あれ以降エヴァトリスから手紙が3日空けずに届くようになり、2週間に1回は会うようになった。本人は「カタリーナの反応が心配で今までは遠慮していたがこっちの方が効果的みたいだから、今後は遠慮をやめる」「毎日でも会いたい」と言っているらしいが、執務もあり難しいらしい。そんな事をされたものなら、カタリーナの心臓が持たないので今後も引き続き執務に励んでいただきたいものだ。
2人っきりのお茶会は相変わらず公爵家で行われる。今日は天気が良いため公爵家自慢の庭園でのお茶会だ。使用人によって、公爵家の玄関扉が開くとそこにはエヴァトリスが立っていた。
カタリーナははいつもの様に時間ちょうどに屋敷にやって来たエヴァトリスを玄関でお出迎えする。目が合うととろけるような笑顔を見せる。最近はいつもこの笑顔だで、それを見るたびにエステルの気持ちは落ち着かなくなる。
「カタリーナに会えて嬉しいよ」
これも最近のお決まりのセリフで、そのまま右手をとられ手の甲に口づけを落とされる。人が多い中こういうことをされるのは、女性扱いされているようで恥ずかしいが甘んじて受けている。というのも、前回、手の甲に口付けられないよう両手をしっかりと握っていたら「仕方ないね」と言いながら額に口付けてきたからだ。同じ口付けをうけるならまだ手の甲の方がましだ。その後庭園に向かう。幼少期より通っている我が屋敷はエヴァトリスにとっても馴染みのある場所であり案内などは必要としない。そのためエスコートするように肘を曲げ私の手が入るスペースを作ってくれる。自宅でエスコートを受けるのは気恥ずかしいが、それをすることでエファトリスの幸せそうな笑顔が見れるなら良いと思ってしまうあたり、だいぶほだされて来た感がいなめない。最近は気恥ずかしさと幸せと少しのドキドキのある時間が楽しくて仕方なかった。これが恋なのかは正直わからないが、以前の弟を見るような気持ちから少しずつ変わって来ているのは周りからみても明らかで、エステル自身も否定しようのないことだった。
「相変わらず公爵家の庭園は美しいね」
庭に出るとエヴァトリスからの感嘆の声が聞こえる。
「ありがとうございます。そう言っていただけると庭師も喜ぶでしょう。ですが、王宮の庭園ほどではございませんわ。王妃様に呼ばれた時に歩きながら拝見させていただきましたが、見事でしたわ。以前は王宮のお庭でも殿下とお話しすることがありましたけど、最近は我が家ばかりですよね?どうかされたのですか?」
思い出して思わずうっとりしてしまう。前世はそれほど花に興味がなかったが今世ではお茶会をしたり刺繍のモチーフにしたりと色々みる機会が多い。公爵令嬢であるため自ら育てることはできないが、花を見て癒されるという気持ちは理解できるようになった。できれば王宮の庭園をゆっくり眺めたい。季節ごとに分けられた庭園は、満開の季節以外でも花たちの移り変わりを見ることができそれは美しいものだろう。思わず期待を込めた目でエヴァトリスを見てしまうと視線をそらされてしまう
「王宮は若い貴族男性も多く出入りしているんだ。母上との約束や夜会は仕方ないかもしれないが、それ以外はできるだけ人目につくところには連れて行きたくないんだ」
少しムッとしたような言い方が可愛く思えてしまうが、その言葉がやきもちからくるものだと知り思わず顔を赤らめながらの返事となる。
「もっと若いご令嬢ならともかく、私にわざわざ近づくような方はいらっしゃらないわ。」
これは事実だ。だがエヴァトリスが納得した様子は見られない
「であれば、庭園までのエスコートを殿下にお願いしてもよろしいですか?殿下と一緒にいる時に声をかけてくる殿方はほとんどいらっしゃらないと思いますわ」
その言葉を聞くや否や嬉しそうにこちらに向き直してくる。先ほどまでの不機嫌な様子はいつの間にか消えてしまっている。この調子ならあと一押しでいけるかもしれないという予感がしてくる
「きっと殿下と一緒にみる花たちは素敵だわ」
とどめの一言のつもりで声を発すると
「わかった。じゃぁ次は王宮の庭園でお茶を楽しもうか。」
カタリーナにとって、これが王宮でのお茶会という名の勝利を手にした瞬間であった。しかし、王宮でのお茶会をきっかけに聖女騒動が起こるとは誰も思ってもいなかった。
2人っきりのお茶会は相変わらず公爵家で行われる。今日は天気が良いため公爵家自慢の庭園でのお茶会だ。使用人によって、公爵家の玄関扉が開くとそこにはエヴァトリスが立っていた。
カタリーナははいつもの様に時間ちょうどに屋敷にやって来たエヴァトリスを玄関でお出迎えする。目が合うととろけるような笑顔を見せる。最近はいつもこの笑顔だで、それを見るたびにエステルの気持ちは落ち着かなくなる。
「カタリーナに会えて嬉しいよ」
これも最近のお決まりのセリフで、そのまま右手をとられ手の甲に口づけを落とされる。人が多い中こういうことをされるのは、女性扱いされているようで恥ずかしいが甘んじて受けている。というのも、前回、手の甲に口付けられないよう両手をしっかりと握っていたら「仕方ないね」と言いながら額に口付けてきたからだ。同じ口付けをうけるならまだ手の甲の方がましだ。その後庭園に向かう。幼少期より通っている我が屋敷はエヴァトリスにとっても馴染みのある場所であり案内などは必要としない。そのためエスコートするように肘を曲げ私の手が入るスペースを作ってくれる。自宅でエスコートを受けるのは気恥ずかしいが、それをすることでエファトリスの幸せそうな笑顔が見れるなら良いと思ってしまうあたり、だいぶほだされて来た感がいなめない。最近は気恥ずかしさと幸せと少しのドキドキのある時間が楽しくて仕方なかった。これが恋なのかは正直わからないが、以前の弟を見るような気持ちから少しずつ変わって来ているのは周りからみても明らかで、エステル自身も否定しようのないことだった。
「相変わらず公爵家の庭園は美しいね」
庭に出るとエヴァトリスからの感嘆の声が聞こえる。
「ありがとうございます。そう言っていただけると庭師も喜ぶでしょう。ですが、王宮の庭園ほどではございませんわ。王妃様に呼ばれた時に歩きながら拝見させていただきましたが、見事でしたわ。以前は王宮のお庭でも殿下とお話しすることがありましたけど、最近は我が家ばかりですよね?どうかされたのですか?」
思い出して思わずうっとりしてしまう。前世はそれほど花に興味がなかったが今世ではお茶会をしたり刺繍のモチーフにしたりと色々みる機会が多い。公爵令嬢であるため自ら育てることはできないが、花を見て癒されるという気持ちは理解できるようになった。できれば王宮の庭園をゆっくり眺めたい。季節ごとに分けられた庭園は、満開の季節以外でも花たちの移り変わりを見ることができそれは美しいものだろう。思わず期待を込めた目でエヴァトリスを見てしまうと視線をそらされてしまう
「王宮は若い貴族男性も多く出入りしているんだ。母上との約束や夜会は仕方ないかもしれないが、それ以外はできるだけ人目につくところには連れて行きたくないんだ」
少しムッとしたような言い方が可愛く思えてしまうが、その言葉がやきもちからくるものだと知り思わず顔を赤らめながらの返事となる。
「もっと若いご令嬢ならともかく、私にわざわざ近づくような方はいらっしゃらないわ。」
これは事実だ。だがエヴァトリスが納得した様子は見られない
「であれば、庭園までのエスコートを殿下にお願いしてもよろしいですか?殿下と一緒にいる時に声をかけてくる殿方はほとんどいらっしゃらないと思いますわ」
その言葉を聞くや否や嬉しそうにこちらに向き直してくる。先ほどまでの不機嫌な様子はいつの間にか消えてしまっている。この調子ならあと一押しでいけるかもしれないという予感がしてくる
「きっと殿下と一緒にみる花たちは素敵だわ」
とどめの一言のつもりで声を発すると
「わかった。じゃぁ次は王宮の庭園でお茶を楽しもうか。」
カタリーナにとって、これが王宮でのお茶会という名の勝利を手にした瞬間であった。しかし、王宮でのお茶会をきっかけに聖女騒動が起こるとは誰も思ってもいなかった。
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