261 / 271
番外編
魔女の集い 中編
しおりを挟む
明日は満月で、魔女が集う日。
ここに来ると聞いてるけど、どこでやるんだろう。
「パフィ、場所はどこでやるの?」
『火を焚くからな、庭がいいだろう』
「分かった。料理だけど、冷めても美味しいものを」
「何故だ」
聞いたことのある声に僕とラズロさんは固まる。
声のしたほうを見ると、七色の尾羽の大きな鳥に乗ったダリア様がいた。
『早い』
「一晩だけなどつまらぬからな。人の子を傷つけぬように魔力は封じてきた。案ずるな」
前と違ってダリア様がそばにいても、息苦しくなったりしない。封じるって、どういうことなんだろう。ダリア様は大丈夫なのかな。ラズロさんは固まったままだけど。
『何をした?』
「外に漏れぬよう封じておるぞ、このようにな」
たくさんの指輪と腕輪をつけてる。この前はどうだったのか覚えてないけど、こうして見せるってことは、あの指輪達がダリア様の魔力が漏れないようにしてくれてるんだろうな。
「それでも漏れる分はな、これに食わせた。ほら、これだ」
そう言ってダリア様は大きな卵を見せてくれた。
縦長で、固そうな殻。僕と同じぐらいの大きさに見える。
「孵化する前にアシュリーにやろうと思ってな」
『いらん。来るな。ドラゴンの卵ではないか……』
ドラゴン! おとぎ話の中でしか見たことがない。存在するんだ!
今僕にくれるって言った?
「ドラゴンを育てるとダリア様の魔力が減るんですか?」
孵化するのに魔力が必要になるのかな?
「古代種のドラゴンは魔力を恐ろしく必要とするからな。孵化したらテイムせよ」
『古代種をテイムできるのはダリアだけだ』
「ドラゴンでは気に入らぬか?」
『無理だと言ってる』
残念そうな顔をするダリア様と、呆れた顔をするパフィ。
うん、無理だと思う。少し憧れるけど、ドラゴンなら大きくなるだろうし、ごはんもたくさん必要になるだろうし。
「では別のものにするか」
『なにもいらん』
「我が同胞の弟子なら我の弟子も当然だろう。師匠が弟子にものを与えるのは珍しいことでもあるまい」
『勝手に師匠に加わるな』
「細かいことを言うな」
カラカラとダリア様は笑う。まだ会うのは二回目だけど、色々気にしない性格みたい。
「仕方ない。我の不在時に庭で留守番でもさせるか。それなら好き放題出かけられるしな、うむ、名案かもしれん」
『……勝手にしろ』
ダリア様、強いなぁ。パフィ、呆れてなにも言わなくなっちゃった。
「孵化したら、ドラゴンを見せてもらえますか?」
「勿論だとも、我が弟子よ」
『勝手に師匠になるな』
近くにあったテーブルにラズロさんがコーヒーを置いた。さっきまで固まってたのに、いつの間にか回復したみたい。よかった。
「おぉ、すまぬな」
鳥から降りたダリア様は、僕にドラゴンの卵を渡してから椅子に座った。
卵、重い。それとあったかい。
『さりげなくアシュリーに渡すな』
パフィの尻尾がくるくると回って、僕の腕の中にあった卵が浮く。ふわふわと浮かんだまま移動して、ダリア様の膝の上にのった。
ちょっとだけ残念。
「重くてなぁ」
『当たり前だ』
ぷんぷん怒ってるけど、黒猫の姿だからパフィが可愛い。背中を撫でたら尻尾で手を叩かれちゃった。
「ドラゴン、駄目か?」
ダリア様、諦めてなかった。
「ここではドラゴンが育つには狭いと思います。あと、僕のお給料だとおなかいっぱい食べさせてあげられないので、それはかわいそうかなって」
「確かにな。古代種のドラゴンはよく食うぞ。オーガなども丸呑みだ」
ちょっとごはんとして用意できそうにないなぁ……。
「では別の生き物にするか。餌にさほど困らず、場所もとらぬものか……なかなかに難しい注文だ」
「ねぇ、パフィ。僕、うっかりしてダリア様になにかお願いした?」
パフィにこっそりとたずねる。
『ダリアはな、大の魔物好きだ』
「魔物好き」
『ダリアをのせている鳥はな、ダリアが作り上げたこの世界唯一の鳥だ』
七色の尾羽を持つ大きな鳥は、羽を閉じてダリア様の隣で大人しく座ってる。いい子だなぁ。
「大人しくて良い子だね」
『アレは大人しい部類に入るな』
「もっと色々いるの?」
「いるとも。今度パシュパフィッツェと共に遊びに来るがよい」
『飛ぶのは面倒だから断る』
そういえば他の魔女の使い魔は乗れるのに、パフィの使い魔のマグロだけは乗れない。
「そうか、ならば乗れる魔物を贈るとしよう。なにが良いか。鳥か、獣か、悩ましいな」
ダリア様の庵に行かないために言った言葉だったんだろうな。パフィはしまった、という顔をしてる。猫のしまった顔。ごめんパフィ。ちょっと面白い。
「話は戻るが、我の魔力に当てられることもないのだから、アシュリーも参加せよ、弟子として」
パフィと話しててもそうなんだけど、魔女はこうと決めたら変えないんだよね。これはパフィが諦めることになりそう。
『火傷するほど熱い奴を食わせてやれ』
パフィの言葉にダリア様がカラカラと笑う。
「我は火の魔女だからな、火傷なぞせぬ」
焦熱の魔女だもんね。
悔しそうにしてるパフィの背中を撫でる。
「パフィの大好きなものづくしにするからね」
笑顔で食堂に入ってきたノエルさんは、ラズロさんと同じように固まった。
「……焦熱の魔女 ダリア様……?」
「この前見た顔だな?」
ノエルさんは慌てて頭を下げる。
「よい、楽にせよ。我も楽にさせてもらっておる」
『くつろぎすぎだ、馬鹿者め』
ダリア様は食堂の椅子を魔法で変えてしまった。ゆったり座れる椅子に。膝の上にはドラゴンの卵。
ラズロさんが出した料理はぺろりと食べてしまって、テーブルには大皿が何枚も重ねられてる。
パフィもそうだけど、魔女ってよく食べる。
ノエルさんがこっそりと僕に話しかける。
「集まりって明日だったよね?」
「一日だけじゃつまらないからみたいですよ」
「つまらないって……」
魔女はきまぐれだから。
「明日は庭で、貝や魚、肉を焼こうと思うんです」
「え? 庭?」
「はい。僕も魔女の集いに参加するんです」
ノエルさんは目を閉じて眉をひそめる。
「…………僕も参加していいかな?」
「伝えておきますね」
ノエルさんがお疲れの顔になってしまって、ちょっと申し訳ない。
集まりは夜なのに、アマーリアーナ様とヴィヴィアンナ様は日が暮れる前にやってきた。
パフィは呆れているけど、どことなく嬉しそうだから、良かった。
皆、パフィを心配してきてくれたんだと思う。
ずっとキルヒシュタフ様と冬の王のことを考えて生きてきたパフィはつらかっただろうから。
「アシュリーに使ってもらおうと思って、お肉をね、持ってきたのよ」
ヴィヴィアンナ様とアマーリアーナ様は大量の肉と野菜、果物を持ってきてくれた。
ダリア様が抱えてる卵を見て、「なぁにそれ、ドラゴンの卵焼きでも作るの?」とアマーリアーナ様が言った。
「アシュリーが喜ぶかと思ったのだがなぁ、パシュパフィッツェに断られてしまった」
「当たり前じゃないの」
「テイムはできぬとしても、庭番として飼うのも一興と思っておる」
「ますます狭くなるわね、ダリアの庵」
そんなに色々いるんだ。
ちょっと行ってみたい。
「せっかく集まったし、さっそく始めましょうか」
アマーリアーナ様は空中で寝っ転がってるパフィの鼻先を指でつついた。
「パシュパフィッツェも、いい加減元に戻りなさいよ」
人の姿に戻ったパフィは、三人の魔女を見てため息を吐いた。
「本来は明日なのだぞ」
「いいじゃないの。沢山の死者を弔うってことで」
ダリア様が片方の眉を上がる。
「なんだ、もうやるのか?」
「キルヒシュタフがいないのだ、その分我らがやるほかあるまい」
「気にするな。あれはそなたになんの咎もない」
パフィは僕が見てることに気づいて、僕のおでこを軽く叩いた。
「用意しろ、魔女の宴を始めるぞ」
ここに来ると聞いてるけど、どこでやるんだろう。
「パフィ、場所はどこでやるの?」
『火を焚くからな、庭がいいだろう』
「分かった。料理だけど、冷めても美味しいものを」
「何故だ」
聞いたことのある声に僕とラズロさんは固まる。
声のしたほうを見ると、七色の尾羽の大きな鳥に乗ったダリア様がいた。
『早い』
「一晩だけなどつまらぬからな。人の子を傷つけぬように魔力は封じてきた。案ずるな」
前と違ってダリア様がそばにいても、息苦しくなったりしない。封じるって、どういうことなんだろう。ダリア様は大丈夫なのかな。ラズロさんは固まったままだけど。
『何をした?』
「外に漏れぬよう封じておるぞ、このようにな」
たくさんの指輪と腕輪をつけてる。この前はどうだったのか覚えてないけど、こうして見せるってことは、あの指輪達がダリア様の魔力が漏れないようにしてくれてるんだろうな。
「それでも漏れる分はな、これに食わせた。ほら、これだ」
そう言ってダリア様は大きな卵を見せてくれた。
縦長で、固そうな殻。僕と同じぐらいの大きさに見える。
「孵化する前にアシュリーにやろうと思ってな」
『いらん。来るな。ドラゴンの卵ではないか……』
ドラゴン! おとぎ話の中でしか見たことがない。存在するんだ!
今僕にくれるって言った?
「ドラゴンを育てるとダリア様の魔力が減るんですか?」
孵化するのに魔力が必要になるのかな?
「古代種のドラゴンは魔力を恐ろしく必要とするからな。孵化したらテイムせよ」
『古代種をテイムできるのはダリアだけだ』
「ドラゴンでは気に入らぬか?」
『無理だと言ってる』
残念そうな顔をするダリア様と、呆れた顔をするパフィ。
うん、無理だと思う。少し憧れるけど、ドラゴンなら大きくなるだろうし、ごはんもたくさん必要になるだろうし。
「では別のものにするか」
『なにもいらん』
「我が同胞の弟子なら我の弟子も当然だろう。師匠が弟子にものを与えるのは珍しいことでもあるまい」
『勝手に師匠に加わるな』
「細かいことを言うな」
カラカラとダリア様は笑う。まだ会うのは二回目だけど、色々気にしない性格みたい。
「仕方ない。我の不在時に庭で留守番でもさせるか。それなら好き放題出かけられるしな、うむ、名案かもしれん」
『……勝手にしろ』
ダリア様、強いなぁ。パフィ、呆れてなにも言わなくなっちゃった。
「孵化したら、ドラゴンを見せてもらえますか?」
「勿論だとも、我が弟子よ」
『勝手に師匠になるな』
近くにあったテーブルにラズロさんがコーヒーを置いた。さっきまで固まってたのに、いつの間にか回復したみたい。よかった。
「おぉ、すまぬな」
鳥から降りたダリア様は、僕にドラゴンの卵を渡してから椅子に座った。
卵、重い。それとあったかい。
『さりげなくアシュリーに渡すな』
パフィの尻尾がくるくると回って、僕の腕の中にあった卵が浮く。ふわふわと浮かんだまま移動して、ダリア様の膝の上にのった。
ちょっとだけ残念。
「重くてなぁ」
『当たり前だ』
ぷんぷん怒ってるけど、黒猫の姿だからパフィが可愛い。背中を撫でたら尻尾で手を叩かれちゃった。
「ドラゴン、駄目か?」
ダリア様、諦めてなかった。
「ここではドラゴンが育つには狭いと思います。あと、僕のお給料だとおなかいっぱい食べさせてあげられないので、それはかわいそうかなって」
「確かにな。古代種のドラゴンはよく食うぞ。オーガなども丸呑みだ」
ちょっとごはんとして用意できそうにないなぁ……。
「では別の生き物にするか。餌にさほど困らず、場所もとらぬものか……なかなかに難しい注文だ」
「ねぇ、パフィ。僕、うっかりしてダリア様になにかお願いした?」
パフィにこっそりとたずねる。
『ダリアはな、大の魔物好きだ』
「魔物好き」
『ダリアをのせている鳥はな、ダリアが作り上げたこの世界唯一の鳥だ』
七色の尾羽を持つ大きな鳥は、羽を閉じてダリア様の隣で大人しく座ってる。いい子だなぁ。
「大人しくて良い子だね」
『アレは大人しい部類に入るな』
「もっと色々いるの?」
「いるとも。今度パシュパフィッツェと共に遊びに来るがよい」
『飛ぶのは面倒だから断る』
そういえば他の魔女の使い魔は乗れるのに、パフィの使い魔のマグロだけは乗れない。
「そうか、ならば乗れる魔物を贈るとしよう。なにが良いか。鳥か、獣か、悩ましいな」
ダリア様の庵に行かないために言った言葉だったんだろうな。パフィはしまった、という顔をしてる。猫のしまった顔。ごめんパフィ。ちょっと面白い。
「話は戻るが、我の魔力に当てられることもないのだから、アシュリーも参加せよ、弟子として」
パフィと話しててもそうなんだけど、魔女はこうと決めたら変えないんだよね。これはパフィが諦めることになりそう。
『火傷するほど熱い奴を食わせてやれ』
パフィの言葉にダリア様がカラカラと笑う。
「我は火の魔女だからな、火傷なぞせぬ」
焦熱の魔女だもんね。
悔しそうにしてるパフィの背中を撫でる。
「パフィの大好きなものづくしにするからね」
笑顔で食堂に入ってきたノエルさんは、ラズロさんと同じように固まった。
「……焦熱の魔女 ダリア様……?」
「この前見た顔だな?」
ノエルさんは慌てて頭を下げる。
「よい、楽にせよ。我も楽にさせてもらっておる」
『くつろぎすぎだ、馬鹿者め』
ダリア様は食堂の椅子を魔法で変えてしまった。ゆったり座れる椅子に。膝の上にはドラゴンの卵。
ラズロさんが出した料理はぺろりと食べてしまって、テーブルには大皿が何枚も重ねられてる。
パフィもそうだけど、魔女ってよく食べる。
ノエルさんがこっそりと僕に話しかける。
「集まりって明日だったよね?」
「一日だけじゃつまらないからみたいですよ」
「つまらないって……」
魔女はきまぐれだから。
「明日は庭で、貝や魚、肉を焼こうと思うんです」
「え? 庭?」
「はい。僕も魔女の集いに参加するんです」
ノエルさんは目を閉じて眉をひそめる。
「…………僕も参加していいかな?」
「伝えておきますね」
ノエルさんがお疲れの顔になってしまって、ちょっと申し訳ない。
集まりは夜なのに、アマーリアーナ様とヴィヴィアンナ様は日が暮れる前にやってきた。
パフィは呆れているけど、どことなく嬉しそうだから、良かった。
皆、パフィを心配してきてくれたんだと思う。
ずっとキルヒシュタフ様と冬の王のことを考えて生きてきたパフィはつらかっただろうから。
「アシュリーに使ってもらおうと思って、お肉をね、持ってきたのよ」
ヴィヴィアンナ様とアマーリアーナ様は大量の肉と野菜、果物を持ってきてくれた。
ダリア様が抱えてる卵を見て、「なぁにそれ、ドラゴンの卵焼きでも作るの?」とアマーリアーナ様が言った。
「アシュリーが喜ぶかと思ったのだがなぁ、パシュパフィッツェに断られてしまった」
「当たり前じゃないの」
「テイムはできぬとしても、庭番として飼うのも一興と思っておる」
「ますます狭くなるわね、ダリアの庵」
そんなに色々いるんだ。
ちょっと行ってみたい。
「せっかく集まったし、さっそく始めましょうか」
アマーリアーナ様は空中で寝っ転がってるパフィの鼻先を指でつついた。
「パシュパフィッツェも、いい加減元に戻りなさいよ」
人の姿に戻ったパフィは、三人の魔女を見てため息を吐いた。
「本来は明日なのだぞ」
「いいじゃないの。沢山の死者を弔うってことで」
ダリア様が片方の眉を上がる。
「なんだ、もうやるのか?」
「キルヒシュタフがいないのだ、その分我らがやるほかあるまい」
「気にするな。あれはそなたになんの咎もない」
パフィは僕が見てることに気づいて、僕のおでこを軽く叩いた。
「用意しろ、魔女の宴を始めるぞ」
2
お気に入りに追加
349
あなたにおすすめの小説
料理を作って異世界改革
高坂ナツキ
ファンタジー
「ふむ名前は狭間真人か。喜べ、お前は神に選ばれた」
目が覚めると謎の白い空間で人型の発行体にそう語りかけられた。
「まあ、お前にやってもらいたいのは簡単だ。異世界で料理の技術をばらまいてほしいのさ」
記憶のない俺に神を名乗る謎の発行体はそう続ける。
いやいや、記憶もないのにどうやって料理の技術を広めるのか?
まあ、でもやることもないし、困ってる人がいるならやってみてもいいか。
そう決めたものの、ゼロから料理の技術を広めるのは大変で……。
善人でも悪人でもないという理由で神様に転生させられてしまった主人公。
神様からいろいろとチートをもらったものの、転生した世界は料理という概念自体が存在しない世界。
しかも、神様からもらったチートは調味料はいくらでも手に入るが食材が無限に手に入るわけではなく……。
現地で出会った少年少女と協力して様々な料理を作っていくが、果たして神様に依頼されたようにこの世界に料理の知識を広げることは可能なのか。
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
拝啓、無人島でスローライフはじめました
うみ
ファンタジー
病弱な青年ビャクヤは点滴を受けに病院にいたはず……だった。
突然、砂浜に転移した彼は混乱するものの、自分が健康体になっていることが分かる。
ここは絶海の孤島で、小屋と井戸があったが他には三冊の本と竹竿、寝そべるカピバラしかいなかった。
喰うに困らぬ採集と釣りの特性、ささやかな道具が手に入るデイリーガチャ、ちょっとしたものが自作できるクラフトの力を使い島で生活をしていくビャクヤ。
強烈なチートもなく、たった一人であるが、ビャクヤは無人島生活を満喫していた。
そんな折、釣りをしていると貝殻に紐を通した人工物を発見する。
自分だけじゃなく、他にも人間がいるかもしれない!
と喜んだ彼だったが、貝殻は人魚のブラジャーだった。
地味ながらも着々と島での生活を整えていくのんびりとした物語。実は島に秘密があり――。
※ざまあ展開、ストレス展開はありません。
※全部で31話と短めで完結いたします。完結まで書けておりますので完結保障です。
ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる