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第三章 ダンジョンメーカーのお仕事
049-3
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ザックさんから分けてもらったヨウルトも大分増えたから、チーズ作りを始めようと思う。
手先が器用で、いつもジャッロの巣箱に入れる木枠を作ってくれる城の兵士さんにお願いして、チーズを入れる木枠を作ってもらった。
とっても良い人で、いつも料理を大盛りで頼んでくれて、キレイに食べていってくれる。
チーズが出来たら、一緒に味見してもらいたいな。
メルからもらって、弱火にかけておいたミルクに、ヨウルトを加えて混ぜる。
ミルクの中にヨウルトが馴染むのをゆっくり待つ。パフィに作ってもらった特性の砂時計を逆さまにする。これが落ちたら一度反対にして、それが落ちたら次の作業に進める。
「アシュリー」
声をかけられて、顔をあげると殿下とクリフさんが食堂に入って来た所だった。
「どうしたんですか?」
「小腹が空いたのだが、何か……それは何だ?」
ゆっくりとかき混ぜている鍋を覗き込む。
「チーズを作ろうと思っているんです。
ヨウルトが沢山あるので、食べますか?」
「ヨウルトは酸っぱいからあまり好きじゃない」
本当に得意じゃないみたいで、殿下の顔がすっぱいものを食べた後の顔になっていた。
「蜂蜜を入れるので、酸っぱさは減ると思いますし、身体に良いんですよ?」
殿下にヨウルトを食べさせる気満々な僕は、器にヨウルトを入れる。って言っても、本当に食べられなかった時のことも考えて、少しだけ。
クリフさんの分はたっぷりのヨウルト。
蜂蜜をかけ、スプーンを添えて渡す。
「かき混ぜてから食べて下さいね」
渋々ながら殿下は口にしてくれた。
恐々食べました、という顔が、明るくなっていて、ほっとする。
「酸っぱいが、蜜の甘さと相まって、丁度良い」
クリフさんが殿下の隣で頷く。
「もう少し欲しい」
戻ってきた器にヨウルトと蜂蜜を入れ、殿下に渡すと、さっきとは違い、嬉しそうにスプーンを口に運んでいく。
「ダンジョン蜜の効果なのだろうが、沁みる味だ。
プディングと違って、いくらでも食べる事が出来そうだ」
「じゃあ、少しずつを毎朝出しますね。
毎日食べたほうがいいんだそうです」
殿下には毎日ジャッロたちの蜜を食べてもらっている。疲れに効くし、身体を強くしてくれるし、解毒してくれる。
もう殿下の身体の中からは毒の影響はなくなってるって聞いたけど、なんとなく不安になってしまって、蜂蜜が入った料理を出したくなってしまう。
「アシュリーは心配性だな」
呆れ顔で言われてしまうけど、それでも。
「殿下の身体がもう少しふくよかになるまでは、心配します」
肩を竦めて、困った、という顔をクリフさんに向ける殿下に、クリフさんは笑顔を返す。
「私も、殿下にはもう少しといわず、もっと肉を付けていただきたいと思っています」
「藪蛇だったか」
殿下はもう一度鍋を覗き込む。
「チーズはどれぐらいで出来るのか?」
「二月はかかると思います。
明日は、すぐに食べられる別のチーズを作ります」
「アシュリーの作るものはどれも美味しい。そのすぐ食べられるチーズを使ったものも楽しみにしている」
カウンターの椅子から立ち上がると、手を一度だけ振って殿下とクリフさんは食堂を出て行った。
手先が器用で、いつもジャッロの巣箱に入れる木枠を作ってくれる城の兵士さんにお願いして、チーズを入れる木枠を作ってもらった。
とっても良い人で、いつも料理を大盛りで頼んでくれて、キレイに食べていってくれる。
チーズが出来たら、一緒に味見してもらいたいな。
メルからもらって、弱火にかけておいたミルクに、ヨウルトを加えて混ぜる。
ミルクの中にヨウルトが馴染むのをゆっくり待つ。パフィに作ってもらった特性の砂時計を逆さまにする。これが落ちたら一度反対にして、それが落ちたら次の作業に進める。
「アシュリー」
声をかけられて、顔をあげると殿下とクリフさんが食堂に入って来た所だった。
「どうしたんですか?」
「小腹が空いたのだが、何か……それは何だ?」
ゆっくりとかき混ぜている鍋を覗き込む。
「チーズを作ろうと思っているんです。
ヨウルトが沢山あるので、食べますか?」
「ヨウルトは酸っぱいからあまり好きじゃない」
本当に得意じゃないみたいで、殿下の顔がすっぱいものを食べた後の顔になっていた。
「蜂蜜を入れるので、酸っぱさは減ると思いますし、身体に良いんですよ?」
殿下にヨウルトを食べさせる気満々な僕は、器にヨウルトを入れる。って言っても、本当に食べられなかった時のことも考えて、少しだけ。
クリフさんの分はたっぷりのヨウルト。
蜂蜜をかけ、スプーンを添えて渡す。
「かき混ぜてから食べて下さいね」
渋々ながら殿下は口にしてくれた。
恐々食べました、という顔が、明るくなっていて、ほっとする。
「酸っぱいが、蜜の甘さと相まって、丁度良い」
クリフさんが殿下の隣で頷く。
「もう少し欲しい」
戻ってきた器にヨウルトと蜂蜜を入れ、殿下に渡すと、さっきとは違い、嬉しそうにスプーンを口に運んでいく。
「ダンジョン蜜の効果なのだろうが、沁みる味だ。
プディングと違って、いくらでも食べる事が出来そうだ」
「じゃあ、少しずつを毎朝出しますね。
毎日食べたほうがいいんだそうです」
殿下には毎日ジャッロたちの蜜を食べてもらっている。疲れに効くし、身体を強くしてくれるし、解毒してくれる。
もう殿下の身体の中からは毒の影響はなくなってるって聞いたけど、なんとなく不安になってしまって、蜂蜜が入った料理を出したくなってしまう。
「アシュリーは心配性だな」
呆れ顔で言われてしまうけど、それでも。
「殿下の身体がもう少しふくよかになるまでは、心配します」
肩を竦めて、困った、という顔をクリフさんに向ける殿下に、クリフさんは笑顔を返す。
「私も、殿下にはもう少しといわず、もっと肉を付けていただきたいと思っています」
「藪蛇だったか」
殿下はもう一度鍋を覗き込む。
「チーズはどれぐらいで出来るのか?」
「二月はかかると思います。
明日は、すぐに食べられる別のチーズを作ります」
「アシュリーの作るものはどれも美味しい。そのすぐ食べられるチーズを使ったものも楽しみにしている」
カウンターの椅子から立ち上がると、手を一度だけ振って殿下とクリフさんは食堂を出て行った。
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