前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第二章 マレビト

028-1

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 今日はナインさんから、ダンジョンの作り方を教えてもらう日。

 作る場所はもう決まってるみたい。食堂に面した裏庭にその入り口を作るんだって。
 その為に、他からは裏庭に入れないように頑丈な柵が作られていた。何か作業をしてるな、とは思ってたんだけど。まさかこんな近く、というか城の庭に作るとは思ってなかったから、その為の柵だなんて思わなかった。
 考えてみたら、僕は王都から出られないんだから、ダンジョンを作るとしたら王都の中になるってことだよね。
 それに、殿下のこともあって、僕も狙われる可能性が高いんだし、何ていうか、ここしかなかったみたい。

 ナインさんが食堂にやって来た。

「アシュリー」

「ナインさん、おはようございます」

「おはよう」

 前に比べて、挨拶をしてくれるようになったナインさん。相変わらず表情はあんまりないけど、それでも、あ、今喜んでるな、とか、怒ってるのかな、って言うのが分かってきた。

「準備、出来てる。やろう」

「はい」

 ナインさんに腕を引かれて中庭に向かおうとして、ノエルさんに掴まれた。

「待って待って。僕達も見学させて。ダンジョン生成に立ち合いたい」

 ダンジョンメーカーのスキルについて、知られていることは少ないって言ってたもんね。

 正面からマグロがやって来て、僕目掛けてジャンプして来たのを慌てて受け止める。

「パフィ、怪我しちゃうからせめて声をかけて」

『案ずるな。おまえがぼんやりしている時にはやらん』

 もー、そう言う話じゃないのに。いや、確かに僕がぼんやりしてる時は駄目なんだけど。

「揃ったか」

 トキア様とティール様も来た。それから騎士団長とクリフさんも。
 クリフさんと目が合う。クリフさんは頷いて僕の頭をぽんと叩いた。

「気ぃ付けてな」

 何かあった時の為に、ラズロさんは食堂で留守番なんだって。

「いってきます」

 ラズロさんに見送られて裏庭に行く。
 と、言っても、すぐそこではあるんだけど。なんとなく、遠くに行くような、上手く言えないんだけど、そんな気持ちがする。

 ノエルさんとティールさんを先頭にして、裏庭の奥、少し開けた場所に立つ。ここはラズロさんが前に、使用済みコーヒーの豆を撒いていた所だ。
 今では撒いてない。フルールが食べちゃうから。使用済みコーヒーの豆の事を調べようとして文字の勉強を始めたのに、まだそこまで達していない。

「ナイン、ここで良いか?」

 トキア様が予定していたらしい場所に立って、ナインさんに尋ねる。

「はい」

 ナインさんに手を引かれて、しるしの付けられた場所に、向かい合うようにして立つ。
 僕の腕からマグロは飛び降りて、ノエルさんに飛びついて抱っこしてもらってた。
 中身がパフィだと分かってるノエルさんは驚いてる。どんな対応をすれば、みたいな顔になってる。
 ……ノエルさんがカッコいいから、飛びついたんだろうな、きっと。パフィはそう言う所、ブレないから。

 ナインさんに手をぎゅっと握られる。

「ダンジョン作るの、簡単。すぐ終わる」

 ……本当かな……。
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