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第一章 新しい生活の始まり
013-3
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きのこのペーストが出来たから、今度はニンジンの酢漬けを作ろう。
ニンジンを洗って皮を剥き、フルールにあげる。
シャクシャクシャク、と音をさせてあっという間に食べていく。ウサギの姿でニンジンを食べてると、可愛さが倍増する気がする。
四等分にしたニンジンを、皮のように気持ち薄めに剥いていく。剥き終わった最後の芯はフルールに。削ったニンジンは適当な幅で切る。拍子切りにすれば良いんだけど、ニンジンは固いのでどうも大きさがバラバラになっちゃう。ニンジンの酢漬けは生のままだし、味を早めに染み込ませたいのもあって、皮を剥くように身の部分も削って、幅を調整してる。
ニンジン二十本を同様に切って深めの器に入れる。
そこへ塩、胡椒、油、酢を入れて掻き混ぜて、味が染み込めば完成。
「アシュリー、味見しても良いか?」
「まだ味は染み込んでませんけど、いいんですか?」
「おぅ」
日持ちするように酢を強めに入れたのもあって、口に入れた瞬間、ラズロさんが目を閉じた。
「効くな、コレ! 二日酔いに効きそうだ」
「粒マスタードが出来たら、これに加えるんですけど、とても美味しいんですよ」
「ほー? 粒マスタードがどんなもんか分からんが、楽しみにしてるわ。んで、粒マスタードはいつ作るんだ?」
「明日やろうかなって思ってます」
量が少ないから直ぐに終わるだろうけど、今日は大分日が傾いてる。
「じゃあオレも手伝うぜ」
「ありがとうございます!」
「今日はアシュリーも外でメシを食わねぇか?」
外で?
「たまには良いだろ」
「はい。ラズロさんオススメのお店ですか?」
「おぅよ。酒も美味いし、料理も美味いぞ。アシュリーはまだ酒は飲めねえだろうけど、それでも気にいると思うぜ」
「じゃあ、僕も行く」
予想外の方向から声がした。ノエルさんだ。
「夜食の準備はして行くぞ?」
「そうじゃないよ、アシュリーが心配だから僕も行く」
ラズロさんって、結構色んな人に言われているけど、そんなに酒癖が悪いのかな?
連れて来てもらったお店は『宵鍋』と言う名前だった。
「邪魔するぞー」
「おぅ、ラズロか。ノエルも一緒とは珍しいな。……ゥン?」
ラズロさんに声をかけた店主は、ノエルさんに声をかけ、僕を見た。お辞儀する。
「この前ラズロが言ってたアシュリーか?」
「そうだ。美味いものたらふく食わせてやってくれ。いつも作る側だからな、たまには作ってもらう側も良いだろ」
あぁ、そう言う理由で誘ってくれたんだ。
ラズロさんって、かなり気を遣ってくれる人だと思う。
「頰が落ちる程美味いモン、食わしてやるよ!」
キレイな女の人が来て席に案内してくれた。四人席に腰掛ける。
「オレとノエルはエールで。アシュリーにはジュースを頼む」
カウンターからあいよ! と返事が来た。
それから直ぐに酒の入った器と、ジュースが入った器が運ばれて来た。
「おし! 乾杯だ!」
「かんぱーい!」
器を持ち上げて合わせる。
口にしたジュースはリンゴだった。甘くて美味しい~。
ニンジンを洗って皮を剥き、フルールにあげる。
シャクシャクシャク、と音をさせてあっという間に食べていく。ウサギの姿でニンジンを食べてると、可愛さが倍増する気がする。
四等分にしたニンジンを、皮のように気持ち薄めに剥いていく。剥き終わった最後の芯はフルールに。削ったニンジンは適当な幅で切る。拍子切りにすれば良いんだけど、ニンジンは固いのでどうも大きさがバラバラになっちゃう。ニンジンの酢漬けは生のままだし、味を早めに染み込ませたいのもあって、皮を剥くように身の部分も削って、幅を調整してる。
ニンジン二十本を同様に切って深めの器に入れる。
そこへ塩、胡椒、油、酢を入れて掻き混ぜて、味が染み込めば完成。
「アシュリー、味見しても良いか?」
「まだ味は染み込んでませんけど、いいんですか?」
「おぅ」
日持ちするように酢を強めに入れたのもあって、口に入れた瞬間、ラズロさんが目を閉じた。
「効くな、コレ! 二日酔いに効きそうだ」
「粒マスタードが出来たら、これに加えるんですけど、とても美味しいんですよ」
「ほー? 粒マスタードがどんなもんか分からんが、楽しみにしてるわ。んで、粒マスタードはいつ作るんだ?」
「明日やろうかなって思ってます」
量が少ないから直ぐに終わるだろうけど、今日は大分日が傾いてる。
「じゃあオレも手伝うぜ」
「ありがとうございます!」
「今日はアシュリーも外でメシを食わねぇか?」
外で?
「たまには良いだろ」
「はい。ラズロさんオススメのお店ですか?」
「おぅよ。酒も美味いし、料理も美味いぞ。アシュリーはまだ酒は飲めねえだろうけど、それでも気にいると思うぜ」
「じゃあ、僕も行く」
予想外の方向から声がした。ノエルさんだ。
「夜食の準備はして行くぞ?」
「そうじゃないよ、アシュリーが心配だから僕も行く」
ラズロさんって、結構色んな人に言われているけど、そんなに酒癖が悪いのかな?
連れて来てもらったお店は『宵鍋』と言う名前だった。
「邪魔するぞー」
「おぅ、ラズロか。ノエルも一緒とは珍しいな。……ゥン?」
ラズロさんに声をかけた店主は、ノエルさんに声をかけ、僕を見た。お辞儀する。
「この前ラズロが言ってたアシュリーか?」
「そうだ。美味いものたらふく食わせてやってくれ。いつも作る側だからな、たまには作ってもらう側も良いだろ」
あぁ、そう言う理由で誘ってくれたんだ。
ラズロさんって、かなり気を遣ってくれる人だと思う。
「頰が落ちる程美味いモン、食わしてやるよ!」
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カウンターからあいよ! と返事が来た。
それから直ぐに酒の入った器と、ジュースが入った器が運ばれて来た。
「おし! 乾杯だ!」
「かんぱーい!」
器を持ち上げて合わせる。
口にしたジュースはリンゴだった。甘くて美味しい~。
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