某月某日、我、賓ニナリニケリ

黛 ちまた

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異世界到着

001.これが噂の異世界転移といふ奴か

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 広告なんかでもよく見かけるから、異世界に転生だの、転移するだのといった話が流行っていることは知っていた。なんなら読んだりもしていた。チートな能力で無双する、オーバーキル気味な無双。とにかくまぁ主人公がモテるモテる。入れ食いってあんな感じ、と表現したくなるほど。
 でも、それはあくまで物語の中の話。自分の身に起きたらいいのにと思う人も中にはいるだろうけど、私はそうじゃなかった。
 それなのに。
 
 
 
 

 
 片眼鏡モノクルを着け、高そうな着物を着た顔の良い白髪のイケメンが、時代劇で親分とかが咥えてる煙管キセルを口から外して言った。
 
まろうどとは珍しいね」
 
 煙管を上下逆さまにして、灰を捨てるとにやりと笑った。どんな仕草、表情をしてもイケメンなのは、なんだかズルいと思った。
 
「それも、神獣付きときたもんだ」
 
 神獣? 誰のこと?
 周囲を見渡していたら、その人は火鉢の端をキセルで叩いた。
 
「よござんす。おまえさんの後見は、万屋の左近が引き受けましょ。これでも、御師おしも兼ねてますからねぇ」
 
 え? 後見? オシ? 推し? なんのこと?
 何も分からない私に、この人は説明する気はないようだ。
 キセルを手慣れた様子で懐に挿すと、立ち上がる。背が高い。180センチはありそうだ。
 
「詳しい話は、挨拶回りをしてからに」
 
 後で説明してくれるというので、その人について行くことにした。悩む間もなく、こっちの世界に一緒に迷い込んだ犬達がついて行ってしまったから、私も慌てて同行するしかなかった。
 
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