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第3章〜幻想都市グリーディア〜

検体Aと検体B

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早足にアリス達の元へ向かうフューゼ。

「アリス!あの子達は大丈……夫…か……?」

フューゼは愕然とした。
先ほどまでうなだれていた少女達が元気になっている……
ことよりも内臓にうまっているアリスに。


「あーフュゼ様おかえり~!」

「ただいま……じゃなくて何してるんだお前は。」

「えへへ~やっぱりぽかぽかして気持ちよくて~」
気持ちよさそうな顔をするアリス。

「内臓吐いたら倒れ込んでた子達にこんなに無理させたのか?」

「無理は…してない……」

「そうです!大丈夫…です!それにアリスさんはわたし達を助けてくれたんです!」

「助けた?」


「何だかあのスキルを使うのに体力かなり使うみたいでね、この子達最近まともなもの食べてなかったから倒れちゃったみたいなの。あ、あとフュゼ様が怖かったんだって!だから持ってきた食べ物あげて、フュゼ様の話をしたら元気になったよー!」
内臓の中でドヤ顔のアリス。
 

「まともな物を食べてなかった……?」

「はか、博士は“サイテイゲンの物でいい”って言ってちょっとしかたべものくれなくて……。毎日味のないゼリーだけなんです……。」

「それはひどいな……。後で言っておくよ。」

「だだ、だめです!“おしおき”されちゃいます…!!」
怯えた表情になる黒髪合成生物キメラ少女。


……この子達の環境はひどそうだな。
何とかしてあげられないかな……。

「じゃあ博士には言わないでおくけど…アリス。さっきまで倒れてた子にこんなに吐かせたらダメだろ……。」

「わ、わたし達がしたかったんです!アリスさんを怒らないで下さい……」

「そう……私達がしたこと。アリスは悪くない」

「君達が大丈夫ならいいんだけど…。」

「それに……アリスが喜んでくれるから。…ぅぇ」
内臓を吐きながら少し笑顔を見せた銀髪合成生物キメラ少女。

「アリスは私達が内臓吐くと喜んでくれる。あと、喜んでくれた時の顔が可愛い…。博士も喜ぶ時あるけど、顔が気持ち悪い」

「そ、そんなこと言ってるのが博士にバレたら“おしおき”されちゃうよぅ!」


……クタール博士はだいぶ問題がありそうだ。
この国を出る前に説得なりなんなりしてみるか。


「アリスの事は怒らないから安心してくれ。アリス、2時間後に王に会いに行くぞ。」

「は~い」

「そして君達。」
少女達をみつめるフューゼ。

どしゃっ!どしゃあぁぁっ!

驚く少女達。


「俺もそれ出来るんだ。よかったら仲良くしてくれないかな?」

ふふ、共通点が多い方が仲良くなりやすいって本に書いてたからな。
これでこの子達と仲良くなれるぞ!

「ぶぇぇ!」
内臓吐きだした黒髪合成生物キメラ少女。

「挨拶みたいなものか?」

「ちち、ちがいますっ!びっくりしちゃって!わたし達以外でこれできる人いるなんて!」

「色々あってな…。実は出来るんだ。」

「……怖い」

「えっ!?」



「でも、博士より怖くない。フューゼ?だっけ。よろしく…」


「よかったよ…ありがとう!よろしくな!」
嬉しくてつい少女の手を取るフューゼ。

「あぅぇ…!」

「あっ、ごめん」

「ううん……大丈夫、慣れる。よろしくフューゼ」

「わ、わたしも!よろしくお願いします!フューゼさん!」


内臓だらけの部屋に内臓に埋まるサキュバス。
そして笑顔で内臓を吐く夜王とそれを見て笑う少女達。
そしてその少女達も笑いながら内臓を吐く。
かなりカオスな部屋がそこに出来上がった。
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