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第2章〜踏みしめる新世界〜

初めての眷族契約

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シルビアに眷属契約?
まぁいつでも呼び出せたりするのは便利かもな。

「眷属契約するのはいいんだけど牙に魔力を込めるって言ってたよな?俺牙なんてないんだけど…」

「……?何を仰られているんですか?」

「え?いや見た通り元は普通の人間だから普通の歯しかないぞ?」
口を開けシルビアに歯を指さすフューゼ。

「えーと……ヴァンドラ様?からかわれておりますか?」

「何言ってんだよ、ほらこ……れ?」
あれ?何だこれめちゃくちゃ歯が尖ってる!

「おぉ!牙!牙が生えてる!鏡ないか!鏡!」

「鏡ならあるよー!」
バックから鏡を取り出すアリス。

「おぉありがとう……ってうおおお!?」
ヴァンドラになってから初めて鏡みたけど…
気づかなかった!
見た目思いっ切り変わってるじゃん!!
あのヴァンドラと一緒だ!


「……もしかすると初めて御姿の確認をされたのですか?」

「姿が変わるなんて思ってもなかったからな……。でも牙あるから眷属契約できるな!魔力の込め方ってこうでいいのかな?」
ヴァンドラとの誓約の時は
熱くする感じだったから……
歯に集中して……熱くなれ……熱くなれ!

ボゥ!
フューゼの歯に火が灯る。

「よし、熱くなったぞ!シルビアこれでいいか?」

「な、何を言ってるんですかヴァンドラ様!私を焼き殺す気ですか!!魔力濃度も高すぎます!」

「え?でもヴァンドラの誓約のときこんな感じで…」

「もう少し力を抑えてください。その魔力量では耐えられないかもしれませんしそんな牙で噛まれれば燃えてしまいます」
……しかし驚きました。
本当に詠唱破棄を……。

「抑えて……か……力を抜く感じか?難しいな……」

シュウ……!
徐々に火の勢いは失われていく。
そして火は収まり赤い牙となった。

「さすがヴァンドラ様。本当に習得が早いですね。さぁその牙で私に噛み付いて下さい」

「ほんとに大丈夫なのか?」

「えぇ、ではこ、この辺によろしくお願い致します」
横腹を指差し円を描くシルビア。

「えぇ!?そこ!?」

「で、出過ぎた真似をしました!申し訳ございません!お好きな所でお願い致します!」

「じゃ、じゃあ首でいいかな?ついでに夜王解析スティーライズも試せるし。」

「く、首ですか!よろしくお願い致します…!」

「なんでシルビアそんなに緊張してるんだよ……。俺は初めてなんだからもっと緊張するぞ!」

「わ、私も初めてなんです!!」

「あれ?今までのヴァンドラ……てかヘルシャフトさんとした事あるんじゃないの?」

「ヘルシャフト様はめんどくさいと言ってしてくれなかったので……」

「そ、そうだったのか。ヘルシャフトさんらしいっちゃらしいけども……」
……これは人生で一度言ってみたかった
あの台詞を使う時が来たか…!!



「シルビア」

「は、はい。なんでしょう」



「お前の初めてを……俺が貰っていいか?」
キターーー!!
前世で叶わなかった夢を
こんな形で叶えるとは!!

「えっ!?///えっと!その……!よ、よろしくお願い致します……/////」
シルビアこういうのに弱いのかなー
可愛いなー

「じゃあいくぞ……!」

「あ、あの……早くお願い致します…恥ずかしいので……」
……キスすらしたことないのに
急かさないでくれ…!
でもいくぞ……!俺は今ヴァンドラ。
ヴァンドラ・フューゼなんだ!
どうせなら恰好良くやってやる!

「…俺は……イグニ・シルビア。君と眷属契約を行う。」
シルビアの顎に手を掛け、上に向けるフューゼ。

「ヴァンドラ様……」
そのまま少し顔を傾け
フューゼは首に噛み付いた。

「……っ!!////くぅっ…………!ああっ!!/////」


おぉ、凄い!頭に情報が流れてくる!
これが夜王解析スティーライズか!
先祖返りリバック……。自分の先祖の得た知識を
受け継いでいく能力……。
一部の知識は継承不可。
……使えるようになるスキルだとここで
感覚みたいにわかるのかな?要実験って事か。

「くぁっ……/////あっ……//」

というよりシルビア大丈夫なのかこれ。
俺も興ふ……やばくなるから離れよう。

カパッ…
シルビアの首元から離れるフューゼ。

「あうぅっ……/////」
その場にへたれこむシルビア。

「シ……シルビア?大丈夫か?」

「あーホントにこんなになるんだー」
横から覗き込むアリス。

「アリス、何か知ってるのか?」

「んー…シルビーがスキルを使って得た知識の話しをたまにしてくれるんだけどヴァンドラ様の眷属契約をした時の記憶があったらしくてね…なんか……その、凄かったらしくて気になるって言ってたの」

「そ、そうなのか。覚えておくよ」
魔力を失って危ないって言ってたけど
今の所変わりはないな……。
とりあえず可愛い子を見つけたら
眷属契約したいな……。

フューゼの心に小さく不純な気持ちが生まれた瞬間であった。
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