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北の帝国と非有の皇子
非有の皇子×出立
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カーバンクル改め、アルの名付けから数日経ったころ、グラキエグレイペウス公爵家一行は、本日、冬支度の為に帝都から公爵領へ帰還する事になった。
そうそう。元精霊の子たちの両親達は、こちらから何かを言う前にグラキエグレイペウス公爵家にて働きたいって言ってくれたよ。
どうやら2家族ともかなり複雑なお家事情があって、俺がお祖父様に説明した精霊の子が元に戻る条件を聞き、魔力過多になる毒を誰に飲まされたのかもわからないし、魂が戻った子を連れ、郷にのこのこ戻ったらどんな事が起きるか恐ろしいので、あの場所で自分たちは死んだ事にして、公爵家で働けたら働きたいと言ってくれた。
こちら側からすれば、得難い人材確保が出来たのでありがたい話なので喜んで是非にとお願いをした。
因みに、エルフ家族の3名は、旦那さんが普通のエルフのフェアラスさん。奥さんはハーフエルフのララノアさん。元白い精霊の子の名前はギルミアくん。男児だ。
獣人の家族のお父さんが猫獣人のシロさん。元黒い精霊の子はクロくん。こちらも男児だった。
こちらの2家族はとにかく帝都の公爵家で養生して貰って、動けそうならば軽い仕事から手伝ってもらうと執事のクラウスさんが言っていた。
彼らが療養してる間、俺たちは公爵領に向かう為の荷造りを始めたのだが、片っ端から俺の収納に入れたので荷造りがすぐに終わってしまった。
そして何時もだったら大名行列の様な大層な馬車列を組むグラキエグレイペウス公爵家御一行様は、5台の馬車と10余の使用人、そして20余りの護衛というコンパクトな隊列で公爵領まで旅をする事になった。
母様付きの護衛達も6名ほどいるが、ついてくるらしい。非常にむさ苦しいのである。
お祖父様達は、屋敷の使用人や護衛騎士たちを半数ほど引き連れ先に転移門より公爵領に向かった。
領地の糞女神の教会施設をどうにか浄化したいとか。俺からも聖水を沢山渡しておいた。
使用人や護衛達の残りの半数から3分割して三分の一を俺たちの護衛としてお祖父様は残してくれたみたいだ。その他は帝都でお留守番である。
ティーモ兄様もお祖父様と共に公爵領へ帰るはずだったが、後学の為にって押し切って俺たちと共に行く事になった。呪いが解けてしまい獣化出来なくなった母様と共に、こりゃ何がなんでも護らなきゃならないね。因みに俺の教育係のペネロペ先生も来てくれるとか。ちょっと冬休みで姿勢矯正レッスンはなしの方向かと思っていたけれど、そうは問屋が卸さないってな感じで虫が良すぎたみたいだ。冬の間こそレッスンだとか。はい。
後は、黒妖精の穴蔵で頼んでおいた公爵家の馬車の加工待ちであったけど、こちらも先日、聖水を納品する時に引き取って来たのでいつでも出発できる。
元々商隊を組んだ時に購入した馬車に、グラキエグレイペウス家の紋章をつけてもらっただけなので、直ぐに加工してもらえた。3台あった内の1台をお祖父様に使ってもらって後の2台と改造馬車が1台、特殊荷馬車が2台の計5台。
馬は魔馬が3頭。薄墨毛というのか灰色の馬だ。元々35頭いた魔馬達はグラキエグレイペウス一門の従魔となり、お祖父様の従魔となった魔馬2頭を抜いて、クヴァルさん達の魔馬3頭しか居ないので、帝都のグラキエグレイペウス公爵家の馬を出してくれた。
こちらも軍馬だけあってとても雄大でがっしりした黒鹿毛の馬だ。種類は「黒き森の王」っていう種族だとか。北の帝国特有の寒い土地でもへいちゃらな馬で毛足が長くモフッとしている。
旅の支度も素早く整ったので、いよいよ本日出立である。
世話になった人たちに別れを告げ、いざ公爵領へ出立した。
そうそう。元精霊の子たちの両親達は、こちらから何かを言う前にグラキエグレイペウス公爵家にて働きたいって言ってくれたよ。
どうやら2家族ともかなり複雑なお家事情があって、俺がお祖父様に説明した精霊の子が元に戻る条件を聞き、魔力過多になる毒を誰に飲まされたのかもわからないし、魂が戻った子を連れ、郷にのこのこ戻ったらどんな事が起きるか恐ろしいので、あの場所で自分たちは死んだ事にして、公爵家で働けたら働きたいと言ってくれた。
こちら側からすれば、得難い人材確保が出来たのでありがたい話なので喜んで是非にとお願いをした。
因みに、エルフ家族の3名は、旦那さんが普通のエルフのフェアラスさん。奥さんはハーフエルフのララノアさん。元白い精霊の子の名前はギルミアくん。男児だ。
獣人の家族のお父さんが猫獣人のシロさん。元黒い精霊の子はクロくん。こちらも男児だった。
こちらの2家族はとにかく帝都の公爵家で養生して貰って、動けそうならば軽い仕事から手伝ってもらうと執事のクラウスさんが言っていた。
彼らが療養してる間、俺たちは公爵領に向かう為の荷造りを始めたのだが、片っ端から俺の収納に入れたので荷造りがすぐに終わってしまった。
そして何時もだったら大名行列の様な大層な馬車列を組むグラキエグレイペウス公爵家御一行様は、5台の馬車と10余の使用人、そして20余りの護衛というコンパクトな隊列で公爵領まで旅をする事になった。
母様付きの護衛達も6名ほどいるが、ついてくるらしい。非常にむさ苦しいのである。
お祖父様達は、屋敷の使用人や護衛騎士たちを半数ほど引き連れ先に転移門より公爵領に向かった。
領地の糞女神の教会施設をどうにか浄化したいとか。俺からも聖水を沢山渡しておいた。
使用人や護衛達の残りの半数から3分割して三分の一を俺たちの護衛としてお祖父様は残してくれたみたいだ。その他は帝都でお留守番である。
ティーモ兄様もお祖父様と共に公爵領へ帰るはずだったが、後学の為にって押し切って俺たちと共に行く事になった。呪いが解けてしまい獣化出来なくなった母様と共に、こりゃ何がなんでも護らなきゃならないね。因みに俺の教育係のペネロペ先生も来てくれるとか。ちょっと冬休みで姿勢矯正レッスンはなしの方向かと思っていたけれど、そうは問屋が卸さないってな感じで虫が良すぎたみたいだ。冬の間こそレッスンだとか。はい。
後は、黒妖精の穴蔵で頼んでおいた公爵家の馬車の加工待ちであったけど、こちらも先日、聖水を納品する時に引き取って来たのでいつでも出発できる。
元々商隊を組んだ時に購入した馬車に、グラキエグレイペウス家の紋章をつけてもらっただけなので、直ぐに加工してもらえた。3台あった内の1台をお祖父様に使ってもらって後の2台と改造馬車が1台、特殊荷馬車が2台の計5台。
馬は魔馬が3頭。薄墨毛というのか灰色の馬だ。元々35頭いた魔馬達はグラキエグレイペウス一門の従魔となり、お祖父様の従魔となった魔馬2頭を抜いて、クヴァルさん達の魔馬3頭しか居ないので、帝都のグラキエグレイペウス公爵家の馬を出してくれた。
こちらも軍馬だけあってとても雄大でがっしりした黒鹿毛の馬だ。種類は「黒き森の王」っていう種族だとか。北の帝国特有の寒い土地でもへいちゃらな馬で毛足が長くモフッとしている。
旅の支度も素早く整ったので、いよいよ本日出立である。
世話になった人たちに別れを告げ、いざ公爵領へ出立した。
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