孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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第三章 運命を変えたい

3-7

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レジデンスに帰ってきて、海星本部長がコーヒーを淹れてくれる。

「えっと。
じゃあ、ピアスをあけようと思います」

「うん」

テーブルの上にはふたつのコーヒーカップ、それにピアッサーに鏡と、そのほかピアスを開けるのに必要なものが並んでいた。
病院であける話も出たが、自分でやりたいとお願いした。
私の運命を変えるピアスだ、自分自身であけたい。

耳を消毒し、あける場所を決める。
が、鏡は海星本部長が持ってくれているとはいえ、やりにくい。

「俺がやってやろうか?」

「……お願いします」

素直に持っていたペンを彼に渡す。
すぐに彼は左右のバランスを見ながら印をつけてくれた。

「ここでいいと思うが」

「はい、大丈夫です」

鏡で確認すると左右だいたい同じ場所に印が付いていたし、問題ないだろう。

いよいよ、ピアッサーで自分の耳を挟む。

「ちょっと待て」

私の顔を横から見て、海星本部長が印からズレていないか、真っ直ぐになっているかチェックしてくれる。

「うん、大丈夫だ」

彼が頷き、私もあまり顔を動かさないように小さく頷き返す。
目を閉じて小さく深呼吸し、覚悟を決めた。

「いきます」

ぐいっとピアッサーを握る手に力を入れた途端、バチン!と大きな音が耳もとでした。

「大丈夫か?」

穴を開けたのは私なのに、海星本部長のほうが痛そうな顔をしているのはなんでだろう?
同じ行程を繰り返し、反対側にも穴を開ける。

「どうですか?」

ファーストピアスの刺さった耳を彼に見てもらう。
ピアスは石のついているのも選べたが、シンプルなチタンボールのものにした。
海星本部長曰く。

『ちゃんとしたのは俺が選んだのが、最初がいい』
……らしい。

「いいんじゃないか」

ちゅっと軽く彼の唇が重なる。

「これで花音は生まれ変わったな」

「そうですね」

もう過去を――高志なんてすっぱり忘れて思い出さない。
これからは海星本部長と生きていくんだ。

「生まれ変わった花音を抱きたい」

彼の手が私の眼鏡を引き抜く。
少しして唇が重なった。
ちろりと唇を舐められ、自分から口を開けて彼を迎え入れる。
すぐにくちゅり、くちゅりと私たちが立てる水音が静かな室内に響き出す。

「……ん……んん……」

漏れる甘い吐息は私のものか、それとも……彼のものか。

……もっと。
もっと……。

じんじんと頭の芯が痺れ、彼以外なにも考えられなくなっていく。
ただひたすらに海星本部長を求めた。

「あっ……」

ゆっくりと彼が離れていき、私の舌が空中に取り残される。

「物欲しそうな顔をして可愛いな」

その舌先に彼は、ちゅっと口付けを落とした。
それだけでびりりと軽く電流が身体に走る。

「ベッド、行こうか」

手を引っ張った彼は、私を抱き上げた。

「きゃっ」

慌てて、落ちないように掴まる。
見ている人がいないとはいえ、お姫様抱っこは恥ずかしい。
海星本部長はそっと、ベッドの上に私を横たえた。
眼鏡を外し、彼がじっと私を見下ろす。
それだけで心臓がどくん、どくんと大きく鼓動した。

「……花音」

甘い重低音で私の耳を犯しながら、彼が服を脱がせていく。

「生まれ変わった花音にも、俺をたくさん覚え込ませないといけないな」

「あっ」

彼の唇が首筋に触れるだけで甘い声が漏れた。
そのまま指で、舌で、彼は丁寧に私を愛撫していく。

「あっ、あっ、ああーっ!」

海星本部長の指がぐちょぐちょと音を立てて私の花壺を掻き回し、絶頂を迎える。
けれど彼はそれで許してくれなかった。

「かいせいっ、ほんぶちょぅっ!
もう、イったから……!」

「んー?
海星本部長じゃない、海星だ」

「あっ、はぁっ、ああっ」

言われた意味を理解しようとするが、快楽が暴れ回る身体ではままならない。

「か、かいせいっ、……さん!」

「海星さんじゃない、海星だ」

「ああっ、あっ」

私はつらくて堪らないというのに、海星本部長は愉しそうなのがわからない。

「ほら、言わないとまたイくぞ」

「はぁっ、ああーっ!」

ぐいっと彼が胎内で指を曲げた途端、目の前で星が明滅する。
もうやめてほしい、なのに彼はそこを指先でぐりぐりと抉り続けた。

「俺は別にいいけどな、花音がつらいだけで」

やめさせようと彼の手を掴み、嫌々と首を振る。
それでも彼はやめてくれない。
見えなくてもますます愉しそうなのはその空気でわかった。

「ダメ、もうダメだからっ……!」

こんなの続けられたら頭がおかしくなる。
なのに。

「花音が俺を海星と呼ぶまでやめない」

「ああっ!
あっ」

さらにぐりっと私の弱い場所を彼が抉る。
仰け反った喉に、彼は口付けを落としてきた。
敏感になっている身体はそれすら、感じてしまう。

「海星!
海星さんっ!」

早くやめてほしくて言われたとおりに彼の名を叫んだけれど。

「ダメだ」

「なん、でっ……!ああっ!」

お仕置きとばかりに同じ場所を何度か強く押され、また達する。
ちゃんと私は役職なしで彼の名前を呼んでいる。
なのになにがダメなのかわからない。
理由を考えたいのに彼は私を責め続け、その隙を与えてくれなかった。

「ダメ……もう無理……許して……」

「ダメだ。
花音が俺の名をちゃんと呼ぶまでやめない」

懇願するが彼は手を止めてくれない。
頭はぐちゃぐちゃでなにも考えられなくなっていた。

「……〝海星〟。
それだけでいいんだ」

耳もとで囁き、彼が離れる。

「はぁっ、……あっ、海星!……ああっ、……かいっ、せいっ!
もう無理、おねがいっ……!」

「それでいい」

私の髪をうっとりと撫でた彼は、仕上げだとでもいうのか指の抽送を速くした。

「イヤッ、海星!
やめて、出る、出ちゃう……!」

迫り来るそれは排泄感とよく似ていた。
そんなの絶対に嫌なのに、彼は指を止めてくれないどころか、さらにキモチイイ場所を擦ってくる。

「いいよ、出して」

「ああぁぁっ……」

ぐりっと奥を思いっきり押された途端、ぶしゅっと液体を私は勢いよく噴き出していた。
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