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第18話 誰のための復讐?
1.離婚
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「よろしくお願いします」
弁護士の丸尾にあたまを下げる明夫にあわせて朋香もあたまを下げた。
「きっと大丈夫ですよ。
若園製作所さんは無実なんですから」
力強く笑って頷く丸尾が心強い。
「では、資料をお預かりしますね。
一緒に頑張りましょう」
「はい、よろしくお願いします」
丸尾を送り出して社長室に戻ると、明夫にあたまを下げられた。
「朋香には二度も工場を救われた。
本当に感謝している」
「やだ、お父さん、あたまを上げてよ。
それに今回、私はなにもしてないし」
「いや、朋香のおかげだ。
本当にありがとう」
そこまで感謝されると反対に照れくさい。
明夫が仕事に戻ると、朋香も机でパソコンに向かい、メールを打ち始めた。
“侑岐さんへ
紹介してくれた弁護士さんに今日、会いました。
……”
あの日、突然帰ってきた朋香に明夫は目をまん丸くして驚いていた。
「どうした!?」
「離婚した」
「はぁっ!?」
そりゃ、訳がわからないだろう。
昼間、会ったときはなにも云ってなかったのだから。
「やっぱり、その、騒ぎのせいか?」
「それもあるけど。
尚一郎さんがあんな人だなんて知らなかった!
別れて正解!!」
ゴクゴク渡一気に水を飲み干すと、ガツッと乱暴にテーブルの上にコップを叩きつける。
「と、朋香?」
「お父さんもあんな人の経営する会社と手が切れて、ある意味よかったのよ。
今日は寝る!
あとのことは明日、考える!」
「う、うん。
わかった。
……おやすみ」
「おやすみ!」
何事かとすでに部屋に引っ込んでいた洋太も顔を出したが、朋香の剣幕になにも云わずにまた引っ込んだ。
ベッドに入ったものの、なかなか眠れない。
興奮しているのもあると思う。
けれど、隣にない温もりに淋しさを感じ、慌てて打ち消した。
諦めて携帯でゲームをしながら、明日、解約に行こうなどと考える。
不意に通知がポップアップして誰かと思えば侑岐からだった。
“朋香、尚一郎と別れたんだって?
じゃあ、私のところに来なさいよ”
情報が早いというかなんというか。
苦笑いすると返信を打ち込んでいく。
“尚一郎さんがあんな人だとは知りませんでした。
別れて正解。
侑岐さんのところに行こうかな”
すぐにキモカワうさぎがカモーン! しているスタンプが送られてきて、思わずくすりと笑いが漏れた。
“いつでもいらっしゃい。
待ってるから。
それはそうと、お父さんの工場、大変ね。
それでよけいなお節介かもしれないけど、よければ弁護士、紹介させてくれない?”
若園製作所には懇意にしている弁護士はいるが、なにせ先代の友人という高齢なため、今回全く当てにできない。
侑岐が紹介してくれるのなら、渡りに船だ。
“父に相談してみます。
それからのお返事になりますがいいですか?”
“もちろん。
いい返事、待ってるわ”
こうなって見捨てたような尚一郎は最低だが、尚一郎を通じて知り合った侑岐は頼りになる。
しなければよかったと後悔した契約結婚だが、これだけはよかったと思える。
弁護士の丸尾にあたまを下げる明夫にあわせて朋香もあたまを下げた。
「きっと大丈夫ですよ。
若園製作所さんは無実なんですから」
力強く笑って頷く丸尾が心強い。
「では、資料をお預かりしますね。
一緒に頑張りましょう」
「はい、よろしくお願いします」
丸尾を送り出して社長室に戻ると、明夫にあたまを下げられた。
「朋香には二度も工場を救われた。
本当に感謝している」
「やだ、お父さん、あたまを上げてよ。
それに今回、私はなにもしてないし」
「いや、朋香のおかげだ。
本当にありがとう」
そこまで感謝されると反対に照れくさい。
明夫が仕事に戻ると、朋香も机でパソコンに向かい、メールを打ち始めた。
“侑岐さんへ
紹介してくれた弁護士さんに今日、会いました。
……”
あの日、突然帰ってきた朋香に明夫は目をまん丸くして驚いていた。
「どうした!?」
「離婚した」
「はぁっ!?」
そりゃ、訳がわからないだろう。
昼間、会ったときはなにも云ってなかったのだから。
「やっぱり、その、騒ぎのせいか?」
「それもあるけど。
尚一郎さんがあんな人だなんて知らなかった!
別れて正解!!」
ゴクゴク渡一気に水を飲み干すと、ガツッと乱暴にテーブルの上にコップを叩きつける。
「と、朋香?」
「お父さんもあんな人の経営する会社と手が切れて、ある意味よかったのよ。
今日は寝る!
あとのことは明日、考える!」
「う、うん。
わかった。
……おやすみ」
「おやすみ!」
何事かとすでに部屋に引っ込んでいた洋太も顔を出したが、朋香の剣幕になにも云わずにまた引っ込んだ。
ベッドに入ったものの、なかなか眠れない。
興奮しているのもあると思う。
けれど、隣にない温もりに淋しさを感じ、慌てて打ち消した。
諦めて携帯でゲームをしながら、明日、解約に行こうなどと考える。
不意に通知がポップアップして誰かと思えば侑岐からだった。
“朋香、尚一郎と別れたんだって?
じゃあ、私のところに来なさいよ”
情報が早いというかなんというか。
苦笑いすると返信を打ち込んでいく。
“尚一郎さんがあんな人だとは知りませんでした。
別れて正解。
侑岐さんのところに行こうかな”
すぐにキモカワうさぎがカモーン! しているスタンプが送られてきて、思わずくすりと笑いが漏れた。
“いつでもいらっしゃい。
待ってるから。
それはそうと、お父さんの工場、大変ね。
それでよけいなお節介かもしれないけど、よければ弁護士、紹介させてくれない?”
若園製作所には懇意にしている弁護士はいるが、なにせ先代の友人という高齢なため、今回全く当てにできない。
侑岐が紹介してくれるのなら、渡りに船だ。
“父に相談してみます。
それからのお返事になりますがいいですか?”
“もちろん。
いい返事、待ってるわ”
こうなって見捨てたような尚一郎は最低だが、尚一郎を通じて知り合った侑岐は頼りになる。
しなければよかったと後悔した契約結婚だが、これだけはよかったと思える。
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