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第16話 新婚旅行へゴー!
6.古城ウェディング
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会場になる古城まで船だった。
乗り合わせた人たちがウェディングドレス姿の朋香に祝福の言葉をかけてくれるのが嬉しくてくすぐったい。
船を降りるとそこからはトラクターで移動。
なんだかおかしくて、ずっと尚一郎とくすくす笑っていた。
礼拝堂でふたりきりの挙式。
神聖な雰囲気に背筋が伸び、城主の訓示にじわじわと気分は高まっていく。
……これで尚一郎さんの妻になるんだ。
いままで、自覚がなかったわけじゃない。
尚一郎の妻としてやっていくんだという覚悟はいつの間にか持っていた。
けれど、改めてこういう形で永遠の愛を誓うと、より強い覚悟が決まった。
……一生、尚一郎さんと一緒にいる。
絶対にひとりになんてしない。
どんな困難だって打ち勝ってみせる。
指環の交換でなぜか、いままでとは違うものをはめられた。
見上げると黙って頷く尚一郎に、きっとこれでいいのだと納得した。
「朋香を一生、愛してる」
そっと重なる誓いの口付けに胸がいっぱいになって溢れ、涙になって落ちていく。
目を開けると尚一郎の手が涙を拭い、嬉しくて笑いかけると視線のあった尚一郎も笑ってくれた。
終わったあとは大きな鍵を渡された。
一日城主、ということらしい。
そんなこともただただおかしくて笑ってしまう。
専属のカメラマンに写真を撮ってもらいながら、カーテも携帯でたくさん写真を撮ってくれた。
「お義父さんにも侑岐さんにも、感謝しなきゃですね」
「……不本意ながら」
宿泊する部屋に入ると、尚一郎は枕を抱いて拗ねてしまった。
「僕だってロマンティッシェな結婚式を計画してたんだ。
……ノイシュヴァンシュタイン城とか」
「あー……」
確かに、シンデレラ城のモデルになったノイシュヴァンシュタイン城での挙式なら、最高にロマンチックだろう。
「けど、今日は朋香、凄く喜んでたみたいだし。
それに、城を貸し切りなんてそれはそれで最高にロマンティッシェだよね」
「はい」
機嫌が直ったのか、尚一郎の唇がちゅっとふれた。
今日、宿泊する塔の部屋は城内にたった一室しかない部屋で、城を独り占めならぬふたり占め。
「そういえば、この指環っていままでしてたのと違いますよね?
どうしたんですか」
気にはなっていた、どうして違うのか。
いままでのは急場しのぎの仮のもので、正式なものをオーダーするとは前に云ってはいたが。
「母さんから渡された。
代々、ハインツ家に伝わるものをリメイクしたんだって」
「……なんか嬉しいです」
「朋香?」
いくら尚恭と尚一郎が気にしなくていいと云ってくれても、達之助や自子に嫁として否定されるのはつらかった。
けれどカーテからこんなものをもらうと、嫁として認められた気がして嬉しい。
「私ちゃんと、尚一郎さんのお嫁さんになれた気がします」
あがってきた涙を誤魔化すように顔を上げると、尚一郎の手が涙を拭ってくれた。
眩しそうに眼鏡の奥の目を細める尚一郎に、朋香もついつい顔がほころぶ。
「朋香……」
熱を孕んだ尚一郎の声に呼ばれ、じっと見つめ返す。
まるで壊れ物にでもふれるかのように頬に添えられた手に、ゆっくりと目を閉じ、……そして。
乗り合わせた人たちがウェディングドレス姿の朋香に祝福の言葉をかけてくれるのが嬉しくてくすぐったい。
船を降りるとそこからはトラクターで移動。
なんだかおかしくて、ずっと尚一郎とくすくす笑っていた。
礼拝堂でふたりきりの挙式。
神聖な雰囲気に背筋が伸び、城主の訓示にじわじわと気分は高まっていく。
……これで尚一郎さんの妻になるんだ。
いままで、自覚がなかったわけじゃない。
尚一郎の妻としてやっていくんだという覚悟はいつの間にか持っていた。
けれど、改めてこういう形で永遠の愛を誓うと、より強い覚悟が決まった。
……一生、尚一郎さんと一緒にいる。
絶対にひとりになんてしない。
どんな困難だって打ち勝ってみせる。
指環の交換でなぜか、いままでとは違うものをはめられた。
見上げると黙って頷く尚一郎に、きっとこれでいいのだと納得した。
「朋香を一生、愛してる」
そっと重なる誓いの口付けに胸がいっぱいになって溢れ、涙になって落ちていく。
目を開けると尚一郎の手が涙を拭い、嬉しくて笑いかけると視線のあった尚一郎も笑ってくれた。
終わったあとは大きな鍵を渡された。
一日城主、ということらしい。
そんなこともただただおかしくて笑ってしまう。
専属のカメラマンに写真を撮ってもらいながら、カーテも携帯でたくさん写真を撮ってくれた。
「お義父さんにも侑岐さんにも、感謝しなきゃですね」
「……不本意ながら」
宿泊する部屋に入ると、尚一郎は枕を抱いて拗ねてしまった。
「僕だってロマンティッシェな結婚式を計画してたんだ。
……ノイシュヴァンシュタイン城とか」
「あー……」
確かに、シンデレラ城のモデルになったノイシュヴァンシュタイン城での挙式なら、最高にロマンチックだろう。
「けど、今日は朋香、凄く喜んでたみたいだし。
それに、城を貸し切りなんてそれはそれで最高にロマンティッシェだよね」
「はい」
機嫌が直ったのか、尚一郎の唇がちゅっとふれた。
今日、宿泊する塔の部屋は城内にたった一室しかない部屋で、城を独り占めならぬふたり占め。
「そういえば、この指環っていままでしてたのと違いますよね?
どうしたんですか」
気にはなっていた、どうして違うのか。
いままでのは急場しのぎの仮のもので、正式なものをオーダーするとは前に云ってはいたが。
「母さんから渡された。
代々、ハインツ家に伝わるものをリメイクしたんだって」
「……なんか嬉しいです」
「朋香?」
いくら尚恭と尚一郎が気にしなくていいと云ってくれても、達之助や自子に嫁として否定されるのはつらかった。
けれどカーテからこんなものをもらうと、嫁として認められた気がして嬉しい。
「私ちゃんと、尚一郎さんのお嫁さんになれた気がします」
あがってきた涙を誤魔化すように顔を上げると、尚一郎の手が涙を拭ってくれた。
眩しそうに眼鏡の奥の目を細める尚一郎に、朋香もついつい顔がほころぶ。
「朋香……」
熱を孕んだ尚一郎の声に呼ばれ、じっと見つめ返す。
まるで壊れ物にでもふれるかのように頬に添えられた手に、ゆっくりと目を閉じ、……そして。
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