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第五章 これはワルイコトですか?
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次に目が覚めたとき、炯さんは私の隣で携帯を見ていた。
「身体、つらくないか」
「はい」
少しだけ眉を寄せた彼に、笑って答える。
無理をさせたという自覚はあるらしい。
「起きたんなら、なんか食べに行くか」
「そうですね、お腹ペコペコです」
差し出された手に自分の手をのせ、ベッドを出た。
身支度をしてマンションを出る。
炯さんはホテルのアフタヌーンティに連れてきてくれた。
「こんな時間にこんなに食べたら、夕食が入らなくなっちゃいそうです……」
「そうだな、凛音は小さいから食べる量が少ないからな」
物憂げにため息をついた私を、炯さんがおかしそうに笑う。
「明日も休みだし、夕食は少し遅めに摂ればいいだろ?
それでも入りそうになければ、軽めにすればいいだけだ」
「そうですね!」
心配が晴れたので、美味しいスイーツを堪能する。
そんな私をやっぱり、炯さんはおかしそうに笑って見ていた。
「仕事はどうだ?」
「楽しいですよ。
そうだ!
初めてお給料をもらったんです。
私でもお金が稼げるんだって感動しました」
「そうか」
眼鏡の向こうで眩しそうに目を細め、炯さんは紅茶のカップを傾けている。
「それでお買い物に行ったんですが、私のお給料で買えるものってけっこう限られていて、今までいかに自分が贅沢をさせてもらっていたのか実感しました」
「うん」
「それで、これからはもっと、お金を大事にしたいなー、って」
「そうか」
夢中で話していたが、一段落すると炯さんにはこんな話は退屈だったんじゃないかと気になった。
「えっと。
……こんな話は面白くないですよね」
「いや?
俺はそういう凛音が好きだからな。
それに」
ゆっくりと伸びてきた手が、私の口端に触れる。
「夢中になって話している凛音はキラキラしていて、いつまででも見ていられる」
離した指先を、炯さんはまるで見せつけるかのようにペロリと舐めた。
「クリーム、ついてたぞ」
「えっ、あっ、……はい」
目尻を下げ、彼がにっこりと微笑みかける。
おかげでみるみる顔が熱を持っていった。
……炯さん、狡い。
こんなに格好いいの、どきどきするなっていうほうが無理じゃない。
そのあともいないあいだにあった出来事を話しながら、紅茶を飲みつつスイーツを摘まむ。
「そろそろドレスの打ち合わせをしないといけないが、どうする?」
「そうですね……」
そうか、私、炯さんと結婚式を挙げるんだ。
彼との生活は幸せで、そんなことすら忘れていた。
「ドレスはもちろんだが、俺は凛音の白無垢姿も見てみたいんだよなー。
見合いのときの振り袖、よく似合ってたし」
想像しているのか、炯さんがうっとりとした顔になる。
「式はドレスで、白無垢は写真にするか。
いや、いっそドレスと白無垢で二回、式を挙げるか……」
真剣に彼は悩んでいて、ちょっとおかしい。
「二回も挙げるんですか?」
「いいだろ?」
幸せな、私たちの未来の計画。
これがずっと続くと思っていたのだけれど――。
『凛音?』
不意に男性の声が聞こえてきて、炯さんの話が止まる。
そちらを見ると背の高い男性が立っていた。
『凛音じゃないか!
こんなところで会えるなんて偶然だな』
彼はその長い足で、私のいるテーブルまで一気に距離を詰めてきた。
なんで彼がこんなところにいるんだろう?
って、普通にお茶に来ていてもおかしくないか。
『え、えーっと……。
こんにちは、ベーデガー教授』
炯さんの反応をうかがいつつ、曖昧な笑顔で彼――ベーデガー教授に挨拶をした。
「凛音、この方は?」
ちらりと、しかし確実に不機嫌に、炯さんの視線がベーデガー教授へと向かう。
「職場でお世話になっている、ベーデガー教授です」
たぶん、この紹介で間違っていないと……思う。
『お世話になっているなんて、そんな。
お世話になっているのは僕のほうだよ』
私に通訳しろとベーデガー教授が目で言ってくる。
けれど。
『そうですか。
妻がお世話になっているようで』
炯さんはドイツ語で返し、優雅に会釈をした。
『妻?
婚約者だと聞きましたけどね』
小馬鹿にするように笑い、いいと言っていないのにベーデガー教授が勝手に私の隣に座ってくる。
『籍は入れていないだけで、もう妻も同然ですよ』
にっこりと炯さんは笑ってみせたが、その笑顔は作りものめいていた。
「凛音。
そろそろ行こうか」
行こうかと言われてもまだ、スイーツは残っている。
しかし彼には有無を言わせぬ雰囲気があった。
「あっ、はい!」
炯さんの雰囲気に気圧され気味に、慌てて立ち上がる。
『それでは、失礼いたします』
『ベーデガー教授、失礼します』
『ああ』
私たちを見送るベーデガー教授は、鼻白んでいるように見えた。
炯さんに手を引かれて歩く。
掴まれている手が痛い。
きっと炯さんは怒っている。
「あの。
炯……」
「ああっ、くそっ!」
人気のないところで立ち止まり、彼は唐突に悪態をついた。
「余裕のない俺、かっこわりー」
呟くように言ってため息をつき、彼が私を振り返る。
「ごめんな、凛音。
まだ全部食べてなかったのに」
そっと私の腰を抱いてきた炯さんは、いつもの優しい彼に戻っていた。
「いいですよ、別に気にしてないですし」
「よくない。
……そうだ。
今日はこのまま、ここに泊まろうか。
それで夜は、フレンチ」
もうその気なのか、炯さんはフロントへ向かっていっている。
「嬉しいですけど、フレンチのフルコースはお腹に厳しいです……」
「ハーフコースにすればいいだろ」
ちゅっと軽く私にキスし、炯さんはフロントで部屋を取り始めた。
その横顔をそっと盗み見る。
もしかしてさっきは、ベーデガー教授に嫉妬していたんだろうか。
だとしたら、嬉しいな。
夕食のときに、準備していたボールペンを炯さんに渡した。
「凛音から俺に?」
差し出した小箱を、彼が驚いて受け取る。
「その。
初めてのお給料でなにかプレゼントしたくて」
なにを言われるのかわからなくて、彼の返事を待つ。
「……嬉しい」
ぽそりと呟かれた言葉が耳に届き、顔を上げる。
「大事にするな」
眼鏡の下で目尻を下げ、空気に溶けるみたいに炯さんが笑う。
……ああ。
この人が好きだ。
私を大事にしてくれる、炯さんを愛している。
でも、炯さんはどうなんだろう――。
「身体、つらくないか」
「はい」
少しだけ眉を寄せた彼に、笑って答える。
無理をさせたという自覚はあるらしい。
「起きたんなら、なんか食べに行くか」
「そうですね、お腹ペコペコです」
差し出された手に自分の手をのせ、ベッドを出た。
身支度をしてマンションを出る。
炯さんはホテルのアフタヌーンティに連れてきてくれた。
「こんな時間にこんなに食べたら、夕食が入らなくなっちゃいそうです……」
「そうだな、凛音は小さいから食べる量が少ないからな」
物憂げにため息をついた私を、炯さんがおかしそうに笑う。
「明日も休みだし、夕食は少し遅めに摂ればいいだろ?
それでも入りそうになければ、軽めにすればいいだけだ」
「そうですね!」
心配が晴れたので、美味しいスイーツを堪能する。
そんな私をやっぱり、炯さんはおかしそうに笑って見ていた。
「仕事はどうだ?」
「楽しいですよ。
そうだ!
初めてお給料をもらったんです。
私でもお金が稼げるんだって感動しました」
「そうか」
眼鏡の向こうで眩しそうに目を細め、炯さんは紅茶のカップを傾けている。
「それでお買い物に行ったんですが、私のお給料で買えるものってけっこう限られていて、今までいかに自分が贅沢をさせてもらっていたのか実感しました」
「うん」
「それで、これからはもっと、お金を大事にしたいなー、って」
「そうか」
夢中で話していたが、一段落すると炯さんにはこんな話は退屈だったんじゃないかと気になった。
「えっと。
……こんな話は面白くないですよね」
「いや?
俺はそういう凛音が好きだからな。
それに」
ゆっくりと伸びてきた手が、私の口端に触れる。
「夢中になって話している凛音はキラキラしていて、いつまででも見ていられる」
離した指先を、炯さんはまるで見せつけるかのようにペロリと舐めた。
「クリーム、ついてたぞ」
「えっ、あっ、……はい」
目尻を下げ、彼がにっこりと微笑みかける。
おかげでみるみる顔が熱を持っていった。
……炯さん、狡い。
こんなに格好いいの、どきどきするなっていうほうが無理じゃない。
そのあともいないあいだにあった出来事を話しながら、紅茶を飲みつつスイーツを摘まむ。
「そろそろドレスの打ち合わせをしないといけないが、どうする?」
「そうですね……」
そうか、私、炯さんと結婚式を挙げるんだ。
彼との生活は幸せで、そんなことすら忘れていた。
「ドレスはもちろんだが、俺は凛音の白無垢姿も見てみたいんだよなー。
見合いのときの振り袖、よく似合ってたし」
想像しているのか、炯さんがうっとりとした顔になる。
「式はドレスで、白無垢は写真にするか。
いや、いっそドレスと白無垢で二回、式を挙げるか……」
真剣に彼は悩んでいて、ちょっとおかしい。
「二回も挙げるんですか?」
「いいだろ?」
幸せな、私たちの未来の計画。
これがずっと続くと思っていたのだけれど――。
『凛音?』
不意に男性の声が聞こえてきて、炯さんの話が止まる。
そちらを見ると背の高い男性が立っていた。
『凛音じゃないか!
こんなところで会えるなんて偶然だな』
彼はその長い足で、私のいるテーブルまで一気に距離を詰めてきた。
なんで彼がこんなところにいるんだろう?
って、普通にお茶に来ていてもおかしくないか。
『え、えーっと……。
こんにちは、ベーデガー教授』
炯さんの反応をうかがいつつ、曖昧な笑顔で彼――ベーデガー教授に挨拶をした。
「凛音、この方は?」
ちらりと、しかし確実に不機嫌に、炯さんの視線がベーデガー教授へと向かう。
「職場でお世話になっている、ベーデガー教授です」
たぶん、この紹介で間違っていないと……思う。
『お世話になっているなんて、そんな。
お世話になっているのは僕のほうだよ』
私に通訳しろとベーデガー教授が目で言ってくる。
けれど。
『そうですか。
妻がお世話になっているようで』
炯さんはドイツ語で返し、優雅に会釈をした。
『妻?
婚約者だと聞きましたけどね』
小馬鹿にするように笑い、いいと言っていないのにベーデガー教授が勝手に私の隣に座ってくる。
『籍は入れていないだけで、もう妻も同然ですよ』
にっこりと炯さんは笑ってみせたが、その笑顔は作りものめいていた。
「凛音。
そろそろ行こうか」
行こうかと言われてもまだ、スイーツは残っている。
しかし彼には有無を言わせぬ雰囲気があった。
「あっ、はい!」
炯さんの雰囲気に気圧され気味に、慌てて立ち上がる。
『それでは、失礼いたします』
『ベーデガー教授、失礼します』
『ああ』
私たちを見送るベーデガー教授は、鼻白んでいるように見えた。
炯さんに手を引かれて歩く。
掴まれている手が痛い。
きっと炯さんは怒っている。
「あの。
炯……」
「ああっ、くそっ!」
人気のないところで立ち止まり、彼は唐突に悪態をついた。
「余裕のない俺、かっこわりー」
呟くように言ってため息をつき、彼が私を振り返る。
「ごめんな、凛音。
まだ全部食べてなかったのに」
そっと私の腰を抱いてきた炯さんは、いつもの優しい彼に戻っていた。
「いいですよ、別に気にしてないですし」
「よくない。
……そうだ。
今日はこのまま、ここに泊まろうか。
それで夜は、フレンチ」
もうその気なのか、炯さんはフロントへ向かっていっている。
「嬉しいですけど、フレンチのフルコースはお腹に厳しいです……」
「ハーフコースにすればいいだろ」
ちゅっと軽く私にキスし、炯さんはフロントで部屋を取り始めた。
その横顔をそっと盗み見る。
もしかしてさっきは、ベーデガー教授に嫉妬していたんだろうか。
だとしたら、嬉しいな。
夕食のときに、準備していたボールペンを炯さんに渡した。
「凛音から俺に?」
差し出した小箱を、彼が驚いて受け取る。
「その。
初めてのお給料でなにかプレゼントしたくて」
なにを言われるのかわからなくて、彼の返事を待つ。
「……嬉しい」
ぽそりと呟かれた言葉が耳に届き、顔を上げる。
「大事にするな」
眼鏡の下で目尻を下げ、空気に溶けるみたいに炯さんが笑う。
……ああ。
この人が好きだ。
私を大事にしてくれる、炯さんを愛している。
でも、炯さんはどうなんだろう――。
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