私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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第一章 初めてのワルイコト

1-8

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コマキさんが最後の砦を取り去り、生まれたままの姿にされる。

「恥ずかしい……」

小さく身体を丸めようとしたが、彼はそれを拒んできた。

「こんなに綺麗なんだから、恥ずかしがる必要はないだろ。
……ああ。
俺も脱ぐか」

テキパキと彼が服を脱いでいく。
その下からは厚い胸板の、引き締まった身体が出てきた。

「凄い……」

「ん?
昔、ラグビーやっててこうなってた。
嫌か?」

心配そうに彼が眉を寄せる。
それにううんと首を振った。

「なんか、安心感があります」

「そうか」

嬉しそうに笑い、彼が口付けを落としてくる。
そのまま彼の手が膝裏にかかり、自分自身でも見たことのない秘部を露わにされた。

「初めてなのにしっかり、雌の匂いがしてる」

「いやぁ……。
嗅がないで……」

彼が鼻を近づけ、そこをすん、と嗅ぐ。
それだけで一気に身体の熱が上がった。

「なんでだ?
甘くてこれ以上ないほどいい匂いなのに」

肉厚な舌が、れろりと花びらをこじ開けてくる。
そのままそれはまだ堅い花芽に達し、ねっとりと舐めあげた。

「ああーっ」

全身をビリビリと電流が走り、勝手に身体がびくびくと軽く震える。

「可愛い反応だな」

弄ぶようにそこを舐めあげ続けられるだけで、気が狂いそうなほどの快感が襲ってくる。
なのに。

「ん、あっ、ああっ!」

彼は未開の隘路へと指を侵入させてきた。

「痛いか?」

その問いに黙って首を振る。
異物感はある、が不快感というよりも不思議な気分だ。

「そうか」

「あっ、ああっ、あっ」

私の返事を確認し、ゆるゆると彼が指を動かし始める。
さらに同時に、花芽を舐めあげられた。

「んっ、あっ、あっ」

「我慢しないで、イきたくなったらイっていいからな」

暴れ回る快楽が苦しくて、彼の声は私の耳には届かない。
身体はどんどん高みへと昇っていき、超えてはならない一線を越えそうだ。
そのとき……どうなるのか、怖い。
怖くて堪らないのに、身体はそこを目指して走り出している。

「コマキ、さん……!」

「ん?
ああ」

縋るように出した手を、彼が指を絡めて握ってくれる。
それで少し、安心した。

「俺が見ててやるから、安心して……イけ」

「あっ、ああーっ!」

彼が耳もとで囁いた途端。
目の前がショートした。
一度途切れた意識は、甘美なけだるさとともに次第に戻ってくる。

「可愛かった」

褒めるようにコマキさんが髪を撫で、唇を落としてくる。
それが、嬉しくて心地いい。

私が乱れた息を整えているあいだに、彼は下着を脱いだ。

……ちゃんとしてくれるんだ。

彼が少し難しそうな顔で、それを装着しているのを、ぼーっと見ていた。
こんな状況でもきちんと私を思い、気遣ってくれていて、彼に頼んでよかったと改めて思った。

「痛かったら無理しないでいいからな」

体勢を整え、すっかり開ききった花弁のあいだに彼が剛直を当てる。
ぬるぬると蜜を纏わせるように動かされるそれは、思ったよりも大きくてごくりと喉が鳴った。

「心配するな、大丈夫だから。
……たぶん」

彼は安心させるようににっこりと笑ったが、……最後の一言は余計です!
さらに心配になっちゃいます……。
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