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第1章 昔の彼の生まれ変わり?
4.お前は俺が好きってことだろ
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京屋部長が連れてきてくれたのは、高級フレンチレストランだった。
……いや、普通、部下と一緒に食事って、居酒屋とかカジュアルレストランじゃないのかなー?
それに、デートとかじゃないんだし。
だいたい、こういうところは肩こるから苦手。
「どうした?」
「いえ……」
だって、いいのか気になってくる。
いくらレディファーストとはいえ、京屋部長は私の上司なのだ。
なのに私が上座、とか。
ウェイターから渡されたメニューは、京屋部長からひょいっと奪われた。
「苦手なものはあるか」
「特には……」
私を無視してウェイターを呼び、彼はさっさと注文してしまった。
まあどうせ、ちらっと見えたメニューには難しそうなフランス語が並んでいて、私じゃまともに注文できなかっただろうけど。
「遅くまで開いているお店もあるんですね」
「需要があるからな」
もう九時近いというのに、席はそこそこ埋まっていた。
明日が土曜というのもあるのかもしれない。
なにを話していいのかわからなくて、食前酒のスパークリングワインを飲む。
京屋部長も黙ってグラスを口に運んでいた。
「その」
「チーは俺のこと、どう思う?」
「はい?」
これはいったい、なにを聞かれているんだろう?
「あの、……正直に言っても怒りませんか」
「いいから言え」
「じゃあ。
……俺様京屋様」
言った瞬間、ブフォッとすさまじい音がして周囲の注目が集まった。
さすがにマズいと思ったのか京屋部長は必死に声を殺しているが、あきらかに肩がぷるぷる震えている。
「……最高」
なにが最高なのかわからない。
普通、ここは怒るところじゃないんだろうか。
「それでこそチーだよな」
眼鏡を外し、笑いすぎて出た涙を京屋部長は拭った。
なんだか莫迦にされた気がするんだけど、気のせいだろうか。
「チーは俺が嫌いか?」
「嫌いではありません」
苦手、ではあるけれど、嫌いではない。
でもそれは、嫌う理由がないからであって。
「じゃあ俺が……好き、か」
「は?」
いやいや、なにを聞かれているのかさっぱりわからない。
オードブルが出てきて、ちまちま生ハムとミニトマトのマリネを食べる。
これはなんて答えるのが正解なんだろう?
考えたって答えは出ない。
「その……。
嫌いでは、ありません」
さっきと同じ答えを繰り返した。
京屋部長を私が好きとかありえないし、そもそもそういう感情がさっぱりわからない。
……だから私は最低だって罵られたんだけど。
「嫌いじゃないってことは、好きってことでいいんだろ」
グラスに残っていたワインを、京屋部長はくいっと一気に飲み干した。
いや、嫌いじゃない=好きは成り立たないんじゃないんですかね?
「好きではありません。
嫌いでもないですけど」
「だからそれは好きってことでいいんだろ」
「だから好きってわけでは……」
ちょっと待て。
この不毛な言いあいはなんなんだ?
そもそもなんでさっきからこいつは、私に好きと言わせたい?
京屋部長は不機嫌に、出てきたグリンピースのスープを飲んでいる。
私もスプーンを手にスープを口に運んだ。
微妙な沈黙のまま、ふたり同時にスープを飲み終わる。
「……お前、さ。
ちーっとは素直になったら?」
「……は?」
さっきからこいつは、いったいなにを言いたいんだ?
いや、そもそも会社にいたときから、チーが好きだからとか、無理矢理キスしてきたり。
なにがしたいんだ、ほんとに。
「チーは俺のことが好きだろ?」
「は?」
京屋部長と言葉が通じないのはいつものことだが、今日は酷い。
酷すぎる。
なんだか宇宙人とでも話している気分だ。
「いや、別に、失礼ながら、京屋部長をこれっぽちも好きじゃないですが……」
「でも嫌いじゃないんだろ」
「まあ、そうですね」
「なら、好きってことだろ」
いやいやいやいや、さっきから論理が飛躍しすぎていないかい?
しかしながらこれは、なにがなんでも私に好きと言わせたいということでいいんでしょうか。
理由は全くわからないけど。
「その。
先ほどから京屋部長はなにを言いたいんですか」
鯛のポワレは皮がパリパリで美味しそうだった。
こんな間抜けな会話をしているときでなければ楽しめたのに、惜しい。
「うっ」
言葉を詰まらせ、ワインを一気に飲み干した京屋部長の顔は、赤くなっていた。
もしかしてお酒に弱いんだろうか。
なら、そんなに無理して飲まなきゃいいのに。
「それはー、そのー」
「はい」
手を止め、次の言葉を待つ。
けれど京屋部長はパンを弄ぶばかりで、ぼろぼろになってしまわないか気になる。
「俺はー」
「はい」
「チーが」
「はい」
一言言うたびに言葉を途切れさせ、あっち見、こっち見するから遅々として進まない。
だんだんイライラしてきた。
「だからー」
「はっきり言わんかー!」
怒鳴った瞬間、我に返った。
周囲の注目が恥ずかしく、京屋部長と同じく俯いてもそもそとパンを食べる。
「その。
……俺はチーが好きなんだ」
「……は?」
ぽろり、手の中からパンが落ちる。
パンはそのままテーブルの上を転げ、床へと落ちていった。
「だから俺は。
……チーが好きなんだ」
すみません、何度聞いても理解できません。
同じ会社の人間とはいえ、直接関わり合うようになってまだひと月ほどで。
しかも京屋部長は私よりも九つほど年上で。
さらに私はこの通り、性格に難ありだよ?
なのに私が好きとかさ。
「申し訳ありませんが、意味が全くわかりません」
「……チーの作る、資料が好きだったんだ」
らしくなく、俯いたままぼそぼそと京屋部長は話し続ける。
「見やすくて、要点まとめてあって、きれいで。
どんな奴が作ってるんだろ、って思ってたら、深澤サンがいい子だけど世の中生きていきにくい子だよって笑ってた」
深澤部長は、私をよく可愛がってくださった。
きっと、娘に接している感じだったんだろうと思う。
京屋部長と同じで、もうちょっと感情を抑える術を身につけた方がいいよって、よく注意してくださった。
「それで部下になったら、深澤サンが言ってたとおりの子だった。
裏表なくて、すぐ感情的になるのが玉に瑕。
でも、……そんなところが可愛い」
顔を上げた京屋部長が、目を細めて笑う。
彼らしくない弱々しい笑顔に一瞬、――胸がとくんと甘く鼓動した。
「だから俺は、チーが好きなんだ」
「……」
なんて返事をしていいのかわからなくて、もくもくとメインの宮崎牛の網焼きローストを食べる。
せっかくのA5ランク宮崎牛なのに、味はちっともわからない。
沈黙の中メインを食べ終わり、デザートが出てくる。
「チーが俺を嫌いじゃないなら。
……付き合って、ほしい。
絶対に損はさせないから」
泣きだしそうなその笑顔に。
胸がきゅんと音を立てた。
ドキドキと速い心臓の鼓動。
いやいや、これはいま一瞬、京屋部長に一護の顔が重なって見えただけで。
でも。
けれど。
「……いい、ですよ」
自分でもなにを言っているんだろうとは思う。
苦手な京屋部長と付き合うなどと。
しかも私は恋愛感情など全くわからないのに。
――わからないからあのとき、あんなに後悔したのに。
「よかった」
これ以上ないほど京屋部長の顔が輝き、見えない尻尾がぱたぱたと勢いよく振られる。
その顔はやっぱり一護にしか見えない。
ならきっと、しかたないのだ。
一護は私の、最愛の人?犬?だったのだから。
こうして私はなぜか、苦手な俺様京屋様と付き合うことになった。
……いや、普通、部下と一緒に食事って、居酒屋とかカジュアルレストランじゃないのかなー?
それに、デートとかじゃないんだし。
だいたい、こういうところは肩こるから苦手。
「どうした?」
「いえ……」
だって、いいのか気になってくる。
いくらレディファーストとはいえ、京屋部長は私の上司なのだ。
なのに私が上座、とか。
ウェイターから渡されたメニューは、京屋部長からひょいっと奪われた。
「苦手なものはあるか」
「特には……」
私を無視してウェイターを呼び、彼はさっさと注文してしまった。
まあどうせ、ちらっと見えたメニューには難しそうなフランス語が並んでいて、私じゃまともに注文できなかっただろうけど。
「遅くまで開いているお店もあるんですね」
「需要があるからな」
もう九時近いというのに、席はそこそこ埋まっていた。
明日が土曜というのもあるのかもしれない。
なにを話していいのかわからなくて、食前酒のスパークリングワインを飲む。
京屋部長も黙ってグラスを口に運んでいた。
「その」
「チーは俺のこと、どう思う?」
「はい?」
これはいったい、なにを聞かれているんだろう?
「あの、……正直に言っても怒りませんか」
「いいから言え」
「じゃあ。
……俺様京屋様」
言った瞬間、ブフォッとすさまじい音がして周囲の注目が集まった。
さすがにマズいと思ったのか京屋部長は必死に声を殺しているが、あきらかに肩がぷるぷる震えている。
「……最高」
なにが最高なのかわからない。
普通、ここは怒るところじゃないんだろうか。
「それでこそチーだよな」
眼鏡を外し、笑いすぎて出た涙を京屋部長は拭った。
なんだか莫迦にされた気がするんだけど、気のせいだろうか。
「チーは俺が嫌いか?」
「嫌いではありません」
苦手、ではあるけれど、嫌いではない。
でもそれは、嫌う理由がないからであって。
「じゃあ俺が……好き、か」
「は?」
いやいや、なにを聞かれているのかさっぱりわからない。
オードブルが出てきて、ちまちま生ハムとミニトマトのマリネを食べる。
これはなんて答えるのが正解なんだろう?
考えたって答えは出ない。
「その……。
嫌いでは、ありません」
さっきと同じ答えを繰り返した。
京屋部長を私が好きとかありえないし、そもそもそういう感情がさっぱりわからない。
……だから私は最低だって罵られたんだけど。
「嫌いじゃないってことは、好きってことでいいんだろ」
グラスに残っていたワインを、京屋部長はくいっと一気に飲み干した。
いや、嫌いじゃない=好きは成り立たないんじゃないんですかね?
「好きではありません。
嫌いでもないですけど」
「だからそれは好きってことでいいんだろ」
「だから好きってわけでは……」
ちょっと待て。
この不毛な言いあいはなんなんだ?
そもそもなんでさっきからこいつは、私に好きと言わせたい?
京屋部長は不機嫌に、出てきたグリンピースのスープを飲んでいる。
私もスプーンを手にスープを口に運んだ。
微妙な沈黙のまま、ふたり同時にスープを飲み終わる。
「……お前、さ。
ちーっとは素直になったら?」
「……は?」
さっきからこいつは、いったいなにを言いたいんだ?
いや、そもそも会社にいたときから、チーが好きだからとか、無理矢理キスしてきたり。
なにがしたいんだ、ほんとに。
「チーは俺のことが好きだろ?」
「は?」
京屋部長と言葉が通じないのはいつものことだが、今日は酷い。
酷すぎる。
なんだか宇宙人とでも話している気分だ。
「いや、別に、失礼ながら、京屋部長をこれっぽちも好きじゃないですが……」
「でも嫌いじゃないんだろ」
「まあ、そうですね」
「なら、好きってことだろ」
いやいやいやいや、さっきから論理が飛躍しすぎていないかい?
しかしながらこれは、なにがなんでも私に好きと言わせたいということでいいんでしょうか。
理由は全くわからないけど。
「その。
先ほどから京屋部長はなにを言いたいんですか」
鯛のポワレは皮がパリパリで美味しそうだった。
こんな間抜けな会話をしているときでなければ楽しめたのに、惜しい。
「うっ」
言葉を詰まらせ、ワインを一気に飲み干した京屋部長の顔は、赤くなっていた。
もしかしてお酒に弱いんだろうか。
なら、そんなに無理して飲まなきゃいいのに。
「それはー、そのー」
「はい」
手を止め、次の言葉を待つ。
けれど京屋部長はパンを弄ぶばかりで、ぼろぼろになってしまわないか気になる。
「俺はー」
「はい」
「チーが」
「はい」
一言言うたびに言葉を途切れさせ、あっち見、こっち見するから遅々として進まない。
だんだんイライラしてきた。
「だからー」
「はっきり言わんかー!」
怒鳴った瞬間、我に返った。
周囲の注目が恥ずかしく、京屋部長と同じく俯いてもそもそとパンを食べる。
「その。
……俺はチーが好きなんだ」
「……は?」
ぽろり、手の中からパンが落ちる。
パンはそのままテーブルの上を転げ、床へと落ちていった。
「だから俺は。
……チーが好きなんだ」
すみません、何度聞いても理解できません。
同じ会社の人間とはいえ、直接関わり合うようになってまだひと月ほどで。
しかも京屋部長は私よりも九つほど年上で。
さらに私はこの通り、性格に難ありだよ?
なのに私が好きとかさ。
「申し訳ありませんが、意味が全くわかりません」
「……チーの作る、資料が好きだったんだ」
らしくなく、俯いたままぼそぼそと京屋部長は話し続ける。
「見やすくて、要点まとめてあって、きれいで。
どんな奴が作ってるんだろ、って思ってたら、深澤サンがいい子だけど世の中生きていきにくい子だよって笑ってた」
深澤部長は、私をよく可愛がってくださった。
きっと、娘に接している感じだったんだろうと思う。
京屋部長と同じで、もうちょっと感情を抑える術を身につけた方がいいよって、よく注意してくださった。
「それで部下になったら、深澤サンが言ってたとおりの子だった。
裏表なくて、すぐ感情的になるのが玉に瑕。
でも、……そんなところが可愛い」
顔を上げた京屋部長が、目を細めて笑う。
彼らしくない弱々しい笑顔に一瞬、――胸がとくんと甘く鼓動した。
「だから俺は、チーが好きなんだ」
「……」
なんて返事をしていいのかわからなくて、もくもくとメインの宮崎牛の網焼きローストを食べる。
せっかくのA5ランク宮崎牛なのに、味はちっともわからない。
沈黙の中メインを食べ終わり、デザートが出てくる。
「チーが俺を嫌いじゃないなら。
……付き合って、ほしい。
絶対に損はさせないから」
泣きだしそうなその笑顔に。
胸がきゅんと音を立てた。
ドキドキと速い心臓の鼓動。
いやいや、これはいま一瞬、京屋部長に一護の顔が重なって見えただけで。
でも。
けれど。
「……いい、ですよ」
自分でもなにを言っているんだろうとは思う。
苦手な京屋部長と付き合うなどと。
しかも私は恋愛感情など全くわからないのに。
――わからないからあのとき、あんなに後悔したのに。
「よかった」
これ以上ないほど京屋部長の顔が輝き、見えない尻尾がぱたぱたと勢いよく振られる。
その顔はやっぱり一護にしか見えない。
ならきっと、しかたないのだ。
一護は私の、最愛の人?犬?だったのだから。
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