眼鏡フェチな私

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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4.根っからの眼鏡フェチで間違いないようです

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朝起きたら、もう主任――克充かつみはベッドにいなかった。

……もう起きたのかな。

ぼんやりとそんなことを思っていたら、克充が顔を出した。

「おはよ。
シャワー、浴びるだろ?」

「……うん」

とりあえず、これ着てて。

そう言って渡されたシャツを手に浴室に向かう。
シャワーを浴びて次第にあたまがはっきりして……さっきの克充の顔に、違和感。

えっと。
えーっと。
えーっと?

「あーっ!!!!!!」

「なに?
大声出して。
……あー、もう。
髪ちゃんと拭いてこないから」

私を椅子に座らせ、何事もなかったかのようにタオルを持ってきて髪を拭いてくれるんだけど。

……だけど。

「……眼鏡」

「え?」

「なんで眼鏡なん!?」

……そう。
克充の顔の上には黒縁眼鏡が載っているのだ。

「ああ。
仕事はコンタクトだけど、プライベートでは眼鏡派、なんだけど?」

にやりと笑った克充に顔が熱くなる。

「……むかつく」

「は?」

「やっぱり眼鏡なんやん!!!」

……やっぱり私は。
根っからの眼鏡フェチ、で間違いないようです。




【終】
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