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第2章 家族or恋愛対象?
4.歓迎会に行きたい
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月曜日はもちろん、経営戦略部でお仕事。
今日も私は椎名さんに指導してもらいながら、仕事を覚える。
「岩岡、資料の準備はできているか」
「はい、すでに」
高鷹部長の声に、岩岡課長ができあがっていた資料を机へと持っていく。
岩岡課長と杉原課長は同期、らしい。
けれど神経質ですぐに人に当たっていた杉原課長と違い、岩岡課長は品のいい執事のような佇まいがある。
「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃいませ」
受け取った資料を左手で脇に抱え、ジャケットを右肩にかけて掴み、高鷹部長は部屋を出ていった。
今日は午前中に会議、昼食を兼ねた会合、午後は工場視察で帰ってくるのは夕方らしい。
噂通り、多忙な人だ。
そんな彼の時間を数分とはいえ、無駄にしてしまった私はやはり怒鳴られても仕方なかったと思う。
ひたすら、教えられたとおりにデータを打ち込んでいく。
入社してすでに一年がたっているとはいえ、総務部でなにもしてこなかった私はもちろん、新入社員扱い。
やらせてもらえるのは単純で簡単な仕事だが、それでも嬉しい。
「少しは慣れたか」
「ひゃぁっ」
真剣にパソコンの画面を睨んでいたところに突然声をかけられ、変な声が出た。
「ここ、間違ってるぞ」
画面を一カ所、つんつんと指でつつき、その高い背を屈めて画面を覗き込んこでいた顔を高鷹部長は離した。
「ゆっくりでいいから入力は正確にやれ。
間違っている方が問題だ」
「はい」
短く頷き、指摘された場所を打ち直す。
ついでに、他にも間違いがないか見直した。
「水曜日、愛乃の歓迎会をやろうと思うんだが、都合はどうだ?」
思わず、高鷹部長の顔を見上げてしまう。
レンズ越しに目があった彼は、不思議そうに少しだけ、首を傾げた。
「その……」
「どうした?」
言い淀む私を高鷹部長は怪訝そうに見ていたが、すぐに理由に気づいたようで僅かに眉をひそませた。
「……香芝専務か」
「……はい」
総務部では歓迎会などなかった。
飲み会自体はときどきあっていたようだが、誘われたことは一度もない。
きっと父が怖かったからだろう。
それにそもそも、父が飲み会に出席など、許してくれようはずがない。
「君はどうしたい?」
「私、ですか?」
参加したいに決まっている。
総務部の人たちはみんな私によそよそしく、たとえ誘われたとしてもそんな気分になれなかっただろう。
でも、働きはじめてまだ二日目だけど、ここは酷く居心地がいい。
「そう、君はどうしたい?」
「……参加したいです」
「じゃあ俺が、参加できるようにしてやる」
眼鏡をくいっと上げ、右の口端だけで笑った高鷹部長は、まるでいたずらっ子のようだった。
水曜日、終業時間が近づくにつれてそわそわしてくる。
結局、父にも春熙にも、今日、歓迎会があるなんて話せなかった。
どうせ反対されるからと、いつもの諦め。
そのことは高鷹部長に伝えてあるが、彼は一言「ふーん」と楽しそうに言っただけだった。
「愛乃、片付けは終わったか」
「あっ、はい!」
「じゃあ行くぞ!」
高鷹部長に連れられて部屋を出る。
廊下を歩く人たちが道を譲ってくれるが、いつもと違うのは私たちが通り過ぎた後、例外なくひそひそと近くの人と話しているということ。
「少し早いからな。
近くで時間を潰そう」
会社を出てすぐに、高鷹部長はタクシーを拾った。
押し込められるように乗った途端、携帯が着信音を奏でだす。
「誰からだ?」
「父からです」
出ようかどうしようか悩んでいるうちに高鷹部長の手が携帯を奪い、勝手に出てしまった。
「高鷹です」
なんと言っているかは聞こえないが、父の怒鳴り声が漏れ聞こえてくる。
「愛乃さんは本日、経営戦略部の歓迎会に出席です」
高鷹部長は愉快そうに笑っているけれど……からかって楽しんでいるのだろうか。
「飲み会は業務の一環、そうおっしゃったのは香芝専務ではないですか」
父は日頃、そんな時代錯誤なことを言っているのだろうか。
――いや、言いかねないが。
「いつまでそうやって、子供扱いするおつもりですか?
愛乃さんはもう、立派な大人です。
自分のことは自分で判断できます。
……なあ、愛乃?」
ちらりと高鷹部長が視線をこちらに向け、私はうんうんと勢いよく何度か頷いた。
父の怒鳴り声が一段と酷くなった気がするが、なんでだろう?
「さほど遅くならないうちに送り届けますので、ご心配なさらずに。
……では」
渡された携帯を受け取ったものの、すぐにまた着信音が鳴りだす。
「また香芝専務からか?」
くつくつとおかしそうに、高鷹部長は笑っている。
「その、は……東藤本部長からです」
「貸してみろ」
いいともなんと言っていないのに高鷹部長は私の手から携帯を奪い、また勝手に出てしまう。
「高鷹だ」
今度は、携帯からなにも聞こえない。
もっとも、私は春熙が怒鳴ったところなんて見たことがないけど。
「今日は歓迎会に出席するだけだ。
なにも問題ないだろう?」
さっきとは違い高鷹部長は少し、怖い顔をしている。
父には慇懃無礼な態度で格下扱いしていたが、春熙相手では慎重に駆け引きをしているようだった。
「無理強いはしていない。
愛乃の意思だ」
心の内側をざらざらと砂で撫でられているかのように落ち着かない。
「君はそうやって、いつまで愛乃の自由を奪う気だ?」
いったい、なんの話をしているのだろう。
気になるものの、いくら耳を澄ませても春熙の声は聞こえない。
少しして目を閉じ、はぁっと小さく息を吐き出すと、高鷹部長は私に携帯を渡してきた。
「君と話がしたいそうだ」
短く頷き、携帯を受け取る。
小さく深呼吸をして、携帯を耳に当てた。
「愛乃です」
『愛乃?
いったいなにを考えてるの?』
私を咎める、春熙の声。
わかっている、これは私には許されない行為だって。
でも私は。
「会社の人とちょっと飲みにいくだけだよ。
お父様だってはるくんだってしていることでしょ?」
『僕らは別にいいんだよ、自分の身は自分で守れる。
でも愛乃は?
もう忘れたの、あんなに怖い目に遭ったのに』
――ヒュッ。
喉が、変な音を立てて息を吐き出す。
目の前がくらくらして、あのときの光景が、声が、音が、よみがえる。
「……乃。
愛乃!」
「……こう、たか、……ぶちょう……?」
次第に焦点が合ってきた視界に、酷く心配そうな高鷹部長の顔が見えた。
いつの間にか携帯は手の中から滑り落ち、かすかに春熙の声が聞こえている。
「体調が悪いのなら、このまま送り届けるが」
彼は気遣ってくれたが、私はイヤイヤと小さく首を振った。
「……飲み会、連れていってください。
もう大丈夫なので」
「本当に大丈夫か」
「はい」
無理にでも笑ってみせる。
せっかく、忘れたふりをして気にしないようにしていたのに、あれを思いださされた。
いまは家に、――春熙に会いたくない。
「それで、彼はどうする?」
携帯はいまだに繋がったままだ。
「こうします」
まだなにか言っている春熙を無視して、電源を切った。
「上出来だ」
くいっと高鷹部長が眼鏡を上げ、レンズがきらりと光った。
今日も私は椎名さんに指導してもらいながら、仕事を覚える。
「岩岡、資料の準備はできているか」
「はい、すでに」
高鷹部長の声に、岩岡課長ができあがっていた資料を机へと持っていく。
岩岡課長と杉原課長は同期、らしい。
けれど神経質ですぐに人に当たっていた杉原課長と違い、岩岡課長は品のいい執事のような佇まいがある。
「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃいませ」
受け取った資料を左手で脇に抱え、ジャケットを右肩にかけて掴み、高鷹部長は部屋を出ていった。
今日は午前中に会議、昼食を兼ねた会合、午後は工場視察で帰ってくるのは夕方らしい。
噂通り、多忙な人だ。
そんな彼の時間を数分とはいえ、無駄にしてしまった私はやはり怒鳴られても仕方なかったと思う。
ひたすら、教えられたとおりにデータを打ち込んでいく。
入社してすでに一年がたっているとはいえ、総務部でなにもしてこなかった私はもちろん、新入社員扱い。
やらせてもらえるのは単純で簡単な仕事だが、それでも嬉しい。
「少しは慣れたか」
「ひゃぁっ」
真剣にパソコンの画面を睨んでいたところに突然声をかけられ、変な声が出た。
「ここ、間違ってるぞ」
画面を一カ所、つんつんと指でつつき、その高い背を屈めて画面を覗き込んこでいた顔を高鷹部長は離した。
「ゆっくりでいいから入力は正確にやれ。
間違っている方が問題だ」
「はい」
短く頷き、指摘された場所を打ち直す。
ついでに、他にも間違いがないか見直した。
「水曜日、愛乃の歓迎会をやろうと思うんだが、都合はどうだ?」
思わず、高鷹部長の顔を見上げてしまう。
レンズ越しに目があった彼は、不思議そうに少しだけ、首を傾げた。
「その……」
「どうした?」
言い淀む私を高鷹部長は怪訝そうに見ていたが、すぐに理由に気づいたようで僅かに眉をひそませた。
「……香芝専務か」
「……はい」
総務部では歓迎会などなかった。
飲み会自体はときどきあっていたようだが、誘われたことは一度もない。
きっと父が怖かったからだろう。
それにそもそも、父が飲み会に出席など、許してくれようはずがない。
「君はどうしたい?」
「私、ですか?」
参加したいに決まっている。
総務部の人たちはみんな私によそよそしく、たとえ誘われたとしてもそんな気分になれなかっただろう。
でも、働きはじめてまだ二日目だけど、ここは酷く居心地がいい。
「そう、君はどうしたい?」
「……参加したいです」
「じゃあ俺が、参加できるようにしてやる」
眼鏡をくいっと上げ、右の口端だけで笑った高鷹部長は、まるでいたずらっ子のようだった。
水曜日、終業時間が近づくにつれてそわそわしてくる。
結局、父にも春熙にも、今日、歓迎会があるなんて話せなかった。
どうせ反対されるからと、いつもの諦め。
そのことは高鷹部長に伝えてあるが、彼は一言「ふーん」と楽しそうに言っただけだった。
「愛乃、片付けは終わったか」
「あっ、はい!」
「じゃあ行くぞ!」
高鷹部長に連れられて部屋を出る。
廊下を歩く人たちが道を譲ってくれるが、いつもと違うのは私たちが通り過ぎた後、例外なくひそひそと近くの人と話しているということ。
「少し早いからな。
近くで時間を潰そう」
会社を出てすぐに、高鷹部長はタクシーを拾った。
押し込められるように乗った途端、携帯が着信音を奏でだす。
「誰からだ?」
「父からです」
出ようかどうしようか悩んでいるうちに高鷹部長の手が携帯を奪い、勝手に出てしまった。
「高鷹です」
なんと言っているかは聞こえないが、父の怒鳴り声が漏れ聞こえてくる。
「愛乃さんは本日、経営戦略部の歓迎会に出席です」
高鷹部長は愉快そうに笑っているけれど……からかって楽しんでいるのだろうか。
「飲み会は業務の一環、そうおっしゃったのは香芝専務ではないですか」
父は日頃、そんな時代錯誤なことを言っているのだろうか。
――いや、言いかねないが。
「いつまでそうやって、子供扱いするおつもりですか?
愛乃さんはもう、立派な大人です。
自分のことは自分で判断できます。
……なあ、愛乃?」
ちらりと高鷹部長が視線をこちらに向け、私はうんうんと勢いよく何度か頷いた。
父の怒鳴り声が一段と酷くなった気がするが、なんでだろう?
「さほど遅くならないうちに送り届けますので、ご心配なさらずに。
……では」
渡された携帯を受け取ったものの、すぐにまた着信音が鳴りだす。
「また香芝専務からか?」
くつくつとおかしそうに、高鷹部長は笑っている。
「その、は……東藤本部長からです」
「貸してみろ」
いいともなんと言っていないのに高鷹部長は私の手から携帯を奪い、また勝手に出てしまう。
「高鷹だ」
今度は、携帯からなにも聞こえない。
もっとも、私は春熙が怒鳴ったところなんて見たことがないけど。
「今日は歓迎会に出席するだけだ。
なにも問題ないだろう?」
さっきとは違い高鷹部長は少し、怖い顔をしている。
父には慇懃無礼な態度で格下扱いしていたが、春熙相手では慎重に駆け引きをしているようだった。
「無理強いはしていない。
愛乃の意思だ」
心の内側をざらざらと砂で撫でられているかのように落ち着かない。
「君はそうやって、いつまで愛乃の自由を奪う気だ?」
いったい、なんの話をしているのだろう。
気になるものの、いくら耳を澄ませても春熙の声は聞こえない。
少しして目を閉じ、はぁっと小さく息を吐き出すと、高鷹部長は私に携帯を渡してきた。
「君と話がしたいそうだ」
短く頷き、携帯を受け取る。
小さく深呼吸をして、携帯を耳に当てた。
「愛乃です」
『愛乃?
いったいなにを考えてるの?』
私を咎める、春熙の声。
わかっている、これは私には許されない行為だって。
でも私は。
「会社の人とちょっと飲みにいくだけだよ。
お父様だってはるくんだってしていることでしょ?」
『僕らは別にいいんだよ、自分の身は自分で守れる。
でも愛乃は?
もう忘れたの、あんなに怖い目に遭ったのに』
――ヒュッ。
喉が、変な音を立てて息を吐き出す。
目の前がくらくらして、あのときの光景が、声が、音が、よみがえる。
「……乃。
愛乃!」
「……こう、たか、……ぶちょう……?」
次第に焦点が合ってきた視界に、酷く心配そうな高鷹部長の顔が見えた。
いつの間にか携帯は手の中から滑り落ち、かすかに春熙の声が聞こえている。
「体調が悪いのなら、このまま送り届けるが」
彼は気遣ってくれたが、私はイヤイヤと小さく首を振った。
「……飲み会、連れていってください。
もう大丈夫なので」
「本当に大丈夫か」
「はい」
無理にでも笑ってみせる。
せっかく、忘れたふりをして気にしないようにしていたのに、あれを思いださされた。
いまは家に、――春熙に会いたくない。
「それで、彼はどうする?」
携帯はいまだに繋がったままだ。
「こうします」
まだなにか言っている春熙を無視して、電源を切った。
「上出来だ」
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