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第2章 家族or恋愛対象?
2.私を抱かない春熙の事情と結婚を戸惑う私の事情
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翌日の土曜日は約束通り、春熙と一泊旅行。
「今日の着物も可愛いね」
「ありがとう」
褒められると嬉しくて、頬が熱くなる。
今日は時期に合わせてピンクの桜柄の着物に、ダークブラウンの帯。
上側に白地でレース模様が入っているこの帯は、特注品だったりする。
家には祖母や母の着物がたくさんあるが、帯は袋帯ばかりで普段着にはあまり向かない。
だからときどき、好みのものを作ってもらったりする。
ちなみに着物は私の数少ない趣味だ。
「昨日はあれから、どうだったの?」
運転は春熙。
彼の小さい頃の夢はレーサーになることで、この車はその夢の名残だ。
「どうって……」
帰りは父と一緒だったが、父はなにも言わなかった。
きっと、春熙が説得してくれたのだろうと思ったのだけれど。
「怒鳴られたりとか怖い思いはしなかった?」
眉を寄せ、春熙の顔が僅かに曇る。
それって誰に?
父に?
それとも高鷹部長?
「怖い思いなんてしてないよ。
それよりむしろ、いろいろ教えてもらって楽しかった」
「ふーん」
興味なさそうにそれだけ言って、春熙は黙ってしまった。
車内に、春熙の好きな洋楽バラードが静かに流れる。
「は、はるくん?」
沈黙に耐えられず、口を開く。
「なに?」
春熙は運転中なのもあるが、まっすぐに前を見たままだ。
「その、……怒ってる?」
「なんでそう思うの?」
春熙の表情は変わらない。
相変わらずまっすぐ、前を見たまま。
「愛乃は僕が、怒るようなことをしたって自覚があるんだ?」
「うっ」
自覚なんてない。
ただ、無言の空間は居心地が悪かったから。
なにも答えられず、俯いてじっと手を見つめる。
そんな私に、春熙が小さくくすりと笑った。
「怒ってなんかないよ。
ほら、サービスエリア寄るでしょ?
愛乃の好きなソフトクリーム買ってあげる」
「……子供扱い」
さりげなく春熙が話題を変えてきて、私も唇を尖らせてむくれてみせる。
でもさっきの春熙は、――絶対に、怒っていた。
途中で昼食を取ったり美術館に寄ったりしながら着いた今日の宿泊先は、山の奥にぽつんと一軒、隠れ家的に建っている宿だった。
「先にお風呂、入っておいで」
「うん」
浴衣を手に、部屋についているお風呂に行く。
浴衣は今日の私に合わせたかのように、白地にピンクの桜が散っていた。
きっと、春熙が準備してくれたのだろう。
「うわーっ」
部屋は離れなので、もちろんお風呂は貸し切り。
露天ではないが開けてある、円い窓の外には桜が群生している。
「凄く、きれい……」
陶器でできた、樽を模した浴槽に浸かると、窓からひらひらと花片が舞い込んできて水面に落ちる。
遠くで鶯が鳴き、まるで小説の世界にでも入ったかのよう。
「気持ちいい……」
お湯はとろとろで、美容液にでも浸かっているみたいだ。
あまりにもいい気持ちで、ついうとうとしてくる。
「……うわっ」
危うく、湯船に沈みそうになって目が覚めた。
いい加減、のぼせそうになっているし、溺れないうちに上がろう。
「上がったよ……」
部屋に戻り、タブレットを睨んでいた春熙に声をかける。
彼は顔を上げ、目を細めて笑った。
「どうだった?」
「最高だった」
春熙が私を膝の上に抱き上げる。
身体の小さい私は、大きな彼の、腕の中にすっぽりっと収まってしまう。
「いい匂いがするね」
「……なんかエッチなおじさんみたい」
ふふっとおかしそうに春熙が小さく笑い、首を曲げて私の頬に唇を付ける。
「だって愛乃はいつも、食べちゃいたいくらいおいしそうな匂いがするんだもん。
お風呂上がりだとさらに」
「……」
視界に映る私の手は、お風呂上がりだからとは思えないほど、真っ赤になっている。
「さっ、僕も入ってさっぱりしてこようかな」
くすりとおかしそうに笑って、春熙は私を膝から下ろした。
晩ごはんは創作和食だった。
食べるのがもったいないほど美しく盛り付けられた料理が、ひと皿ずつ運ばれてくる。
「今週はいろいろあって疲れただろうけど。
今日はゆっくりして」
「うん、ありがとう」
春熙が注いでくれたお酒をくいっと一息に飲み干す。
地酒だというこの日本酒は、さらりとして口当たりがよく、まるで水のように入っていく。
「困ったことがあったらいつでも相談して。
部署を変わりたくなったら、高鷹部長がなんと言おうと僕が変えてあげるから」
「……うん」
きっとこれは、春熙の優しさなんだと思う。
でもその優しさはいつも、私にとって――酷く重い。
ちょうど出てきた、塩焼きの鮎の内臓部分を食べたせいか、口の中に苦いものが広がった。
食事が終わり、また春熙の膝の上に抱き上げられた。
彼は私をこうやって、お気に入りの大きな熊のぬいぐるみのように抱くのが好きだ。
「母さんの喪も明けたし、そろそろ愛乃との結婚式の日取りも考えないとね」
「……うん」
曖昧に笑って春熙に答える。
この話題には……あまり触れてほしくない。
「前は母さんの希望だったから教会で挙げるようになってたけど、今度は気にしなくていいもんね。
僕は神前式がいいと思うんだ。
いつも着物、愛乃によく似合ってるし」
「……うん」
「あ、でも、皇族みたいに十二単とかもいいよね。
んー、でも、愛乃のウェディングドレス姿も見てみたいし……。
いっそ、教会と神社と、二回式を挙げようか」
「……うん」
楽しそうに話している春熙は、私の微妙な反応に気づいていない。
「愛乃はどうしたい?」
春熙が期待を込めた目で、私の顔をのぞき込んでくる。
「神前式にして、ウェディングドレスは写真でいいんじゃないかな」
「んー、写真ねー」
真剣に悩んでいる春熙に笑いかけながら、――心の中でため息をついた。
「おやすみ、愛乃」
「おやすみ、はるくん」
ちゅっと唇を重ね、同じベッドに入る。
春熙は後ろから私をぎゅっと抱き枕のように抱きしめ、すぐにすーすーと気持ちよさそうに寝息を立てだした。
春熙とは生まれたときから婚約者だ。
でも春熙は――私を抱かない。
もう私だって子供じゃないんだから、男がそういうことをしたいイキモノだって知っている。
なのに私を抱かない春熙はどこでそういうものを発散しているのだろう。
婚約者の私がいるからか、女性の噂を聞いたことがない。
別に、春熙がモテないとかいうわけじゃなく、学生時代はよく告白されたって困っていた。
まさか、私に操を立てるとかそんな理由でまだドーテイだとしたら、――重すぎる。
けれど春熙が私を抱かないのは、私にとっては安心できてよかった。
別に春熙に抱かれるが嫌なわけじゃない。
近い将来、結婚すれば嫌でもそうするしかないわけだし。
それに、春熙が嫌いだというわけでもない。
春熙のことは好きだし、愛しているといってもいい。
でもそれは――家族として、だ。
兄ではないけれど、婚約者という家族。
ずっと私はそういうふうに春熙を見てきた。
私が持っているこの感情は、恋愛としての愛ではないと断言できる。
だから私は、春熙との結婚は嫌ではないけれど、話が出ると戸惑ってしまう。
「今日の着物も可愛いね」
「ありがとう」
褒められると嬉しくて、頬が熱くなる。
今日は時期に合わせてピンクの桜柄の着物に、ダークブラウンの帯。
上側に白地でレース模様が入っているこの帯は、特注品だったりする。
家には祖母や母の着物がたくさんあるが、帯は袋帯ばかりで普段着にはあまり向かない。
だからときどき、好みのものを作ってもらったりする。
ちなみに着物は私の数少ない趣味だ。
「昨日はあれから、どうだったの?」
運転は春熙。
彼の小さい頃の夢はレーサーになることで、この車はその夢の名残だ。
「どうって……」
帰りは父と一緒だったが、父はなにも言わなかった。
きっと、春熙が説得してくれたのだろうと思ったのだけれど。
「怒鳴られたりとか怖い思いはしなかった?」
眉を寄せ、春熙の顔が僅かに曇る。
それって誰に?
父に?
それとも高鷹部長?
「怖い思いなんてしてないよ。
それよりむしろ、いろいろ教えてもらって楽しかった」
「ふーん」
興味なさそうにそれだけ言って、春熙は黙ってしまった。
車内に、春熙の好きな洋楽バラードが静かに流れる。
「は、はるくん?」
沈黙に耐えられず、口を開く。
「なに?」
春熙は運転中なのもあるが、まっすぐに前を見たままだ。
「その、……怒ってる?」
「なんでそう思うの?」
春熙の表情は変わらない。
相変わらずまっすぐ、前を見たまま。
「愛乃は僕が、怒るようなことをしたって自覚があるんだ?」
「うっ」
自覚なんてない。
ただ、無言の空間は居心地が悪かったから。
なにも答えられず、俯いてじっと手を見つめる。
そんな私に、春熙が小さくくすりと笑った。
「怒ってなんかないよ。
ほら、サービスエリア寄るでしょ?
愛乃の好きなソフトクリーム買ってあげる」
「……子供扱い」
さりげなく春熙が話題を変えてきて、私も唇を尖らせてむくれてみせる。
でもさっきの春熙は、――絶対に、怒っていた。
途中で昼食を取ったり美術館に寄ったりしながら着いた今日の宿泊先は、山の奥にぽつんと一軒、隠れ家的に建っている宿だった。
「先にお風呂、入っておいで」
「うん」
浴衣を手に、部屋についているお風呂に行く。
浴衣は今日の私に合わせたかのように、白地にピンクの桜が散っていた。
きっと、春熙が準備してくれたのだろう。
「うわーっ」
部屋は離れなので、もちろんお風呂は貸し切り。
露天ではないが開けてある、円い窓の外には桜が群生している。
「凄く、きれい……」
陶器でできた、樽を模した浴槽に浸かると、窓からひらひらと花片が舞い込んできて水面に落ちる。
遠くで鶯が鳴き、まるで小説の世界にでも入ったかのよう。
「気持ちいい……」
お湯はとろとろで、美容液にでも浸かっているみたいだ。
あまりにもいい気持ちで、ついうとうとしてくる。
「……うわっ」
危うく、湯船に沈みそうになって目が覚めた。
いい加減、のぼせそうになっているし、溺れないうちに上がろう。
「上がったよ……」
部屋に戻り、タブレットを睨んでいた春熙に声をかける。
彼は顔を上げ、目を細めて笑った。
「どうだった?」
「最高だった」
春熙が私を膝の上に抱き上げる。
身体の小さい私は、大きな彼の、腕の中にすっぽりっと収まってしまう。
「いい匂いがするね」
「……なんかエッチなおじさんみたい」
ふふっとおかしそうに春熙が小さく笑い、首を曲げて私の頬に唇を付ける。
「だって愛乃はいつも、食べちゃいたいくらいおいしそうな匂いがするんだもん。
お風呂上がりだとさらに」
「……」
視界に映る私の手は、お風呂上がりだからとは思えないほど、真っ赤になっている。
「さっ、僕も入ってさっぱりしてこようかな」
くすりとおかしそうに笑って、春熙は私を膝から下ろした。
晩ごはんは創作和食だった。
食べるのがもったいないほど美しく盛り付けられた料理が、ひと皿ずつ運ばれてくる。
「今週はいろいろあって疲れただろうけど。
今日はゆっくりして」
「うん、ありがとう」
春熙が注いでくれたお酒をくいっと一息に飲み干す。
地酒だというこの日本酒は、さらりとして口当たりがよく、まるで水のように入っていく。
「困ったことがあったらいつでも相談して。
部署を変わりたくなったら、高鷹部長がなんと言おうと僕が変えてあげるから」
「……うん」
きっとこれは、春熙の優しさなんだと思う。
でもその優しさはいつも、私にとって――酷く重い。
ちょうど出てきた、塩焼きの鮎の内臓部分を食べたせいか、口の中に苦いものが広がった。
食事が終わり、また春熙の膝の上に抱き上げられた。
彼は私をこうやって、お気に入りの大きな熊のぬいぐるみのように抱くのが好きだ。
「母さんの喪も明けたし、そろそろ愛乃との結婚式の日取りも考えないとね」
「……うん」
曖昧に笑って春熙に答える。
この話題には……あまり触れてほしくない。
「前は母さんの希望だったから教会で挙げるようになってたけど、今度は気にしなくていいもんね。
僕は神前式がいいと思うんだ。
いつも着物、愛乃によく似合ってるし」
「……うん」
「あ、でも、皇族みたいに十二単とかもいいよね。
んー、でも、愛乃のウェディングドレス姿も見てみたいし……。
いっそ、教会と神社と、二回式を挙げようか」
「……うん」
楽しそうに話している春熙は、私の微妙な反応に気づいていない。
「愛乃はどうしたい?」
春熙が期待を込めた目で、私の顔をのぞき込んでくる。
「神前式にして、ウェディングドレスは写真でいいんじゃないかな」
「んー、写真ねー」
真剣に悩んでいる春熙に笑いかけながら、――心の中でため息をついた。
「おやすみ、愛乃」
「おやすみ、はるくん」
ちゅっと唇を重ね、同じベッドに入る。
春熙は後ろから私をぎゅっと抱き枕のように抱きしめ、すぐにすーすーと気持ちよさそうに寝息を立てだした。
春熙とは生まれたときから婚約者だ。
でも春熙は――私を抱かない。
もう私だって子供じゃないんだから、男がそういうことをしたいイキモノだって知っている。
なのに私を抱かない春熙はどこでそういうものを発散しているのだろう。
婚約者の私がいるからか、女性の噂を聞いたことがない。
別に、春熙がモテないとかいうわけじゃなく、学生時代はよく告白されたって困っていた。
まさか、私に操を立てるとかそんな理由でまだドーテイだとしたら、――重すぎる。
けれど春熙が私を抱かないのは、私にとっては安心できてよかった。
別に春熙に抱かれるが嫌なわけじゃない。
近い将来、結婚すれば嫌でもそうするしかないわけだし。
それに、春熙が嫌いだというわけでもない。
春熙のことは好きだし、愛しているといってもいい。
でもそれは――家族として、だ。
兄ではないけれど、婚約者という家族。
ずっと私はそういうふうに春熙を見てきた。
私が持っているこの感情は、恋愛としての愛ではないと断言できる。
だから私は、春熙との結婚は嫌ではないけれど、話が出ると戸惑ってしまう。
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