500文字恋愛小説【SS集】

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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№49 うどん

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「おなかすいたね」

「そうだね」

翌日は休みとだけあって二人で夜更かししてたらおなかがぐーっと鳴った。

「……おなか、すいたね」

「……はぁーっ。
わかった。
なんか作るよ」

ため息をついて立ち上がった彼は私のあたまをぽんぽんすると、苦笑いを浮かべてキッチンに立った。
彼がキッチンで料理をしているのが好きだ。
だから時々、こうやって我が儘を言ってみる。

「うどんあった。
茹でるだけの奴」

そう言って目の前に置かれたどんぶりには、ちゃんと刻んだねぎに輪切りのちくわなんか載っている。

「ありがと。
いただきます」

「いただきます」

うどんの湯気に彼の眼鏡が曇る。
眼鏡を外した彼と目があった。
テーブルの上に手をつくと、彼は私の口端にキスをした。

「……ねぎ、ついてたよ」

……嘘つきめ。
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