500文字恋愛小説【SS集】

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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№14 初詣2

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……神様。
今年こそ、彼に告白する勇気をください。
どうか、お願いします。

初詣。
きっとこんなお願いをする私に、神様は苦笑いをしていることだろう。
でも高校入学時から思い続け、もう今年は三年生になるというのに。
いまだに告白できないんだから。

引いたおみくじは吉だった。
けど、【願望 叶う】。
その言葉に背中を押された気がする。

参道を抜け、駅に向かう。
ごった返す人波の中、毎日のように見つめ続けてる背中を見つけた。
……彼、だ。

「ん?
おまえも初詣?」

視線に気が付いたのか、彼がこちらを振り返り、笑う。
それだけで私の心臓は暴走を始める。

「うん。
そう。
……ひとり、じゃないよね?」

「あー、他の奴とはぐれた。
携帯かけても出ないし。
もう帰ろうかな、って」

困ったように笑う彼。

……神様。
これは早速、チャンスをくれたということですか?
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