500文字恋愛小説【SS集】

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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№6 靴下

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朝起きたら、昨晩彼にセットさせられた靴下が膨らんでいた。
それを見て、まだ隣で眠っている彼を見下ろす。
ほんと、こういうの好きだな。
苦笑いで靴下を開けると小箱が出てきた。
欲しいって言っていたネックレスかな?
などと期待に胸を膨らませて箱を開く。

「え、嘘」

中に入っていたのはダイヤの輝く指環だった。
これっていわゆる婚約指環だとはわかるが、でも、彼は。

「んー、おはよう」

ようやく起きた彼が、私にキスしてくる。
結婚は考えられないと言っていた。
彼と一緒にいられるなら今のままでもいいと思っていた。
なのに、これは?

じっと顔を見つめたら、彼は照れくさそうにぽりぽりと人差し指で頬を掻いた。

「結婚は嫌とか嘘に決まってんじゃん。
可愛いお前を俺だけのものにしておきたいんだ」

彼が指環を私の左手薬指に嵌める。自分から彼に抱きつき、唇を重ねた。
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