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本編 第零章
0001:ルカとエドと奴隷紋
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「……みんなと一緒にいられないのなら、死んでやる‼」
勇者パーティ『ステラ』から追放された月国王女ルカは、国境沿いに聳え立つ崖へ向かって黙々と足を運ぶ。
――勇者様も、リリスも、騎士のドナルドも、昔はああではなかったのに。……何故、この様な事態に陥ってしまったの? 怒りよりも悲しい気持ちが大き過ぎて、押しつぶされそうになるわ。(涙)
…………そう。四人は元々、幼馴染で首都国立宇佐技学園の同期なのであった。
――あの頃が恋しい。とても優しくて心の温かい勇者様、気配りのできて唯一無二の親友リリス、無口だけど肝心なときにいてくれると頼もしいドナルド…………。もう、彼らが私に振り向くことはないと思う度に、割れた心の欠片が一つづつ落ちていくみたいで、胸がズキズキと傷んでしまう。
傷心に浸るルカ王女は、せっせと足を進め、陽が落ちる直前にとうとう崖のいただきへ到着したのであった。
「…………月国王、月国王妃、ごめんなさい。私は、ここで一生を終えます。……ほんと旅に出る前に、仲直りしてから出るべきだったわ。(自嘲の笑み)」
目を瞑り、最後に深呼吸を一つして、ルカ王女は大きく身を乗り出す‼ みるみるうちにルカ王女の身体は風に煽られながら、地面に向かって落ちてゆく。……もう少しで地面と衝突しそうなくらいまで落下したとき、一つの風が、ルカ王女付近を横切った。
「――――危ない‼」
それは、一瞬の出来事だった。
地面とこんにちはするはずだったルカ王女は、いつのまにか、とある美しい女性(?)の腕に横抱きにされて、身体は無事である。当のルカ王女は、いきなりお姫様抱っこをされて頭が混乱中みたいだ。
「……お前さん、飯、作れねーか?(空腹中)」
ルカ王女を横抱きに見つめる女性(?)は、色白の肌に、シルバーブロンドのサラサラした髪の毛を首元で切り揃え、赤いルビーのような瞳をしているのであった。
◇ ◇ ◇
「うまい、うまい! おかわり‼(ご飯を口に頬張りながらお茶碗を突き出す)」
「――――っ‼(呆然)」
――この人、一体何者なの⁉ 三十人分のご飯を半分以上食べているのに、まだ食べるつもり? こんなに見た目が可愛くて、嫉妬しちゃうくらい美しいはずなのに、全然女性らしさが感じられないわ⁉(困惑)
「お前さんも食べろよー。(ルカ王女についでもらったご飯を口にかきこむ)」
「い、いえ、私はいいです。」
「そうか? 辺境地は特殊な場所だからなー、ちゃんと食べないと、命落とすぞー。(この飯超美味いな。)」
「…………死ぬつもりなんで、いらないです。」
「うん?(動かしていた箸を止めて、ルカ王女を見る)」
「私は、自殺するつもりだったのです‼ なのに、何故あなたは私を止めたのですか⁉(大声で責めたてる)」
「…………俺はただ、腹減って死にそうだったから、お前さんに、助けてもらおうとしただけだよ。(きょとん)」
「……………………えっ?」
「何がおかしい? こんなに磁場が狂ってて、生き物一つおりゃしない土地で、俺は仕事で三か月も飲まず食わずしてたんだ。魔力が底を突きかけてて死にそうな俺の目になんか鳥みたいな生き物が見えたら、獲って捌いて食うに決まってるだろーが。……まあ、それ以上の極上の飯にありつけたから、俺はお前さんを助けて満足しているが。(カモがネギと鍋と出汁に薪、火種を持って自ら料理されて『召し上がれ!』って想像すると至れり尽せりだよな。)」
「…………でも、私なんて、ご飯しか作れない役立たずなんですから‼ 今すぐ鍋の中に入って火傷して死んでやる!(大鍋に手をかける)」
「いや、死なないでくれ!(今、本気で鍋の具材になられちまったら、この美味い飯が食べれねえじゃねーか!)」
「死ぬもん! 誰になに言われても、死ぬって決めてるんだからね‼(大泣き)」
「ちょ、待てって‼(慌てる)」
大鍋のすぐそばで暴れまくるルカ王女を止めようとして、赤目の女性(?)はルカ王女の後ろから脇の間に腕を入れて、ホールドした。
「もう、お願いだから、死なせてよ‼(叫び)」
「……すまないが、それはできんな。(ギロリ)」
赤目の女性(?)は、ルカ王女に向き直って、顔を合わせると、左人差し指をルカ王女の額に当てて、何やら謎の言葉を口の中で暗唱する。
「――――いついかなるときも、必ず側に。奴隷紋‼」
「――――っ‼」
するとルカ王女の額に、三日月のような紋様が浮かび上がってきたではないか!
「……悪いが、今日からお前さんは俺の奴隷だ。俺の承諾なく死ぬことは許さない‼(ビシッと)」
「な、なんですってーー⁉(困惑)」
◇ ◇ ◇
「…………ふーん、それで、幼馴染だった三人と一緒に、アルテミス倒しに旅に出たら、知らないうちにお前さんの婚約者だった勇者とリリスって女(?)がデキてて、それどころか三人から仲間外れにされて今に至るというわけか。(色恋沙汰とかめんどくせぇな)」
「三人から見放された私には、生きる価値なんてないのです。私は今から死なないといけないのです。(シクシク)」
「まあ死なせないけどな。……いろいろツッコミどころが多過ぎて、どこから整理すればいいかわからんが、とりあえず、お互いの自己紹介しようぜ!」
「自己紹介ですか?(きょとん)」
「ああ。俺はエドワード・ロック。青い星から来た。エドって呼んでくれ! よろしく!」
「…………ルカです。月国の王女してます。」
「ってことは、お前さん、ユエの妹なのか!(興味津々)」
「ええ、そうですが。(きょとん)」
「なんだ、お前さんだったのか! 俺、一時期ユエと一緒に行動してたから、アイツと仲が良いんだ。よろしく、ルカ!(にこっ)」
「よ、よろしくお願いします。(オドオド)」
「それと、……その額は隠してほしい。その模様を見て嫌な気持ちになる人がいるからな。」
「何故なのですか?(きょとん)」
「……それは通称『奴隷紋』っていうやつなんだけど、俺自体がこの奴隷紋を嫌いだし、それに、歴史的にみて、月国民が奴隷紋で苦しめられてきた民族だからな。昔話をよく知っている奴からみたら、危機感を抱かれやすい。事情を知らない奴らに見せたらどうなるかわからんから、絶対に人前でその奴隷紋を見せるなよ! あと、もう一度言っとくが、俺は、ルカの命を無駄にしない為にやっているだけであって、奴隷のように扱うつもりは一切無いからな!(ビシッと)」
「……なんか、ありがとうございます?」
「なんでルカがお礼を言うんだよ!」
「だって、嫌いな魔法を使ってでも、私を助けようとしてくれたのでしょう?」
「ルカの作った飯が一番美味かったからな!」
「……生まれてはじめてそんなこと言われました。褒められると、こんなにも嬉しいものなのですね。(ほわほわ)」
「これから毎日よろしくな、ルカ!」
「はい!」
「あと俺、敬語いらないから、好きに喋ってくれ。……ちなみに、ルカの元仲間達はいつぐらいに国境を越えたんだ?」
「えーーっと、午前中には月裏国へと入ったと思いますが、……どうかしましたか?(きょとん)」
「アルテミスってさ、実は、俺の友達なんだよなー。(めんどくせぇ、ほんとにめんどくせぇ。)」
「あ、悪の魔王とお友達なのですか⁉(驚愕)」
「うん? まあ、おもての月国からしたらそう見えるかもしれねえが、……アルテミスがいないと後々大変な事になるんだけど、……月国王がアルテミス討伐の命令を出したのか?」
「…………? いいえ、ユエ兄様ですわ。」
「なんだって⁉ なんでアイツがそんな事を⁉」
「…………? そういえば、月国王は、最後まで討伐を反対していましたわ。それで、出発前に喧嘩してしまって、実は帰りづらいのです。(何故月国王は反対していたのかしら?)」
「…………月国王は正常みたいだな。」
「…………?(きょとん)」
「ルカ、悪いが、俺たちもアルテミス退治に参加するぞ!」
「ええっ⁉ でも、もう手遅れなのではないのですか?」
「……アルテミスが簡単に負けたりするわけねーから大丈夫だ。……それに、勇者パーティにルカが入っていない以上、勇者どもに勝ち目は全くない!(自信満々)」
「そ、そんなにハッキリと仰られて大丈夫なのですか?」
「ああ、問題ない! ルカの作る飯を馬鹿にした勇者どもに、本当の力ってものを見せつけてやるわ!(ルカの仇討ちは俺に任せろ!)」
「な、なんでこうなってしまったのー⁉(困り眉)」
すっかり陽が沈んだ月国の辺境地に、謎の赤目の女性(?)の逞しい声がひびきわたったのであった。
――ルカとエドの冒険が、今、始まる‼――
勇者パーティ『ステラ』から追放された月国王女ルカは、国境沿いに聳え立つ崖へ向かって黙々と足を運ぶ。
――勇者様も、リリスも、騎士のドナルドも、昔はああではなかったのに。……何故、この様な事態に陥ってしまったの? 怒りよりも悲しい気持ちが大き過ぎて、押しつぶされそうになるわ。(涙)
…………そう。四人は元々、幼馴染で首都国立宇佐技学園の同期なのであった。
――あの頃が恋しい。とても優しくて心の温かい勇者様、気配りのできて唯一無二の親友リリス、無口だけど肝心なときにいてくれると頼もしいドナルド…………。もう、彼らが私に振り向くことはないと思う度に、割れた心の欠片が一つづつ落ちていくみたいで、胸がズキズキと傷んでしまう。
傷心に浸るルカ王女は、せっせと足を進め、陽が落ちる直前にとうとう崖のいただきへ到着したのであった。
「…………月国王、月国王妃、ごめんなさい。私は、ここで一生を終えます。……ほんと旅に出る前に、仲直りしてから出るべきだったわ。(自嘲の笑み)」
目を瞑り、最後に深呼吸を一つして、ルカ王女は大きく身を乗り出す‼ みるみるうちにルカ王女の身体は風に煽られながら、地面に向かって落ちてゆく。……もう少しで地面と衝突しそうなくらいまで落下したとき、一つの風が、ルカ王女付近を横切った。
「――――危ない‼」
それは、一瞬の出来事だった。
地面とこんにちはするはずだったルカ王女は、いつのまにか、とある美しい女性(?)の腕に横抱きにされて、身体は無事である。当のルカ王女は、いきなりお姫様抱っこをされて頭が混乱中みたいだ。
「……お前さん、飯、作れねーか?(空腹中)」
ルカ王女を横抱きに見つめる女性(?)は、色白の肌に、シルバーブロンドのサラサラした髪の毛を首元で切り揃え、赤いルビーのような瞳をしているのであった。
◇ ◇ ◇
「うまい、うまい! おかわり‼(ご飯を口に頬張りながらお茶碗を突き出す)」
「――――っ‼(呆然)」
――この人、一体何者なの⁉ 三十人分のご飯を半分以上食べているのに、まだ食べるつもり? こんなに見た目が可愛くて、嫉妬しちゃうくらい美しいはずなのに、全然女性らしさが感じられないわ⁉(困惑)
「お前さんも食べろよー。(ルカ王女についでもらったご飯を口にかきこむ)」
「い、いえ、私はいいです。」
「そうか? 辺境地は特殊な場所だからなー、ちゃんと食べないと、命落とすぞー。(この飯超美味いな。)」
「…………死ぬつもりなんで、いらないです。」
「うん?(動かしていた箸を止めて、ルカ王女を見る)」
「私は、自殺するつもりだったのです‼ なのに、何故あなたは私を止めたのですか⁉(大声で責めたてる)」
「…………俺はただ、腹減って死にそうだったから、お前さんに、助けてもらおうとしただけだよ。(きょとん)」
「……………………えっ?」
「何がおかしい? こんなに磁場が狂ってて、生き物一つおりゃしない土地で、俺は仕事で三か月も飲まず食わずしてたんだ。魔力が底を突きかけてて死にそうな俺の目になんか鳥みたいな生き物が見えたら、獲って捌いて食うに決まってるだろーが。……まあ、それ以上の極上の飯にありつけたから、俺はお前さんを助けて満足しているが。(カモがネギと鍋と出汁に薪、火種を持って自ら料理されて『召し上がれ!』って想像すると至れり尽せりだよな。)」
「…………でも、私なんて、ご飯しか作れない役立たずなんですから‼ 今すぐ鍋の中に入って火傷して死んでやる!(大鍋に手をかける)」
「いや、死なないでくれ!(今、本気で鍋の具材になられちまったら、この美味い飯が食べれねえじゃねーか!)」
「死ぬもん! 誰になに言われても、死ぬって決めてるんだからね‼(大泣き)」
「ちょ、待てって‼(慌てる)」
大鍋のすぐそばで暴れまくるルカ王女を止めようとして、赤目の女性(?)はルカ王女の後ろから脇の間に腕を入れて、ホールドした。
「もう、お願いだから、死なせてよ‼(叫び)」
「……すまないが、それはできんな。(ギロリ)」
赤目の女性(?)は、ルカ王女に向き直って、顔を合わせると、左人差し指をルカ王女の額に当てて、何やら謎の言葉を口の中で暗唱する。
「――――いついかなるときも、必ず側に。奴隷紋‼」
「――――っ‼」
するとルカ王女の額に、三日月のような紋様が浮かび上がってきたではないか!
「……悪いが、今日からお前さんは俺の奴隷だ。俺の承諾なく死ぬことは許さない‼(ビシッと)」
「な、なんですってーー⁉(困惑)」
◇ ◇ ◇
「…………ふーん、それで、幼馴染だった三人と一緒に、アルテミス倒しに旅に出たら、知らないうちにお前さんの婚約者だった勇者とリリスって女(?)がデキてて、それどころか三人から仲間外れにされて今に至るというわけか。(色恋沙汰とかめんどくせぇな)」
「三人から見放された私には、生きる価値なんてないのです。私は今から死なないといけないのです。(シクシク)」
「まあ死なせないけどな。……いろいろツッコミどころが多過ぎて、どこから整理すればいいかわからんが、とりあえず、お互いの自己紹介しようぜ!」
「自己紹介ですか?(きょとん)」
「ああ。俺はエドワード・ロック。青い星から来た。エドって呼んでくれ! よろしく!」
「…………ルカです。月国の王女してます。」
「ってことは、お前さん、ユエの妹なのか!(興味津々)」
「ええ、そうですが。(きょとん)」
「なんだ、お前さんだったのか! 俺、一時期ユエと一緒に行動してたから、アイツと仲が良いんだ。よろしく、ルカ!(にこっ)」
「よ、よろしくお願いします。(オドオド)」
「それと、……その額は隠してほしい。その模様を見て嫌な気持ちになる人がいるからな。」
「何故なのですか?(きょとん)」
「……それは通称『奴隷紋』っていうやつなんだけど、俺自体がこの奴隷紋を嫌いだし、それに、歴史的にみて、月国民が奴隷紋で苦しめられてきた民族だからな。昔話をよく知っている奴からみたら、危機感を抱かれやすい。事情を知らない奴らに見せたらどうなるかわからんから、絶対に人前でその奴隷紋を見せるなよ! あと、もう一度言っとくが、俺は、ルカの命を無駄にしない為にやっているだけであって、奴隷のように扱うつもりは一切無いからな!(ビシッと)」
「……なんか、ありがとうございます?」
「なんでルカがお礼を言うんだよ!」
「だって、嫌いな魔法を使ってでも、私を助けようとしてくれたのでしょう?」
「ルカの作った飯が一番美味かったからな!」
「……生まれてはじめてそんなこと言われました。褒められると、こんなにも嬉しいものなのですね。(ほわほわ)」
「これから毎日よろしくな、ルカ!」
「はい!」
「あと俺、敬語いらないから、好きに喋ってくれ。……ちなみに、ルカの元仲間達はいつぐらいに国境を越えたんだ?」
「えーーっと、午前中には月裏国へと入ったと思いますが、……どうかしましたか?(きょとん)」
「アルテミスってさ、実は、俺の友達なんだよなー。(めんどくせぇ、ほんとにめんどくせぇ。)」
「あ、悪の魔王とお友達なのですか⁉(驚愕)」
「うん? まあ、おもての月国からしたらそう見えるかもしれねえが、……アルテミスがいないと後々大変な事になるんだけど、……月国王がアルテミス討伐の命令を出したのか?」
「…………? いいえ、ユエ兄様ですわ。」
「なんだって⁉ なんでアイツがそんな事を⁉」
「…………? そういえば、月国王は、最後まで討伐を反対していましたわ。それで、出発前に喧嘩してしまって、実は帰りづらいのです。(何故月国王は反対していたのかしら?)」
「…………月国王は正常みたいだな。」
「…………?(きょとん)」
「ルカ、悪いが、俺たちもアルテミス退治に参加するぞ!」
「ええっ⁉ でも、もう手遅れなのではないのですか?」
「……アルテミスが簡単に負けたりするわけねーから大丈夫だ。……それに、勇者パーティにルカが入っていない以上、勇者どもに勝ち目は全くない!(自信満々)」
「そ、そんなにハッキリと仰られて大丈夫なのですか?」
「ああ、問題ない! ルカの作る飯を馬鹿にした勇者どもに、本当の力ってものを見せつけてやるわ!(ルカの仇討ちは俺に任せろ!)」
「な、なんでこうなってしまったのー⁉(困り眉)」
すっかり陽が沈んだ月国の辺境地に、謎の赤目の女性(?)の逞しい声がひびきわたったのであった。
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