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第壱譚(修正前)
0003:突撃、家庭訪問‼︎
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「まあ、隊長様、ようこそお越しくださいました!」
「隊長殿、こんな寂れた村だと、さぞやつまらないだろうに、よくぞ来られた。(ふぉっふぉっふぉ)」
「お義父さん、お義母さん、はじめまして。ジョナサンの夫のサネユキです。(爽やか笑顔)」
「まあ、ジャスミン、……こんなに立派なお方と結婚できて良かったわね!(イー君を抱えながらウインクする姉)」
「あ、姉貴。違うんだ、まだ結婚してないんだ。(汗)」
「……でも今から結婚するんでしょ? おめでとうー!」
「違うー、何かの手違いなんだー。(死んだ魚の目)」
皆さん、こんにちは。周りからはジョナサンと呼ばれているただのモブだ。数刻前、村役場にて用事を済ませてから、僕と隊長は、簡単なお土産を買い込んで、僕の実家へとやってきた。しかし、隊長は、どうやら皇族のお方らしい。こんな狭い庶民的な丸太小屋にいてはいけない雲の上のお方なのだ。(ガクブル)
「隊長、時間的に今日は野営地には戻れませんので、街でホテル(それも一等のやつ‼︎)を予約しております。そろそろチェックインのお時間になりますので、適当にここを出られてください。(隊長がいるとお昼寝できないからな。)」
「心配しなくてよいぞ、ジョナサン! そのホテルの予約はキャンセルした! 私も、ジョナサンのお部屋に泊まるからな!(爽やかブラック笑顔な隊長)」
「な、……な、ん、で、す、とーーーー⁉︎」
僕の自由時間は、一瞬で泡と化したのであった。(涙)
◇ ◇ ◇
「はぶばぶばぶ‼︎(モブおばちゃん、しゅごいでちゅね! たーまのこし! たーまのこし! たくさんボクチンに貢いでくれていいでちゅよ!)」
「……甥っ子、お前、結構現金なんだな。(ドン引き)」
「ばぶばぶ!(むしろボクチンのおかげで隊長と結婚できたのだから、お小遣いくれるのは当たり前でちゅよね!)」
「………………。(うそーん)」
……姉貴にいつも通り甥っ子のイー君を預けられているのだが、霊力のコントロールができていないので、甥っ子の心の声が聞こえてしまってなんだか複雑な心境だ。(困惑)
「……甥っ子君は、なかなかしっかりしているのだな!」
「た、隊長。(滝のような汗)」
「ばぶばぶ、ばぶぶ!(隊長、カッコいいでちゅね! モブおばちゃんとお似合いでちゅよー!)」
「なかなか良いことを考えているではないか!」
「いや、あの、隊長⁉︎」
「……私も、ジョナサンとの子どもがほしかったな。」
隊長は、何故か儚げな表情をした状態で黄昏れていらっしゃいましたが……いや、私、女ですからね!
「隊長、何遍も言いますが、私は正真正銘、女ですよ!」
「ジョナサン、……私のことを思って言ってくれているのだな。……ありがとう。……だが、ジョナサンが男であることには、変わりないんだ。(物悲しい顔)……私は、ジョナサンを苦しめるつもりは全くない。……ずっと側にいてくれるだけでいいから、一緒にいてくれ。(酔いしれてる隊長)」
「…………ダメだこりゃ。(死んだ魚の目)」
「ばぷばぷ、ばぶぶ!(おばちゃん、隊長さんが悲ししょうでちゅよ! なぐさめてあげないといけないでちゅ!)」
黙れ甥っ子が‼︎ ……おっといけない。悪気のない甥っ子に当たり散らしてしまうところだった。
……と、とりあえず、隊長には、私の部屋を使ってもらって、私は、リビングで雑魚寝しようかな。(遠い目)
「隊長様、ジャスミン、イー君、晩ご飯できましたよー‼︎(にこにこお母さん)」
「ーーっ! 今行くよ! 隊長、甥っ子、行きましょう‼︎」
「ああ!」
「ばぶばぶ!(おいちいミルクをのむのでちゅよー!)」
僕は、自室の扉を開けるのであった。
◇ ◇ ◇
チュン、チュン、チュン、チュチュンチュンチュン‼︎
ふあーーあー。(大欠伸)
朝から小鳥達の囀りがなんかやけに激しいぞー。まあ、たとえ起こされても二度寝するんだけどねー。僕は、あったかいお布団を頭まで引き上げて、もう一度寝ることにした。
「……サン、ジョナサン、起きるのだ。(背後から、ジョナサンの肩をトントンと叩く隊長)」
「……ほえ? …………た、たいちょう⁉︎」
いや、何でだよ⁉︎ 就寝の際に、僕は下の階のリビングで自分用の布団を引いたはずだぞ……。と、とりあえず、隊長に聞いてみよう。
「あ、あれ? 隊長、……僕達、一緒に寝ていましたっけ⁉︎(とめどなく冷や汗が流れ落ちてる)」
「うん? ジョナサンは下の階で就寝したぞ。」
「そ、そうですよね。(じゃあ何で隊長と寝てるの⁉︎)」
「だがしかし、とても寒そうだったから、私がここまで連れてきた!(爽やかブラック笑顔)」
「そ、そうでしたか。(全然気が付かなかったわ!)」
「ジョナサンは、お布団の中では沢山甘えてきてくれてたな。とても可愛いかったぞ。(ほんのりと頬を赤らめる)」
「ーーーーっ⁉︎ ……で、では、僕、用意がありますので‼︎(お、覚えてないです、隊長ー!)」
僕はそれ以上聞いていられなかったので、急いでお布団から出るのであった。(トホホ)
◇ ◇ ◇
「隊長様、ジャスミン、いってらっしゃい‼︎」
「隊長殿、ジョナサン、気をつけてな。」
「お二人とも、仲良くねーー!」
「ばぶばぶ!(次はお小遣いもよろしくでちゅ!)」
「お 義父さん、お義母さん、お義姉さん、甥っ子君も、行ってきます!(爽やかブラック笑顔)」
「みんな、行ってくるねー!(大汗)」
「…………ジョナサン、……ゆっくりデートして帰ろうか。(さりげなくジョナサンの手に、指を絡める)」
「た、隊長、……急いで帰りますよ‼︎(赤面ガクブル)」
「……そうか。(ブラック爽やか笑顔)」
は、早く帰って、パトリック殿下にお土産を渡すぞー!
ーーただのモブ、いつのまにか夫が出来ていた‼︎ーー
【おまけ 其壱】
ーーここはクーデター組織『スピカ』の野営地。ーー
「隊長、……ジョナサンの件でお話があります。」
「…………サネユキ、そろそろ頃合いだ。」
「……良いだろう。」
ーーこれは、隊長とジョナサンが郊外から帰ってきて三週間後に行われた、幹部だけの話し合いでの会話である。ーー
「ジョナサンは、…………女、ですよね?」
「………………。」
「隊長、……いい加減、答えてください‼︎」
「……ジョナサンは男だ。」
「隊長! ……ジョナサンが可哀想ですよ!」
ーー隊長を責めているのは、皆の先輩ノアである。ーー
「ジョナサンは、男だ。」
「隊長! ……今はいいですが、一度戦闘が開始になると、ジョナサンにも身の危険が及ぶのですよ‼︎」
「問題ない。……私がジョナサンを必ず守る。」
「ふうー、……サネユキは、一度決めたら曲げないからね!(にっこりパトリック殿下)」
「で、殿下、……ですが!(困り眉)」
「サネユキ、今言ったことに、撤回は許さないからな。ジョナサンは、サネユキ付きにするから、みんなの気持ちを裏切らないように。……いいね?」
「ああ。……みんな、私の私情を挟んでしまってすまない。私は、祖国を裏切って、『スピカ』に入った時、誰かを好きになったり、結婚したりすることを諦めていた。……ジョナサンだけなんだ。死ぬまでの間、私は、ずっとジョナサンと一緒に居たい! みんなには、たくさんの迷惑をかけるが、これだけは譲れないんだ!」
「……わかりました。隊長がそこまで仰るなら、僕達も、ジョナサンのことを男として接します。(涙ぐむ先輩)」
「……みんな、それでいいね?」
ーーいつの間にか幹部連中は号泣の嵐となっていた。ーー
「じゃあ僕も、ジョナサンのことは、男として、見るからね!(にっこりパトリック殿下)」
「ああ、パトリック、すまないな。(困り眉)」
「いいよ、いいよー、お互い様だしね! だから、僕のお願いも聞いてくれるよね?(ニヤニヤパトリック殿下)」
「…………なんだ?(きょとん)」
「……ちょっと宮殿で、諜報活動してきてほしいな♡」
「ーーーーっ‼︎(びっくり仰天)」
「……僕もさ、サネユキとジョナサンの仲睦まじい関係を見ているとさ、……マリア様といちゃつきたいなって、思ってしまったんだ♡(モジモジ)」
「ぱ、パトリック⁉︎(マリア様って、あのリゲル殿下の婚約者であるマリア・ラーズベルト公爵令嬢のことだよな⁉︎)」
「えへへ、……サネユキ、トルネードとニホン帝国の親善大使だから、勿論宮殿内には入りたい放題だし、ちょちょちょっと、マリア様をこっちに寄越すのなんて、わけないよね!(ブラックパトリック殿下)」
「…………。(ジョナサンとのめくるめく日々が。)」
「勿論、マリア様をあのドブの掃き溜めから救い出してくれたら、ジョナサンのところに帰ってきて、イチャイチャしてくれていいからね!(爽やかブラックパトリック殿下)」
「…………わかった。パトリックには、ほんと敵わないな。(全部見据えてジョナサンを採用したんだな。)」
「えへへ! サネユキ、ありがとう‼︎(ガバッと隊長に抱きつくブラック爽やかパトリック殿下)」
「……時間はかかるけどいいのか?」
「うん、うん、いいよ! マリア様を国境沿いまで送り届けてくれたら、僕が迎えに行くからね‼︎」
「わかった。……では、行ってくる!」
「いってらっしゃーい‼︎(両手をブンブン振りまくるブラック爽やかパトリック殿下)」
「…………えっ? どゆこと⁉︎(混乱する先輩)」
ーー幹部連中の困惑は、止まらないのであった。ーー
【おまけ 其弐 パトリック殿下の思惑】
ふっふっふ。
上手いこといった。
ジョナサンを一目見た時に、女だってわかっていたけれど、隣に座っているサネユキがひどく動揺していたから、面白半分で採用してみたらサネユキはドツボにはまって、ジョナサンの沼から抜け出せない状態になった。
僕が言わなくても、いずれ幹部連中が、ジョナサンについて責め立てたときを利用して、サネユキを宮殿に送り込み、マリア様をこっちに差し向ける。……素晴らしい作戦だね。
やっと、アイツから、僕の大切なものを奪うときがきた。……ここの終焉も、もう少しだね!(きゅるるん)
ーー殿下の心の内を知る者は誰もいないのであった。ーー
「隊長殿、こんな寂れた村だと、さぞやつまらないだろうに、よくぞ来られた。(ふぉっふぉっふぉ)」
「お義父さん、お義母さん、はじめまして。ジョナサンの夫のサネユキです。(爽やか笑顔)」
「まあ、ジャスミン、……こんなに立派なお方と結婚できて良かったわね!(イー君を抱えながらウインクする姉)」
「あ、姉貴。違うんだ、まだ結婚してないんだ。(汗)」
「……でも今から結婚するんでしょ? おめでとうー!」
「違うー、何かの手違いなんだー。(死んだ魚の目)」
皆さん、こんにちは。周りからはジョナサンと呼ばれているただのモブだ。数刻前、村役場にて用事を済ませてから、僕と隊長は、簡単なお土産を買い込んで、僕の実家へとやってきた。しかし、隊長は、どうやら皇族のお方らしい。こんな狭い庶民的な丸太小屋にいてはいけない雲の上のお方なのだ。(ガクブル)
「隊長、時間的に今日は野営地には戻れませんので、街でホテル(それも一等のやつ‼︎)を予約しております。そろそろチェックインのお時間になりますので、適当にここを出られてください。(隊長がいるとお昼寝できないからな。)」
「心配しなくてよいぞ、ジョナサン! そのホテルの予約はキャンセルした! 私も、ジョナサンのお部屋に泊まるからな!(爽やかブラック笑顔な隊長)」
「な、……な、ん、で、す、とーーーー⁉︎」
僕の自由時間は、一瞬で泡と化したのであった。(涙)
◇ ◇ ◇
「はぶばぶばぶ‼︎(モブおばちゃん、しゅごいでちゅね! たーまのこし! たーまのこし! たくさんボクチンに貢いでくれていいでちゅよ!)」
「……甥っ子、お前、結構現金なんだな。(ドン引き)」
「ばぶばぶ!(むしろボクチンのおかげで隊長と結婚できたのだから、お小遣いくれるのは当たり前でちゅよね!)」
「………………。(うそーん)」
……姉貴にいつも通り甥っ子のイー君を預けられているのだが、霊力のコントロールができていないので、甥っ子の心の声が聞こえてしまってなんだか複雑な心境だ。(困惑)
「……甥っ子君は、なかなかしっかりしているのだな!」
「た、隊長。(滝のような汗)」
「ばぶばぶ、ばぶぶ!(隊長、カッコいいでちゅね! モブおばちゃんとお似合いでちゅよー!)」
「なかなか良いことを考えているではないか!」
「いや、あの、隊長⁉︎」
「……私も、ジョナサンとの子どもがほしかったな。」
隊長は、何故か儚げな表情をした状態で黄昏れていらっしゃいましたが……いや、私、女ですからね!
「隊長、何遍も言いますが、私は正真正銘、女ですよ!」
「ジョナサン、……私のことを思って言ってくれているのだな。……ありがとう。……だが、ジョナサンが男であることには、変わりないんだ。(物悲しい顔)……私は、ジョナサンを苦しめるつもりは全くない。……ずっと側にいてくれるだけでいいから、一緒にいてくれ。(酔いしれてる隊長)」
「…………ダメだこりゃ。(死んだ魚の目)」
「ばぷばぷ、ばぶぶ!(おばちゃん、隊長さんが悲ししょうでちゅよ! なぐさめてあげないといけないでちゅ!)」
黙れ甥っ子が‼︎ ……おっといけない。悪気のない甥っ子に当たり散らしてしまうところだった。
……と、とりあえず、隊長には、私の部屋を使ってもらって、私は、リビングで雑魚寝しようかな。(遠い目)
「隊長様、ジャスミン、イー君、晩ご飯できましたよー‼︎(にこにこお母さん)」
「ーーっ! 今行くよ! 隊長、甥っ子、行きましょう‼︎」
「ああ!」
「ばぶばぶ!(おいちいミルクをのむのでちゅよー!)」
僕は、自室の扉を開けるのであった。
◇ ◇ ◇
チュン、チュン、チュン、チュチュンチュンチュン‼︎
ふあーーあー。(大欠伸)
朝から小鳥達の囀りがなんかやけに激しいぞー。まあ、たとえ起こされても二度寝するんだけどねー。僕は、あったかいお布団を頭まで引き上げて、もう一度寝ることにした。
「……サン、ジョナサン、起きるのだ。(背後から、ジョナサンの肩をトントンと叩く隊長)」
「……ほえ? …………た、たいちょう⁉︎」
いや、何でだよ⁉︎ 就寝の際に、僕は下の階のリビングで自分用の布団を引いたはずだぞ……。と、とりあえず、隊長に聞いてみよう。
「あ、あれ? 隊長、……僕達、一緒に寝ていましたっけ⁉︎(とめどなく冷や汗が流れ落ちてる)」
「うん? ジョナサンは下の階で就寝したぞ。」
「そ、そうですよね。(じゃあ何で隊長と寝てるの⁉︎)」
「だがしかし、とても寒そうだったから、私がここまで連れてきた!(爽やかブラック笑顔)」
「そ、そうでしたか。(全然気が付かなかったわ!)」
「ジョナサンは、お布団の中では沢山甘えてきてくれてたな。とても可愛いかったぞ。(ほんのりと頬を赤らめる)」
「ーーーーっ⁉︎ ……で、では、僕、用意がありますので‼︎(お、覚えてないです、隊長ー!)」
僕はそれ以上聞いていられなかったので、急いでお布団から出るのであった。(トホホ)
◇ ◇ ◇
「隊長様、ジャスミン、いってらっしゃい‼︎」
「隊長殿、ジョナサン、気をつけてな。」
「お二人とも、仲良くねーー!」
「ばぶばぶ!(次はお小遣いもよろしくでちゅ!)」
「お 義父さん、お義母さん、お義姉さん、甥っ子君も、行ってきます!(爽やかブラック笑顔)」
「みんな、行ってくるねー!(大汗)」
「…………ジョナサン、……ゆっくりデートして帰ろうか。(さりげなくジョナサンの手に、指を絡める)」
「た、隊長、……急いで帰りますよ‼︎(赤面ガクブル)」
「……そうか。(ブラック爽やか笑顔)」
は、早く帰って、パトリック殿下にお土産を渡すぞー!
ーーただのモブ、いつのまにか夫が出来ていた‼︎ーー
【おまけ 其壱】
ーーここはクーデター組織『スピカ』の野営地。ーー
「隊長、……ジョナサンの件でお話があります。」
「…………サネユキ、そろそろ頃合いだ。」
「……良いだろう。」
ーーこれは、隊長とジョナサンが郊外から帰ってきて三週間後に行われた、幹部だけの話し合いでの会話である。ーー
「ジョナサンは、…………女、ですよね?」
「………………。」
「隊長、……いい加減、答えてください‼︎」
「……ジョナサンは男だ。」
「隊長! ……ジョナサンが可哀想ですよ!」
ーー隊長を責めているのは、皆の先輩ノアである。ーー
「ジョナサンは、男だ。」
「隊長! ……今はいいですが、一度戦闘が開始になると、ジョナサンにも身の危険が及ぶのですよ‼︎」
「問題ない。……私がジョナサンを必ず守る。」
「ふうー、……サネユキは、一度決めたら曲げないからね!(にっこりパトリック殿下)」
「で、殿下、……ですが!(困り眉)」
「サネユキ、今言ったことに、撤回は許さないからな。ジョナサンは、サネユキ付きにするから、みんなの気持ちを裏切らないように。……いいね?」
「ああ。……みんな、私の私情を挟んでしまってすまない。私は、祖国を裏切って、『スピカ』に入った時、誰かを好きになったり、結婚したりすることを諦めていた。……ジョナサンだけなんだ。死ぬまでの間、私は、ずっとジョナサンと一緒に居たい! みんなには、たくさんの迷惑をかけるが、これだけは譲れないんだ!」
「……わかりました。隊長がそこまで仰るなら、僕達も、ジョナサンのことを男として接します。(涙ぐむ先輩)」
「……みんな、それでいいね?」
ーーいつの間にか幹部連中は号泣の嵐となっていた。ーー
「じゃあ僕も、ジョナサンのことは、男として、見るからね!(にっこりパトリック殿下)」
「ああ、パトリック、すまないな。(困り眉)」
「いいよ、いいよー、お互い様だしね! だから、僕のお願いも聞いてくれるよね?(ニヤニヤパトリック殿下)」
「…………なんだ?(きょとん)」
「……ちょっと宮殿で、諜報活動してきてほしいな♡」
「ーーーーっ‼︎(びっくり仰天)」
「……僕もさ、サネユキとジョナサンの仲睦まじい関係を見ているとさ、……マリア様といちゃつきたいなって、思ってしまったんだ♡(モジモジ)」
「ぱ、パトリック⁉︎(マリア様って、あのリゲル殿下の婚約者であるマリア・ラーズベルト公爵令嬢のことだよな⁉︎)」
「えへへ、……サネユキ、トルネードとニホン帝国の親善大使だから、勿論宮殿内には入りたい放題だし、ちょちょちょっと、マリア様をこっちに寄越すのなんて、わけないよね!(ブラックパトリック殿下)」
「…………。(ジョナサンとのめくるめく日々が。)」
「勿論、マリア様をあのドブの掃き溜めから救い出してくれたら、ジョナサンのところに帰ってきて、イチャイチャしてくれていいからね!(爽やかブラックパトリック殿下)」
「…………わかった。パトリックには、ほんと敵わないな。(全部見据えてジョナサンを採用したんだな。)」
「えへへ! サネユキ、ありがとう‼︎(ガバッと隊長に抱きつくブラック爽やかパトリック殿下)」
「……時間はかかるけどいいのか?」
「うん、うん、いいよ! マリア様を国境沿いまで送り届けてくれたら、僕が迎えに行くからね‼︎」
「わかった。……では、行ってくる!」
「いってらっしゃーい‼︎(両手をブンブン振りまくるブラック爽やかパトリック殿下)」
「…………えっ? どゆこと⁉︎(混乱する先輩)」
ーー幹部連中の困惑は、止まらないのであった。ーー
【おまけ 其弐 パトリック殿下の思惑】
ふっふっふ。
上手いこといった。
ジョナサンを一目見た時に、女だってわかっていたけれど、隣に座っているサネユキがひどく動揺していたから、面白半分で採用してみたらサネユキはドツボにはまって、ジョナサンの沼から抜け出せない状態になった。
僕が言わなくても、いずれ幹部連中が、ジョナサンについて責め立てたときを利用して、サネユキを宮殿に送り込み、マリア様をこっちに差し向ける。……素晴らしい作戦だね。
やっと、アイツから、僕の大切なものを奪うときがきた。……ここの終焉も、もう少しだね!(きゅるるん)
ーー殿下の心の内を知る者は誰もいないのであった。ーー
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