【モフモフは正義‼︎】親友に裏切られて国外追放された悪役令嬢は、聖女になって返り咲く

星 佑紀

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第陸譚

0058:スピカ面接 アデルと大巫女

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 ーーここはフィックスド辺境伯家の会議室。ーー

 ーー絶賛、スピカ入団志望者の面接中である。ーー


「ああ、もう、めんどくさい‼︎ ノア、……アデルの四人をみんな、呼んじゃって‼︎(ランドットズのアクの濃さに疲労の限界を迎えたパト殿下)」

「…………いいのですか?(ちょっと困惑ノア)」

「いいよ、いいよー‼︎ この際、もうどうにでもなあれーー‼︎(自ら動いて、志望者用の椅子を裏から三個出してくるパトリック殿下)」

「……了解致しました。(出入口扉を開けて)……アデル皇国の皆様、どうぞお入りください。」

「「「「……失礼します。(キリッと四人)」」」」

 ーースピカ志望者四番、マーキュリー・ツインズ。ーー

 ーースピカ志望者五番、マーズ・サイフォン。ーー

 ーースピカ志望者六番、エドワード・ロック。ーー

 ーースピカ志望者七番、パンケーキ屋のマスター。ーー

「スピカ入団面接へようこそ! そこの席に座ってください。(面接官と対面している志望者席を促すパト殿下)」

「「「「失礼します。(各々椅子に座る四人)」」」」

「通常なら、お名前と出身地と特技を言ってもらうのですが、……正直な話、僕は疲れました。よって、四人のみなさんは、仮入団という形をとらせていただきます。少しでも、スピカに不利益になるような行動を取られた時点でみなさん全員の記憶を消去して、アデルへお返ししますので、そのつもりでよろしくお願いします。」

「いや、ちょっと待ってくれ‼︎ 俺とパンケーキ屋は、パトリック殿下の組織に入りたいとは、一言も言ってないぞ⁉︎(アデルの超がつく魔法使いエドワード・ロック公爵)」

「そそそうですよ‼︎ 何かの間違いでは?(なかなか焦っているパンケーキ屋さんのマスター)」

「えええええ⁉︎ でも、お二人の履歴書は、ちゃんとここにありますよ‼︎(二人の履歴書らしき書類を持ってヒラヒラさせるパト殿下)」

「ああ、それは、私が代わりに書いておいたのだ。(爽やかブラック笑顔なマーズ殿下)」

「「ーーーーっ⁉︎(驚愕公爵とマスター)」」

「まままーず、……お前、一体どういうことなんだ⁉︎(暴走マーズ殿下に詰め寄るロック公爵)」

「……エドワード、今は、アデル皇国だの、トルネード王国だの、スピカだの言っている場合ではない。世界が、各々の利己主義を取っ払って、助け合わないといけないのだ‼︎(ドヤドヤっとマーズ殿下)」

「…………それは、そうなのだが。(マーズ殿下の言いたいことは粗方分かっているロック公爵)」

「私には夢がある。世界の危機を乗り越えて、全世界の国々が、各々楽しく平和な暮らしができるようになった暁に、……私は、マーキュリーと愛の逃避行に出掛けるのだ。(かなり酔いしれているマーズ殿下)」

「「ーーーーっ⁉︎(驚く公爵とマスター)」」

「マーズ、イヤだー。今すぐ出掛けるのー。(虚ろな瞳で力無く言うマーキュリー殿下)」

「ダメだよ、マーキュリー。……私たちには、やらなくてはならないことが沢山あるんだ。世界を捨てて、私たちの好きなようにはできない。……しかし、ずっと一緒にいることは可能だから、二人で助け合って試練を乗り超えていこう‼︎(隣に座ってたマーキュリー殿下をガバッと抱き上げて、自身のお膝にのせるマーズ殿下)」

「……マーズとずっと一緒?(虚ろなマーキュリー殿下)」

「そうだよ。(爽やかブラックマーズ殿下)」

「……頑張る。……マーズと一緒に、悪い奴らを木っ端微塵にしてやるー‼︎(虚ろな瞳で、とんでもないことを発言するマーキュリー殿下)」

「……再起不能にしてやろう。(さりげなくマーキュリー殿下を抱きしめるマーズ殿下)」

「…………だめだこりゃ。(諦めるロック公爵)」

「……。(わわわたしのマーキュリーが、愛の逃避行だと⁉︎ だだだめだよ、マーズ君‼︎ それは、容認できない‼︎ マーキュリーは、たった一人のなんだから、お外に連れ出すのは絶対にダメー‼︎ 心の中でなにやら叫んでるただのパンケーキ屋さんのマスター)」

「…………。(ああ、めんどくさい。も、マーズもマーキュリーもみんな、自分たちでやってくれよー。 心の中で呟くロック公爵)」

「……難しいことは、よく分かりませんが、を結ぶ形でもいいですよ。(よくよく考えたら、この人達がスピカに入っちゃうと、既存の団員達の今までの固定概念をぶち壊して、大変なことになりそうなんだよなー。それに、わざわざ面倒そうな人達を入れる必要性はあまりないからね。 一連の会話を聞いて、躊躇しているパト殿下)」

「パトリック、それでもいいのか?(マーズ殿下)」

「はい。……同盟を結ぶだけなら、簡単な手続きで済みますし、……それにみなさんも、アデルの国益の為の行動も好き放題できますからね!(お互いに利益が無いと、続かなかったりするんだよなー。 世間の厳しさをそれなりに知っているパト殿下)」

「では、それでいこう‼︎ 本日より、トルネード王国のスピカと、アデル皇国の第壱魔法省イリアルテは、同盟を結び、お互い協力し合って、良い世界に変えていこうー‼︎(マーキュリー殿下と一緒に、左腕を振り上げるマーズ殿下)」

「「「「「「ラジャーー‼︎(スピカ側)」」」」」」

「……もう、好きにしてくれ。(疲労困憊なロック公爵)」

「……そうですね。私も、たくさんパンケーキを焼いて、皆さまに貢献致しましょう。(マーキュリーのことは、が絶対守ってあげるからね‼︎ ただのパンケーキ屋さんのマスター)」

「……直接、アデルの魔法省と取引話に持ち込めてラッキーだったな。今後、アデルで作られているとかを横流ししてもらおう。(なかなか際どいことを考えつつも、四人それぞれの履歴書をパト殿下から貰って、『同盟』スタンプをペッタンするサネユキ)」

「サネユキ、大丈夫だとは思うけど、一応アデルの偵察もやっておいた方がいいかな?(お仕事モードなパト殿下)」

「そうだな。……念の為、うちのを派遣して確かめておこう。(お仕事モードなサネユキ)」

「ありがとう、助かるよ。(一安心パト殿下)」

「……。(なかなか大きいことになってきたぞー。パトリック殿下はいつも通りやる事が飛び抜けてるし、隊長はなんか、オドロオドロしいことを言ってるし、目の前のマーキュリー殿下っていうお方は、メチャクチャ虚ろな瞳でボーっとされてるし……。アデルの人達って、いつもあんな風にボーってなってるのかなー? ……魔法が使えても、心ここにあらずになってしまうのなら、なんか考えものだな。 心の中で呟かずにはいられないジョナサン)」

「……お隣のアデル皇国の方々とも提携を結ばれるだなんて、パトリック殿下は、男の中の男ですわね‼︎(パト殿下のただ単に面倒だったという気持ちに一切気づかない、ど天然オリビア)」

「……もふわふもふ。(私の魔法のお師匠様であるマーキュリー殿下が、とんでもないことになっていらっしゃいますわ。……あんなにも、男の中の男を貫いていらっしゃったのに、……そこまで、……そこまで、マーズ殿下のことを愛してしまわれたのですね‼︎ 男という性を捨てて、マーズ殿下と生きる為に、女の格好をするだなんて……。……なんて、いじらしいのでしょう‼︎ マーキュリー殿下、……いえ、お師匠様‼︎ 弟子として、道なき道を歩むお師匠様を、陰ながら応援させていただきますわ‼︎ ……大丈夫です。心配いりません。スピカは、マーキュリー殿下の味方ですからね‼︎ それにしても、ああ、あんなにも、マーズ殿下を愛しすぎて、虚ろな瞳になってしまわれて、お可哀想。……ですが、虚ろな瞳の奥には、並々ならぬ情熱が隠されているのでしょう‼︎ 何はともあれ、マーキュリー殿下、ご結婚、おめでとうございますわ‼︎ 涙ながらに、とんでもない勘違いをしている酔いしれマリア嬢)」

「……。(うん。なんて言えばいいんだろう。……とりあえず、マーキュリー殿下、どうした⁉︎ 一番まともなノア)」

「マーズ兄さん、とりあえず同盟の手続きをこちらでしますので、アデルのみなさんは控え室にてお寛ぎください。おそらく一週間ほどで書類が出来ますので、書類が出来次第、契約開始でよろしいでしょうか?(キリッとパト殿下)」

「そうしてくれ。……パトリック、頼んだぞ。(キリッとマーズ殿下)」

「任せてください‼︎(にっこりパト殿下)」

「……では、控え室に戻らせてもらうよ。(魔法陣を発動させるマーズ殿下)」

 ーー青白い光と共に、アデルの四人は消失した‼︎ーー

「……いやー、七人一気に面接は、流石に疲れるなー。(ストレス発散のために、もふもふをモフモフするパト殿下)」

「……アデルの四人は、ほとんど面接っぽくなかったですけどね。(小さく呟くノア)」

「……ノアは焼き鳥になりたいのかなー?(ノアの親ペンギン着ぐるみさんに、霊力の炎を近づけるパト殿下)」

「アツッ⁉︎ ちょっ、殿下、やめてくださいよーー⁉︎ なにするんですか⁉︎(サイコパス殿下から距離を置くノア)」

「いやー、ペンギンって、美味しいのかなって思った事ない?(にっこりブラックパト殿下)」

「無いです‼︎ 一切ありません‼︎(猛抗議するノア)」


 コンコンココン‼︎


 ーーと、そこへ、扉を叩く音がした‼︎ーー


「(ガチャっと扉を開けて)……我の面接はまだかの?(長い時間、待ちくたびれた大巫女ミクル)」

「「「「「「…………。(沈黙するスピカ)」」」」」」

 ーー辺りは謎の沈黙に包まれた‼︎ーー

「……えっと、……ミクル姉さんは、サネユキのお姉ちゃんだから、特別に合格‼︎(考えることを放棄したパト殿下)」

「……? いいのか、面接しなくても?(きょとん)」

「大丈夫、大丈夫‼︎ 何かあったら、サネユキが責任取るんで、オッケーですよ、ミクル姉さん‼︎(キリッとパト殿下)」

「……それなら、大丈夫だな!(嬉しげ大巫女)」

「……クゥッ、……姉上の履歴書には、この『合格』スタンプを押したくない。スピカは、私の居場所だ。……姉上に、スピカを踏み荒らされてたまるか‼︎(大巫女の履歴書を破ろうとするサネユキ)」

「(さりげなくサネユキから大巫女の履歴書を奪って)……隊長ー、ダメですよー、姐御は、大事な仲間ですからねー。(大巫女の履歴書に『合格』ハンコをペッタンするジョナサン)」

「…………⁉︎ ジョナサンーーー⁉︎(私の居場所がーー⁉︎ 悲しみに打ち震えるサネユキ)」

「みんなで楽しくやっちゃいましょう‼︎(落ち込んでるサネユキの頭を撫で撫でするジョナサン)」

「みんな、これからよろしく頼むよ。(嬉々大巫女)」

「よしっ、これから歓迎会だー‼︎(張り切るパト殿下)」

「「「「「「「ラジャーーー‼︎」」」」」」」


 ーースピカ入団志望者面接は、大いに終了した‼︎ーー
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