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第参譚
0026:ロック公爵の同期達
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【side エドワード・ロック(偉大なる魔法使い)】
ーーここは、殿下が去った後の霊界空港待合室。ーー
「はい、そこのお嬢ちゃーん。楽しんでるかい?(四角い箱を携えたチャラい風貌の職員)」
『…………うん?(なんだ、この男は?)』
「ここ、なんにもないでしょ? チョベリバでしょ? 一緒にパーリィナイトしちゃうでしょ?」
『……生憎、人を待っているからお断りだ。(ジト目)』
「ガーーン‼︎ 振られてしまった……。まあ、こんなことくらいじゃ、しょげないけどね。……お嬢ちゃん、今度は一緒にパーリィナイトするっちゃよー! それと、これは来た人全員に配布しているヤツだから、お嬢ちゃんにも渡しておくねー。側面についてる赤いボタンと青いボタンが電源だから、色々触ってちょ。(ロック公爵の左手へ、やや強制的に四角い箱を持たせるチャラ男職員)」
『あ、ああ。…………ありがとう。(困惑公爵)』
「お嬢ちゃんすっごく美人さんなんだから、襲われないように気をつけるっちゃよー。じゃあ俺、ちょっち仕事が残ってるから行くね。(公爵に手を振って去るチャラ男職員)」
『…………チャラいな。(ジト目公爵)』
……どうも、パトリック殿下に置いて行かれた後謎のチャラ男職員に四角い箱を渡されたエドワード・ロックだ。……なんだろう。最近、アクの濃ゆい方々に出会いすぎている気がする。……まあいい。……単なる気のせいだからな。
俺は、左手にずっしりと乗っかっている箱を調べることにした。……なになに、側面にある赤と青のボタンどちらかを押せばいいんだよな。
ーーロック公爵は、青ボタンを押した‼︎ーー
『……イマフウジョウハリノカガミヘヨウコソ。アナタノミタイカコハナンデスカ? クチニダシテノベヨ!』
…………挨拶からパンチが効いてるな。『述べよ!』って、命令口調な感じが今風なのだろうか?
……とりあえず、十年前のここを映してもらおうか。
『約十年前のここ、……一気に俺とその他大勢が入ってきた場面を映してくれ。(これでわかるのか?)』
『シカタガナイネ。ウツシテヤルヨ。ワタシニカンシャシテ、マバタキセズニ、ヨクミナ‼︎』
『………………。(ええええええ。)』
なんか箱の口が悪い気がするのは、俺だけなのだろうか……。もしかしてこれ、不良品じゃないだろうな。
『フリョウヒンデハナイゾ。ワタシハオマエヲ、ウツスカガミ。オマエノクチガワルイカラ、アワセテヤッテイルノダ。アヤマランカイ‼︎(何故か怒ってる箱)』
『…………すみませんでした。(ジト目でペコリ)』
『ヤレバデキルジャナイカ。ソノチョウシダヨ。』
……元々、口が悪いのは自覚しているが、何故だか腹が立つ。その調子ってなんなんだ?
『ゴホウビダ。ウケトレ。』
箱はそう言うと、側面に何やら映像らしきものが、映し出された。そうそう、これだよ。これが見たかったんだ。俺は、食い入るように顔を箱へ近づけて、当時の待合室でたむろしている同期を探し出す。……そして、見つけた。……予想通り、画面の奥には、見覚えのある後ろ姿の同期が大勢映っていた。彼らをピンポイントで見たいと思ったところ、なんと、少しずつ彼らの映像が大きくなっていって、最終的に、一人一人の顔が視認出来るまでになった。
「……エド! あんたは帰りなさい!(謎の女性)」
これだ! ここまでの記憶はあるのだが、それ以降は全く覚えていない。……一体、この先に、何があったんだ?
「いや、俺はやってはいけないことをやってしまった。……このままみんなと共に逝くよ。(十年前の若公爵)」
「ふざけるんじゃ無いわよ‼︎ あんたねぇ、自分のやったことが悪い事だって自覚があるんなら、責任とって混沌の人間界を収めなさいよ‼︎ 死は逃げ場ではない! やることやれや、この顔だけ男がっ‼︎(怒り狂う謎の女性)」
……あれ、俺、もしかしてめちゃくちゃ責められてる?
「まあまあ、〇〇、落ち着けよ。エドだって、知らなかったんだから。親友に裏切られるって、かなりキツいんだぞ。(謎の男)」
「×××、あんたは甘すぎる! だから、奴らの罠に、引っかかったんじゃないの⁉︎ ……土下座して謝れや、この甘ったれ坊ちゃんが‼︎(さらに怒りが増す謎の女性)」
「(静かに床に正座して)……みんなを危険な目に合わせたにも関わらず、お亡くなりまで付き合ってもらうことになって、ごめんなさい。(土下座する謎の男)」
「(謎の男の横に正座して)……俺もすみませんでした。(深く土下座する若公爵)」
「謝って済むと思ったら大間違いよ‼︎(許さない女性)」
……理不尽すぎるだろーー⁉︎ 許してやれよ。謝れって言われたから謝ったのに、謝ったら謝ったらで、許さないなんて……。終わったことだが心が痛むぞ。(ぴえん)
「とりあえずエド、あんたは帰る! 今すぐにね!」
ーーその瞬間、若き公爵は画面から消失した‼︎ーー
……えっ? 嘘だろ? 何で昔の俺は消えたんだ⁉︎ これじゃあ、帰り方がわからねーじゃねえか‼︎(お焦り公爵)
「……さてと。……『D組法度第零条覗き見は死刑。』……忘れてないわよね、未来のエド?(ジト目でこっちの公爵を睨んでくる謎の女性)」
ーーーーっ⁉︎(どういうことだ⁉︎)
「そうだぞ、エド! いるんなら声を掛けろよ、水臭いな‼︎(謎の女性に蹴られながら笑顔を見せる謎の男)」
「エド様、お久しぶりですわ! こそこそ隠れて覗き見なんてつまらない趣味を、いつ覚えたのです?(謎の女性の背後から顔を出す謎の女性)」
……もしかして俺、アイツらから見られているのか?
「エド、久しぶりだな! お前の血の不味さは相変わらずか?(蹴られてる謎の男を助け起こす謎の長髪男)」
「……◆◆◆様、やはり、エド様の血が良いのですか?(長髪男の背後から出て来た謎のうるうる女性)」
「違うよ、◇◇◇。私はお前だけだ。エドの血よりも、◇◇◇の血が世界一美味しいんだよ。(背後にいる女性と、イチャつく長髪男)」
「◆◆◆様……。(顔を赤らめる謎の女性)」
……これは、……かなりヤバいぞ。D組法度は絶対だから、確実にボコ殴りの刑だっ………………‼︎
ーーちなみにD組とは、ロック公爵の魔法学校時代のクラス、通称『劣等生しか入れないカスなD組』の事だぞ‼︎ーー
「エド、今からそっちに行くから、逃げるんじゃないわよ‼︎(本気で来そうな謎の女性)」
………パチン。
知らず知らずのうちに、俺は、箱の電源を切っていた。……過去は見てはいけない。たとえ、奴らにもう一度会いたくても、見てはいけないのだ。……見たら、何を強制させられるのかわからないからな。(トホホ)
ーーと、そこへ、チャラ男職員がやって来た‼︎ーー
「お嬢ちゃーーん、お客が来たよー‼︎」
『ーーーーっ⁉︎(な、ん、だ、と⁉︎)』
「ほんとはやっちゃいけないんだけどねー、あの、般若みたいな顔の巫女様に脅されてさー、今回だけは特別‼︎ ついでにお嬢ちゃんが可愛いから出血大サービスで、彼らには、一カ月と半月の滞在期間を付与してあげたお‼︎ 沢山褒めて褒めてー‼︎(わちゃわちゃし始めるチャラ男職員)」
「邪魔よ、チャラ男風情が。(チャラ男職員を足蹴りして、ドカドカとやってくる謎の女性巫女)」
ーーチャラ男職員は、床とこんにちはした‼︎ーー
『チャラ男ーーーー⁉︎(生きろーーー‼︎)』
俺はチャラ男職員を介抱しようとしたが、スンデのところで邪魔が入った。(嘘だろ⁉︎)
「エド、時空を超えてやって来たぞ!(謎の男)」
「十年後も全然見た目が変わらないな!(長髪男)」
「エド様、相変わらずお元気で何よりですわ。(長髪男とイチャコラしている謎の女性)」
「エド様、……お姉様はエド様のことを、とても心配されていたのですよ。(スライディング土下座でいいですわよ。 般若巫女の背後からひょっこり顔を出す謎の女性)」
「エド、言いたいことはたくさんあるけれど、一番重要な事を今から言うわ。……トルネード王国第三王妃を救出するように、パトリックへ言いなさい‼︎(謎の般若巫女)」
『ーーーーっ⁉︎ いや、でもパトリック殿下は今、霊魂の状態で浮遊してるんだぞ?(初っ端から無理な願いだ‼︎)』
「あんたには、ハイかイエスしかないのよ。(ジロリ)」
……怖いいいいい‼︎(恐怖に慄くロック公爵)
「霊魂を身体に戻す方法は教える。パトリックにも後で伝えて。……そんでもってあんたは、ギリギリまで私達をもてなす! いいわね?(ズイッと般若巫女)」
『…………ああ。(そうだろうとは思ってたぞ。)』
「前もって言っておくけど、あんたはここのものを食べては駄目だからね! 食べたら本体に戻れないし、ルカちゃんも死ぬわよ‼︎(キツめに言う般若巫女)」
『…………そういうことか‼︎(なるほど‼︎)』
「……ほんっとに、偉大なる魔法使いが聞いて呆れるわね。みんな、酒盛りよーーー‼︎」
「「「「おうよーーー‼︎」」」」
『……なあ、〇〇、何でリゲル殿下の母君を救出しなければならないんだ?(理由が聞きたいロック公爵)』
「……私たちが育てた意思が、消されそうだから。」
『………………?』
「そんなことより酒よ、酒‼︎(チャラ男職員を起こして)おいチャラ男、ありったけの酒を持ってきな‼︎(般若巫女)」
「…………ふあい‼︎(涙を流すチャラ男職員)」
「エドも突っ立ってないで、手伝いなさい‼︎」
『……おう。(チャラ男職員について行くロック公爵)』
ーーかくして、霊界空港は活気づいたのであった‼︎ーー
【おまけ】
「お姉様、……エド様が泣きそうな顔をしていましたよ。久しぶりの再会なのに、可哀想ですわ。」
「いいのよ。……エドには、まだやらないといけないことがある。……ここで、エドが思い違いを起こしてしまったら、大変なことになるんだから、早く人間界に戻りたいって思わせないといけないの。」
「お姉様……。(ほんとに不器用ですわね。)」
「そうだな! エドには、俺たちの息子の世話役をしてもらわないといけないからな!(真っ直ぐな謎の男)」
「私も同意だ! もう私の一族は、息子で最後だからね。エドには世話になってばかりだな。(謎の長髪男)」
「◆◆◆様、大丈夫ですわ。エド様も、私たちのナラも、きっとやり遂げられますよ。(長髪男にくっつく謎の女性)」
「……そうだね、◇◇◇。(微笑む謎の長髪男)」
「よおし、……みんな、エドとの最後のお別れよ! 次会う時は一切記憶が無いんだから、後悔の残らないように、死ぬ気でエドを虐めるわよ‼︎(左腕を振りかざす般若巫女)」
「「「「おうよーーー‼︎」」」」
ーーロック公爵の同期は、皆、過激なのであった‼︎ーー
ーーここは、殿下が去った後の霊界空港待合室。ーー
「はい、そこのお嬢ちゃーん。楽しんでるかい?(四角い箱を携えたチャラい風貌の職員)」
『…………うん?(なんだ、この男は?)』
「ここ、なんにもないでしょ? チョベリバでしょ? 一緒にパーリィナイトしちゃうでしょ?」
『……生憎、人を待っているからお断りだ。(ジト目)』
「ガーーン‼︎ 振られてしまった……。まあ、こんなことくらいじゃ、しょげないけどね。……お嬢ちゃん、今度は一緒にパーリィナイトするっちゃよー! それと、これは来た人全員に配布しているヤツだから、お嬢ちゃんにも渡しておくねー。側面についてる赤いボタンと青いボタンが電源だから、色々触ってちょ。(ロック公爵の左手へ、やや強制的に四角い箱を持たせるチャラ男職員)」
『あ、ああ。…………ありがとう。(困惑公爵)』
「お嬢ちゃんすっごく美人さんなんだから、襲われないように気をつけるっちゃよー。じゃあ俺、ちょっち仕事が残ってるから行くね。(公爵に手を振って去るチャラ男職員)」
『…………チャラいな。(ジト目公爵)』
……どうも、パトリック殿下に置いて行かれた後謎のチャラ男職員に四角い箱を渡されたエドワード・ロックだ。……なんだろう。最近、アクの濃ゆい方々に出会いすぎている気がする。……まあいい。……単なる気のせいだからな。
俺は、左手にずっしりと乗っかっている箱を調べることにした。……なになに、側面にある赤と青のボタンどちらかを押せばいいんだよな。
ーーロック公爵は、青ボタンを押した‼︎ーー
『……イマフウジョウハリノカガミヘヨウコソ。アナタノミタイカコハナンデスカ? クチニダシテノベヨ!』
…………挨拶からパンチが効いてるな。『述べよ!』って、命令口調な感じが今風なのだろうか?
……とりあえず、十年前のここを映してもらおうか。
『約十年前のここ、……一気に俺とその他大勢が入ってきた場面を映してくれ。(これでわかるのか?)』
『シカタガナイネ。ウツシテヤルヨ。ワタシニカンシャシテ、マバタキセズニ、ヨクミナ‼︎』
『………………。(ええええええ。)』
なんか箱の口が悪い気がするのは、俺だけなのだろうか……。もしかしてこれ、不良品じゃないだろうな。
『フリョウヒンデハナイゾ。ワタシハオマエヲ、ウツスカガミ。オマエノクチガワルイカラ、アワセテヤッテイルノダ。アヤマランカイ‼︎(何故か怒ってる箱)』
『…………すみませんでした。(ジト目でペコリ)』
『ヤレバデキルジャナイカ。ソノチョウシダヨ。』
……元々、口が悪いのは自覚しているが、何故だか腹が立つ。その調子ってなんなんだ?
『ゴホウビダ。ウケトレ。』
箱はそう言うと、側面に何やら映像らしきものが、映し出された。そうそう、これだよ。これが見たかったんだ。俺は、食い入るように顔を箱へ近づけて、当時の待合室でたむろしている同期を探し出す。……そして、見つけた。……予想通り、画面の奥には、見覚えのある後ろ姿の同期が大勢映っていた。彼らをピンポイントで見たいと思ったところ、なんと、少しずつ彼らの映像が大きくなっていって、最終的に、一人一人の顔が視認出来るまでになった。
「……エド! あんたは帰りなさい!(謎の女性)」
これだ! ここまでの記憶はあるのだが、それ以降は全く覚えていない。……一体、この先に、何があったんだ?
「いや、俺はやってはいけないことをやってしまった。……このままみんなと共に逝くよ。(十年前の若公爵)」
「ふざけるんじゃ無いわよ‼︎ あんたねぇ、自分のやったことが悪い事だって自覚があるんなら、責任とって混沌の人間界を収めなさいよ‼︎ 死は逃げ場ではない! やることやれや、この顔だけ男がっ‼︎(怒り狂う謎の女性)」
……あれ、俺、もしかしてめちゃくちゃ責められてる?
「まあまあ、〇〇、落ち着けよ。エドだって、知らなかったんだから。親友に裏切られるって、かなりキツいんだぞ。(謎の男)」
「×××、あんたは甘すぎる! だから、奴らの罠に、引っかかったんじゃないの⁉︎ ……土下座して謝れや、この甘ったれ坊ちゃんが‼︎(さらに怒りが増す謎の女性)」
「(静かに床に正座して)……みんなを危険な目に合わせたにも関わらず、お亡くなりまで付き合ってもらうことになって、ごめんなさい。(土下座する謎の男)」
「(謎の男の横に正座して)……俺もすみませんでした。(深く土下座する若公爵)」
「謝って済むと思ったら大間違いよ‼︎(許さない女性)」
……理不尽すぎるだろーー⁉︎ 許してやれよ。謝れって言われたから謝ったのに、謝ったら謝ったらで、許さないなんて……。終わったことだが心が痛むぞ。(ぴえん)
「とりあえずエド、あんたは帰る! 今すぐにね!」
ーーその瞬間、若き公爵は画面から消失した‼︎ーー
……えっ? 嘘だろ? 何で昔の俺は消えたんだ⁉︎ これじゃあ、帰り方がわからねーじゃねえか‼︎(お焦り公爵)
「……さてと。……『D組法度第零条覗き見は死刑。』……忘れてないわよね、未来のエド?(ジト目でこっちの公爵を睨んでくる謎の女性)」
ーーーーっ⁉︎(どういうことだ⁉︎)
「そうだぞ、エド! いるんなら声を掛けろよ、水臭いな‼︎(謎の女性に蹴られながら笑顔を見せる謎の男)」
「エド様、お久しぶりですわ! こそこそ隠れて覗き見なんてつまらない趣味を、いつ覚えたのです?(謎の女性の背後から顔を出す謎の女性)」
……もしかして俺、アイツらから見られているのか?
「エド、久しぶりだな! お前の血の不味さは相変わらずか?(蹴られてる謎の男を助け起こす謎の長髪男)」
「……◆◆◆様、やはり、エド様の血が良いのですか?(長髪男の背後から出て来た謎のうるうる女性)」
「違うよ、◇◇◇。私はお前だけだ。エドの血よりも、◇◇◇の血が世界一美味しいんだよ。(背後にいる女性と、イチャつく長髪男)」
「◆◆◆様……。(顔を赤らめる謎の女性)」
……これは、……かなりヤバいぞ。D組法度は絶対だから、確実にボコ殴りの刑だっ………………‼︎
ーーちなみにD組とは、ロック公爵の魔法学校時代のクラス、通称『劣等生しか入れないカスなD組』の事だぞ‼︎ーー
「エド、今からそっちに行くから、逃げるんじゃないわよ‼︎(本気で来そうな謎の女性)」
………パチン。
知らず知らずのうちに、俺は、箱の電源を切っていた。……過去は見てはいけない。たとえ、奴らにもう一度会いたくても、見てはいけないのだ。……見たら、何を強制させられるのかわからないからな。(トホホ)
ーーと、そこへ、チャラ男職員がやって来た‼︎ーー
「お嬢ちゃーーん、お客が来たよー‼︎」
『ーーーーっ⁉︎(な、ん、だ、と⁉︎)』
「ほんとはやっちゃいけないんだけどねー、あの、般若みたいな顔の巫女様に脅されてさー、今回だけは特別‼︎ ついでにお嬢ちゃんが可愛いから出血大サービスで、彼らには、一カ月と半月の滞在期間を付与してあげたお‼︎ 沢山褒めて褒めてー‼︎(わちゃわちゃし始めるチャラ男職員)」
「邪魔よ、チャラ男風情が。(チャラ男職員を足蹴りして、ドカドカとやってくる謎の女性巫女)」
ーーチャラ男職員は、床とこんにちはした‼︎ーー
『チャラ男ーーーー⁉︎(生きろーーー‼︎)』
俺はチャラ男職員を介抱しようとしたが、スンデのところで邪魔が入った。(嘘だろ⁉︎)
「エド、時空を超えてやって来たぞ!(謎の男)」
「十年後も全然見た目が変わらないな!(長髪男)」
「エド様、相変わらずお元気で何よりですわ。(長髪男とイチャコラしている謎の女性)」
「エド様、……お姉様はエド様のことを、とても心配されていたのですよ。(スライディング土下座でいいですわよ。 般若巫女の背後からひょっこり顔を出す謎の女性)」
「エド、言いたいことはたくさんあるけれど、一番重要な事を今から言うわ。……トルネード王国第三王妃を救出するように、パトリックへ言いなさい‼︎(謎の般若巫女)」
『ーーーーっ⁉︎ いや、でもパトリック殿下は今、霊魂の状態で浮遊してるんだぞ?(初っ端から無理な願いだ‼︎)』
「あんたには、ハイかイエスしかないのよ。(ジロリ)」
……怖いいいいい‼︎(恐怖に慄くロック公爵)
「霊魂を身体に戻す方法は教える。パトリックにも後で伝えて。……そんでもってあんたは、ギリギリまで私達をもてなす! いいわね?(ズイッと般若巫女)」
『…………ああ。(そうだろうとは思ってたぞ。)』
「前もって言っておくけど、あんたはここのものを食べては駄目だからね! 食べたら本体に戻れないし、ルカちゃんも死ぬわよ‼︎(キツめに言う般若巫女)」
『…………そういうことか‼︎(なるほど‼︎)』
「……ほんっとに、偉大なる魔法使いが聞いて呆れるわね。みんな、酒盛りよーーー‼︎」
「「「「おうよーーー‼︎」」」」
『……なあ、〇〇、何でリゲル殿下の母君を救出しなければならないんだ?(理由が聞きたいロック公爵)』
「……私たちが育てた意思が、消されそうだから。」
『………………?』
「そんなことより酒よ、酒‼︎(チャラ男職員を起こして)おいチャラ男、ありったけの酒を持ってきな‼︎(般若巫女)」
「…………ふあい‼︎(涙を流すチャラ男職員)」
「エドも突っ立ってないで、手伝いなさい‼︎」
『……おう。(チャラ男職員について行くロック公爵)』
ーーかくして、霊界空港は活気づいたのであった‼︎ーー
【おまけ】
「お姉様、……エド様が泣きそうな顔をしていましたよ。久しぶりの再会なのに、可哀想ですわ。」
「いいのよ。……エドには、まだやらないといけないことがある。……ここで、エドが思い違いを起こしてしまったら、大変なことになるんだから、早く人間界に戻りたいって思わせないといけないの。」
「お姉様……。(ほんとに不器用ですわね。)」
「そうだな! エドには、俺たちの息子の世話役をしてもらわないといけないからな!(真っ直ぐな謎の男)」
「私も同意だ! もう私の一族は、息子で最後だからね。エドには世話になってばかりだな。(謎の長髪男)」
「◆◆◆様、大丈夫ですわ。エド様も、私たちのナラも、きっとやり遂げられますよ。(長髪男にくっつく謎の女性)」
「……そうだね、◇◇◇。(微笑む謎の長髪男)」
「よおし、……みんな、エドとの最後のお別れよ! 次会う時は一切記憶が無いんだから、後悔の残らないように、死ぬ気でエドを虐めるわよ‼︎(左腕を振りかざす般若巫女)」
「「「「おうよーーー‼︎」」」」
ーーロック公爵の同期は、皆、過激なのであった‼︎ーー
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