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第壱譚(修正前)
0000:婚約破棄に国外追放⁉︎
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「マリア・ラーズベルト! 今ここに、お前との婚約を破棄にする‼︎」
トルネード王国宮殿の鏡の間。大勢の人々が行き交う大広間にて、私の婚約者である、第三王子リゲル殿下は、そう仰いました。
「…………理由を教えていただけないでしょうか?」
大勢の方々が見守る中、私は静かに口を開きます。然るべき理由がなければ、婚約破棄に同意することは出来ません。
「お前よりも、シェリー・ステビアの方が相性が良いからだ‼︎(ビシッと)」
「ーーーーっ⁉︎(息を呑む)」
鏡の間に、ピリリッとした空気が走りました。
シェリー・ステビアは、私の大切な親友なのです。
驚愕していると、リゲル殿下の背後から、私の大切な親友が現れました。
「マリア、ごめんね! リゲル殿下のこと、獲っちゃった♡(殿下にべったりくっつきながら)」
「シェリー⁉︎ ……あなた、何故なの⁉︎」
「うーーん、なんて言えばいいのかなぁ。……身体の相性っていうやつ?(笑)」
「ーーーーっ⁉︎(衝撃が走る)」
「お互いに離れられないの♡ ごめんね、マリア♡」
言葉を失うとは、このことなのでしょうか。大切な親友の言っていることが、全く信じられません。以前の彼女は、このような品性を疑うような言葉遣いなどしておりませんでした。私の前で、こんなにもリゲル殿下に対して馴れ馴れしい態度を取ったことなんて一度もありません。いつも笑顔で、朗らかで、気の利く美しい侯爵令嬢であったのに…………。シェリー、本当のあなたはどこへ行ってしまったの?
「それだけではないぞ、マリア・ラーズベルト。お前、敵対しているアデル皇国の諜報員を宮殿内へ招き入れたな。」
「ーーーーっ⁉︎ リゲル殿下。神に誓って、私はそのようなことは致しておりません‼︎(強く主張)」
「うるさい黙れ‼︎ 証拠は出揃っているんだ。よってお前は外患援助の罪で、国外追放を処す‼︎」
「待ってください! 何故、私にアデル皇国との繋がりがあるというのですか? それにもし、アデル皇国との繋がりがあったとしても、セキュリティに厚い宮殿内へ招き入れるだなんて不可能ですわ‼︎」
「これは国王陛下の勅令である。皆の者、あやつを引っ捕えよ‼︎」
「リゲル殿下ーーーーっ‼︎(絶叫)」
私は、周りに待機していた騎士達に捕えられ、商人が使用するような荷馬車に押し込まれて、アデル皇国との国境沿いにて投げ出されたのでした。
「でんかー、私達のお部屋に戻りましょうよー♡」
「そうだな、シェリー。(鼻の下伸びてる)」
「でんかー、だいすきですー♡」
「私もだ、シェリー(ニヤニヤ)」
「ごめんね、マリア♡ あはははははははははは‼︎」
騎士達に捕えられながら、最後に聞いた大切な親友の声は、まるで悪魔のようでした。
◇ ◇ ◇
星降る夜、一人森の中で夜空を見上げながら、私は今日の出来事を思い出していました。リゲル殿下は、トルネード王国のことについて、とてもよくお考えになられていました。日々のお仕事もそつなくこなし、最近では、月国との交渉も成功して、新しい産業を呼び込んだりと、たくさんの功績を残された貴重な存在なのです。私は、リゲル殿下のことをとても尊敬し、そして、……お慕いしておりました。愛しておりました。リゲル殿下も、私のことをよく気にかけてくださり、お互いに心が通じ合っているのだと、今日まで疑ったことは一度たりともございません。
何故、このようなことになってしまったのでしょうか?
神様、願わくば、ことの真実を私に教えてくださいませ。
私は心の中で神に問いかけました。
『よかろう、マリアよ。お前に真実を与えるぞよ。』
「か、神様⁉︎」
私は急いで立ち上がって、辺りをキョロキョロと見回しましたが、誰もここにはいません。
『フォッフォッフォッ。わしは神様じゃ。……わしの姿は、お主には見えんよ。』
「か、神様、……真実とは一体……。」
『そうじゃな。今ここで、おぬしに真実を一から言いたいのはやまやまであるが、生憎時間が足りんのじゃ。』
「時間ですか?」
『そうじゃ。一つ一つ説明する時間がないから、簡潔に伝えようぞ。……おぬしは将来、聖女としてトルネード王国へと返り咲くときがくる。そのときがくるまで、長い道のりになるであろうが、どんなに困難な状況であったとしても、必ず生き抜くのじゃ。』
「ーー? 神様、聖女とは一体……。」
『おっといけない、ついうっかり口が滑ってしまったわい。…………マリアよ、少しずつでいいから、今一番輝いている星に向かって、歩きなさい。……おぬしの信奉者に会えるであろうぞ。』
「神様、それは、西ですか、東ですか?」
『ときたま話に来るからあとは任せたぞよーーーー。』
「神様ーーーー‼︎」
神様という存在は、言いたいことだけ言うとすぐに、どこかへと行かれてしまいました。…………神様は、困っている人間を助けたりされないのですね。私は、西か東か、さっぱりわかりませんでしたが、とにかく一番強く輝いている星に向かって歩き出すのでした。
ーー宮殿内で何故か悪役令嬢と吹聴され、汚名を着せられた、マリア・ラーズベルト公爵令嬢は、誰も歩んだことのない道を歩き出す‼︎ーー
トルネード王国宮殿の鏡の間。大勢の人々が行き交う大広間にて、私の婚約者である、第三王子リゲル殿下は、そう仰いました。
「…………理由を教えていただけないでしょうか?」
大勢の方々が見守る中、私は静かに口を開きます。然るべき理由がなければ、婚約破棄に同意することは出来ません。
「お前よりも、シェリー・ステビアの方が相性が良いからだ‼︎(ビシッと)」
「ーーーーっ⁉︎(息を呑む)」
鏡の間に、ピリリッとした空気が走りました。
シェリー・ステビアは、私の大切な親友なのです。
驚愕していると、リゲル殿下の背後から、私の大切な親友が現れました。
「マリア、ごめんね! リゲル殿下のこと、獲っちゃった♡(殿下にべったりくっつきながら)」
「シェリー⁉︎ ……あなた、何故なの⁉︎」
「うーーん、なんて言えばいいのかなぁ。……身体の相性っていうやつ?(笑)」
「ーーーーっ⁉︎(衝撃が走る)」
「お互いに離れられないの♡ ごめんね、マリア♡」
言葉を失うとは、このことなのでしょうか。大切な親友の言っていることが、全く信じられません。以前の彼女は、このような品性を疑うような言葉遣いなどしておりませんでした。私の前で、こんなにもリゲル殿下に対して馴れ馴れしい態度を取ったことなんて一度もありません。いつも笑顔で、朗らかで、気の利く美しい侯爵令嬢であったのに…………。シェリー、本当のあなたはどこへ行ってしまったの?
「それだけではないぞ、マリア・ラーズベルト。お前、敵対しているアデル皇国の諜報員を宮殿内へ招き入れたな。」
「ーーーーっ⁉︎ リゲル殿下。神に誓って、私はそのようなことは致しておりません‼︎(強く主張)」
「うるさい黙れ‼︎ 証拠は出揃っているんだ。よってお前は外患援助の罪で、国外追放を処す‼︎」
「待ってください! 何故、私にアデル皇国との繋がりがあるというのですか? それにもし、アデル皇国との繋がりがあったとしても、セキュリティに厚い宮殿内へ招き入れるだなんて不可能ですわ‼︎」
「これは国王陛下の勅令である。皆の者、あやつを引っ捕えよ‼︎」
「リゲル殿下ーーーーっ‼︎(絶叫)」
私は、周りに待機していた騎士達に捕えられ、商人が使用するような荷馬車に押し込まれて、アデル皇国との国境沿いにて投げ出されたのでした。
「でんかー、私達のお部屋に戻りましょうよー♡」
「そうだな、シェリー。(鼻の下伸びてる)」
「でんかー、だいすきですー♡」
「私もだ、シェリー(ニヤニヤ)」
「ごめんね、マリア♡ あはははははははははは‼︎」
騎士達に捕えられながら、最後に聞いた大切な親友の声は、まるで悪魔のようでした。
◇ ◇ ◇
星降る夜、一人森の中で夜空を見上げながら、私は今日の出来事を思い出していました。リゲル殿下は、トルネード王国のことについて、とてもよくお考えになられていました。日々のお仕事もそつなくこなし、最近では、月国との交渉も成功して、新しい産業を呼び込んだりと、たくさんの功績を残された貴重な存在なのです。私は、リゲル殿下のことをとても尊敬し、そして、……お慕いしておりました。愛しておりました。リゲル殿下も、私のことをよく気にかけてくださり、お互いに心が通じ合っているのだと、今日まで疑ったことは一度たりともございません。
何故、このようなことになってしまったのでしょうか?
神様、願わくば、ことの真実を私に教えてくださいませ。
私は心の中で神に問いかけました。
『よかろう、マリアよ。お前に真実を与えるぞよ。』
「か、神様⁉︎」
私は急いで立ち上がって、辺りをキョロキョロと見回しましたが、誰もここにはいません。
『フォッフォッフォッ。わしは神様じゃ。……わしの姿は、お主には見えんよ。』
「か、神様、……真実とは一体……。」
『そうじゃな。今ここで、おぬしに真実を一から言いたいのはやまやまであるが、生憎時間が足りんのじゃ。』
「時間ですか?」
『そうじゃ。一つ一つ説明する時間がないから、簡潔に伝えようぞ。……おぬしは将来、聖女としてトルネード王国へと返り咲くときがくる。そのときがくるまで、長い道のりになるであろうが、どんなに困難な状況であったとしても、必ず生き抜くのじゃ。』
「ーー? 神様、聖女とは一体……。」
『おっといけない、ついうっかり口が滑ってしまったわい。…………マリアよ、少しずつでいいから、今一番輝いている星に向かって、歩きなさい。……おぬしの信奉者に会えるであろうぞ。』
「神様、それは、西ですか、東ですか?」
『ときたま話に来るからあとは任せたぞよーーーー。』
「神様ーーーー‼︎」
神様という存在は、言いたいことだけ言うとすぐに、どこかへと行かれてしまいました。…………神様は、困っている人間を助けたりされないのですね。私は、西か東か、さっぱりわかりませんでしたが、とにかく一番強く輝いている星に向かって歩き出すのでした。
ーー宮殿内で何故か悪役令嬢と吹聴され、汚名を着せられた、マリア・ラーズベルト公爵令嬢は、誰も歩んだことのない道を歩き出す‼︎ーー
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