フィックスド辺境伯家の秘密(代表作:元夫の隠し子は、私が立派に育ててみせます‼︎)

星 佑紀

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とある暴走族のリーダー、就職する‼︎

0035:コレクトの本音

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⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸母屋会議室。

「あああある、……えっ? どどどういう事なの?(頭が混乱していてオロオロしているコレクト)」

「言葉通りだ。……暴力女オリビアに先を越された私は、その晩、学生寮の一室に接続していた私の実家の自室にてコレクトと……。(とてもさらりと言う裏当主)」

「ああああ、もういいよ! わわ分かったから‼︎(必死で裏当主の口を自身の両手で塞ぐコレクト)」

「むがっ、……むぐうっ‼︎(止められて少々不機嫌裏当主)」

「……未成年同士で一線を超えちゃったんだ。(ドン引き殿下)」

「ま、まあ、……ニホンでは、十四歳で結婚している夫婦もいるからな! たぶん、大丈夫だ! ただ、……夫婦生活を営み出すのは、もう少し経ってからだが、……おそらく大丈夫だ‼︎(額に汗をダラダラ流しながらも必死にフォローしているサネユキ)」

「(コレクトの両手を振り払って)ああ、その時には、コレクトも成人を迎えているから、身体的にも心配無いぞ。オリビアよりも、三歳年上だ。(何故かドヤ顔の裏当主)」

「いや、でも、……だからって、……私は、そんなの覚えて無いんだよ⁉︎(上目遣いで裏当主に詰め寄るコレクト)」

「……一応、記録を撮ってあるが、見てみるか?」

「見ないよ‼︎ アルのバカーー‼︎(両目に涙を沢山溜めて裏当主に自ら抱きつきに行くコレクト)」

「…………。(ひっしとコレクトを抱きしめる裏当主)」

「……こんなのおかしいよ。……最近アルと関係を持った時に、アルがとても慣れた手つきでスッゴクテクニシャンだったから、……夜な夜な沢山の女性とイチャコラしてるんだなって、嫉妬してたのに……。……アル、……私以外で関係を持った人は、あとは誰なの⁉︎ メアリー⁉︎ フローレンス家のメイドさん⁉︎ ちゃんと言ってよ⁉︎(ややヒステリックなコレクト)」

「…………コレクトただ一人だ。(目頭が熱い裏当主)」

「それは、ホントなの⁉︎ 嘘じゃないの⁉︎ スッゴク気持ちよかったってことは、経験人数豊富ってことだよね⁉︎(裏当主に詰め寄るコレクト)」

「コレクトとしかしていない。……一途だからな。」

「アル……。(顔を真っ赤に赤らめるコレクト)」

「学生時代から、ほぼ毎日コレクトとやっていた。……他の誰かが入り込む隙なんて、与えてたまるか。(ギュッとコレクトを抱きしめる裏当主)」

「……あるううううっ‼︎(裏当主の胸に顔を押し付けて泣きじゃくるコレクト)」

「……。(穏やかな表情でコレクトを見つめる裏当主)」

「…………ねえねえ、僕達、何を見せられているんだろうね。(色々ついていけてない殿下)」

「私もよくわからん。……だが、トルネード王国は、なかなかヤバい国だと言う事は、これでもかと言うくらいには、分かったぞ。(爽やかサネユキ)」

「……サネユキ様、これは、かなりイレギュラーなケースです。俺や殿下を同族と思わないでくださいよ。……というか、さりげなくアルバートさん、……犯罪級なことをサラッと言っていませんでしたか?(目ざといノア)」

「ただの聞き間違いだよ。(現状逃避殿下)」

「そうだぞ。……なにかの空耳だ。(サネユキ)」

「アル、……ほぼ毎日って、流石にやりすぎじゃない?(少し冷静さを取り戻すコレクト)」

「「「──っ‼︎(何故か戦々恐々とする三人)」」」

「いや、……本当は、一回限りで終わるはずだったんだが、……毎晩毎晩、コレクトが誘ってくるから致し方無かったのだ。……すまなかった。(少しバツが悪い裏当主)」

「そうだったんだ。……私こそごめんなさい。……でも、しょうがないと思うよ。だって、アルが上手すぎるんだから、病みつきになっちゃうもん。……昨日だって我慢できずにその、ほんのちょっとだけやっちゃったし……。(モジモジするコレクト)」

「そうだな。……ここ一カ月は、殆ど寝てないもんな。……今日はお休みするか。(コレクトをいたわる裏当主)」

「なんでだよ⁉︎ 今日もやるからね!(コレクト)」

「ああ……。(顔を赤らめる裏当主)」

「えっ? 全然自重してないじゃん。(ドン引き殿下)」

「……よくわからんが、毎日必要なのか?(サネユキ)」

「……サネユキ、……それを聞くのは、野暮ってもんだよ。(ドッと疲れが出た殿下)」

「ハハっ、確かにそうだな‼︎(爽やかサネユキ)」

「……このマイワールドに浸って、周りが見えない雰囲気、……俺がフローレンス家で見たコレクト様とメアリーさんのムードそのまんまだな。……おそろしい。これが、無自覚天然辺境伯の業。……コレクト様、……冗談抜きで、これが、奥様に対する裏切りだと気がついていないのか。(誰よりも引いているノア)」

「(シュパパッと三人に顔を向けて)ノア君、パトリック殿下、サネユキ殿、……今まで心配かけて、ごめんなさい。(ペコリと頭を下げるコレクト)」

「……。(無言で一緒に頭を下げる裏当主)」

「いえ、心配なんて一切していませんが。(ノア)」

「実は、……私は、……ずっと、アルのことを愛してしまっていて、……でも、男である自分が、アルのことを幸せになんて出来ないって、自身に暗示をかけて逃げていた。……アルに惹かれる自分が許せなかった。……だから、心が踊るオリビアと一緒になっても、ずっと、アルと一緒に一緒のお布団で寝て、……いつも、一緒に行動して、……あんなことやそんなことまでして、……オリビアを傷つけてしまった。(少しずつ声のトーンが落ちていくコレクト)」

「そうですね。奥様に対して、かなり裏切り行為をしていると思います。だから、俺に、奥様とアルト君を任せて頂ければ、コレクト様もアルバートさんと一緒になって、みんなハッピーになれますよ。(ここぞとばかりに畳み掛けるノア)」

「いや、それは、出来ない。……私は、オリビアに対して申し訳ないことをしてしまった。……だから、オリビアには、全ての真実を洗いざらい話すと決めた。そして、アルの実家に、オリビアとアルトも一緒に連れて行って、四人で仲良く幸せに暮らすんだ。(とても楽天的なコレクト)」

「──っ⁉︎(言葉が出ないノア)」

「そうだな。……それなら、アルトも一緒にいられるし、コレクトも暴力女と時たまお茶会できる。……一石三鳥ではないか。(何故かノってくる裏当主)」

「そうでしょ、そうでしょ‼︎ 明日からは、皆で幸せになれるように頑張るから、ノア君も、私達のことは心配せずに見守っていてね‼︎(向日葵のように微笑むコレクト)」

「──っ⁉︎(いやいや、おかしいだろ⁉︎ 先輩の気持ちは、どうなるんだよ⁉︎ ふざけるなよ⁉︎ 心の中が超絶ヤンキーなノア)」

⭐︎ すると、そこへ、モヒカン頭のお客様がやってきた‼︎

「チワーッス‼︎ アニキ、久しぶりっス‼︎(ふっさふさなモヒカン青年)」

「……っ‼︎ キースっ⁉︎ 久しぶりだな‼︎(ノア)」

「ウッス! ちょっち、家の仕事が入りまくってて、デモ会にも参加出来ずに申し訳ない限りっス‼︎ すんません‼︎(ノアに頭を下げるモヒカン)」

「いいよ、いいよ、俺も、途中から参加したからさ。……それより今、ちょっと立て込んでいるから、後でゆっくり話を……。」

「おい、キース、……はどうしたんだ?(仕事顔の裏当主)」

「えっ⁉︎ あ、兄上⁉︎(裏当主を見てびっくりモヒカン)」

「「「兄上⁉︎(モヒカンを見て驚愕な三人)」」」

「あれ? キース君じゃないか‼︎(にっこりコレクト)」

「「「──っ⁉︎(言葉が出ない三人)」」」

⭐︎ ノアの謎に満ちた元暴走族仲間、突如現る‼︎
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