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とある暴走族のリーダー、就職する‼︎
0023:ノアの恋敵
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⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯邸、母屋応接間の入口。丁度当主であるノアと、パトリック殿下がやってきたところ。
「パトリック殿下も、入りますか?(ノア)」
「うん。色々積もる話もあるからね。(殿下)」
「…………。(複雑な表情のノア)」
「いや、早く開けなよ!(ジト目殿下)」
「だって、……だって……。(扉を開けたくないノア)」
「ノアが開けないなら、僕が開くからね。(殿下)」
⭐︎ すると、殿下がペシっとノアをどかしてから、応接用の扉を開いた!
ガチャっ!
「こんにちはーー‼︎ フローレンス辺境伯、お久しぶりだねーー‼︎(元気よく声をかける殿下)」
「(ガタンッと勢いよく椅子から立ち上がって)パトリック殿下に、ノア君、お久しぶりです‼︎(身体を直角に曲げてお辞儀をするコレクト・フローレンス辺境伯)」
「……お久しぶりです。(困り眉のノア)」
みなさん、ごきげんよう。先程までデモ活動をしていたノアです。デモ集会の解散後、俺とパトリック殿下は、とある鳩クルピッピさんの伝言を聞いてから、急いでフィックスド邸に戻ってきました。そして今、俺とパトリック殿下の前に立っているお方が、フィックスド領の北側に位置するフローレンス辺境伯領の当主コレクト様です。
「ノア君、今日は殿下と一緒にデモをしたんだって? めちゃくちゃすごいじゃないか!(立ちっぱなしでノアに話しかけるコレクト)」
「いえいえ、それほどでも……。(複雑なノア)」
今日のコレクト様は、やけに両目の下のクマが酷い。そんでもって、顔色も以前の頃より青白くて不健康だ。身体つきも、先日よりも痩せ細ってて、何か大きな病にでもかかってしまったのかと思うほどに、体調が悪そうに見えてしまう。
「コレクト様、どうぞ椅子に座ってください。(ノア)」
「ああ、ありがとう。(微笑みながら腰掛けるコレクト)」
俺達も座って、コレクト様のお話を聞いてみよう。
「殿下もいつものお椅子に座ってくださいね。」
「うん。遠慮なく。(一人がけの椅子に腰を下ろす殿下)」
「(自身もいつもの席に座って)それでは、コレクト様、……今日は、どういったご用件でしょうか?(ノア)」
ちなみに、コレクト様は、俺達がやろうとしている『首都圏活性化税(辺境伯民に増税をかける政策)』に対する対策を、いの一番に褒めてくださった稀有なお方である。尚且つ、フローレンス辺境伯領も、俺達の対策と足並みを揃えようとしてくれて、つい先日も、同盟契約書を持って来てくれた、数少ない理解者だったりする。
だがしかし、俺は、コレクト様の事が苦手だ。それだけじゃない。コレクト様の事を、とても嫉妬したり、憎んでいる。なぜかというと……。
「ノア君、見てくれ! 一昨日撮影した、オリビアとアルトの写真だ!(不健康な顔ながらも微笑むコレクト)」
「……わあ、……アルト君をおんぶした奥様が、とても楽しそうに薪割りしていますね。(滝のような汗を流すノア)」
「そうなんだ。とっても可愛いだろ?(嬉しいコレクト)」
何がそうなんだよ! 俺の一目惚れである先輩に、……こんな、力仕事をさせやがって‼︎(怒りに震えるノア)
「一応、今日も焼き増ししてるから、ノア君もいるか?」
「是非、頂きます!(コレクトが持っていた写真を、サッと抜き取るノア)」
「あはははは! ノア君は、そんなにアルトの事が好きなのか! 俺のセガレは、最高だろ?(目の下はクマだけど、かなり上機嫌のコレクト)」
「はい……。(言えない。コレクト様の奥様のお写真が欲しいだなんて、絶対に言えない。 心中が荒れ模様のノア)」
コレクト様は、俺ら部外者には、とても優しいお方だ。領地の仕事も一通りできるし、なんなら、俺も、結構コレクト様に教えてもらったことは、たくさんある。……だがしかし、……コレクト様って、奥様(僕から見たらアルバイト先の先輩)がいながら、奥様のご親友と浮気をしているんだよ。……許せない。……俺の先輩を泣かせる男を、俺は絶対に許さないぞ!(怒りに燃え広がるノア)
「最近メアリーが全然顔を見せてくれないから、いつの間にかオリビアとアルトの写真が沢山貯まってしまった。……オリビア、かわいいな。(ボソッと小声で呟くコレクト)」
「──っ⁉︎(やっぱり、コレクト様も先輩のことが……⁉︎)」
そんでもって、……コレクト様は、浮気をしている癖に、何故なのか先輩とアルトのことは、かなり大好きだった。そんなコレクト様に、隣にいらっしゃる殿下が噛みつく。
「コレクト君、前からずっと言ってるけど、浮気・不倫は駄目だからね!(お怒り殿下)」
「……。(無言でとある女性の写真を渡すコレクト)」
「流石コレクト君、わかっているじゃないか!(ご満悦)」
「いえいえ、マリア嬢のお写真を一生懸命に集めただけですので!(微笑みのコレクト)」
「それで、今日は一体どうしたの?(懐柔される殿下)」
いやいや、買収されてるうー⁉︎ 殿下、しっかりしてくださいよーー⁉︎
「実は俺、誰かに命を狙われているんです。(コレクト)」
「「────っ⁉︎(驚く殿下とノア)」」
このコレクト様のお言葉を、もっと真剣に聞いておけば、結果がもう少しマシになったのかもしれない。
⭐︎ フィックスド辺境伯領の隣で、何かが起こっている?
「パトリック殿下も、入りますか?(ノア)」
「うん。色々積もる話もあるからね。(殿下)」
「…………。(複雑な表情のノア)」
「いや、早く開けなよ!(ジト目殿下)」
「だって、……だって……。(扉を開けたくないノア)」
「ノアが開けないなら、僕が開くからね。(殿下)」
⭐︎ すると、殿下がペシっとノアをどかしてから、応接用の扉を開いた!
ガチャっ!
「こんにちはーー‼︎ フローレンス辺境伯、お久しぶりだねーー‼︎(元気よく声をかける殿下)」
「(ガタンッと勢いよく椅子から立ち上がって)パトリック殿下に、ノア君、お久しぶりです‼︎(身体を直角に曲げてお辞儀をするコレクト・フローレンス辺境伯)」
「……お久しぶりです。(困り眉のノア)」
みなさん、ごきげんよう。先程までデモ活動をしていたノアです。デモ集会の解散後、俺とパトリック殿下は、とある鳩クルピッピさんの伝言を聞いてから、急いでフィックスド邸に戻ってきました。そして今、俺とパトリック殿下の前に立っているお方が、フィックスド領の北側に位置するフローレンス辺境伯領の当主コレクト様です。
「ノア君、今日は殿下と一緒にデモをしたんだって? めちゃくちゃすごいじゃないか!(立ちっぱなしでノアに話しかけるコレクト)」
「いえいえ、それほどでも……。(複雑なノア)」
今日のコレクト様は、やけに両目の下のクマが酷い。そんでもって、顔色も以前の頃より青白くて不健康だ。身体つきも、先日よりも痩せ細ってて、何か大きな病にでもかかってしまったのかと思うほどに、体調が悪そうに見えてしまう。
「コレクト様、どうぞ椅子に座ってください。(ノア)」
「ああ、ありがとう。(微笑みながら腰掛けるコレクト)」
俺達も座って、コレクト様のお話を聞いてみよう。
「殿下もいつものお椅子に座ってくださいね。」
「うん。遠慮なく。(一人がけの椅子に腰を下ろす殿下)」
「(自身もいつもの席に座って)それでは、コレクト様、……今日は、どういったご用件でしょうか?(ノア)」
ちなみに、コレクト様は、俺達がやろうとしている『首都圏活性化税(辺境伯民に増税をかける政策)』に対する対策を、いの一番に褒めてくださった稀有なお方である。尚且つ、フローレンス辺境伯領も、俺達の対策と足並みを揃えようとしてくれて、つい先日も、同盟契約書を持って来てくれた、数少ない理解者だったりする。
だがしかし、俺は、コレクト様の事が苦手だ。それだけじゃない。コレクト様の事を、とても嫉妬したり、憎んでいる。なぜかというと……。
「ノア君、見てくれ! 一昨日撮影した、オリビアとアルトの写真だ!(不健康な顔ながらも微笑むコレクト)」
「……わあ、……アルト君をおんぶした奥様が、とても楽しそうに薪割りしていますね。(滝のような汗を流すノア)」
「そうなんだ。とっても可愛いだろ?(嬉しいコレクト)」
何がそうなんだよ! 俺の一目惚れである先輩に、……こんな、力仕事をさせやがって‼︎(怒りに震えるノア)
「一応、今日も焼き増ししてるから、ノア君もいるか?」
「是非、頂きます!(コレクトが持っていた写真を、サッと抜き取るノア)」
「あはははは! ノア君は、そんなにアルトの事が好きなのか! 俺のセガレは、最高だろ?(目の下はクマだけど、かなり上機嫌のコレクト)」
「はい……。(言えない。コレクト様の奥様のお写真が欲しいだなんて、絶対に言えない。 心中が荒れ模様のノア)」
コレクト様は、俺ら部外者には、とても優しいお方だ。領地の仕事も一通りできるし、なんなら、俺も、結構コレクト様に教えてもらったことは、たくさんある。……だがしかし、……コレクト様って、奥様(僕から見たらアルバイト先の先輩)がいながら、奥様のご親友と浮気をしているんだよ。……許せない。……俺の先輩を泣かせる男を、俺は絶対に許さないぞ!(怒りに燃え広がるノア)
「最近メアリーが全然顔を見せてくれないから、いつの間にかオリビアとアルトの写真が沢山貯まってしまった。……オリビア、かわいいな。(ボソッと小声で呟くコレクト)」
「──っ⁉︎(やっぱり、コレクト様も先輩のことが……⁉︎)」
そんでもって、……コレクト様は、浮気をしている癖に、何故なのか先輩とアルトのことは、かなり大好きだった。そんなコレクト様に、隣にいらっしゃる殿下が噛みつく。
「コレクト君、前からずっと言ってるけど、浮気・不倫は駄目だからね!(お怒り殿下)」
「……。(無言でとある女性の写真を渡すコレクト)」
「流石コレクト君、わかっているじゃないか!(ご満悦)」
「いえいえ、マリア嬢のお写真を一生懸命に集めただけですので!(微笑みのコレクト)」
「それで、今日は一体どうしたの?(懐柔される殿下)」
いやいや、買収されてるうー⁉︎ 殿下、しっかりしてくださいよーー⁉︎
「実は俺、誰かに命を狙われているんです。(コレクト)」
「「────っ⁉︎(驚く殿下とノア)」」
このコレクト様のお言葉を、もっと真剣に聞いておけば、結果がもう少しマシになったのかもしれない。
⭐︎ フィックスド辺境伯領の隣で、何かが起こっている?
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