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とある暴走族のリーダー、就職する‼︎

0022:デモ集会解散!

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⭐︎ ここは、フィックスド辺境伯領のとある街中に建てられた『首都代理市役所』の目の前にある小さな広場。


「みんなー、本日最後のデモだよーー‼︎(パト殿下)」

「「「ラジャーー‼︎(愉快な仲間達)」」」

「とにかく、市民の、……特に、首都の国民の生活を、陰で支えている辺境地の民に増税するのは、大反対だ‼︎(相変わらず、とある女性のプラカードを掲げる殿下)」

「「「増税反対!(愉快な仲間達)」」」

⭐︎ 若者達の強い声が、小さな広場に鳴り響く!

「それじゃあ、首都代理市役所側のアルベル君も、ありったけの思いの丈を吐いちゃって‼︎(さりげなく税務官アルベルを一番前例に誘導する殿下)」

「で、ですが殿下……。(これが上官に知られると、明日から無職なんですよ……。 かなり悩むアルベル)」

「大丈夫、大丈夫! もし、このデモが原因で税務官を辞めることになったら、僕の商会で働けばいいんだから! 崖から飛び降りるつもりで言ってみなよ!(きゅるるん殿下)」

「……そうですね。……(轟きわたる声で)首都の貴族様達が、無理難題を言って来て、各代理市役所はてんてこ舞いだあああーーー! 税金全般に関して、素人が口を出さないでくれええ‼︎(タガが外れたアルベル)」

「「「税務官、大変そう‼︎(同情する仲間達)」」」

「そうだね。……これから先、増税する事が決定して実際に増税が始まると、一番忙しくなるのは、市役所のお役人達だ。……特に市役所の窓口に立つ人は、国民からの厳しい声の矢面に立たされるわけだからね。……増税を断固阻止して、市役所の事務作業を、これ以上増やさせないぞーーー!(左腕を突き上げる殿下)」

「「「増税反対‼︎(殿下以外のデモ員達)」」」

「よし、パトリック、……もう少しで、日が落ちる。今日はこれくらいでいいだろう。(サネユキ)」

「そうだね。みんな、今日は、わざわざお仕事をお休みして、僕のデモ活動に参加してくれて、本当にありがとう。今後も引き続き増税を阻止するまで続ける予定だから、次回も協力してくれたらとてもありがたいです。最後に、デモの解散後、みんなが首都側の密偵から狙われる可能性があって、とても危険だから、今から約一カ月は、僕が用意している宿泊場所で待機していてほしい。お仕事に関しても、僕が話をつけておくから、宿泊場所の中でしてね。(慎重殿下)」

「「「ラジャー‼︎(気持ちを引き締める皆)」」」

「ありがとう。それじゃあ、サネユキ、みんなを場所へ誘導してあげて。(殿下)」

「ああ! 任せておけ‼︎(頷くサネユキ)」

「ということで、今日は解散! お疲れ様!(殿下)」

「「「お疲れ様っス‼︎(愉快な仲間達)」」」

「では、パトリックのご友人殿、今すぐ私達の隠れ家に向かうから、ついてきてくれ。(サネユキ)」

「「「お願いします!(内心安心感が強い皆)」」」

「アルベル君も、後の事は、僕がいい感じにやっておくから、サネユキについて行って。(殿下)」

「……ありがとうございます、パトリック殿下。(うるうるの税務官アルベル)」

「うんうん、今後に期待しているからね。(微笑み殿下)」

⭐︎ デモ員達と税務官アルベルは、殿下とノアにお別れの挨拶をしながら、サネユキの後を追うのであった。

「「「パトリック殿下と、アニキ、今日はありがとうございました‼︎(律儀な仲間達)」」」

「うんうん、お礼はいいからね。あと変な輩には、要注意だよ。(にっこり殿下)」

「みんなー、気をつけてなー‼︎(ノア)」

「「「ラジャーー‼︎(お別れする仲間達)」」」

⭐︎ 首都代理市役所の前には、殿下とノアの二人が残った!

「ノアもお疲れ様、お家に帰ってゆっくりしなよ。」

「では、そうさせていただきます。パトリック殿下、お疲れ様でした。(やったー! 今日は反省会無いぞ! ノア)」

⭐︎ すると、そこへ一羽の鳩が、ノアの頭の上に降り立った!

『クルックルウ!(お客が待っとるで。 ジト目鳩)』

「「────っ⁉︎(ノアとパトリック殿下)」」

「殿下……。(息を呑むノア)」

「うん。……鳩っち、お客様は人でいいのかな?(殿下)」

『クルックウ!(そうやで。 ジト目鳩)』

「わかった。……ノア、とりあえず、アルベル君の方は一旦保留にして、一緒に辺境伯邸へ帰るよ。(殿下)」

「そうですね。……行きましょうか。(オーマイガーー⁉︎ 内心休憩したいノア)」


⭐︎ ノアは、乗って来た自転車を押しながら、パトリック殿下と一緒に、来た道を戻るのであった‼︎




【おまけ】

⭐︎ ここは、トルネード王国、首都『王城』

⭐︎ その王城内の中心に位置する、トルネード国王、謁見の間『トルネードアイズ』に、チャラい風貌をした警察官が、とある首都貴族『ステビア侯爵』を引き摺りながらノコノコ入って来た!

「チーーッス、ラーズベルト公爵に国王陛下、お疲れ様っス‼︎(謎のチャラ男警察官ロベルト)」

「ロベルト君⁉︎ ……えっ⁉︎ ステビア侯爵も一緒なの⁉︎(かなり驚いているラーズベルト公爵)」

「……。(困惑顔な国王陛下)」

「ウッス! 今日、たまたま、パトリック殿下がデモをしてたんで、面白そうだから参加してたら、大きなの匂いを嗅ぎつけたんで、しょっぴいて来たっス‼︎(なかなかくだけた口調のロベルト)」

「────っ⁉︎(えええ⁉︎ 色々時間をかけて証拠集めをしていたのにーー⁉︎ 複雑な心境のラーズベルト公爵)」

「ロベルト、……の事は後でいい。……パトリックは、元気そうだったか?(国王陛下)」

「ウッス! パトリック殿下は、フィックスド領の若い領民を率いて、立派にステビア侯爵と渡り合っていましたよ‼︎ それはもう、男でも惚れ惚れするぐらいには、しっかりと、なされてました‼︎(ドヤ顔のチャラ男ロベルト)」

「そうか。(、約束通りパトリックは、自身の力で地道にやっておりますぞ。 無表情を崩さない国王陛下)」

「ロベルト君、……その、ステビア侯爵の息は、まだあるんだよね?(とても心配しているラーズベルト公爵)」

「当たり前っすよ! こんな汚い輩の為に、自分の手を汚すだなんて、俺には出来ないっす‼︎(渋顔のロベルト)」

「そ、それならよかった。(安心したああああ! もしステビア侯爵の息が切れてたら、反乱分子を調べる事がかなり難しくなるところだったよ! 安堵しまくりの公爵)」

「あと、これが、この貴族様の、汚職資料っすよ‼︎(ラーズベルト公爵に、分厚い封筒を手渡すチャラ男ロベルト)」

「ああああ、ありがとうね。(すごいな。やっぱり、現地の人たちの情報網の利便性は計り知れない。 感心のノア)」

「……ということは、もう、『首都圏活性化税』を進めなくてもいいのだな。(国王陛下)」

「そうですね。そうなりますね。(ラーズベルト公爵)」

「そういえば、どうして国王陛下は、首都圏活性化税をやろうとしてたんですか?(ロベルト)」

「ああ、それはだな……。(国王陛下)」

「全ての汚職に関する事柄を引出す為のです。(公爵)」

「おとり?(チャラ男警察官ロベルト)」

「そうです。……かなりずっと前から、ステビア侯爵の動向が怪しかったのですが、その動きを証明するような証拠が無かった。だから、今回、ステビア侯爵たっての新しい政策に乗ったように見せかけて、証拠を得るように、各方面に働きかけていたのですが、……パトリック殿下とロベルト君に、一歩先を越されてしまったようですね。(微笑む公爵)」

「そっスね! いやー、なんか申し訳ないっス‼︎(なかなかドヤ顔でとてもチャラいロベルト)」

「いい。……ロベルト、今回、ありがとう。だがしかし、これ以上、ロベルトを危険に晒すつもりは、毛頭ない。ロベルト、無理しなくていいんだからな。(優しげの国王)」

「国王陛下、ラーズベルト公爵、……悪いですが俺は、孤児だった頃に、お二人に助けられたお陰で、良い暮らしが出来てるんです! 俺の忠誠心をみくびらないでくださいよ‼︎(真面目な事を言っているが見た目はチャラいロベルト)」

「ああ。(うるうるお目々の国王陛下)」

「……。(じーーんとくるラーズベルト公爵)」

「お二人から非難されても、俺は、トルネードを良くする為に、勝手にやってるだけなんで。それでは、失礼するっス‼︎(速やかにステビア侯爵をドサっと置いて出るロベルト)」

⭐︎ チャラ男警察官ロベルトは、一人退出した。


「……アレックス、後は頼んだぞ。(国王陛下)」

「はい、陛下。(深くお辞儀をするアレックス公爵)」

「ユエとの関わりが、証拠として出ていればいいんだがな。(渋いお顔の国王陛下)」

「陛下。あくまで中庸の考えを持ってください。……陛下はこれからも、月国王との関係を良好にしていなければ、月国王に逃げられます。……亡くなった同期達の為にも。」

「……そうだな。(言葉が詰まる国王陛下)」

「それに、……これは、私の勘ですが、……ユエは、何かを隠しています。その何かがわからないから、同期達が軒並み逝ってしまいましたが。……私は、古代の古文書をもう一度深く、あたってみます。ですから陛下は絶対に、ユエの味方でいてください。(ラーズベルト公爵)」

「……わかった。(覚悟を決めた顔の国王陛下)」

「私も仕事の為下がりますが、……陛下、もうすぐからのノア君に、例の引き継ぎがあります。……変装して陛下も拝見しに行きましょうね。(ラーズベルト公爵)」

「ああ。……楽しみだな。(目が煌めく国王陛下)」

「では、失礼します。(サッと退出する公爵)」

⭐︎ トルネードアイズには、深く目を瞑る国王だけがいた。


「兄上、、皆、……なぜ私達だけを残して、先に逝ってしまったのですか。(左目から雫が溢れ落ちる国王陛下)」


⭐︎ ……国王陛下に応える声は、何もないのであった。
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