フィックスド辺境伯家の秘密（代表作：元夫の隠し子は、私が立派に育ててみせます‼︎）

とある暴走族のリーダー、就職する‼︎

0007：救出作戦

　──ここは、フィックスド領一の郵便局裏。──


『サネユキ、ヘルプミー！（つぶらな瞳の八咫烏）』

「……わかった。行こう。（やはり、ただでは済まなかったか。　何かを知っているサムライ男）」

「サネユキ殿、……パトリック殿下に何があったのですか？（心配している郵便局長）」

「…………ちょっと、ここフィックスド辺境伯領のことについて調べていたのだが、当主に見つかってしまったのかもしれない。（青褪めてるサムライ男）」

「そんな……。（ショックを受ける局長）」

「とにかくみなさん、……私は、大事な用事ができてしまった。今回の打ち上げは、残念ながら……。」

「お待ちください。（キリッとしたとある女性）」

「…………？（サムライ男）」

「パトなんとやら様達の救出に関して、私もお手伝い致しますわ！（キリッと女性）」

「「「「──っ⁉︎（戸惑いを隠しきれない男達）」」」」

「ここであったのも、何かの縁。……私に出来ることがあれば、仰ってくださいませ！（女性）」

「……。（なんて覚悟のある人なんだ。　サムライ男）」

「俺も、手伝います！（女性に続くハリー）」

「俺も、手伝います！（ヘンリー）」

「……私も、パトリック殿下には、たくさんお世話になっていますので、手伝いますよ！（局長）」

「みなさん、……ありがとう。（感動するサムライ男）」

「それで、カラスさん、……そのパトなんとやら様は、何処に？（キリッとしたとある女性）」

『フィックスドヘンキョウハクノ、オヤシキ。チカ。ドクボウ。（つぶらな瞳の八咫烏）』

「成程、フィックスドさんというお方の地下に泥棒さんと一緒にいるということですわね。危険だわ。（ごく普通の家で泥棒に捕まっていると勘違いしている、とある女性）」

「一刻も争う事態だ。……みなさん、私は、先にパトリック達の場所に向かいます。今回は、強敵な泥棒さんが、首謀者の可能性がありますので、お屋敷には私一人で、入ります。……みなさんの中で、やや大きめの広場で、何かあった時に隠れられるような場所を知っている方はいらっしゃいませんか？（もし、泥棒さんに追いかけられても、安全に対処できるようにしたい。　大真面目サムライ男）」

「……！　それなら、とある裏山に、大きなキャンプ場がありますよ！（ハリー）」

「大量の天幕を設置していますので、隠れることも可能です！（さりげなく、サムライ男にメモ用紙に書いた地図を渡すヘンリー）」

「────っ！　ありがとう。……急いでパトリック達をこのキャンプ場に連れてくるから、みなさんは、先にキャンプ場へ向かっててほしい。（サムライ男）」

「「「「はい！（女性、局長、ハリー、ヘンリー）」」」」

「それでは、みなさん。……数刻後に会いましょう。（ドロンと消えるサムライ男）」

「「「────っ⁉︎（びっくり女性と双子）」」」

「それじゃあ、私達も、キャンプ場へ向かいますか。（三人に言う局長）」

「はい！（とある女性と双子達）」

「移動手段が自転車しかないので申し訳ないのですが、急ぎましょう！（キリッとした局長）」

「「「はい！（同意する三人）」」」


　──四人は急いで出発した！──



　◇　　◇　　◇



　──ところ変わって、ここは、フィックスド家地下。──


「…………。（黙々と床の石タイルを凝視するノア）」

「…………アニキ、……あの。（モヒカン青年）」

「キースモヒカン、喋らなくていい。……毒ガスを吸い込むぞ。（何故かガスマスクを装着しているノア）」

「…………。（いやいや用意周到だな！　モヒカン）」

「叔父上の十八番が、毒ガスで、昔よくやっててな、……地下に入る時には、必ず用意してから入るようにしてるんだ。（何食わぬ顔のノア）」

「…………。（アニキ……。　複雑なモヒカン）」

「それと、……（とある床石を下に押し込んで）何故か叔父上は、毒ガスを吸うのが、趣味らしい。（ノア）」


　──すると、独房内のちょっとした壇が大きく盛り上がって、何故だか、とある男性が意識不明で出てきたではないか！──


「────っ⁉︎（えええええ⁉︎　フィックスド辺境伯、どうしちゃったの⁉︎　困惑モヒカン）」


「俺が、毒ガスと戦っている時、叔父上は、毒ガスで気絶してるんだよなー。（さも普通のような感じのノア）」

「…………。（意味がわからない。……どう言った意味で、フィックスド辺境伯は、一緒に毒ガスを受けてるの⁉︎　何が正しいのか、わからなくなってきたモヒカン）」

「とにかく、この独房は、床石のパズルを解けば、出口が出てくるから、キース、片っ端から押していってくれ。（的確な指示を出すノア）」

「……ラジャー。（やっぱり、アニキは、……）」


　──と、そこへ、毒ガスとは違った煙とともに、一人のサムライ男が、何処からともなく現れた！──

　──全床石が、木っ端微塵に砕け散ってしまったが。──


「「────っ⁉︎（びっくりノアとキース）」」

「はじめまして！　パトリックと君達を助けに来た、サネユキだ！　よろしく！（とあるサムライ男）」

「「…………⁉︎（どういうこと？　ノアとキース）」」


　──独房から脱出する為の大事な装置、床石が砕けた状態で、ノア、パトリック殿下、キース、フィックスド辺境伯、そして、謎のサムライ男は、如何にして対処していくのだろうか⁉︎──